六角精児の呑み鉄本線・日本旅
『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』(ろっかくせいじののみてつほんせんにほんたび、通称:呑み鉄本線、呑み鉄)は、NHK BSプレミアム4KとNHK BSで放送されている日本のテレビ番組で、旅・鉄道・紀行番組。俳優でミュージシャンでもある六角精児の初の冠番組でもある。 2015年4月にBSプレミアムで放送開始、2022年春からはBS4Kでの放送も開始した。2023年12月1日のBS1とBSプレミアムの統合に伴い誕生したNHK BS及びBSプレミアム4Kへと移行し、2024年夏現在は、BSプレミアム4Kでの放送が先で本放送、NHK BS(2K)での放送が数日後で再放送という位置づけになっている。放送される曜日、時間などは決まっておらず、年に4 - 5本のペースで放送されている。年末年始には総合テレビなどで集中的に再放送されることもある。 概要鉄道ファンのジャンルとして「乗り鉄」、「撮り鉄」などの言葉は一般的であったが、「呑み鉄」という言葉の知名度を上昇、定着させた番組といえる。 呑み鉄とは、一般的な意味では「酒を飲みながら列車旅を楽しむ」ことだが、この番組ではそれをさらに広げ、列車の中で吞むだけでなく、鉄道の沿線にある地酒の酒蔵巡りや、訪れた地の居酒屋で酒を吞みながら地元の人と語りあうことも含め、呑み鉄と表現している。酒と鉄道、そして音楽を愛する旅人・六角精児が、日本各地のローカル線を1泊2日で一人旅をする[注釈 1]。 その土地土地で育まれた日本酒や焼酎、地ビール、時にはワインやウイスキーの酒蔵や蒸留所を訪ね、地酒を(主に試飲で)味わい、列車の中では缶ビールを片手に風景を愛で[1]、時折廃線になった鉄道遺産を訪ねて、哀愁を感じたりする。 民放バラエティー系の鉄道、旅番組にあるような「○千円以内で旅をしろ」や「タクシーはダメ、とことん歩け」など、いわゆるTV的におもしろくするためのルールなどは一切なく、普通の旅人と同じような感覚で、六角精児が好きなところで列車に乗り、好きなところで降り、気の向くままに旅をする。なので鉄道の沿線に見たい場所(主に廃線になった鉄道遺産など)があれば、タクシーやバスなどを積極的に使って訪れている。これは六角精児本人が自動車の運転免許を持っていないため[2]に、普段の鉄道旅でもそうしているからである。天気が良く、朗らかな気候で、バスもタクシーもないときにはひたすら歩くこともある[注釈 2]。 番組内で使用する音楽へのこだわりが強く[2]、列車走行シーンで使われる音楽はすべて六角精児がセレクトした曲である。カントリーやフォーク、ブルース系のギターサウンドの曲が多いのが特徴。特に番組の初期はライ・クーダーと下田逸郎、そして六角精児バンドが定番だった。列車走行シーンで使われる曲はBGM(バックグラウンドミュージック)というサブ的な扱いではなく、鉄道旅を盛り上げる主役として扱われる。そのため曲がかかっている時には列車の走行音が消されていることも多い。洋楽、邦楽、メジャー、インディーズを問わずそのシーンに合う曲をこだわって使っている[2]。 BGMにこだわりがあるため著作権の問題で長年映像ソフト化されていなかったが、2021年7月に第1作から21作までをコンプリートした7枚組のDVDが発売された[3]。ただし、著作権をクリアできない楽曲(主に洋楽)に関しては別の曲に差し替えられている。2024年7月には第22作から32作までを収録した6枚組のDVDが発売された[4]。 番組名は「呑み鉄本線」だが、旅する路線はJR線の「本線」の他に、「支線」や「私鉄」、「第三セクター」などの路線も多い。基本は、単線・非電化路線が多い。これは六角精児が電車よりも気動車(ディーゼルカー)のエンジン音や振動に、より鉄道旅の旅情を感じるからで、番組のテーマ曲として使われている六角精児バンドの曲も「ディーゼル」である。 ナレーション(番組内では「語り」と表記)は、「好きな俳優は六角精児」という[5]女優でタレントの壇蜜が担当し、比較的出演者の年齢層が高くなりがちな番組を華やかにしている。2023年5月放送の和歌山編、同年9月放送の富山編、同年11月放送の根室本線編は、壇蜜の体調不良による休養のため、NHKアナウンサーの星麻琴が代役でナレーションを務めた。 番組の放送時間は59分だが、2022年3月放送の「がんばれ東北・三陸鉄道を呑む!」と2022年7月放送の「サンライズ&四国の鉄道を呑む!」、2023年7月放送の「全線運転再開記念!只見線を呑む!」の回は89分で放送された。2024年8月放送の「五能線、津軽鉄道を呑む!」は呑み鉄初の前後編、59分✕2で放送された。 1作目の放送から約8年間は、年4 - 5回の不定期放送で、曜日も時間帯もバラバラで放送されていたので、初回放送を見逃す人が多かったが、2023年4月以降は、BSプレミアムの鉄道番組枠が固定されたため、初回放送は月曜日の夜9時だった。過去回の再放送もその枠で放送されることが多かった。2022年までは本放送の翌月に再放送されることが多かったが、2023年4月からは月曜日に本放送があったあとに、木曜日の午後に再放送、翌火曜日の夜に再々放送されるようになっている[注釈 3]。89分のスペシャルの回はこの枠に入らないので、時間帯も曜日も特別編成して、放送されている。2024年からはNHKのBS波が削減された影響もあり、まずBSP4Kで木曜21時に初回放送、翌火曜18時にNHKBSにて放送するようになった。また総合テレビでも深夜や休日午後などに不定期に再放送されている。 2025年2月24日には番組の放送開始10周年を記念して、東京都のかつしかシンフォニーヒルズ・モーツァルトホールにて 六角精児バンドのコンサートが行われる予定。これは六角精児バンドにとっては最もキャパシティの大きな会場となる。 出演者
スタッフ
番組で使用した六角精児おすすめの音楽
放送回リスト(内容詳細)
脚注注釈出典
関連項目外部リンク |