2020年オーストリアグランプリ
2020年オーストリアグランプリ (2020 Austrian Grand Prix) は、2020年のF1世界選手権の開幕戦として、2020年7月5日にレッドブル・リンクで開催された。 正式名称は「Formula 1 Rolex Grosser Preis Von Österreich 2020」[1]。 レース前
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フリー走行
予選2020年7月4日 15:00 CEST(UTC+2) 気温25度、路面温度53度、ドライコンディション[22]。 メルセデスのバルテリ・ボッタスがコースレコードを更新し、ポールポジションを獲得した。ボッタスがQ3最後のアタックでコースアウトしたことにより黄旗が出され、チームメイトのルイス・ハミルトンはタイムを更新することができなかった[22]。その際にハミルトンは黄旗を無視した疑いで審議対象となり、一旦は不問となったが[23]、レッドブルの再検証の要請により、決勝を前に3グリッド降格とペナルティポイント2点加算処分という厳しいペナルティが科された。これにより3番手だったレッドブルのマックス・フェルスタッペンが繰り上がり、ボッタスと共にフロントローに並ぶ事となった[24][25]。フェルスタッペンは唯一ミディアムタイヤでQ3進出を果たしたため、決勝はミディアムタイヤでスタートする。マクラーレン勢はランド・ノリスが3番手[注 2]でレッドブルのアレクサンダー・アルボンを上回り、カルロス・サインツが8番手。レーシング・ポイント勢はセルジオ・ペレスが6番手、ランス・ストロールが9番手と2台ともQ3に進出した[22]、一方でフェラーリ勢はSF1000の空力に深刻な欠陥を抱えており、シャルル・ルクレールは7番手がやっとで、前年に自身がポールポジションを獲得したタイムより1秒近く遅く、セバスチャン・ベッテルに至っては2015年のフェラーリ加入後マシントラブル等を除き初めてのQ2敗退を喫し、11番手に終わった[26]。さらにフェラーリのパワーユニットを使用するカスタマーチームも同様に振るわず、ハースはロマン・グロージャンが辛うじてQ2に進出するに留まり、アルファロメオは2台揃ってQ1敗退を喫した[27]。今年度唯一のルーキーであるニコラス・ラティフィは最下位の20番手で、最後尾グリッドからスタートする[22]。 予選結果
決勝2020年7月5日 15:10 CEST(UTC+2)[31] 2014年以来の7連覇を狙うメルセデスのバルテリ・ボッタスのポール・トゥ・ウィンという形で幕を開けた。優勝の常連チームでもあるレッドブルの2台も含めた計9台(うち2台は完走扱い)がリタイアとなるサバイバルレースとなった。2位走行中だったルイス・ハミルトンはレース中、61周目にアレクサンダー・アルボン(レッドブル)と接触した責を問われ、5秒のタイムペナルティを受けた影響で4位に降格、表彰台を失っただけでなく、メルセデス勢は1-2フィニッシュを失った。ハミルトンの後ろ2台のうちの1台だったシャルル・ルクレール(フェラーリ)が3位でフィニッシュしたが、ハミルトンのペナルティで2位へ昇格。もう1台のランド・ノリス(マクラーレン)が終盤の数周でファステストラップを記録し、チェッカー時に5秒の圏内に入ることに成功し、3位へ昇格。繰り上げとなったがキャリア初の表彰台を獲得する結果となった。 展開シーズン初レースは無観客の中スタート。タイヤ選択について、予選Q3進出者は予選に関する規定に従いソフトタイヤ、そのうちマックス・フェルスタッペンはミディアムタイヤでスタートすることに成功[注 3]した。11番手以降は全車ミディアムを選択した。スタート時は全車何もトラブルなく、オープニングラップでも順位変動はあっても接触などの混乱は起きずレースがスタートした。 11周目、フェルスタッペンのマシンがターン2付近でスローダウンし、ピットへ帰還するもレースへの復帰は叶わず、シーズン最初のリタイア者となった。 18周目にダニエル・リカルド(ルノー)、それとほぼ同時にランス・ストロール(レーシング・ポイント)がリタイア。序盤ながら早くも3台が姿を消した。ルノーは冷却系のトラブルからのリタイア。レーシング・ポイントはセンサーの問題が原因のリタイアと発表された。26周目、ケビン・マグヌッセン(ハース)がターン3を止まりきれずにコースオフ。