国鉄タキ10700形貨車
国鉄タキ10700形貨車(こくてつタキ10700がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。 概要本形式は、希硝酸専用の35t 積タンク車として1968年(昭和43年)5月2日から1995年(平成7年)1月にかけて60両(コタキ10700 - コタキ10759)が、富士重工業、富士車輌、三菱重工業、日本車輌製造、川崎重工業の5社で製作された。 記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。 本形式の他に希硝酸を専用種別とする形式には、タ2100形、タム2100形、タム5500形、タサ3300形、タキ8100形、タキ10950形、タキ12050形の7形式があった。 落成時の所有者は、日産化学工業、宇部興産、住友化学工業、日本石油輸送、旭化成工業、日本化成、三菱化成工業(その後三菱化学へ社名変更)の7社であった。1974年(昭和49年)1月17日に住友化学工業所有車4両が日本石油輸送へ、1987年(昭和62年)10月27日に旭化成工業所有車3両(コタキ10720 - コタキ10722)が同じく日本石油輸送へ、1988年(昭和63年)1月19日に旭化成工業所有車2両(コタキ10724 - コタキ10725)が日本陸運産業へそれぞれ名義変更された。 1979年(昭和54年)10月に制定された化成品分類番号では、侵81(侵食性の物質、腐食性物質、危険性度合2(中))が標記された。 ステンレス鋼(SUS304)製のタンク体を持ち荷役方式は、タンク上部のマンホールからの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式である。液出管と空気管はS字管を装備している。 車体色は銀色(ステンレス地色)、寸法関係はロットによる差異があり以下一例を示す。全長は10,100mm、全幅は2,596mm、全高は3,827mm、台車中心間距離は6,400mm、実容積は25.5m3、自重は15.0t、換算両数は積車5.0、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41C、TR41D、TR41E-12、TR225、TR213Cである。 1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には43両がJR貨物に継承され(その後8両増備)、2009年(平成21年)度に最後まで在籍した8両(コタキ10752 - コタキ10759)が廃車となり同時に形式消滅となった。 年度別製造数各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
参考文献
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