『神去なあなあ日常 』(かむさりなあなあにちじょう、The easy life in KAMUSARI )は、三浦しをん による日本 の青春小説 。『本とも』にて2007年 7月号から2008年 7月号まで連載され、加筆修正の後、2009年に徳間書店 より刊行された。本屋大賞 で第4位。2012年 に続編『神去なあなあ夜話』が刊行され、発行部数はシリーズ累計で35万部を超える[ 1] 。
2010年 にNHK-FM放送 「青春アドベンチャー 」でラジオドラマ 化、2014年 に『WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜 』(ウッジョブ かむさりなあなあにちじょう)のタイトルで染谷将太 主演で映画化された。
また、2014年9月12日から14日にかけてアメリカ合衆国 ・ロサンゼルス で開催されたLA EigaFest 2013では招待作品として上映された。
あらすじ
高校卒業後の進路を決めていなかった平野勇気 は、卒業式終了後に担任から就職先を決めておいたと言われ、母親からは恥ずかしいポエムを暴露すると半ば脅される形で家を追い出され、どんな仕事をさせられるのかも分からないまま、三重県の神去村へとやってくる。
列車を乗り継いで着いた先は、見渡す限り山が続く、ケータイの電波も届かない田舎。勇気が就職することになったのは、中村林業株式会社。山仕事に関しては天才的な才能を持つ飯田ヨキの家に居候しながら、ベテラン社員に付いて現場に出た勇気を待っていたのは、広大な山の手入れ。過酷な山仕事に何度も逃げ出そうと試みるもあえなく失敗、ヒル やダニ との戦い、花粉症 発症など、辛いことはたくさんあれど、それらを凌駕する雄大な自然に勇気は次第に魅了されていく。さらに勇気は、神去小学校の美人教師・直紀に高望みの恋心を抱き、玉砕しても諦めずに想い続ける。そして、神去村で48年に一度行われる神事オオヤマヅミ に、勇気も参加することになる。
登場人物
平野 勇気(ひらの ゆうき)
神奈川県 出身。高校卒業後の進路を特に決めていなかったが、卒業式終了後に担任から就職先を言い渡され、仕事内容を知らぬまま、半ば脅される形で家を追い出され、神去村へやって来る。
飯田 与喜(いいだ よき)
勇気の居候先の主で、中村班のエース。作中ではヨキ 。ヨキは「斧 」の意。山仕事に関しては天才的な才能を持つ。愛妻家だが、街に出た時は浮気をすることもある。
飯田 みき(いいだ みき)
ヨキの妻。華奢で小柄な体格だが、エキゾチックな顔立ちの美人。実家は神去村唯一の商店「中村商店」で、村人たちから百貨店と呼ばれている。清一とは遠縁に当たる。幼い頃からヨキのことが好きだった。
飯田 繁(いいだ しげ)
ヨキの祖母で名付け親。週に2回、街へデイサービス に行く以外は、日がな一日、家の中で座っている。
ノコ
飯田家の飼い犬。オス。
中村 清一(なかむら せいいち)
中村林業株式会社社長。30代。山太(さんた)という息子がいる。1200ヘクタール(東京ドーム 約256個分)の広大な山林を所有する、日本でも有数の大山持ちで、村の林業従事者をまとめる「おやかたさん」。
中村 祐子(なかむら ゆうこ)
清一の妻。都会にもなかなかいない美人。東京生まれで、神去にある祖父母の家には夏休みなどに遊びに来ていたが、清一とは大学のサークルで初めて出会い、結婚した。
田辺 巌(たなべ いわお)
50歳。神去地区の住人。中村班のメンバー。
小山 三郎(こやま さぶろう)
74歳。神去地区の住人。中村班のメンバー。飯田家の向かいに住む。
山根(やまね)
神去村の老人。
直紀(なおき)
祐子の妹。神去小学校の教師。バイクを颯爽と乗りこなす美女。
熊谷(くまがい)
勇気の高校3年時の担任。進路が決まっていなかった勇気の名で、国が助成金を出している「緑の雇用制度」に勝手に応募し、彼の就職先を決める。
用語
神去村(かむさりむら)
三重県 中西部、奈良県 との県境近くにある村。下(しも)地区、中地区、神去地区の3地区に分かれており、神去地区は村の最も奥まったところにある。三浦しをんの父・三浦佑之 の出身地である美杉村 がモデル。
なあなあ
神去村の人々の口癖で、「ゆっくり行こう」「まあ落ち着け」というニュアンスを持つ言葉で、拡大解釈して「のどかで過ごしやすい日和ですね」という使われ方もする。
ラジオドラマ
2010年 9月20日 から9月24日 及び9月27日 から10月1日 まで、NHK-FM放送 『青春アドベンチャー 』で全10話が放送された。
スタッフ
脚色 - 棚瀬美幸
演出 - 佐々木正之
選曲 - 黒田賢一
技術 - 大宅健司、山田顕隆
音響効果 - 岩崎進、古川千鶴
キャスト
映画
『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜 』(ウッジョブ かむさりなあなあにちじょう)のタイトルで、2014年 5月10日 公開された。キャッチコピーは、「少年よ、大木を抱け。 」。主演は染谷将太、監督は矢口史靖で、矢口にとって初となる原作付きの作品[ 3] 。撮影は、三重県の山間部を中心にオールロケで約1か月半かけて行われた[ 4] 。全国310スクリーンで公開され、全国映画動員ランキングでは初登場6位、公開初週土日2日間の成績は動員8万1,862人、興収1億700万2,400円。8割を占める20 - 50代の客層のうち、63対37の割合で男性が多く、また会社員が多く鑑賞している[ 5] 。ぴあ による5月9日・10日公開初日映画の満足度調査ではトップを獲得した。
9月12日から14日にかけてハリウッド で開催される映画祭「LA EigaFest 2014 」で、9月13日に公式上映された。[ 6]
キャスト
映画 『WOOD JOB !〜神去なあなあ日常〜』 のロケで直紀の家に使われた場所。
映画 『WOOD JOB !〜神去なあなあ日常〜』 のロケでヨキの家に使われた場所。
スタッフ
受賞
関連商品
テレビ放送
回数
テレビ局
番組名(放送枠名)
放送日
放送時間
放送分数
視聴率
1
TBS
2016年 2月24日
26:08 - 28:00
112分
1.7%
視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。
オーディオブック
2019年 9月12日 にオーディオブック配信サービス「audiobook.jp 」から配信開始された[ 11] 。
キャスト
その他
津市 (旧・美杉村 ) - 本作の舞台である神去村のモチーフとなった地。三浦しをんの父である佑之 の出身地で、佑之の父も林業に従事していた。映画の撮影も当地で行われた[ 3] 。
明知鉄道 - 映画に登場するローカル線の撮影が行われた[ 3] 。飯沼駅 でも行われている。
タイアップ商品として、『浪花ひとくち餃子チャオチャオ』で”森林”をテーマにした餃子が販売されていた。
買い物に行っているスーパーのシーンは名張市のオークワ西原店である。
関連書籍
脚注
関連項目
外部リンク
作品
怪獣映画
ゴジラ映画
作品
昭和シリーズ 平成vsシリーズ ミレニアムシリーズ 2010年代以降 アニメ映画 アメリカ映画
テレビ・Web番組 関連作品
その他
関連人物
プロデューサー 原作者 脚本家 映画監督 特技監督 音楽家 スーツ・モーションアクター 彫刻家 その他
カテゴリ
モスラ映画 (ゴジラ映画以外)
ウルトラシリーズ 上記以外の怪獣映画
他のシリーズ
上記以外の映画
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関連項目
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