西福岡マリナタウン

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西福岡マリナタウン
 愛宕浜
ヒルトン福岡シーホークよりの眺望
ヒルトン福岡シーホークよりの眺望
地図
愛宕浜(西福岡マリナタウン)の地図
西福岡マリナタウンの位置(福岡市内)
西福岡マリナタウン
西福岡マリナタウン
愛宕浜(西福岡マリナタウン)の地図
西福岡マリナタウンの位置(福岡県内)
西福岡マリナタウン
西福岡マリナタウン
西福岡マリナタウン (福岡県)
西福岡マリナタウンの位置(日本内)
西福岡マリナタウン
西福岡マリナタウン
西福岡マリナタウン (日本)
北緯33度35分40.0秒 東経130度20分1.2秒 / 北緯33.594444度 東経130.333667度 / 33.594444; 130.333667
日本
都道府県 福岡県
市町村 福岡市
西区
面積
 • 合計 0.74 km2
人口
(2022年11月末現在)
 • 合計 8,541人
 • 密度 12,000人/km2
等時帯 UTC+9 (JST)
郵便番号
819-0013
市外局番 092
ナンバープレート 福岡
※座標は愛宕浜中央公園付近

西福岡マリナタウン(にしふくおかマリナタウン)は、福岡県福岡市西区にある博多湾埋め立てによるウォーターフロント開発によって誕生した住宅地区の愛称。現行の行政地名は、愛宕浜一丁目から四丁目まで[1]。2022年11月末現在の人口は8,541人[2]郵便番号は819-0013[3]

地理

福岡市の都心部とされる中央区天神等の西南西約6キロメートル、西区の室見川と名柄川に挟まれた海沿いの北東部に位置している。東で室見川の河口を介して百道浜ももちはまと、南で豊浜とよはまと、また南でマリナ通りを挟んで姪の浜めいのはまと、東で名柄川の河口を介して小戸おどと隣接する。

河川

次の河川が横断している[4]

歴史

福岡市が1981年に策定した「第5次福岡市基本計画」中、「21世紀を目指した海浜都市づくり」構想に基づき、1982年から1988年4月までに行われた博多湾埋め立て第一期工事「地行・百道地区」(事業主体:福岡市)「小戸・姪浜地区」(事業主体:博多港開発)のうち、「姪浜地区」が当該地である。埋め立てには海底砂の浚渫土砂[注釈 1]のほか、旧早良炭鉱第二抗近くにあったボタ山のボタや同時期に移転解体した旧福岡県県庁舎のコンクリート廃材も使用されている。[6]。「西福岡マリナタウン」の愛称は福岡市の職員などによる公募で1986年10月22日に決定した[7]

当初より都市化に伴う人口増に対応したニュータウンという位置づけで、閑静でゆとりがある住宅地区を目指して造成されたため、総面積76.4hrのうち41.8hrが住宅用地である[8]。海沿いに人工海浜を擁する「マリナタウン海浜公園」[9]、防風林を挟み海沿いに高層マンション群、旧海岸沿いの内陸側に分譲戸建て住宅、区域内に市立愛宕浜小学校、市立姪浜中学校、市立福岡女子高校、また数多くの公園と中央に緑道を配し、極力商業施設を排除するなど福岡市もモデル事業としての計画都市とすして、都心に近い場所でありながら閑静な環境を実現している。海浜地区であり電線類が地下埋設のため景観が良く、CM等の撮影にも使われている。

交通面では西鉄バス愛宕浜営業所から都市高速経由の高速バスが発着しており、また福岡都市交通の愛宕ランプまで1km、市営地下鉄姪浜駅まで2km、また能古渡船場から能古島に市営渡船が出るなど恵まれた立地となっている。

埋め立て完成時の地名は一時的に隣接地の「姪浜3丁目」であったが、1988年3月22日からは「愛宕浜一丁目、二丁目、三丁目及び四丁目」と町名が変更された[10]。福岡市が1995年に誘致し開催都市となった1995年夏季ユニバーシアード時には、分譲前の高層住宅を含む一帯が選手村として整備し提供された。

