国鉄タキ17500形貨車
国鉄タキ17500形貨車(こくてつタキ17500がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。 本形式と同一の専用種別車であるタキ14800形についても本項目で解説する。 タキ17500形タキ17500形は、カプロラクタム専用の35t 積タンク車として1969年(昭和44年)11月21日に3両(コタキ17500 - コタキ17502)、1971年(昭和46年)11月29日に1両(コタキ17503)の合計4両が日立製作所1社のみにて製作された。 記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。 本形式の他にカプロラクタムを専用種別とする形式には、タキ14800形(後述)の1形式のみが存在した。 落成時の所有者は、住友化学工業の1社のみでありその常備駅は日豊本線の鶴崎駅であった。1973年(昭和48年)11月6日に全車4両(コタキ17500 - コタキ17503)が日本石油輸送へ名義変更された。 1979年(昭和54年)10月に制定された化成品分類番号では、90(有害性物質、危険性度合3(小))が標記された。 タンク体は二重構造であり、ステンレス鋼製の内タンクに耐候性高張力鋼製の(外タンク)で構成され、二つのタンク体の隙間はウレタン発泡断熱材が充填された。コタキ17500・コタキ17502の2両は1978年(昭和53年)2月2日より同年8月31日にかけて新たに新製されたタンク体に交換された。 荷役方式はタンク上部にある液出入れ管からの上入れ、上出し式である。荷降ろしの際には加圧窒素を併用した。 車体色は黒色、寸法関係は全長は11,920mm、全幅は2,754mm、全高は3,860mm、台車中心間距離は8,020mm、自重は19.0t、換算両数は積車5.5、空車1.8であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであったが、コタキ17500・コタキ17502の2両はタンク体交換時に平軸受・コイルばね式のTR41DS-13に改造されている。 1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には2両(コタキ17500・コタキ17502)がJR貨物に継承され、1995年(平成7年)度末時点では現存していたが、2001年(平成13年)4月に2両とも廃車となり同時に形式消滅となった。 タキ14800形
タキ14800形は、カプロラクタム専用の35t 積タンク車として1969年(昭和44年)から1981年(昭和56年)にかけて9ロット34両(コタキ14800 - コタキ14833)が川崎重工業、三菱重工業、富士車輌の3社にて製作された。 記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。 落成時の所有者は、宇部興産、三菱化成工業(現在の三菱化学)の2社であった。1984年(昭和59年)2月28日より1985年(昭和60年)2月28日にかけて三菱化成工業所有車5両(コタキ14816、 コタキ14830 - コタキ14833)が日本陸運産業(現在の日陸)へ名義変更された。 1979年(昭和54年)10月に制定された化成品分類番号では、90(有害性物質、危険性度合3(小))が標記された。 タンク体は、ステンレス鋼製で厚さ150mmのウレタン断熱材を巻き、薄鋼板製(又はステンレス鋼製)のキセ(外板)が設置された。 荷役方式はタンク上部にある液出入れ管からの上入れ、上出し式である。荷降ろしの際には加圧窒素を併用した。コタキ14803、コタキ14806、コタキ14823 の3両は1974年(昭和49年)8月1日に新たに新製されたタンク体に交換された。 車体色は黒色、寸法関係は全長は11,100mm、全幅は2,900mm、全高は3,930mm、台車中心間距離は7,300mm、自重は18.4t、換算両数は積車5.5、空車1.8であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cと平軸受・コイルばね式のTR41DS-13とコロ軸受・コイルばね式のTR213Cであった。 1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には29両(コタキ14800、コタキ14802 - コタキ14807、コタキ14809 - コタキ14824、コタキ14828 - コタキ14833)がJR貨物に継承され、1995年(平成7年)度末時点では12両(コタキ14800、コタキ14803 - コタキ14806、コタキ14816、コタキ14822、コタキ14824、コタキ14830 - コタキ14833)が現存していたが、2007年(平成19年)10月に最後まで在籍した2両(コタキ14832・コタキ14833)が廃車となり同時に形式消滅となった[1]。 年度別製造数各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
脚注
参考文献
関連項目 |