ABCフレッシュアップベースボール
『ABCフレッシュアップベースボール』(エービーシーフレッシュアップベースボール)は、朝日放送ラジオ(ABCラジオ)[注 1]が放送しているプロ野球中継番組である。主に、プロ野球(NPB)の阪神タイガースをはじめとした近畿地方に本拠地を置くプロ野球チーム主催試合を中継する。 歴史プロ野球中継の開始ABCラジオ[注 1]が初めてプロ野球中継を放送したのは、1952年(昭和27年)2月29日に大阪球場で行われたプロ野球の南海ホークス対読売ジャイアンツ(巨人)定期戦(オープン戦)である[5]。村上守の実況と朝日新聞運動部長の芥田武夫による解説で放送された[6][7](翌3月1日も中村鋭一の実況で放送[7])。4月5日に中日球場で行われたセントラル・リーグの中日ドラゴンズ対巨人戦を公式戦初中継[5]。10月には、巨人対南海日本シリーズを全試合中継した[5]。 その後も、オールスターゲームや日本シリーズを中心に、不定期ながら中継を行っていた。1955年(昭和30年)7月3日、大阪球場で行われたオールスターゲームで初めて審判にワイヤレスマイクを託した[8]。 レギュラー編成の開始1961年(昭和36年)フェザー・シルバー・ナイター(1964年まで)1961年(昭和36年)4月23日より、4月から9月または10月にかけてのレギュラー編成によるプロ野球中継を開始。最初の中継は『フェザー・シルバー・ナイター』または『「フェザー・シルバー・ナイター」プロ野球薄暮試合実況中継』のタイトルで日曜日16:30 - 18:50に編成された[9]。このタイトルの中継は1964年(昭和39年)10月15日まで放送(その間、放送時間変更が多くあった[9])。主な出演者は、解説に笠原和夫、芥田武夫、実況に中村哲夫、黒田昭夫がいた[9]。 東芝 プロ野球ナイター5月7日には、『東芝 プロ野球ナイター』と題し、レギュラー編成によるナイター中継を開始[10]。9月24日まで、日曜20:00 - 21:30に放送[10]。出演者は、解説が笠原和夫、実況が西村一男、植草貞夫、中村鋭一、田村安起がいた[10]。 木曜ナイター5月11日から10月5日の木曜日19:30 - 21:30に『木曜ナイター』を放送[11]。出演解説陣には笠原、芥田がいた[11]。 1962年(昭和37年)1962年(昭和37年)は、日曜2枠と木曜ナイターの計3枠は変わらず[12]。『東芝…』は、『日曜ナイター』へ改題(5月6日 - 1973年(昭和48年)10月7日まで、時間変更を経ながら放送[12]。主な出演者は、解説が花井悠、実況が黒田、植草[12]。1974年(昭和49年)より、『ABC日曜ナイター』へ改題[12])。『木曜…』は、そのまま放送(4月26日から1973年(昭和48年)10月4日まで、時間変更を経ながら放送[12]。主な出演者は、解説が笠原、実況が因田宏紀[12]。1974年より、『ABC木曜ナイター』へ改題[12])。 ナイター帯編成の開始1963年(昭和38年)1963年(昭和38年)4月より、従来の3枠に、火曜日・水曜日・土曜日各ナイター枠を追加[13] し、TBSラジオとともに月曜日・金曜日を除く、週5日(火 - 木、土・日)の帯番組編成を開始[13]。『木曜ナイター』は『近鉄ナイター』に改題、タイトルの後ろに「プロ野球ナイター実況中継」というサブタイトルがついた[13]。また、各本拠地球団主催試合フォローを目論むTBSラジオとの関係を強化した[14]。 初中継は4月14日の『フェザーシルバーナイター』と『日曜ナイター』[13]。放送時間は、『フェザー』が16:30 - 18:00、それ以外は19:00 - 21:00となった[13]。 1964年(昭和39年)1964年(昭和39年)は、『土曜ナイター』が19:00 - 22:00、『フェザーシルバーナイター』が16:30 - 19:00にそれぞれ変更[15]。また、『近鉄ナイター』は『木曜ナイター』に改題、『フェザー…』のタイトルの後ろには「プロ野球薄暮試合実況中継」というサブタイトルがついた(ナイター中継についても、前年と同じサブタイトルがついた)[15]。4月4日から9月27日までレギュラー編成による中継を放送(『火曜ナイター』のみ、4月7日ではなく同14日から開始)[15]。 1965年(昭和40年)1965年(昭和40年)4月10日より、19:00から試合終了までのナイター中継を開始(10月10日まで放送)[16]。タイトルは、『資生堂 土曜ナイター』『武田・日曜ナイター』『清酒 火曜ナイター』『コカコーラ 水曜ナイター』『大関 木曜ナイター』にそれぞれ改題され、サブタイトルも除去された(番組名は、同年シーズンの放送開始順)[16]。薄暮試合についても、『三菱ダイヤモンドナイター』(「三菱ダイヤモンドナイター」プロ野球薄暮ナイター実況中継)に改題され、放送時間も16:30 - 18:50に変更された(4月11日 - 10月10日放送)[16]。 