シグ
シグ (SIG) は、スイス・シャフハウゼン州のノイウハウゼン・アム・ラインファル(Neuhausen am Rheinfall)に本社を置く工業製品メーカー。現在は飲料・食品向け紙容器の世界大手であり、30カ国以上に現地法人を持つ[1]。正式社名はシググループ (SIG Group)[2]。日本では、大日本印刷との合弁企業「株式会社DNP・SIG Combibloc」を設立している。スイス証券取引所上場企業(SIX: SIGN)。 同社の設立当初の社名はSchweizerische Industrie-Gesellschaftであり、その略称としてSIGが使われていたが、2001年にシグ(SIG)を正式社名とした。2007年にニュージーランドの投資家が率いるランクグループが買収、その後2014年にカナダの投資会社Onexの傘下となったが[3]、2018年9月に株式の一部が売却され、株式公開企業となった[4]。 過去には鉄道車両や銃器の製造を行っており、特に銃器のブランド名は、同社が製造から撤退した現在でも広く知られている。ここでは過去の製品を含め、それらの代表製品についても説明する。 現在の事業現在の事業は、飲料や食品向け紙容器の製造・販売である。自社製品用の作業機械製造に端を発し、モーター、電子制御などの業種の買収、売却を繰り返し、最終的に包装容器製造事業に特化した。 1989年にドイツの企業PKLフェアパックングシステムを買収し飲料包装事業に参入。1998年にSIGパッケージングシステムPKLからSIG Combiblocに改称。2000年に包装機械事業への集中を決定した[5]。2008年にペットボトル製造関連事業をドイツの企業ザルツギッターに売却し、以後、紙製無菌包装容器の製造に集中している。 2016年、大日本印刷と日本市場における飲料・食品用紙容器事業で協業することに合意[6]、2018年4月、大日本印刷との合弁企業「株式会社DNP・SIG Combibloc」(出資割合は各50%)を東京に設立した[7]。 沿革1853年に鉄道の客車製造業として創業。その後、業務拡大により機械製造、武器製造も手がけたが、関連外の事業の大半を売却した。 2000年に銃器部門のすべての事業を売却したためSIGシリーズの名は買収者が新たに設立したスイスアームズ・ノイハウゼン(SWISS ARMS Neuhausen)に引き継がれた。傘下のザウエル&ゾーン(1976年買収)ブレーザー(1997年買収)も買収者に引き継がれ、武器製造事業から完全に撤退した。 過去の各事業
鉄道車両創業当時からの主力事業だったが、1995年にイタリアのフィアットグループの鉄道事業会社FIAT FERROVIARIAに売却。売却後はフィアット傘下となったFIAT-SIG ikariya Biorante の株式を保有していたが2000年に全保有株式を売却、現在は完全に事業から撤退している。撤退前、一時期トーションバーを採用したSIG式台車を日本車輌製造がライセンス生産していた。 2002年にフランスのアルストムによるFIAT FERROVIARIA買収に伴いFIAT-SIGはALSTOM Schienenfahrzeugeに改称している。FIAT-SIGの製品はスイス連邦鉄道に採用実績がある。 銃器1860年から製造を開始。ヘンメリ、ザウエル&ゾーン、ブレーザーの各社を買収。 1985年にアメリカ合衆国に現地法人「SIGARMS」(現SIG Sauer)を設立。 2000年に銃器製造に関する事業を売却。現在は完全に事業から撤退。 SWISS ARMS2000年にシグから銃器部門を買収した投資家が設立した会社。「SIG」「SIG SAUER」の権利も引き継いでいる。 2007年10月1日にアメリカ現地法人「SIGARMS」を「SIG Sauer」に改称した。 SIGシリーズSIGシリーズはシグ社の銃器部門の製品で、独自ブランドの「SIG」とザウエル&ゾーンと共同開発した「SIG SAUER」がある。モーゼルのピストル「Mauser M2」はシグアームズ(SIGARMS:1985年設立のアメリカ現地法人)のカスタムモデルであり、ライフル「Mauser M98」はライセンス生産品であるため「SIGシリーズ」と見做されることがある。
契約上シグの名称は「SIG シリーズ」「シグアームズ」に残っているが、シググループとの資本関係は存在していない。以下この項目はスイスアームズのSIGシリーズについて記載する。
出典
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