愛知県
愛知県(あいちけん)は、日本の中部地方に位置する県。県庁所在地は名古屋市。 概要日本列島の中央部にあたり、人口約750万人は東京都、神奈川県、大阪府に次いで4番目に多い。県内総生産は東京都、大阪府に次いで3位、1人当たりの県民所得は東京都に次ぐ全国2位である[1][2]。政令指定都市である名古屋市は、中部地方・東海地方最大の人口を擁し、同地方における中心都市となっている。同市を中心とした中京圏(名古屋都市圏)は、首都圏(東京都市圏)・近畿圏(大阪都市圏)とともに日本三大都市圏の一角であり、その範囲は東海3県(愛知県・岐阜県・三重県)に及ぶ。 トヨタ自動車(トヨタグループ)の本拠地である豊田市や刈谷市、名古屋市などの工業都市を中心に日本最大の工業地帯である中京工業地帯の中核を成す工業県でもあり、自動車産業や航空宇宙産業などが盛んである。年間製造品出荷額は48兆円に達し、全国最大である(45年連続全国1位)[3]。 その他、年間商品販売額(2021年)は39兆4,199億円で全国3位、農業産出額(2022年)は3,114億円で全国8位[4] と工業・商業・農業いずれも国内上位である。 県内は大きく分けて名古屋市を中心とした県西部の尾張地方、県中東部の三河地方に分けられ、三河地方は更に豊田市や岡崎市を中心とした西三河地方、豊橋市を中心とした東三河地方に分けられる。尾張地方・西三河地方・東三河地方の面積比はほぼ1:1:1、人口比はほぼ7:2:1と名古屋市の位置する県内西部の尾張地方に偏在している。 郡名が県名にされた県のひとつで、古代の律令制下において現在の名古屋市の中心部が属していた愛知郡の名を採用したものである[5]。県名の元となった「愛知郡」の由来については愛知郡#郡名の由来を参照。 地理・地域![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 広袤(こうぼう)国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調によると、愛知県の面積は5173.21平方キロメートルである[6]。 『愛知県 市区町村の役所・役場及び東西南北端点の経度緯度(世界測地系)』(国土地理院)によると愛知県の広袤は以下の通り[7]。あわせて『我が国の人口重心 -平成27年国勢調査結果から-』(総務省)による人口重心も記す[8]。
愛知県の東西南北それぞれの端と、都道府県界の未確定部分に仮の境界線を入れて求めた重心は以下の位置である[9][10]。 北端は坂祝町役場から西南西にある木曽川の中央部、南端は伊良湖岬の東にある湾曲した海岸線、東端は小和田駅付近、西端は長良川大橋の南にある、長良川の中央部。また統計局の平成22年国勢調査によると、人口重心は名古屋市緑区徳重4丁目付近にある[11]。 地形西部はおおむね平坦であり、人口が集中している。東部は山岳が多くなっているが、南部海側の平地は東海道に沿って都市化している。 山地
河川
→詳細は「愛知県の二級水系一覧」を参照
土地
島嶼
海岸
自然公園気候太平洋側気候を呈しており、夏は高温多湿で非常に蒸し暑い。冬は乾燥した晴天の日が多く、伊吹おろしという乾燥した冷たい風が吹き、体感温度が北日本並みに一気に低下する日もある。北西の季節風の影響があるため、強い冬型の気圧配置になると雪雲が岐阜県の関ヶ原付近から流入し、愛知県西部などで局地的な大雪に見舞われることがある。また、東三河北部や西三河北東部の山間部では中央高地式気候の影響も多少みられる。
行政区画#前述の通り、大まかに尾張地方、西三河地方、東三河地方の3地方に区分にされる。 愛知県による地方区分では、尾張地方(名古屋)、尾張地方(尾張)、尾張地方(海部)、尾張地方(知多)、三河地方(西三河)、三河地方(東三河)の6地方に区分される[12]。 自治体は、以下の38市7郡14町2村がある。「町」の読み方はすべて「ちょう」。「村」の読み方は2村とも「むら」。