また、5月2日にはTBSラジオをキー局としたジャパン・ラジオ・ネットワーク(JRN)、5月3日には文化放送・ニッポン放送をキー局とした全国ラジオネットワーク(NRN)がそれぞれ発足したため、同年以降それらのネットワークを通じての中継が行われるようになった。 1966年(昭和41年)1966年(昭和41年)、日曜薄暮試合を含む全レギュラー中継タイトルの最初に「プロ野球ナイター実況中継」のサブタイトルが付けられる[17]。また、前年『コカコーラ…』『資生堂…』『三菱…』『武田…』だったタイトルが『コカ・コーラ 水曜ナイター』(・が付いたのみ)『土曜ナイター』『日曜薄暮ゲーム』『日曜ナイター』(コカ・コーラ以外は協賛企業の冠スポンサーを取る)となった[17]。放送期間は4月9日 - 10月2日、放送時間は日曜が前年と変わらず、それ以外は18:55から試合終了までとなった[17]。 1967年(昭和42年)1967年(昭和42年)は、サブタイトルが「プロ野球実況中継」となる[18]。また、『清酒…』『コカ・コーラ…』『大関…』はそれぞれタイトルから冠名が取れる一方、日曜薄暮のタイトルは『近鉄日曜薄暮ゲーム』となる[18]。放送期間は4月8日 - 10月1日、放送時間は土曜が18:45 - 試合終了、日曜薄暮が16:25 - 18:50、日曜ナイターは前年通り、火 - 木曜は18:25 - 試合終了までとなった[18]。 1968年(昭和43年)1968年(昭和43年)は、18:50から試合終了までに統一[19]。また、日曜薄暮試合は編成されなかった[19]。タイトルは『プロ野球実況中継』に統一され、曜日別のタイトル(『火曜ナイター』など)はサブタイトルとなった[19]。放送期間は4月6日 - 10月6日[19]。 1969年(昭和44年)1969年(昭和44年)は、金曜ナイター枠が新設(4月18日 - 1973年(昭和48年)10月5日、18:55 - 21:40)[20]。解説は当時ニッポン放送と契約していた関根潤三が担当していた[21]。また、日曜薄暮ゲームが再開(4月13日 - 10月5日、16:30 - 18:55。解説は笠原、実況は植草)[20]。ナイター編成の開始は4月12日、終了は10月5日だった[20]。金曜ナイター・日曜薄暮ゲーム以外の放送時間は、土曜が18:30から試合終了、火 - 木曜が18:55から試合終了だった[20]。 1970年(昭和45年)1970年(昭和45年)は、4月12日から10月4日まで放送[22]。日曜は『プロ野球実況中継 ニッサン日曜ナイター』、それ以外は前年通り『プロ野球実況中継』のタイトルで放送[22]。放送時間は、月曜以外の18:55から試合終了に統一された[22]。また、4月13日からナイタープレ番組として『ABCミニナイター』が始まった(月 - 土曜18:50 - 18:55。1シーズン置いて、1972年(昭和47年)から1981年(昭和56年)まで毎日18:40 - 18:45、1982年(昭和57年)は18:10 - 18:15の放送となり同年10月3日に終了)[22]。 全曜日ナイター編成の開始1971年(昭和46年)より、月曜ナイター枠も新設[23]。全曜日ナイター編成となった[23]。また、タイトルは『プロ野球実況中継』に統一された[23]。放送時間は18:50から試合終了まで[23]。放送期間は4月12日 - 10月3日[23]。 1972年(昭和47年)は、タイトルが『プロ野球ナイター実況中継』、放送時間が18:45から試合終了までとなり、4月11日から10月8日の間放送[24]。1973年(昭和48年)は、引き続き同じタイトル・放送時間により、4月17日から10月7日まで中継[25]。 ABCナイター/ABCラジオ・ナイター時代(1974年(昭和49年) - 1989年(平成元年))1974年(昭和49年)4月9日より、『プロ野球実況中継 ABCナイター』を開始[26]。各放送曜日ごとのタイトルは、『ABC○曜ナイター』となり、開始時間は18:25にまで繰り上がり、10月1日まで放送された[26]。 1975年(昭和50年)、『ABCナイター』(プロ野球実況中継「ABCナイター」)として、4月8日から10月5日の18:20より放送[27]。一方で、4月6日より日曜15:20 - 17:10枠に近鉄バファローズ応援番組『近鉄バファローズ・アワー』を開始[28]。同日近鉄デーゲームがあった際の固定中継枠が生まれた。 以降、1980年(昭和55年)シーズンまで同一タイトル・時間のナイター中継が続く(1976年(昭和51年)は4月6日 - 10月3日[29]、1977年(昭和52年)は4月5日 - 10月2日[30]、1978年(昭和53年)は4月3日 - 9月30日[31]、1979年(昭和54年)は4月9日 - 10月7日[31]=当時の解説陣は花井・小山正明・皆川睦雄[31]、1980年(昭和55年)は4月7日 - 10月3日[32])。また、1980年(昭和55年)には『ABCラジオ・ナイター』のタイトルがラジオ情報誌や番組表へ明記されるようになる[33]。 