国鉄タキ5900形貨車
国鉄タキ5900形貨車(こくてつタキ5900がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。 本形式と同一の専用種別であるタム1850形についても本項目で解説する。 タム1850形1956年(昭和31年)12月22日から1957年(昭和32年)4月24日にかけてタ2400形より3両(タ2401、タ2400、タ2402→タム1850 - タム1852)の専用種別変更(クレオソート→クロルスルホン酸)が三菱重工業にて行われ形式名は新形式であるタム1850形とされた。 1958年(昭和33年)4月14日にタ1000形より1両(タ1045→タム1853)の専用種別変更(ベンゾール→クロルスルホン酸)が行われ本形式に編入された。以上4両がタム1850形として運用された。 本形式の他にクロルスルホン酸を専用種別とする形式には、タキ5900形(9両、後述)の1形式のみである。 所有者は三菱化成工業の1社のみであり、その常備駅は鹿児島本線の黒崎駅である。 車体色は黒、寸法関係は全長は7,600mm、全幅は2,432mm、全高は3,340mm、軸距は3,800mm、実容積は8.8m3、自重は9.5t、換算両数は積車2.4、空車0.8である。 1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には1両(タム1853)の車籍がJR貨物に承継されたが、1989年(平成元年)10月に廃車となり同時に形式消滅となった。 タキ5900形
タキ5900形は、クロルスルホン酸専用の35t積タンク車として1963年(昭和38年)10月10日から1971年(昭和46年)4月3日にかけて6ロット9両(コタキ5900 - コタキ5908)が富士重工業(1両)、新三菱重工業(1両)、日立製作所(7両)の3社で製作された。 記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。 所有者は日産化学工業、三菱化成工業(その後三菱化学へ社名変更)の2社であり、それぞれの常備駅は高山本線の速星駅、福岡県の黒崎駅である。 1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「侵(禁水)84」(侵食性の物質、水と反応する物質、腐食性物質、禁水指定のもの)が標記された。 タンク体はステンレス鋼(SUS27、現在のSUS304)製のドーム付き直円筒型であり、荷役方式はタンク上部マンホール蓋にある積込口または液出入管からの上入れ、液出入管または液出管と空気管使用による上出し方式である。 車体色は銀(ステンレス地色)、寸法関係は全長は10,700mm、全幅は2,400mm、全高は3,553mm、台車中心間距離は6,600mm、実容積は20.0m3、自重は13.7t - 14.7t、換算両数は積車5.0、空車1.4であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。 1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車の車籍がJR貨物に承継され、1995年(平成7年)度末時点では全車健在であったが、2002年(平成14年)6月に最後まで在籍した2両(コタキ5907・コタキ5908)が廃車となり同時に形式消滅となった。 年度別製造数各年度による製造会社と両数、所有者(落成時の社名)は次のとおりである。
参考文献
関連項目 |
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