尾張地方(面積1,686.53km2、人口5,138,643人、2024年12月1日現在)
西三河地方(面積1,756.60km2、人口1,596,591人、2024年12月1日現在)
東三河地方(面積1,662.55km2、人口729,176人、2024年12月1日現在)
人口![]()
人口約750万人は、東京都、神奈川県、大阪府に次ぐ全国4位。愛知県の人口は戦後から一貫して増加が続いていたが、2020年には減少に転じ、転出超過数が全国最多となった[13]。新型コロナウイルス流行に伴う渡航規制により、愛知県の人口増を力強く支えてきた外国人の転入が大幅に減ったことが背景にある[14]。 2020年1月から9月にかけて、20~24歳の日本人女性の転入超過は前年に比べ拡大した一方、20~24歳の日本人男性の転入は縮小し、男性人口は多くの世代で大幅な転出超過に陥った。新型コロナウイルス流行による製造業の衰退が原因として指摘されている。コロナ禍の中、宮城県、大阪府、福岡県は東京都への転出を控える動きが強まったのに対し、愛知県は「人口のダム」機能を果たせておらず、東京都への流出はむしろ加速しており、その超過数は全国最多となった[15]。 大阪や福岡などの他地方の都市圏と比べ、愛知県は東京都への時間的距離が近いため東京志向が強まり、「地元よりも東京のほうが魅力的」と感じた若者が流出するなど中京圏全体で首都圏のストロー現象が懸念されている。女性や多様な人材が活躍できる産業をさらに育成し、若者にとって愛知県が魅力的な働く場・学ぶ場であると認識してもらうことが課題として挙げられている[16]。 外国人2018年12月末における愛知県の外国人住民数は260,952人であり[17][18]、全国の都道府県で東京都に次ぐ数となっている[18]。特にブラジル人、中国人、フィリピン人、韓国・朝鮮人、ベトナム人が多い[17]。 男女比日本は人口の高齢化に伴い、男性人口に対して女性人口の比率が年々高まる傾向(女性の方が平均寿命が長い)にあるが、重工業が発達している愛知県は比較的男性人口の割合が高く、男女比はほぼ50:50となっている[19]。 出生率令和元年(2019年)における愛知県の合計特殊出生率は1.45であった[20]。首都圏や関西圏といった他の大都市圏と比べてかなり高く推移しており、日本の平均を押し上げている[21]。また、人口千人当たりの出生率は7.8であり、全国で沖縄県、福岡県に次いで高かった[20]。
愛知県人口動態一貫して人口増加が続いている。高度経済成長期の人口増加は大きく、1963年に450万人、1967年に500万人、1972年に550万人、1977年には600万人を突破するなど年2%の増加率,毎年約10万人ずつ人口増加が増えていった。1974年のオイルショック以降は大幅な人口増加は見られなくなったが1986年に650万人、1999年に700万人を突破するなど安定した増加が続いた。昭和末期の愛知県の人口増加率は全国の中では特筆して高い増加率では無かったが、国内の人口が減少に転じた現在においても愛知県の人口増加率の落ち込みはあまり無く、相対的に愛知県の人口増加率の数字は全国でも上位に位置するようになっている。
都市
都市圏総務省が定義する大都市圏では、名古屋市を中心とする中京圏を有する。都市雇用圏では、以下の都市圏を有する。
隣接都道府県同じ東海地方である岐阜県と三重県、静岡県と長野県の4県に隣接する。