1981年(昭和56年)より、『ABCナイター』として18:15から放送(4月6日 - 10月4日。主な解説者は皆川・花井・小山に、同年よりTBSと契約した野村克也)[34]。1982年(昭和57年)は『ABCナイター実況中継』として4月5日 - 10月3日に同時間より中継[35]。1983年(昭和58年)は『プロ野球実況中継「ABCナイター」』として4月12日から10月9日に中継[36]。 1984年(昭和59年)は『ABCナイター』として4月9日から10月7日に中継[37]。また、日曜以外の18:03 - 18:15枠に『ナイター一番のり』というミニ番組が新設され、1986年(昭和61年)9月29日までナイターシーズン限定で放送された[37]。 1985年(昭和60年)、『ABCラジオ・ナイター』のタイトル[38](ただし、『朝日放送の50年 III 資料集』では、『ABCナイター』と明記[39])で編成。4月8日 - 10月6日に放送[39]。 1986年(昭和61年)は、4月8日 - 10月5日に『プロ野球ナイター実況中継』として火曜 - 日曜の18:15から中継[40]。1987年(昭和62年)は、『ABCラジオナイター』として4月10日 - 10月11日にかけて放送[41]。放送時間は、平日が17:55から試合終了、土・日が18:00から試合終了だった[41]。 1988年(昭和63年)は、『ABCナイター』として4月12日 - 10月9日にかけての毎日、17:55から試合終了まで放送[42]。1989年(平成元年)は、『ABCラジオナイター』として4月10日 - 10月15日にかけての毎日、同じ時間に放送[43]。 第1次ABCフレッシュアップナイター時代(1990年(平成2年) - 1994年(平成6年))1990年(平成2年)より、従来ばらついていたナイター中継のタイトル(『ABCナイター』『ABCラジオナイター』『ABC月曜ナイター』など)を『ABCフレッシュアップナイター』に統一・改題[44]。4月10日に同タイトルによるナイター中継を開始した[44]。放送時間は、17:55開始と18:15の2パターンに設定[44]。また、並行して『ABCフレッシュアップスタジアム』も同日に開始した(開始当時の放送時間は、平日が17:45 - 18:15、土・日が17:55 - 18:15)[44]。 1994年(平成6年)は、開始時間を17:40とする(平日は、18:00まで植草が担当する前座番組『ABCフレッシュアップナイター「植草貞夫のタイガース一番のり」』を内包[45])[46]。ナイター開催予定の無い月曜日(4月11日 - 9月5日)は、18:00 - 19:00に『草ヤン・悠さんのがんばれタイガース』(出演:植草貞夫、花井悠、酒井連子)、19:00 - 21:00に『中邨雄二のスポーツウェーブ』(出演:中邨雄二、早川真紀)をそれぞれ編成[47]。4月12日からは、ナイターが早く終了した際の補完枠として、音楽番組『ナイタージョッキー』が火 - 金曜の21:00 - 21:40に編成(出演:山田美鈴、入江玲子、吉田理佐)[48]。4月16日 - 10月8日の土曜21:05 - 21:45には同様の番組として『秀さんのヒットエンドラン』(出演者:中原秀一郎)を編成[49]。 ABCタイガースナイター時代(1995年(平成7年) - 1996年(平成8年))1995年(平成7年)、ナイター中継のタイトルを『ABCタイガースナイター』に改題。平日は17:40から、土・日は17:55からそれぞれ試合終了まで編成(放送開始は4月10日、終了は10月6日)[50][注 2]。平日については、17:55まで前年に続き『がんばれタイガース』(出演者:植草貞夫)を内包[50]。 1996年(平成8年)は4月7日から10月6日に月曜から日曜17:55から試合終了まで放送[51]。試合のない月曜に関しては、4月8日から8月26日まで17:55から20:30に『タイガース大全集』というスポーツ・音楽番組(出演:中邨雄二、山本いつ子)を放送[51]。同年をもって『タイガースナイター』としての放送を終了。 第2次ABCフレッシュアップナイター時代(1997年(平成9年) - 2006年(平成18年))1997年(平成9年)より『ABCフレッシュアップナイター』としての放送を再開[注 3]。平日は17:55 - 21:10、土曜・日曜は17:55 - 21:00に編成[注 4]。 2006年(平成18年)まで本タイトルでナイター中継を編成していた。また、土・日デーゲーム中継はワイド番組内でのデーゲーム中継のコーナーとして放送されていた。平日が祝日と重なる日のデーゲームは『ABCフレッシュアップナイタースペシャル・デーゲーム中継』としていた。 ABCフレッシュアップベースボール2007年(平成19年)より、不定期でのデーゲーム中継など(『プロ野球実況中継』『プロ野球デーゲーム中継』)も含め、ABCラジオにおけるすべてのプロ野球中継タイトルを『ABCフレッシュアップベースボール』に統一。