都ホテルズ&リゾーツ
都ホテルズ&リゾーツ(みやこホテルズアンドリゾーツ)は、株式会社近鉄・都ホテルズ(きんてつみやこホテルズ、英称:Kintetsu Miyako Hotels International, Inc.)が運営する、近畿圏を中心に東京から米国まで、「都ホテル」ブランドなどのシティホテル・リゾートホテル・旅館を展開する日本の大手ホテルチェーンである。近鉄グループに属する。 概説1890年創業、日本を代表する老舗ホテルとして数多くの国公賓を迎えてきた都ホテルを近鉄グループが買収したものがルーツ。宮内庁御用達(1954年に制度廃止、従来からの指定業者の使用のみ黙認)の志摩観光ホテルなど名門のシティホテル・リゾートホテルを有している。 ホテル間競争が激化する中、1998年以降ホテル事業を再編、宿泊予約センターやセールスオフィスの開設、共同購買、統一会計基準の導入など、チェーンメリットを活かしながら営業力強化を図っている。1998年7月、ホテル事業統括会社として、株式会社近鉄ホテルシステムズを設立。2000年3月には、同社が株式会社都ホテルを吸収合併。本店格の都ホテルを、スターウッド・ホテル&リゾート(現マリオット・インターナショナル)との業務提携により、「ウェスティン都ホテル京都」と改称するなど思い切った改革を実施。また、都ホテル東京、都ホテル大阪、新・都ホテル(京都)と併せて大規模なリニューアルも行うなど、大きくブランドイメージを変えている。2007年4月からは、都ホテル大阪と東京もスターウッド・ホテル&リゾートと提携して「シェラトン都ホテル大阪」「シェラトン都ホテル東京」に改称した。さらに、2014年「あべのハルカス」(仮称:阿部野橋ターミナルビルタワー館)には、「都ホテル」と「マリオット」との提携による、「大阪マリオット都ホテル」が開業した。 今後、東京・大阪等の都市において宿泊特化型ホテルを展開する計画がある。すでに近鉄京都駅の改装に伴い、同駅の上に宿泊特化型ホテルが建設され、2011年10月1日に「ホテル近鉄京都駅(都シティ 近鉄京都駅)」として開業した。他に近鉄奈良駅前に大型ホテルを展開する計画もある[注釈 1]。 なお、2005年4月1日に、近鉄グループにおけるホテル施設資産保有の一元化と、コア事業としてのホテル事業の直営化を行うため、会社の再編を行っている。具体的には、株式会社近鉄ホテルシステムズの子会社として、株式会社ケイ・エイチ・エスを設立。株式会社近鉄ホテルシステムズが会社分割を行い、ホテル統括事業を株式会社ケイ・エイチ・エスに吸収させる。そして、近畿日本鉄道株式会社が(旧)株式会社近鉄ホテルシステムズを吸収合併すると同時に、株式会社ケイ・エイチ・エスが(新)株式会社近鉄ホテルシステムズに商号変更している。 2015年4月1日、100%親会社の近畿日本鉄道株式会社が社名を近鉄グループホールディングス(近鉄GHD)株式会社に変更し純粋持株会社に移行したのに伴い、同社のホテル事業を分割継承し社名を株式会社近鉄・都ホテルズに変更した。 2018年8月には、ブランドの再構築を発表。2019年4月1日から大きく分けて3つのブランドカテゴリーに分け、新たなロゴ・ホテル名を使用することになった[3]。
ホテル名称は、外資系提携ホテルをはじめ一部改称しないホテルもあるが、基本は「都ホテル ○○」のようにブランド名+地名の順に統一される[3]。 また、国内外で都シティブランドを中心に運営受託やフランチャイズ展開も行い、2018年8月現在の5874室を10年で8000室に増やす計画としている[4]。 コロナ禍による宿泊客の減少など社会構造の急速な変化を受け、2021年3月25日、近鉄GHDは当ホテルグループのうち8ホテルを米国の投資法人であるブラックストーン・グループが主体となって設立する特別目的会社(SPC)に譲渡することを発表した[5] 。SPCに譲渡されるのは都ホテル 京都八条、ホテル近鉄ユニバーサル・シティ、都ホテル 博多、神戸北野ホテル、都リゾート 志摩 ベイサイドテラス、都リゾート 奥志摩 アクアフォレスト、都ホテル 岐阜長良川、都ホテル 尼崎で2021年10月1日付けで譲渡し[5]、譲渡金額は非公表だが簿価423億円に対し約600億円とみられている[6]。譲渡後の8ホテルはSPCから近鉄・都ホテルズが運営を受託する形を取る「運営に特化したノンアセット経営」に移行する[5]。なお、株式会社近鉄・都ホテルズは現法人から近鉄GHDが新しく設立する法人へ吸収分割によりホテル運営事業を譲渡させ、現法人は近鉄不動産へ吸収合併させる新旧分離も併せて行う[5]。譲渡される8ホテルは、ウェスティン都ホテル京都や志摩観光ホテルといった基幹ホテル、シェラトン都ホテル大阪や大阪マリオット都ホテルのような鉄道施設(駅ビル)と切り離せないホテル、都シティ 東京高輪[注釈 2]など他社が所有するホテルを除く形で選定された[6]。ブラックストーンをパートナーに選んだ理由として、近鉄GHDの幹部は世界で10万室以上を保有する有数のホテルオーナーであり、ホテル事業にも通じていることも理由に挙げている[6]。 チェーンホテル一覧
日本国内以下、新ブランド構築後のカテゴリー分けとする[3]。 都ホテル
都シティ
都リゾート
上記3カテゴリ外上記3カテゴリに含まれないホテル・旅館[3]。
日本国外ともにアメリカ合衆国に所在、運営はアメリカ近鉄興業による。 旅館・他社委託・当社委託等旅館事業
外部へ委託当社へ委託開業予定・計画近鉄グループでは今後の新規出店は宿泊に特化したホテルに絞り、2030年度までに上記東阪に加えて札幌や名古屋などの大都市で合計8施設を開業する。ブランド名については、「都ホテル」「ホテル近鉄」以外の新ブランドも導入する考え、と報道されていたが[18]、上記の通り「都ホテル」「都シティ」「都リゾート」の3カテゴリ化されることになった[3]。前述の通り、2020年代に8000室まで増やす予定。 また、近鉄名古屋駅と名鉄名古屋駅の大規模再開発に伴うビル内に、ホテルの設置(名古屋都ホテル以来の再進出)を検討しているが、共同開発を行う名鉄グループとの調整が必要とされている[19]。 2017年に閉鎖した初代・金沢都ホテル(金沢ビル)の跡地に金沢都ホテル(2代目、仮称) を2020年をめどに建設予定[20]としている(ただし2022年10月時点では再開業していない)。 過去に営業していたホテル
その他事業・関連宿泊施設都ホテル列車食堂新幹線など国鉄やJRの食堂車、ビュフェ、車内販売で、「都ホテル列車食堂」[注釈 7]を帝国ホテルほかとともに営業していたが、JR系列会社が担当する列車の比率が増したことで採算が取れなくなり、JR化後1990年3月改正で撤退[31]・解散した。なお一部の社員は近鉄や都ホテルなどグループ会社へ転属となったほか、ジェイダイナー東海やにっしょく西日本などJR系の食堂・物販業者に転職した者もいた。 近鉄グループが経営している都ホテルズ・リゾーツ以外のホテル・旅館営業中
撤退・譲渡等
文献
脚注注釈
出典
関連項目外部リンク |