歴史![]() ![]() 古代から中世尾張国造の乎止与命の子である建稲種命が日本武尊の東征の際、副将軍となる。建稲種命の妹である宮簀媛は日本武尊の妻となって出雲発祥の三種の神器のひとつ草薙剣(天叢雲剣)を預かり、熱田神宮を建ててこの剣を祀った。当時の海岸線は現在より内陸寄りで、鳥居前町の熱田は港として長く栄える。 愛知県は、令制国では尾張国と三河国に当たる。尾張国は、鎌倉幕府の初代将軍であり武家政権の祖である、源頼朝が生まれた地域(名古屋市熱田区)との説がある。 1221年に起きた承久の乱では、木曽川を挟んで京方と鎌倉方と戦った。 また三河国は、室町幕府を開いた足利氏が、初代足利義康正室の出身である藤原南家が開発した岡崎を拠点とし、13世紀から鎌倉幕府の三河守護を代々務めており、西三河地方で細川氏・仁木氏・一色氏・吉良氏・今川氏などの足利一門が発祥するなど[22][23]、日本の中世・近世における支配者氏族との関係が濃い地域である。 近世戦国時代には、織田信長と信長の臣下で同盟者である豊臣秀吉、徳川家康など三英傑をはじめ多くの武将を輩出し、中央政局に大きな影響を及ぼした。江戸幕府の創始者、すなわち現在の東京が世界的大都市となるきっかけを作った人物が徳川家康であり、江戸時代の大名はこの三英傑の配下から出た者が多く、徳川一族や譜代大名(井伊氏などごく一部の他国出身者もいる)などの三河出身者のほか、前田家、浅野家、池田家、山内家、蜂須賀家などの尾張出身者が各地で大藩を幕末まで支配した。全国の大名の約7割が愛知県(尾張・三河)出身とも言われている[24][25]。大名家のみならず家臣団や一部庶民も封地へ移り住み、近世日本の大部分は三河武士や尾張出身武士団の支配を受けた形となる[26][注釈 1]。特に、江戸の開府に際しては多くの三河人が移住し、江戸っ子気質の形成にも大きく影響した。また、江戸時代に花開いた日本的建築や日本的文化は愛知出身者による貢献が大きくあったと言える。 江戸時代以降、尾張は徳川御三家のひとつである尾張徳川家の領域となり、三河は譜代大名、旗本領、寺社領、天領と分割支配された。 近現代明治以降、三河国内の旗本、寺社、幕府領を総括する三河裁判所が設置され、のち三河県とされ、さらに伊那県に編入され、伊那県足助庁が所轄した。その後、廃藩置県にともない、三河に10県、尾張に2県が設置され、三河10県および伊那県足助庁および尾張国知多郡を統合して、額田県を設置。明治4年(1871年)11月22日(1872年1月2日)の第1次府県統合で名古屋県(旧尾張藩)と犬山県(尾張徳川家御附家老の成瀬氏が維新直前に独立し立藩)が統合して設置された名古屋県は、明治5年4月2日(1872年5月8日)に改称して愛知県となった。そして、同年11月27日(11月27日)、第2次府県統合により額田県を編入(太政官布告372号)して、ほぼ現在の県域が確定する。愛知県の県令には、当時の名古屋県令であった井関盛艮が続投した。県の下には大区小区制により、15大区15小区が置かれ、翌年3月には、第一大区は区長1人、権区長2人、小区に戸長1人、副戸長2人、各町に副戸長2人ずつを置くことになった。これらは藩の統治とは違う中央集権国家の末端統治機構である。明治4年11月27日(1872年1月27日)の太政官第623号布告県治条例で、県令は管内の立法・行政・司法を専決する権限が与えられ、井関盛艮らの県令は「天皇の牧民官」と称された。 政治行政→「愛知県庁」も参照
知事
→詳細は「愛知県知事一覧」を参照
議会愛知県議会→「愛知県議会」も参照
財政
経済産業構造県内総生産(2019年度)は40兆9,107億円で全国3位、製造品出荷額等(2022年)は47兆8,946億円で全国1位、年間商品販売額(令和3年)は39兆4,199億円で全国3位、農業産出額(令和4年)は3,114億円で全国8位[4]。農業・工業・商業いずれも国内上位となっており、バランスのとれた産業構造となっている。 また、中部産業連盟など、グローバルに事業活動を展開する全国ベースのマネジメント専門団体が立地するなど、経済活動が国内外問わず盛んに行われている。