土曜・日曜の阪神戦中継はデーゲーム・ナイターを問わずスポンサード番組扱いで協賛社が付く。ただし、月曜日の阪神ナイトゲームや、祝日と重なる平日開催のデーゲームでは『ABCフレッシュアップベースボールスペシャル』というタイトルで中継を放送する[注 5][注 6]。 朝日放送(ラジオ)では2007年から、土・日曜日にレギュラーで編成している自社制作の生ワイド番組の時間帯でデーゲームを中継する場合に、試合の展開に応じて当該番組を短縮(または休止)できる体制を講じている。2010年(平成22年)から2016年(平成28年)までの土曜日には、自社制作の生ワイド番組(2012年(平成24年)までは『芦沢誠のGO!GO!サタデー』、2013年(平成25年)以降は『南山千恵美のMusic Smile』(2013年度は8月第1週で南山が育児休養のため一時降板したため、高校野球に伴う中断明けの8月第4週以後のシーズン残りは「笑福亭鉄瓶のMusic Smile」として[注 7]放送)にデーゲーム中継を内包させていた。編成上はデーゲーム中継を「フロート番組」として扱っていたが、同局のタイムテーブルや新聞の番組表では、この時期でも中継と内包先の番組を別々に掲載している。 「radiko」への対応朝日放送(ラジオ)の本社がある大阪府内限定でradikoの試験配信が始まった2008年からは、中継の制作局や時間帯を問わず、中継の音声を地上波(ラジオ)での放送と並行しながらインターネットで配信。radiko本運用の開始(2010年)を経て、配信対象の地域を徐々に拡大した結果、2014年以降は朝日放送(ラジオ)の放送対象地域(近畿広域圏)以外のエリアからも「radiko.jpプレミアム」(有料・登録制)のエリアフリー聴取サービスを通じて中継の音声を聴取できるようになっている。また、2016年10月以降に放送される中継については、同録音源を本放送日から1週間後の午前5:00まで「radiko.jpプレミアム」のタイムフリー聴取サービスで再生できる。 もっとも、ラジオで放送中の音源をradikoで配信する場合(サイマル配信)には、インターネットの通信環境や通信量(トラフィック)などによって放送から30秒前後の遅延が生じる。また、「radiko.jpプレミアム」のタイムフリー聴取サービスで配信される音源については、近畿広域圏以外のエリアからも再生できる一方で、1つの音源を再生できる時間を制限。最初に再生を始めてから一定の時間(連続再生の場合には3時間・分割再生の場合には24時間)を経過した時点で、自動的に「再生終了」とみなされる。このため、中継の放送時間が3時間以上に及んでいた場合には、2023年5月5日(金曜日・こどもの日)に放送された広島東洋カープ対阪神タイガースのナイトゲーム(マツダスタジアム)中継(中国放送の制作によるNRN32局ネット向け中継、朝日放送ラジオでの放送時間は3時間26分=17:55 - 21:21)まで基本として同録音源の全編を聴取できなくなっていた。 これに対して、朝日放送ラジオでは2023年5月8日(月曜日)から、「2時間以上にわたって放送した番組の同録音源を、基本として1時間ごとに分割したうえで個別に配信する」という措置を全番組に適用。当番組でも、翌9日(火曜日)に放送された阪神対東京ヤクルトスワローズのナイトゲーム(阪神甲子園球場)中継(自社制作で放送時間は3時間6分=17:55 - 21:01)のタイムフリー向け配信から実施している[注 8]。さらに、9月12日(火曜日)から17日(日曜日)までの阪神戦中継(ナイトゲーム5試合・デーゲーム1試合=いずれも自社制作)では「『リアルタイムに近い』(放送から配信までの遅延時間を5秒前後にまで抑えた)サイマル配信」(配信音声に関するウェブアンケートと連動した配信テスト)を近畿広域圏向けに実施。この期間中には、テスト用の再生プレイヤーを当番組の公式サイトへ組み込む一方で、近畿広域圏以外のエリアには従来と同じ音質・遅延時間の音声を「radiko.jpプレミアム」のエリアフリー聴取サービス経由で配信していた。 ちなみに、阪神は2023年のレギュラーシーズン開幕当初から、首位の座をおおむね堅持。テストを開始する9月12日の対読売ジャイアンツ(巨人)戦(甲子園球場でのナイトゲーム)までに、18年振りセントラル・リーグ(セ・リーグ)優勝へのマジックナンバーを「5」にまで減らしていた。結局、14日(木曜日)の同カードでの勝利によって、セ・リーグの優勝を「自力」で決定。朝日放送ラジオではこの試合を「実況:山下剛(朝日放送テレビアナウンサー)、解説:下柳剛(阪神OBの朝日放送グループ野球解説者)、ベンチリポート:北條瑛祐(朝日放送テレビアナウンサー)、ゲスト:増田英彦(ますだおかだ)」という陣容で中継していたが、阪神の優勝が決まったことを受けて、中継の終了後(22:00から翌15日の1:30までの時間帯)に『緊急放送! おめでとうタイガース!