切り干し大根
切り干し大根(きりぼしだいこん、単に切り干しとも[2])は、ダイコンを細長く薄く切って乾燥させた乾物[3]。特に京都では軒しのぶ(のきしのぶ)とも呼ばれる[4]。 概要秋の終わりから冬にかけて収穫したダイコンを細切りにし、広げて天日干しする。寒さが厳しいほど良質な製品になる。戻す時間が短く灰汁が少ないため、扱いやすい。戻すと、重量は約4倍に増加する[5]。 切る太さや脱水の方法などにより、いくつかの種類に分かれる。縦四つ割にしたものは割り干し大根(わりぼしだいこん)と呼ばれる。また、長崎県では大根を茹でてから同様の加工を施したゆで干し大根(ゆでぼしだいこん)、寒風と氷点下になる気候を活かした凍み大根(しみだいこん)や寒干し大根(かんぼしだいこん)などがある[6]。いずれも乾物なので常温保存が可能だが、夏季には茶色く変色してしまうため、春を過ぎたら冷蔵庫での保存が望ましい。 軽く洗ってから水に漬けて戻し、醤油や酢をかけてそのまま食べるほか、煮物などの料理に用いる。 名古屋を中心とする尾張地方では、花切大根(はなきりだいこん)と呼ばれる[7]。これは、縦割りにして乾燥させた大根を薄く切った形状が、桜の花びらに似ていることにちなむ[8]。 実際に含まれる栄養価は、生育土壌、栽培条件、品種、加工方法[9]によって異なるが、良質の食物繊維やカルシウムが多く含まれており、健康食品としても有用とされる。 主な生産地漬物割り干し大根(または切り干し大根)を、昆布、生姜、唐辛子、白胡麻などとともに甘酢液で漬けたものはハリハリ漬(はりはり漬)という[11][12]。しかし、ハリハリ漬(はりはり漬)は沢庵漬けから製造される壺漬けに押されて販路が縮小している[11]。 また、天保年間に初版が刊行された『漬物塩嘉言』では、干し大根を昆布、生姜、みょうが、塩漬茄子などとともに、酒、醤油、酢または梅酢で漬けたものを「阿茶蘭漬」として紹介している[13]。 ギャラリー
脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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