経済界![]() かつての五摂家五摂家とは、愛知県名古屋市に本拠地を置く中部圏財界の名門企業の一群である。 旧伊藤財閥系企業の東海銀行、松坂屋、インフラ企業の名古屋鉄道(名鉄)、中部電力(中電)、東邦ガスの5社で構成されている。かつては中部経済連合会(中経連)や名古屋商工会議所(名商)などの経済団体代表職を独占し、名古屋観光ホテルや名古屋ボストン美術館などの開設を主導する役割を担ってきた。このほか、名門企業として興和グループ、森村グループ、中日新聞社、大同特殊鋼を挙げる場合もある。 五摂家から御三家へ1990年代より、東海銀行の消滅(2002年に三和銀行と合併、のち三菱UFJ銀行)、松坂屋、名古屋鉄道の経営不振(松坂屋は2007年に大丸と経営統合、名古屋鉄道は1999年(平成11年)から2008年にかけて赤字線区を随時廃線)、規制緩和による電力自由化・ガス自由化・オール電化住宅などによる中部電力と東邦ガスの利害対立などが生じるようになり、五摂家としてのまとまりはなくなりつつあった。これに反比例し、これまで「西三河モンロー主義」と呼ばれ、財界活動と距離を置いていたトヨタグループの路線転換や、国鉄分割民営化により東海道新幹線を引き継いだ東海旅客鉄道(JR東海)が発足すると、これらの存在感が増大している。最近は五摂家という表現に代わり、海陽学園開設で中心となったトヨタ自動車、JR東海、中部電力の3社で、御三家と呼ぶ表現へと変化した。 現在のトヨタグループ![]() 経済界では、豊田市や刈谷市といった西三河地方を本拠地とするトヨタグループ会社の存在感が群を抜いている。 たとえば連結売上高では中部電力(約3兆1,000億円)と東海旅客鉄道(約2兆円)は、トヨタ自動車本体はおろかグループ企業のひとつであるアイシン(約2兆9,600億円)と同程度で、両社の連結売上高を合算してもグループ筆頭企業であるデンソー(4兆3,000億円)を超える程度である。財界活動でも、2015年現在、トヨタグループは中経連(豊田自動織機名誉会長)・名商(トヨタ自動車副会長)は前会頭を輩出し、また中部財界が中心となった中部国際空港開業や愛知万博の開催では同社社長(元関東自動車工業社長)・博覧会協会会長(豊田章一郎トヨタ自動車名誉会長)を務めている。 第一次産業農林水産業県内は自然環境にも恵まれており、農林水産業も東三河を中心に盛んである。農業産出額(令和4年)は全国8位[4]。花きの産出額は昭和37年以来全国1位である[29]。 農産物では、キャベツ、大葉(青じそ)が作付面積、生産量、産出額とも全国1位であるほか、ふきは生産量、産出額が全国1位、カリフラワーは作付面積・生産量が全国1位、ブロッコリーは生産量が全国1位、イチジクは生産額が全国1位などとなっている。また花卉の生産も盛んで、きく、ばら、シクラメン、洋らんは作付面積、生産量、産出額とも全国1位である。菊については電照菊の項も参照。愛知県の平野部は農業に適した肥沃な土地が多く、野菜の自給率もそれなりに高い。そのほか、西尾市は碾茶の産地として知られる[30]。果物ではブドウ(全国8位)、ナシ、カキなどが多く生産されており、中でもブドウは大府市、ナシは安城市、豊橋市、豊田市など、カキは豊橋市(次郎柿)、幸田町(筆柿)などで生産が盛んである。 畜産ではウズラの飼養数、産出額が全国1位である。水産物ではあさり、がざみ(甲殻類)の漁獲量が全国1位であるほか、一色町の養殖うなぎはよく知られており、「三河一色産うなぎ」というブランドを偽装した産地偽装事件が起きたことがあるほどである。また弥富市周辺は金魚の産地として知られ(弥富金魚)、スペースシャトル内において宇宙酔い実験の被験者となった「宇宙金魚」も弥富金魚である。 第二次産業工業愛知県は、トヨタ自動車を筆頭に自動車関連企業が数多く存在することで有名である。自動車産業が発展する前は、繊維産業や、三菱重工業、愛知航空機、中島飛行機などの航空機産業が盛んであった。