今夜はおはパソARE虎騒ぎ』(平日早朝の生ワイド番組である『おはようパーソナリティ』シリーズがベースの優勝記念特別番組)の生放送へ急遽切り替えた。 概要ナイターの放送時間は17:55から試合終了まで。2008年までは全国高校野球選手権大会期間中については高校野球終了後から放送したが、2009年からABCラジオでの高校野球第4試合の延長オプションは完全に撤廃した。 デーゲームの放送枠は、試合開始時間に応じて設定。レギュラーシーズンの前半(開幕から6月までの期間)と終盤(9月以降)にデーゲームが組まれることの多い週末(土・日曜日)では、過去に定時編成を優先していた関係で、中継カードが14時以前に始まっていても試合途中の13:55から中継を開始した。その後は、阪神戦の開始時間が14時より前に設定されている場合に限って、試合開始から13:55まで「フレッシュアップベースボールスペシャル」(協賛無し・パーティシペーション)として先行中継。13:55以降は、スポンサー付きの定時枠で試合終了まで放送していた。番組表では先行中継枠と定時枠を「一つの番組」と扱っていた[注 9]が、実際には試合の展開にかかわらず、13:54頃にいったん実況中継を中断。オープニングテーマ・提供クレジット・スポンサーCMを放送してから、13:58頃に中継を再開していた。少なくとも2023年の時点ではこのような措置を講じていないが、中継する阪神戦の試合開始時刻が13:00に設定されている場合には(タイトルコール→オープニングテーマ→提供クレジット→スポンサーCMの順に流す関係で)13:03から中継に切り替えている[注 10]。 土・日曜のナイター中継については原則として高校野球期間を除き、阪神戦デーゲームを放送した場合は原則として放送休止となる(2007年と2015年以降は通年。2008 - 2012年は4-6月。2013 - 2014年は土曜が4-6月、日曜は通年)。この関係で該当期間に対阪神戦(交流戦)以外の土・日曜のオリックス主催のナイターがABC制作でJRN(2007 - 2009年)・NRN(2010年 - )全国ネットのメインカードとなった場合は、自社では放送せず系列局への裏送りとなっている。このため、土曜日・日曜日の中継はネットワーク共通協賛スポンサーを含めてナイター・デーゲーム共通でコマーシャルを提供することとなる。 2008年から2014年まで、7-9月に阪神戦デーゲームと、阪神戦以外のナイター(全国放送カード)が同日に放送される場合、通常の協賛スポンサーは阪神戦デーゲームの時間帯にCMを送り、阪神戦以外のナイターの時間はパーティシペーション(オールスポット)扱いとなる。また、阪神戦以外のナイターは試合の展開の如何に関わらず21時(厳密には後クレジットの関係で20:56)で打ち切った。2013・14年度の日曜と2015年以後の土・日は2007年同様に、通年で阪神戦以外の週末ナイターは中継しない方針となっている。ただし、元々から阪神戦が組まれていない場合、もしくは阪神戦デーゲームがあっても高校野球の裏開催となり放送できない場合は、全国放送カードのナイターを阪神戦ナイター同様に延長オプション・スポンサー協賛ありで放送する。但し高校野球が中止や早く終了して、阪神戦のデーゲーム中継の放送が生じた場合は阪神戦を試合終了までオールスポットで中継する。また月曜日も1990年代までは、ナイター中継を定時協賛スポンサーを付けてレギュラー放送(基からナイターがない場合もそのスポンサーを付けたスタジオ予備番組)が行われていたが、不定期放送となってからはPTとなったものの、一部の月曜日の定時番組のスポンサーは、放送上の協賛読み上げこそないものの、CMの放送を提供している。なお、2024年8月12日の巨人対阪神戦のナイター(LF裏送り)は、播州信用金庫が冠協賛を行う。 以前は土曜日のデーゲーム中継は、近鉄バファローズアワーの兼ね合いで近鉄戦を優先して編成しており(阪神主催の対中日戦はCBC・対広島戦は中国放送(RCC)へ裏送り、又はABC協力による自社制作)、2003年ごろから近鉄戦がナイターでかつ阪神戦がデーゲームで開かれた場合に限って阪神戦を放送したが、旧近鉄バファローズの消滅に伴い2004年(平成16年)シーズン限りで同番組が終了したため2005年度から阪神戦デーゲーム中継を積極的に実施することになった。 そのためレギュラーシーズンに限れば、中央競馬中継(『GOGO競馬サンデー!』)を絶対最優先とするため日曜デーゲームを放送できないMBSラジオよりも放送カードが多くなっているが、それでも高校野球との兼ね合いから阪神戦全試合中継には至らないことが多かった。高校野球期間中の阪神戦が全てナイターとなった2011年度に初めて阪神の公式戦全144試合の中継を実現したものの、日曜デーゲーム中継中に中央競馬(『THE KEIBA』)が差し込まれ中断することが新たなネックとなり、2013年(平成25年)シーズン以降、ABCは中央競馬のレース当日の生中継から全面撤退した。 →詳細は「中央競馬実況中継 (ABCラジオ) § 概要」、および「ジョッキー・ルーム (ラジオ番組) § 番組で取り上げるG1レース」を参照
