2023年カタールグランプリ(英: 2023 Qatar Grand Prix、正式名称: Formula 1 Qatar Airways Qatar Grand Prix 2023[W 1])は、2023年のF1世界選手権第18戦として、2023年10月8日にルサイル・インターナショナル・サーキットで開催された。
背景
- タイヤ
- 本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C1、ミディアム(黄):C2、ソフト(赤):C3のハード寄りの組み合わせ[W 2]。
ピレリタイヤの組み合わせ
ドライ用
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ウェット用
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C1
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C2
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C3
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インターミディエイト
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フルウェット
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(ハード)
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(ミディアム)
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(ソフト)
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(小雨用)
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(大雨用)
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- DRS:1箇所[W 2]
※( )内は検知ポイント
- DRS1:ターン16の130m先から(ターン15の40m先)
- サーキット
- 初開催となった2021年はオーストラリアGPの開催中止によるものであり、カタールでFIFAワールドカップが開催された2022年を挟み、本年から10年間の開催契約が始まる。それを踏まえてグランドスタンドの収容人数を4万人に増やし、VIPエリアのやデブリフェンスの新設をはじめ、パドック施設の全面改修、安全性向上のためコース周囲のデジタルフラッグパネルとマーシャルポストの更新を行った[W 3]。
- ドライバーズ・チャンピオンシップの行方
- 前戦日本GP終了時点でランキング首位のマックス・フェルスタッペン(400点)は、2位でチームメートのセルジオ・ペレス(223点)に177点差を付けている。フェルスタッペンはあと3点を獲得すれば、ペレスの結果に関係なく3年連続3回目のチャンピオンが決定する。なお、本GPはスプリントが開催されるフォーマットとなるため、スプリントの結果によってチャンピオンが決定する可能性がある[W 4]。
エントリー
前戦から変更なし。
フリー走行
FP1
2023年10月6日 16:30 AST (UTC+3)
FP1の結果
予選
2023年10月6日 20:00 AST (UTC+3)
予選結果
- 追記
スプリント・シュートアウト
2023年10月7日 16:20 AST (UTC+3) ※当初の開始時刻は16:00
ピレリが前日の走行後にタイヤを確認した結果、改修された縁石によって激しいタイヤのダメージが生じることが判明した。FIAはその対策としてターン12とターン13に新たなトラックリミットを設定した。それに伴い、本来のスタート時刻であった16時より10分間の慣熟走行を実施するため、開始時間を20分遅らせた[W 11]。
スプリント・シュートアウトの結果
- 追記
スプリント
2023年10月7日 20:30 AST (UTC+3)
- 5.419 km × 19周 - 0.272 km(オフセット)= 102.689 km[1]
- 天候:(夜間) 路面状況:ドライ[1]
3回のセーフティカーが導入される荒れた展開となったが、オスカー・ピアストリが初めてスプリントを制した[2]。マックス・フェルスタッペンは2位で3年連続3回目のドライバーズチャンピオンを決めた[W 14]。
スプリントの結果
- 追記
- ^1 - ルクレールとストロールはトラックリミット違反により5秒のタイムペナルティ(ペナルティ未消化のため、レースタイムに5秒加算)が科せられた[1]
- ファステストラップ[1][W 17]
- ラップリーダー[1][W 18]
決勝
2023年10月8日 20:00 AST (UTC+3)
スプリントの結果を踏まえ、FIAと各チームの代表者が集まり、決勝におけるタイヤの総寿命を1セットごとに最大18周とすることが決定した。決勝の周回数は57周であるため、完走するには最低3回のタイヤ交換が必要という異例のレースとなった[W 19]。
異例な状況で行われたレースは、前日のスプリントでドライバーズ3連覇を決めたマックス・フェルスタッペンが1度も首位の座を渡さずポール・トゥ・ウィン、さらにレース終盤の56周目にファステストラップを記録したことによりグランドスラム[注 2]を達成し、今季14勝目を挙げた[3]。オスカー・ピアストリとランド・ノリスのマクラーレン勢が2-3位で、前戦日本GP及び前日のスプリントと同じ顔ぶれの表彰台となった[W 20]。
ナイトレースでも高温多湿なレース環境はドライバーを苦しめ、ローガン・サージェントは体調不良を引き起こしたためリタイアした[W 20]。
レース結果
- 追記
- ^FL - ファステストラップの1点を含む
- ^1 - ペレスはトラックリミット違反により、5秒ペナルティを3回科せられた(うち2回はレース中に消化、未消化の1回分がレースタイムに加算)[1]
- ^2 - ストロールはトラックリミット違反により、5秒ペナルティを2回科せられた(2回とも未消化のため、レースタイムに加算)[1]
- ^3 - ガスリーはトラックリミット違反により、5秒ペナルティを3回科せられた(うち1回はレース中に消化、未消化の2回分がレースタイムに加算)[1]
- ^4 - アルボンはトラックリミット違反により、5秒ペナルティを2回科せられた(2回とも未消化のため、レースタイムに加算)[1]
- 勝者マックス・フェルスタッペンの平均速度[1]
- ファステストラップ[W 23]
- ラップリーダー[W 24]
- 太字は最多ラップリーダー
達成された主な記録
(特記のない出典: [W 25])
- ドライバー
- コンストラクター
- エンジン
第18戦終了時点のランキング
- ドライバーズ・チャンピオンシップ
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- コンストラクターズ・チャンピオンシップ
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脚注
注釈
- ^ パワーユニットの2023年の年間上限はICE / TC / MGU-H / MGU-Kが4基、エナジーストア(ES) / CEが2基、エキゾースト(EX)が8基[W 10]。
- ^ 1つのレースでポールポジション、優勝、ファステストラップ、全周回ラップリーダーを記録すること。詳細は当該項目を参照。
- ^ ピケとチャンピオンを争っていたナイジェル・マンセルが第15戦日本GPの予選でクラッシュし、以後のセッションに出場できなくなったため、決勝前にピケのチャンピオンが決定した。
- ^ 2022年のRBPT名義を含める場合は18回目[W 28]。
出典
- 書籍
- ウェブサイト
参考資料