国鉄タキ17500形貨車

国鉄タキ17500形貨車
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 住友化学工業日本石油輸送
製造所 日立製作所
製造年 1969年昭和44年) - 1971年(昭和46年)
製造数 4両
消滅 2001年平成13年)
常備駅 鶴崎駅東高島駅名古屋南港駅
主要諸元
車体色
専用種別 カプロラクタム
化成品分類番号 90
軌間 1,067 mm
全長 11,920 mm
全幅 2,754 mm
全高 3,860 mm
タンク材質 ステンレス鋼(内タンク)
耐候性高張力鋼(外タンク)
荷重 35 t
実容積 34.6 m3
自重 19.0 t
換算両数 積車 5.5
換算両数 空車 1.8
台車 TR41C→TR41DS-13
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 8,020 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タキ17500形貨車(こくてつタキ17500がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

本形式と同一の専用種別車であるタキ14800形についても本項目で解説する。

タキ17500形

タキ17500形は、カプロラクタム専用の35t 積タンク車として1969年(昭和44年)11月21日に3両(タキ17500 - タキ17502)、1971年(昭和46年)11月29日に1両(タキ17503)の合計4両が日立製作所1社のみにて製作された。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

本形式の他にカプロラクタムを専用種別とする形式には、タキ14800形(後述)の1形式のみが存在した。

落成時の所有者は、住友化学工業の1社のみでありその常備駅は日豊本線鶴崎駅であった。1973年(昭和48年)11月6日に全車4両(タキ17500 - タキ17503)が日本石油輸送へ名義変更された。

1979年(昭和54年)10月に制定された化成品分類番号では、90(有害性物質、危険性度合3(小))が標記された。

タンク体は二重構造であり、ステンレス鋼製の内タンクに耐候性高張力鋼製の(外タンク)で構成され、二つのタンク体の隙間はウレタン発泡断熱材が充填された。タキ17500・タキ17502の2両は1978年(昭和53年)2月2日より同年8月31日にかけて新たに新製されたタンク体に交換された。

荷役方式はタンク上部にある液出入れ管からの上入れ、上出し式である。荷降ろしの際には加圧窒素を併用した。

車体色は黒色、寸法関係は全長は11,920mm、全幅は2,754mm、全高は3,860mm、台車中心間距離は8,020mm、自重は19.0t、換算両数は積車5.5、空車1.8であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであったが、タキ17500・タキ17502の2両はタンク体交換時に平軸受・コイルばね式のTR41DS-13に改造されている。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には2両(タキ17500・タキ17502)がJR貨物に継承され、1995年平成7年)度末時点では現存していたが、2001年(平成13年)4月に2両とも廃車となり同時に形式消滅となった。

タキ14800形

国鉄タキ14800形貨車
タキ14800形、コタキ14824 1995年4月30日、宇部駅
タキ14800形、タキ14824
1995年4月30日、宇部駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 宇部興産、三菱化成工業、日本陸運産業
製造所 川崎重工業三菱重工業富士車輌
製造年 1969年(昭和44年) - 1981年(昭和56年)
製造数 34両
消滅 2007年(平成19年)
常備駅 居能駅黒崎駅
主要諸元
車体色 黒、銀
専用種別 カプロラクタム
化成品分類番号 90
軌間 1,067 mm
全長 11,100 mm
全幅 2,900 mm
全高 3,930 mm
タンク材質 ステンレス鋼
荷重 35 t
実容積 34.5 m3
自重 18.4 t
換算両数 積車 5.5
換算両数 空車 1.8
台車 TR41C、TR41DS-13、TR213C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 7,300 mm
最高速度 75 km/h
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タキ14800形は、カプロラクタム専用の35t 積タンク車として1969年(昭和44年)から1981年(昭和56年)にかけて9ロット34両(タキ14800 - タキ14833)が川崎重工業三菱重工業富士車輌の3社にて製作された。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

落成時の所有者は、宇部興産、三菱化成工業(現在の三菱化学)の2社であった。1984年(昭和59年)2月28日より1985年(昭和60年)2月28日にかけて三菱化成工業所有車5両(タキ14816、 タキ14830 - タキ14833)が日本陸運産業(現在の日陸)へ名義変更された。

1979年(昭和54年)10月に制定された化成品分類番号では、90(有害性物質、危険性度合3(小))が標記された。

タンク体は、ステンレス鋼製で厚さ150mmのウレタン断熱材を巻き、薄鋼板製(又はステンレス鋼製)のキセ(外板)が設置された。

荷役方式はタンク上部にある液出入れ管からの上入れ、上出し式である。荷降ろしの際には加圧窒素を併用した。タキ14803、タキ14806、タキ14823 の3両は1974年(昭和49年)8月1日に新たに新製されたタンク体に交換された。

車体色は黒色、寸法関係は全長は11,100mm、全幅は2,900mm、全高は3,930mm、台車中心間距離は7,300mm、自重は18.4t、換算両数は積車5.5、空車1.8であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cと平軸受・コイルばね式のTR41DS-13とコロ軸受・コイルばね式のTR213Cであった。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には29両(タキ14800、タキ14802 - タキ14807、タキ14809 - タキ14824、タキ14828 - タキ14833)がJR貨物に継承され、1995年平成7年)度末時点では12両(タキ14800、タキ14803 - タキ14806、タキ14816、タキ14822、タキ14824、タキ14830 - タキ14833)が現存していたが、2007年(平成19年)10月に最後まで在籍した2両(タキ14832・タキ14833)が廃車となり同時に形式消滅となった[1]

年度別製造数

各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和44年度 - 30両
    • 川崎重工業 2両 宇部興産(タキ14800・タキ14801)
    • 三菱重工業 1両 三菱化成工業(タキ14802)
    • 富士車輌 4両 宇部興産(タキ14803 - タキ14806)
    • 三菱重工業 14両 三菱化成工業(タキ14807 - タキ14820)
    • 川崎重工業 2両 宇部興産(タキ14821・タキ14822)
    • 富士車輌 4両 宇部興産(タキ14823 - タキ14826)
    • 川崎重工業 3両 宇部興産(タキ14827 - タキ14829)
  • 昭和55年度 - 2両
    • 三菱重工業 2両 三菱化成工業(タキ14830・タキ14831)
  • 昭和56年度 - 2両
    • 三菱重工業 2両 三菱化成工業(タキ14832・タキ14833)

脚注

  1. ^ 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』No.810 鉄道車両年鑑2008年版 p.116

参考文献

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目