2006年までの土曜・日曜日に阪神戦デーゲームが組まれている場合でも、『ABCフレッシュアップナイター』(当時はJRN土・日曜ナイターのネット受け)も必ず別個で放送されていた。このため阪神戦デーゲームの放送は『フレッシュアップナイター』とは別に昼ワイド番組[注 11]内で「デーゲーム中継コーナー」として内包する形で放送されており、17:55を過ぎても試合が続いていれば、一旦そのワイド番組を終了させ、ステーションブレイクを挟む形で、『フレッシュアップナイター』の本来放送すべきカード/予備番組の前に試合終了までデーゲーム中継の続きを行っていた。なお、日曜日は1社スポンサー番組『安達治彦→小林大作のメモリーズ・オブ・ユー』が17時台に放送されていたが、試合が延長した場合、「その協賛スポンサー(当初東洋紡→2001年4月からヒガシマル醤油)の御厚意により」試合終了(正確には17:55までで一旦中断→ステブレ→ナイター本番カード/予備番組の前に再開)まで中継し、当該番組を短縮・休止する処置を取っていた。なお、2014年は当初2013年度までと同じ体裁でナイター中継枠の時間帯も阪神戦以外のナイター、または予備番組のネットを放送する予定だったが、ナイターが基から1試合も組まれない場合は、4-6月の放送体裁に準じ、文化放送からのナイター予備番組(『SET UP!!』)は放送せず、自社制作番組を組むことになり、2015年は4-6月の放送体裁を通年で行っている。 なお、土曜・日曜に薄暮デーゲームが組まれる場合、17:55までは「フレッシュアップベースボールスペシャル」の扱い、以後は定時番組扱いとなるが、2018年6月30日(QR制作NRNナイターとして、福井放送・山口放送に18時台以後ネット。17時台はABCのみの裏送りだが、番組タイトルは述べなかった)と、同7月1日(QR制作裏送り)の「ヤクルト対阪神」は通常のデーゲーム中継に準じ16:55から20:00の枠を設定し、20時台は前者は「9~ジックナイト!」の2時間拡大版、後者は「後藤ひろひとの大阪ぴかぴか団」の2時間拡大版を充てた。 2011年のオープン戦中継から、実況におけるボールカウントの表現を変更。国際基準に沿って、ボール→ストライクの順にカウントを伝えるようになった。また、ABCテレビでプロ野球シーズン中の毎週土曜日深夜に放送される『虎バン』(阪神関連の情報・ドキュメンタリー番組)との関係を強化。同番組のテーマソング「FIRE DANCE」を当番組のテーマソングにも採用したほか、2018年度までの阪神戦中継では、実況アナウンサーが随所で同番組の放送内容・予定を告知していた(レギュラーで放送されない2019年度の中継では割愛)。さらに、試合中継や特別番組の放送に連動させる形で、公式サイトからTwitterによるメッセージの投稿を受け付けるようになった。 2014年以降の阪神戦中継では、阪神が勝利した場合に、エンディング付近で「タイガースフラッシュ」(実況を収録した音源から、同球団の選手による活躍シーンを伝えた複数の音源をダイジェスト風に編集したうえで再生するコーナー)を放送。2015年以降の阪神戦中継では、後述する前座番組との共通企画として、「○○の着眼点」(○○は中継に出演するABC野球解説者の氏名、当該解説者が「野球通」ならではの視点で中継カードの見どころを紹介する企画)を試合開始直前に実施している(詳細後述)。 なお、ABCラジオでは2016年3月19日(土曜日)の12:00から、大阪府のほぼ全域と兵庫県・京都府・奈良県の一部地域を対象にFM補完放送(ワイドFM)の本放送を開始。当番組では、当日の12:45から放送したオリックス・バファローズ対阪神オープン戦中継(京セラドーム大阪、実況:小縣裕介、解説:関本賢太郎)を皮切りに、ワイドFMと従来のAMによるサイマル中継を本格的に実施している。 2020年には、7月24日(金曜日)から8月9日(日曜日)まで日本国内で夏季オリンピックを開催することを前提にNPBレギュラーシーズンの日程が組まれたことに加えて、年頭から日本国内で新型コロナウイルスへの感染が広がっている影響で、異例の対応が相次いでいる。上記の影響で(阪神・オリックスの主催分を含めて)全カードが無観客試合として開催されたオープン戦については、最終日に当たる3月15日(日曜日)のオリックス対阪神戦(京セラドーム大阪、実況:北條瑛祐、解説:福本豊)に限って中継(中継枠は13:00 - 16:00で延長オプションなし)。レギュラーシーズンについては、例年より早く3月20日に設定されていた開幕が上記の影響で6月19日(いずれも金曜日)にまで持ち越されたことに伴って、中継の開始時期を遅らせている(詳細後述)。 