がいし生産世界一の日本碍子やINAX、日本特殊陶業などをはじめとするセラミックス産業、特殊鋼大手の大同特殊鋼やトヨタ自動車グループである愛知製鋼、日本製鉄名古屋製鉄所などの特殊鋼・鉄鋼業のほか、プリンター、FAX、ミシンなどを得意とするブラザー工業、そしてトヨタグループであるデンソー、アイシンなどの電気機器製造も盛んである。また、碧南市、高浜市などで生産されている三州瓦は、島根県の石州瓦、兵庫県の淡路瓦と並んで日本三大瓦であり[31]、全国的に有名である。 三大工業地帯のひとつである中京工業地帯の中心として工業は全般に活発で、製造品出荷額等(2019年)は47兆8,946億円で45年連続全国1位である(2位は大阪府で約18兆6,058億円)[4]。 2005年に愛・地球博と中部国際空港開港という二大事業があり、東海環状自動車道、伊勢湾岸自動車道、愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)などインフラの整備が急速に進んだ。しかし、その一方で愛知県道511号武豊大府自転車道線(知多半島サイクリングロード)などの自転車道の建設、整備が放棄されており、多くの要望が寄せられている。 第三次産業メガシティであり、世界有数の都市圏人口を有する中京大都市圏の中枢都市である名古屋市は、中日本最大の商都であり、物販の集積が著しい。 全体で見ると名古屋市が際立った存在感であるが、名古屋都市圏の中で人口10万人台の小牧市・刈谷市・半田市・東海市・安城市も昼間人口比率が1を超えており(働きに来る人が多い)、小規模な業務の中心都市として位置づけられている[32]。 近年では、名古屋市を中心とした半径100kmの以内の地域を「グレーター・ナゴヤ」のブランド名で統一して、海外企業を積極的に誘致し、世界有数の産業集積地にすることを目標とした大名古屋経済圏構想もあり、グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ(GNI)と呼ばれる(関連ページ)。 商業2007年度の名古屋市の卸売業販売額は約27兆656億円で全国で東京都区部・大阪市に次ぐ。 また小売業販売額は約3兆1,917億円で東京都区部・大阪市・横浜市に次いで額が大きい[33]。自動車の保有台数が多いこともあってショッピングセンター(SC)の数は東京都に次ぐ2位であり、イオンモールやららぽーとなどの大型SCが鎬を削る激戦区である[34]。 2000年代に再開発が進み、名駅エリアを中心に超高層ビルの建設が急速に進んでいる。2020年代になると栄エリアにも高層ビル建設が複数計画されている[35]。 栄、名駅、大須、金山などが市外からも広く集客する繁華街となっており、栄と名駅一帯には広大な地下街が広がっている。東部の今池千種エリア、西部のささしまライブ24、南部の金山エリアや北部の大曽根エリアが、乗り換えのターミナルとなったり、新たなオフィス街が形成されるなど、副都心・新都心として発達している。 また、グルメ激戦区として名を馳せており、特有の文化を持った「名古屋めし」などを筆頭にさまざまな料理が集まる。2019年には、ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版[36] が出版されるなど、世界的にも注目が集まっている。 県を挙げて商店街の活性化にも力を入れており、2024年時点では西区「円頓寺商店街」、名東区「西山商店街」、豊橋市「大豊商店街」、春日井市「勝川駅前通商店街」、瀬戸市「銀座通り商店街」の5ヶ所が県の「商店街空き店舗活用モデル事例集」に掲載された成功事例となっている[37]。 スタートアップ事業大企業による製造業が強い愛知県においてスタートアップ事業はあまり振るわないが、2024年10月31日に日本最大級のスタートアップ支援施設STATION Aiが名古屋市の鶴舞に開業した[38]。また、2020年7月より愛知・名古屋及び浜松地域がスタートアップ・エコシステム「グローバル拠点都市」として内閣府から選定されている[39]。 県内に本社を置く主要企業