そのままコース外にマシンを停めた。チームはレース後にブレーキトラブルが原因であったと発表した。 このタイミングで初のセーフティーカーが出動。これを利用して各車ピットへと入りタイヤ交換を済ませた。セルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)のみが唯一、ハードではなくミディアムに履き替えた。 4周のセーフティカーラップを挟み、レースは31周目にリスタートを迎えた。その直後、ターン3への侵入でセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がカルロス・サインツ(マクラーレン)と軽く接触。スピンしてしまったベッテルは後方に転落した。なお、この一件はレーシングアクシデントとして処理されている。 レース折り返しを迎えた43周目、トップを快走していたメルセデスのシャシーに問題が発生した。チームは2台に対し、ギアボックスセンサーで問題が確認されたため、縁石の使用を避けるよう無線で要求した。DRS圏内で激しく争っていた2台はペースダウンし、2位を走行していたハミルトンは追撃の手を緩める形となった。 51周目、ロマン・グロージャン(ハース)がターン4でコースオフした。マグヌッセンをブレーキトラブルで失ったハースは、グロージャンもリタイアさせる事を決断した。その直後、今度はジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)がパワーダウンを訴えコース脇にマシンを止め、2度目のセーフティーカーが導入された。 このタイミングで3番手を走行していたアルボンが勝負に出た。2度目のピットストップを行い中古のソフトタイヤにチェンジ。ペレスの後ろ4番手でコースに復帰。同じく、クビアトとベッテルもソフトへと履き替え、ノリス、ルクレール、サインツはミディアムに履き替えた。上位勢としては、先頭3台のメルセデスPU勢のみがステイアウトを選択した。 それぞれの異なる戦略を取って再スタートするかと思われたが、55周目のリスタートと同時に、今度はキミ・ライコネン(アルファロメオ)にトラブルが襲いかかった。最終コーナーに差し掛かる所で右フロントタイヤが脱落。非常に危険な状況ではあったものの他車との接触はなく、ライコネンはクルマをホームストレート脇に停め、自らの足でピットへと歩いて戻った。ただし、この件は危険行為と認定され、チームに対し5000ユーロ(約60万円)の罰金ペナルティが課せられた。この影響で3度目のセーフティーカーが導入され、マシンが停車した位置の関係上、ピットレーンを通過しながら周回を重ねることが命じられた。 残り10周でレースはリスタートを迎えた。3番手を走行していたアルボンは上手くスタートを切り、ハミルトンを攻め立てた。チャンスと見たターン4でアウト側からオーバーテイクを仕掛けたが2台は接触。アルボンはスピンしてグラベルへと飛び出し、最後尾13番手にまで転落した。この一件は審議の対象となり、スチュワードはハミルトンに非があるとして5秒のタイムペナルティおよびペナルティポイント2点という裁定を下した。 残り3周、隊列後方を走行していたアルボンがフェルスタッペンと同様の理由でランオフエリアでマシンストップ。8台目のリタイアとなった。レース終盤は至る所で接触やら小競り合いが勃発。ファイナルラップを直前にして、クビアトがオコンとのバトルの過程でサスペンションが破損しランオフエリアにマシンを止め、リタイアした。ボッタスはそのままトップでチェッカーを受けた。2位でチェッカーを受けたハミルトンだったが、後続にタイムペナルティ分の5秒以上差をつけることができなかったため、降格が確定。その5秒圏内にいたルクレールがまずチェッカーを受け、2位表彰台を獲得。3位は一旦はハミルトンかと思われたが、残り2周目からペースアップし、最後にファステストラップを記録したノリスがその5秒圏内へ入ることに見事成功。繰り上がりではあるが、3位表彰台を獲得した。 そのうち、ハミルトンは本GPだけで2回のペナルティポイント加算処分を受け、合計4ポイントのペナルティポイントとなり、シーズンで初めてペナルティポイント加算処分を受けたドライバーとなった。 レース結果
第1戦終了時点のランキング
脚注注釈出典
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