2021年以降のセ・パ交流戦期間中の阪神戦中継(全試合自社制作で基本として関西ローカル向けに放送)では、ABCラジオが関西地区の聴取率調査週間に合わせて「ABCラジオ 交流戦ウィーク」を設定している期間(6月の第2週か第3週に設定されている交流戦の第5カード・最終カード各3試合)を対象に「阪神タイガース徹底応援キャンペーン」を展開。対象試合で阪神が挙げた1得点を1万円へ換算することを前提に、阪神が1点を取るたびに1万円分の賞金を加算しているほか、阪神が勝利した場合には「阪神の得点×1万円」+「ボーナス(10万円)」分の現金(実際には小切手)をリスナー向けのプレゼントに提供している。応募の条件は時期によって異なる[注 12]が、あらかじめ定めた期限内の応募者から、抽選で1試合につき1名に賞金(または賞金+ボーナス)分の小切手をプレゼント[注 13]。最初に実施した2021年のセ・パ交流戦では、対象期間中の6試合で阪神が1試合平均で6点近くの得点を挙げたばかりか全勝したため、賞金とボーナスの総額が「近年のラジオ番組でリスナーに提供される賞金としては異例の高額」とされる95万円[注 14]にまで達していた[56]。2022年以降は、聴取率調査週間に該当しない期間(阪神がポストシーズンに残った場合など)の中継でも、応募の条件を適宜変えながら随時実施(詳細後述)。 ジングル
野球中継延長時の対応
予備番組(雨天中止時や試合非開催日)
放送予定カード(予備カード補充含む)が全部中止となった場合は、
ネットワーク・中継体制原則として競合局のMBSラジオ『MBSベースボールパーク』とは逆の構成になり、基本的には月・金曜日はNRN(キー局はニッポン放送。ただし、月曜日のABCでの放送は阪神タイガースの公式戦開催日に限る)、火〜木曜日は2017年までJRNのラインネットを受けてきた。土・日曜日のナイターはラジオ大阪『ビッグナイター』→『ドラマティックナイター』の終了に伴い2010年シーズンからNRN全国中継(キー局は文化放送)の関西地区担当となった。土・日曜日のデーゲームは引き続きJRN各局(対戦カードやデーゲーム・ナイトゲームの違いによりラインは異なる)との局間ネットを実施する。TBSラジオ(『エキサイトベースボール』)がプロ野球中継の放送業務から撤退した2018年シーズンからは、2017年シーズンまでのネットワークや中継体制を見直した。 制作担当局(2018年以降)
カードごとの基本ネット・裏送り構成阪神対オリックス両球団とも、ABCラジオの放送エリアである関西地方を本拠地とするため、主催球団を問わず自社制作となる。 ただし、当該試合が金曜にNRN全国ネット本番となり、かつ関東地区の聴取率調査期間に該当した場合には、ニッポン放送が関東ローカル放送として別制作する可能性がある。 また、カード編成の都合上NRNナイター本番カード扱いとなった場合、土曜は唯一球団所在地域外でNRNナイターを編成している山口放送との2局ネットで対応している。2022年6月11日に唯一ナイター開催となった本カード(オリックス主催)が該当した。なおこの場合でも山口放送(および2019年までの各地方ネット局)向けの中継が開始されるまでは「ABCフレッシュアップベースボール」のコールをするが、それ以降は、試合が極端に延長してABCラジオの単独放送に戻った場合(KRYラジオでの放送は最長21時56分。但し2021-22年度は定時番組の都合で21時26分までだった)も含め「大阪・ABCラジオ制作でお送りする」というNRNナイター仕様のアナウンスにしている(これは、オリックス戦以外でも土・日ナイターの阪神主催試合がNRNナイター指定で放送される場合すべてに該当する。ただし2022年6月11日のそれは、スペシャルウィークの期間中であったため、21:26にKRY向けの放送が終わった後はABCローカル仕様の放送に戻していた)。 巨人戦
ラジオネットワークが本格発足する以前の1950年代から1964年までの間には、ABCラジオに加え、新日本放送→毎日放送(MBSラジオ)・ラジオ神戸→ラジオ関西(CR)・京都放送(初代)→近畿放送(KHK→KBS)の各社が分担して、ラジオ東京→TBSラジオ・ニッポン放送・ラジオ関東との間でネットワークを随時組んでいた他、日本短波放送(NSB・現:ラジオNIKKEI)と関西圏の中波放送局との2局ネットで放送したこともある(当時野球中継をレギュラーで制作・放送していたラジオ大阪〈OBC〉と在京局との関係は不明)。この当時には、関東圏開催の試合で、時折TBSラジオがMBSラジオ・ABCラジオ向けの二重制作を行ったこともあった。 JRN・NRNが発足した1965年以降、ABCラジオとラジオ関東との野球中継での関係が一時途絶えていた。 その後、旧・東京放送(TBS)がラジオ関東から巨人主催試合の放送権を購入した1979年(昭和54年)に、ラジオ関東との関係を本格的に再開した。 1979-81年にラジオ関東とTBSラジオの業務提携が行われた時代にはラジオ関東制作・TBSラジオ向け裏送り(逆にTBSラジオ制作・ラジオ関東向け裏送りとなった試合がラジオ関西に送られたものも含む)をネットした試合が存在する。