拠点を置く主要企業金融機関![]() ※愛知県に本社を構える地方銀行は現在存在しない。
証券会社
生活・交通交通空港
鉄道・軌道県内最大のターミナル駅は名古屋駅であり、一日平均乗降人員は120万人を上回る。東海道新幹線の全列車が停車し、のぞみ号であれば新大阪まで約50分、東京まで約1時間40分で結ぶ。 在来線は東海道本線が尾張地方、西三河地方、東三河地方の主要都市を結ぶ[40]。名古屋 - 金山間は東海道本線、名鉄名古屋本線のほかに中央本線も並走しており[40]、名古屋市中心部を迂回して大曽根駅に向かう線形となっている。 県内を通る大手私鉄は名古屋鉄道(名鉄)と近畿日本鉄道(近鉄)の2社である[40]。名鉄は県内の大半の市を網羅しており、中部国際空港への空港連絡鉄道の役割もある[40]。近鉄は近鉄名古屋線が関西本線と競合しているが、今日に至るまで近鉄が本数と速達性で優位に立っている[40]。近鉄は大阪方面も東海道新幹線と近鉄特急が競合しており、本数と速達性は新幹線に劣るものの料金面で近鉄特急が優位に立っている[41]。 名古屋市中心部の鉄道交通は名古屋市営地下鉄が一手に引き受ける[40]。 路面電車は豊橋鉄道の東田本線が県内唯一の路線である。2001年開通のゆとりーとラインは、高架専用軌道をバスが走行する日本で唯一のガイドウェイバスであり、軌道法の適用を受けている。 愛知高速交通東部丘陵線は愛知万博への連絡路線として2005年3月に開業した[40][42]。愛知万博の閉幕後は利用者数が減少したが、その後は沿線開発が進んで利用者数は現在も増加傾向にある。 県内のほとんどの路線は電化されているが、名古屋市の北部を掠める形で東西に伸びるJR東海交通事業城北線は輸送人員が非常に少なく、県内唯一の非電化路線となっている。
港湾道路
NEXCO中日本が管理する高速自動車国道、一般国道自動車専用道路を示す。伊勢湾岸自動車道と新東名高速道路、東名高速道路の一部を除いて、料金水準が高速自動車国道の大都市近郊区間と同じ水準である。
愛知県の県道一覧を参照。
愛知県内の通りを参照。 自動車登録番号標
警察医療・福祉→詳細は「Category:愛知県の医療機関」を参照
マスメディアテレビ放送局→「在名テレビジョン放送局」も参照
いずれも名古屋市に所在する。
放送対象地域は、NHK名古屋総合・テレビ愛知は県域放送、ほかは当県、岐阜県、三重県の「東海3県」を放送エリアとする中京広域圏としている。いずれも親局送信所は瀬戸デジタルタワー。
→「Category:愛知県のケーブルテレビ局」を参照
ラジオ放送局
放送対象地域はAMラジオ各局が中京広域圏、FMラジオ各局が愛知県内。FMラジオの親局はいずれも中京テレビ旧本社(名古屋市昭和区)の東山タワー。東海ラジオ・CBCラジオのFM補完放送の親局は豊田市の三国山に設置されている。 放送対象地域外の三重エフエム放送[43] とエフエム岐阜[44] が県内の広い範囲で、静岡エフエム放送が豊橋市と新城市の各一部で受信可能である。 かつてはMegaNet系列の外国語FM局も2度開設された。初めに開局した「愛知国際放送(RADIO-i)は開局当初からCM収入が伸び悩み、単年度黒字化を一度も果たせず経営破綻。会社更生法や民事再生法適用を申請しての経営再建や他社への経営譲渡は行われなかった。2010年9月30日24時をもって2000年4月1日の開局以来10年半にわたった放送を完全終了。日本の県域地上波民放局としては史上初の「閉局(廃業・廃局)」に追い込まれた。免許は同年10月7日付で総務大臣へ返上。法人としての「愛知国際放送」は清算され消滅した。 また、2014年4月1日に開局した外国語FM局「Radio NEO(旧・InterFM NAGOYA)」も経営不振により、2020年6月30日12時をもって放送終了となった。
