国鉄タム5800形貨車
国鉄タム5800形貨車(こくてつタム5800がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車(タンク車)である。 本形式と同じ専用種別であるタム5850形についても本項目で解説する。 タム5800形タム5800形は液化アンモニア専用の20t積タンク車として1954年(昭和29年)5月22日から1961年(昭和36年)10月26日にかけて19両(タム5800 - タム5818)が三菱重工業、日立製作所、川崎車輛、日本車輌製造の4社にて製作された。 本形式の他に液化アンモニアを専用種別とする形式は、タ520形(2両)、タ550形(5両)、タ580形(30両)、タ2800形(3両)、タム5850形(1両、後述)、タサ4100形(142両)、タサ5800形(2両)、タキ4100形(2代)(44両)、タキ18600形(128両)の9形式がある。 所有者は旭化成工業、東洋レーヨン、日東化学工業、宇部興産、三菱化成工業、昭和電工、別府化学工業、東北肥料、日産化学工業、伊藤忠商事の10社であった。 1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「毒燃(G)26・3」(毒性の物質、燃焼性の物質、高圧ガス、毒性のあるもの、可燃性のもの)が標記された。専用種別の「液化アンモニア」と化成品分類番号の「燃」は赤色で標記されている。更にタンク体右側形式番号上に「連結注意」が標記された。 ドームレス直円筒型のタンク体は、ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板(SB42、現在のSB410)製で荷役方式はタンク上部にある弁からの上入れ、上出し式である。 塗色は白であり、全長は12,800mm、全幅は2,238mm、全高は3,750mm、台車中心間距離は8,700mm、実容積は28.0m3-29.0m3、自重は25.4t-31.3t、換算両数は積車4.5、空車3.0、最高運転速度は75km/h、ベッテンドルフ式のTR41である。 1985年(昭和60年)6月4日に最後まで在籍した1両(タム5805)が廃車になり同時に形式消滅となった。 タム5850形
タム5850形は液化アンモニア専用の15t積タンク車として1968年(昭和43年)10月31日に1両(タム5850)のみが富士車輌にて製作された。 所有者は宇部興産であり、その常備駅は宇部線貨物支線の宇部港駅であった。 1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「毒燃(G)26・3」(毒性の物質、燃焼性の物質、高圧ガス、毒性のあるもの、可燃性のもの)が標記された。専用種別の「液化アンモニア」と化成品分類番号の「燃」は赤色で標記されている。更にタンク体右側形式番号上に「連結注意」が標記された。 ドームレス直円筒型のタンク体は、高張力鋼(HT55、HT60)製で荷役方式はタンク上部にある弁からの上入れ、上出し式である。 塗色は白であり、全長は11,300mm、全幅は2,500mm、全高は3,866mm、台車中心間距離は7,500mm、実容積は28.5m3、自重は21.2t、換算両数は積車3.5、空車2.2、最高運転速度は75km/h、ベッテンドルフ式のTR41Cである。 1985年(昭和60年)11月22日に廃車となり同時に形式消滅となった。 参考文献
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