沿革

  • 1981年昭和56年)
    • 第5次福岡市基本計画で、博多湾埋め立てを計画
  • 1982年(昭和57年)
    • 4月 -博多湾埋め立て第一期(西部地区/地行・百道地区、姪浜・小戸地区)起工[11]
    • 1月 -旧福岡県庁廃材コンクリート(40000㎥)を福岡県側が運搬費用を負担することで姪浜・小戸地区埋め立て用に受け入れることを福岡県・福岡市が合意[6]
  • 1986年(昭和61年)
    • 6月 - 西部埋め立て地の愛称が決まる。地行・百道地区「シーサイドももち」、姪浜地区「西福岡マリナタウン」[7]
  • 1987年(昭和62年)
    • 7月 - 人工海浜と駐車場を7月19日から8月31日までの期間限定で開放 [12]
  • 1988年(昭和63年)
    • 3月 - 埋め立て工事竣工、埋め立て地区の新町名を姪浜3丁目から愛宕浜1~4丁目に変更[10]
  • 1989年平成1年)
    • 11月 - 博多夢松原の会が人工海浜に約1000本のクロマツ苗を植樹[13]
    • 12月 - 西日本鉄道 今川営業所 愛宕浜車庫(現:愛宕浜自動車営業所) 営業開始[14]
  • 1990年(平成2年)
    • 2月 - 人工海浜を管理する港湾海浜管理センターが福岡市の出資で発足[15]
    • 4月 - 人工海浜を「マリナタウン海浜公園」として全面オープン[16][17]
  • 1991年(平成3年)
    • 4月 - 福岡市が1995年夏季ユニバーシアード福岡大会の選手村として西福岡マリナタウンを活用する方針を決定[18]
    • 7月 - 「西福岡マリナ大橋」完工[19]
    •     西福岡マリナタウン戸建住宅128戸販売[20]
  • 1992年(平成4年)
    •     西福岡マリナタウン戸建住宅97戸販売[21]
  • 1994年(平成6年)
    • 6月 - ウェーブコースト敷地内にユニバーシアード記念彫刻が公募により設置される
    • 9月 - 市道唐人町豊浜線の西区内及び市道豊浜小戸線の愛称が「マリナ通り」になる[22]
  • 1995年(平成7年)
  • 1996年(平成8年)
  • 1998年(平成10年)
    • 4月 - 愛宕浜公民館開設
  • 2000年(平成12年)
  • 2006年(平成18年)


街づくりの状況
1975年1月に国土地理院が撮影した航空写真。豊浜団地が博多湾に張り出している。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成 1983年10月に国土地理院が撮影した航空写真。護岸工事の様子。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成 1987年9月に国土地理院が撮影した航空写真。埋め立てがほぼ完了している。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成 1993年5月に国土地理院が撮影した航空写真。戸建住宅エリアは完成。高層住宅エリアの整地が進んでいる。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成 2007年7月に国土地理院が撮影した航空写真。高層住宅が完成し、姪浜中学校も移転を完了して街並みが完成している。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

1995年夏季ユニバーシアード福岡大会 選手村について

ユニバーシアード福岡大会のシンボルロゴがあしらわれた街灯。ウェーブコースト前 2018年撮影

福岡市が主会場となった1995年夏季ユニバーシアード福岡大会において、各競技会場や開閉会式会場の福岡ドームに近く、まとまった戸数が確保できるという理由で、整備途中の西福岡マリナタウンが1995年8月16日から同年9月5日までの期間、選手村となった[26].。

選手村には4つのゾーンがあり、「宿舎ゾーン」には分譲前の高層住宅が提供された。内訳は積水ハウス分譲分6棟400戸、博多港開発分譲分6棟600戸、住宅都市整備公団分譲分2棟200戸、合計14棟1200戸が宿舎ゾーンとなった。個別には内装は仕上げが施されていない状態で提供され、仮設トイレや仮設洗面所は各室内に、それ以外の水回りは共同シャワー室や共同洗濯場という形で各棟に仮設設置し、選手村閉村後は再度分譲用の内装工事を行ったのちに新規分譲された。また「運営ゾーン」として現在商業施設になっている住宅販売センターが選手村本部、開校前の福岡市立愛宕浜小学校が選手村本部分室および消防隊詰所、現在福岡市立姪浜中学校になっている敷地がバスターミナルとして整備された。

「交流・サービスゾーン」としては、現在ウェーブコースト5番館から8番館がある敷地に仮設のビレッジサービスセンターが設けられ、総合案内所、2000席のレストラン、売店、理・美容室、両替所、郵便局などの施設のほかゲームセンターやディスコまで設けられた。人工海浜を含む一帯は選手専用のプライベートビーチとなり、隣接地には旗広場や礼拝室も設けられた。「ウォームアップゾーン」は福岡市立福岡女子高等学校のグラウンド、体育館、プールが活用された。開催期間中合計161か国・地域5731人の選手・役員が入村した[27]。ユニバーシアード大会が成功した経験により、福岡市は2006年4月14日に2016年のオリンピック誘致活動を開始したが誘致は成功しなかった。

人口

愛宕浜一丁目から四丁目までを合わせた人口の推移を福岡市の住民基本台帳(公称町別)[2]に基づき示す(単位:人)。集計時点は各年9月末現在である。

所在施設

  • 集合住宅
    • 西福岡マリナタウンウエーブコースト 福岡市住宅供給公社分譲 中高層7階から14階建て8棟 
    • 西福岡マリナタウンリベーラガーデン 博多港開発分譲 33階建て高層タワーマンションマリナタワーを擁する10棟の集合住宅群 
    • 西福岡マリナタウンクレアコースト 積水ハウスと福岡市住宅供給公社の共同分譲 中高層9階から14階建て5棟
    • 西福岡マリナタウンイーストコート 住宅都市整備公団分譲 中高層9階から14階建て9棟