新聞社
支局・支社などは設置されていないものの、次の2紙が販売されている。
名古屋タイムズは、2008年(平成20年)10月31日の発行分をもって休刊した(事実上の廃刊)。当時は近年東海地方の新聞社で休刊するところがなかったため、ほかのマスコミで取り上げられた。 教育![]() 豊田市、瀬戸市をはじめ、「知の拠点あいち」など、産学官連携による共同研究開発拠点の整備が進められ、大学が集中している名古屋市の北郊から東郊の丘陵地域(犬山市 - 岡崎市)にかけて、学園都市が形成されている。 (五十音順)
放送大学 愛知学習センター(名古屋市) 私立
文化・名物方言愛知県の方言は東海東山方言の岐阜・愛知方言に分類されるが、尾張と三河で表現や発音に違いがある。
食文化→「Category:愛知県の食文化」も参照
郷土料理→詳細は「日本の郷土料理一覧 § 愛知県」を参照
名産・特産名物→「あいちの伝統野菜」も参照
→詳細は「名古屋めし」を参照
伝統工芸
→詳細は「日本の伝統工芸品の一覧 § 愛知県」を参照
祭事・催事愛知県内には40市町に154の山車まつり、418の山車が存在しており、県はその魅力を全国に発信するため「あいち山車まつり日本一協議会」を設立して「山車日本一あいち」宣言を行った[51][52][53]。特に山車にからくり人形がのる「山車からくり」は、尾張の熱田新宮天王祭や津島天王祭から始まったとされ[54]、現在でも全国の山車からくりの6割が愛知県に集中しているとされる[55]。2016年(平成28年)12月1日に「山・鉾・屋台行事」として、18府県33件がユネスコの無形文化遺産に登録されたが、その中で愛知県からは尾張津島天王祭、犬山祭、亀崎潮干祭、知立まつり、須成祭の5件が登録された[56]。
スポーツ公営競技プロスポーツ→「Category:愛知県のスポーツチーム」も参照
日本トップリーグ連携機構の参加競技団体一覧
観光→詳細は「愛知県の観光地」を参照
世界的遺産
2016年(平成28年)11月30日、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に山・鉾・屋台行事として愛知県からは国内最多の5つが登録された。
有形文化財建造物→詳細は「愛知県指定文化財一覧」を参照
国宝
重要伝統的建造物群保存地区→「重要伝統的建造物群保存地区」も参照
大規模テーマパーク→詳細は「Category:愛知県の遊園地」を参照
文化劇場→詳細は「Category:愛知県の劇場」を参照
文化施設
名勝・旧跡→詳細は「中部地方の史跡一覧 § 愛知県」を参照
城郭→詳細は「Category:愛知県の城」を参照
神社→詳細は「愛知県の神社一覧」を参照
寺院→詳細は「愛知県の寺院一覧」を参照
温泉→詳細は「Category:愛知県の温泉」を参照
その他
愛知県を舞台とした作品→詳細は「愛知県を舞台とした作品一覧」を参照
人物→詳細は「愛知県出身の人物一覧」および「愛知県出身の文化人一覧」を参照
名誉愛知県民愛知県名誉県民の称号を贈られた人物は以下の通り。
対外関係姉妹自治体・提携自治体
経済連携
あいちフレンドシップ交流事業2005年に開催された愛知万博で、愛知県内の市町村(名古屋市を除く)が120の万博公式参加国をそれぞれ「一市町村一国フレンドシップ事業」のフレンドシップ相手国として迎え入れた。万博後にも盛んに交流やさまざまな国際化事業など行われ、万博でのおもてなしから一歩進んだ相互理解と地域の国際化につながっている。「一市町村一国フレンドシップ事業」により高まった県民の国際交流や異文化理解への関心を原動力のひとつとして、さらなる国際化を進めている[65]。
脚注注釈
出典
関連文献
関連項目外部リンク
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