国鉄タキ4850形貨車
国鉄タキ4850形貨車(こくてつタキ4850がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。 概要タキ4850形はTDI専用の30t積タンク車として1964年(昭和39年)4月30日から1966年(昭和41年)4月28日にかけて3ロット6両(コタキ4850 - コタキ4855)が富士重工業(2両)、若松車輛(2両)、日本車輌製造(2両)の3社にて製作された。 記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。 本形式の他にTDIを専用種別とする形式は、タキ19600形(11両)があるのみである。 落成当時の所有者は、三井化学、武田薬品工業の2社であった。その後4両(コタキ4850 - コタキ4853)が1968年(昭和43年)10月21日に三井東圧化学へ名義変更された。1981年(昭和56年)5月11日には2両(コタキ4854・コタキ4855)が日本石油輸送へ名義変更された。 1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「毒61」(毒性の物質、毒性物質、危険性度合2(中))が標記された。 ドーム付き直円筒型のタンク体はステンレスクラッド鋼製で厚さ110mm - 150mmのグラスウール断熱材を巻き、薄鋼板製のキセ(外板)が設置された。ドームが2つあるが片方は通常のドーム、もう片方は各種機器類が内蔵されたプロテクターである。荷役方式はタンク上部にある液出入管からの上入れ、加圧窒素を使用した液出入管、窒素管による上出し式である。 塗色は、黒であり、全長は11,300mm、全幅は2,530mm、全高は3,876mm、台車中心間距離は7,200mm、実容積は25.4m3、自重は20.6t - 21.1t、換算両数は積車5.0、空車2.2、最高運転速度は75km/h、台車は12t車軸を使用したベッテンドルフ式のTR41Cであったがその後TR41DS-13に改造された。 1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車(6両)の車籍がJR貨物に継承され、1995年(平成7年)度末時点では全車健在であったが、2009年(平成21年)度に最後まで在籍した2両(コタキ4854・コタキ4855)が廃車となり同時に形式消滅となった。 年度別製造数各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
参考文献
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