交通

道路

  • 市道豊浜小戸線(愛称:マリナ通り)がほぼ旧海岸線を通っており、海側が西福岡マリナタウンとなる。市道豊浜小戸線のマリナタウン入口交差点を起点として愛宕浜四丁目交差点に戻ってくる形で西福岡マリナタウン内を環状に市道西福岡海岸線が通っており、西福岡海浜線の陸側が戸建てエリア、海側が高層住宅、他エリアに分かれる形となっている。 [28]

バス

  • 市道西福岡海岸線に西日本鉄道の路線バスが運行しており、以下のバス停留所がある[29]
    • 郵便局前・マリナタウン第一・愛宕浜一丁目・マリナタウン第二・愛宕浜二丁目・福岡女子高前・愛宕浜小学校前・能古渡船場(愛宕浜自動車営業所が併設)
  • 市道豊浜小戸線(愛称:マリナ通り)沿いに以下のバス停留所がある。
    • 愛宕浜四丁目
バスの運行詳細については西日本鉄道愛宕浜自動車営業所を参照ください。

鉄道

航路

    • 姪浜旅客待合所(能古渡船場)より能古島行きのフェリー、小呂島行きの旅客船が運航されている。[30]

脚注

注釈

  1. ^ 西福岡マリナタウンの埋立て材料として、その沖で海底の土砂が掘削利用され、「愛宕浜沖窪地」と呼ばれる浚渫窪地ができたが、博多湾の水質悪化の要因の一つと考えられて、国土交通省の直轄工事により埋戻し工事が実施されている。[5]

出典

  1. ^ 福岡市. “福岡市区の設置等に関する条例”. 2022年12月19日閲覧。→別表第1
  2. ^ a b 福岡市統計調査課. “登録人口(公称町別)- 住民基本台帳(日本人)男女別人口及び世帯数”. 福岡市. 2022年12月19日閲覧。
  3. ^ 日本郵便株式会社. “郵便局”. 2022年12月19日閲覧。→「郵便番号を調べる」→キーワード検索等
  4. ^ 福岡市河川計画課. “福岡市の河川概要”. 福岡市. 2012年5月21日閲覧。より「河川図」参照
  5. ^ 博多湾の窪地埋め戻しによる環境改善効果”. 国土交通省九州地方整備局博多港湾・空港整備事務所. 2021年6月16日閲覧。
  6. ^ a b 粗大ごみ「旧福岡県庁舎」博多湾埋め立てに 来月2月から取り壊し『毎日新聞』1982年11月23日
  7. ^ a b 『福岡市政だより』1986年11月15日号 1P
  8. ^ 博多湾に新たな海浜都市『西日本新聞』1984年9月29日
  9. ^ a b 福岡市海浜公園3地区マップ 福岡市海浜公園海っぴビーチマリゾン・博多湾環境整備共同事業体(福岡市海浜公園指定管理者)2018年9月10日閲覧
  10. ^ a b 『福岡市政だより』1988年4月1日号 5P
  11. ^ 博多湾埋め立てスタート 1期工事分255ヘクタール『毎日新聞』 1982年4月14日
  12. ^ 『福岡市政だより』1987年7月15日号 2P
  13. ^ 人工海浜に約1000本のクロマツ苗を植樹『西日本新聞』 1989年11月26日
  14. ^ 西日本鉄道100年誌 367P
  15. ^ 『西日本新聞』 1990年2月1日 
  16. ^ マリナタウン海浜公園 4/1オープン 総工費40億 『西日本新聞』 1990年3月29日 
  17. ^ 『福岡市政だより』1990年7月15日号 1P
  18. ^ 西福岡マリナタウンに選手村 95ユニバで福岡市が方針『西日本新聞』1991年4月12日
  19. ^ 埋立地と小戸地区を結ぶ「西福岡マリナ大橋」完工『西日本新聞』 1991年2月1日
  20. ^ 博多港開発株式会社の経営状況を説明する書類 1992年
  21. ^ 博多港開発株式会社の経営状況を説明する書類 1993年
  22. ^ ユニバ大会記念・道路5路線の愛称決まる 福岡市『西日本新聞』1994年9月30日
  23. ^ 学校案内福岡市立福岡女子高等学校 学校案内 2018年9月10日閲覧
  24. ^ 学校案内福岡市立愛宕浜小学校 2018年9月10日閲覧
  25. ^ 学校要覧福岡市立姪浜中学校 2018年9月10日閲覧
  26. ^ 選手村について第18回ユニバーシアード大会1995福岡 ホームページ 2018年9月10日閲覧
  27. ^ 財団法人1995年ユニバーシアード福岡大会組織委員会 第18回ユニバーシアード大会1995福岡 公式報告書 223P-235P
  28. ^ 福岡市路線情報・基準点配点情報提供システム 福岡市 2018年9月10日閲覧
  29. ^ 西日本鉄道株式会社. “西鉄バス 路線図”. 2022年12月24日閲覧。→西区・早良区版→路線マップ(PDF)
  30. ^ 福岡市営渡船航路福岡市港湾空港局 2018年9月10日閲覧

関連項目

外部リンク