一方で阪神主催試合は、巨人戦のほか、ラジオ関東が放送できないヤクルト・大洋主催の対巨人戦が行われる日に阪神主催試合を放送する場合に、ABCラジオがJRN/NRN全国中継本番に加えてラジオ関東・ラジオ関西(CR、『ゴールデンナイター』)・岐阜放送(GBS、『ダイナミックナイター』)向けに二重制作し裏送り(本番のネットラインに関係なくJRN扱い。試合日によりTBSラジオから実況や解説の派遣あり)することになり、この体制は1992年(平成4年)まで続いた。一方、在阪パ・リーグ球団(阪急→オリックス・近鉄・1988年までの南海)の主催試合は、RFラジオ日本とラジオ関西のいずれかが制作して放送していた。 この間、巨人主催試合においては、TBSラジオによるABCラジオ・MBSラジオへの二重制作(NRN担当日は裏送り分を放送)や、ABCラジオ・MBSラジオの乗り込み自社制作が認められなかったため、NRN担当の曜日は全国中継本番カードのネット受けや、予備カードを兼ねた他の在阪パ・リーグ球団のホームゲームの自社制作を中心に編成した。 NRNにも巨人主催試合の放送が再度解放された1993年(平成5年)以後は、阪神主催時は近鉄・オリックス主催と同様にRFラジオ日本がラジオ関西の制作協力を受けて乗り込む形となった(対巨人以外の阪神戦や近鉄・オリックス戦はラジオ関西制作の場合あり)。なお、関西圏で開催の巨人主催試合はRFラジオ日本制作で神戸開催時はラジオ関西が、大阪開催時は引き続きABCが制作協力を行っていた。また、同年以降阪神戦の非開催時にNRNがヤクルトまたは横浜主催試合を本番カードとした場合の金曜日は、ニッポン放送から裏カード(NRNでは第1予備扱い)の巨人主催試合を個別に受けることがあり、東海ラジオではCBCラジオとの兼ね合いから放送が制限されている巨人対中日戦も個別に受けたことがある。 →詳細は「ラジオ日本ジャイアンツナイター § TBSとの連携へ」、および「TBSラジオ エキサイトベースボール § 中継カード」を参照 2016年度からは、RFラジオ日本・TBSラジオの相互提携が本格再開[64][65] され、JRN地方各局とのネットワーク(巨人戦20試合程度の主催カードをJRNナイター扱いでRFラジオ日本が制作、逆にJRN各局がRFラジオ日本向けに巨人戦(ビジターの試合30試合程度)を中心としたカードを配信するが、ABCは原則として火~木曜日に阪神戦がJRNナイターとして放送される場合に限りRFラジオ日本にも配給、また、阪神戦の自主制作以外でRFラジオ日本制作のナイターをJRNナイターとして放送する場合にもRFラジオ日本からネット受けをするが、このケースは阪神戦が基から試合がないときであるか、阪神戦が雨天中止となったとき、あるいは巨人主催の阪神・オリックス戦であっても、ABCの都合で自社乗り込みをしない場合のいずれかに限られる(この場合はサービスエリアが重複するラジオ関西と並列放送となる。なお、ラジオ関西は巨人戦を優先しているので、巨人戦が屋外の球場で開催予定が中止となる場合(地方球場での巨人主催試合を含む)に、阪神・オリックス主催試合が予備補充で繰り上げとなった場合もABC・ラジオ関西の並列放送となる)。 セ・パ交流戦のオリックス主催の巨人戦は、JRNナイターが廃止された2018年と、文化放送が土・日曜での自社での定時放送を廃止した2019年以降、金曜はNRN全国ネットとして裏送り配信する可能性があるが、火〜木曜はRFラジオ日本がセ・パ交流戦のビジターゲームの放送を縮小しているため、ビジターの阪神戦が屋外開催のロッテもしくは楽天の主催となった時に第1予備として編成する以外は、自社での素材収録と阪神戦早終了時の対応に限定される。土・日曜もプロ野球本拠地球団所在地の放送局は地元球団のカードに特化しているため、球団所在地以外では土曜ナイターを唯一編成している山口放送(KRY)しかネット局が発生しない。 TBSラジオが土・日曜のJRNナイター全国配信を廃止した2010年以降、自社制作を行わない場合のナイターは文化放送からのネット受けとなったが、自社制作時の技術協力はTBSラジオ(2017年まで)・RFラジオ日本(2018年より)が行うことがある。また、阪神が関与しない試合の放送を縮小したことから、対阪神戦以外の巨人主催分(対オリックス戦を含む)は、基本として予備からの昇格時のみの放送。2019年から文化放送が原則として裏送り向けの制作に限定しているため、土曜日は山口放送とビジター地元局(主に対広島戦の中国放送・対中日戦の東海ラジオ)との3局ネット、日曜はビジター地元局との2局ネットで放送する。 2023年9月12・14日の阪神対巨人(12日のみRF・CRKにネット)は、試合開始から途中まで特別ゲスト解説者として、12日は渡辺謙が1回のみ、14日は増田英彦が5回まで出演した。増田はリーグ優勝が確定した場合のスカイA特番の準備の関係で5回での退席となった。 TBSのナイター放送終了に伴うRFの体制変化2018年度以降は、火 - 木曜日の巨人主催試合中継でTBSに代わってラジオ日本と局間ネットを組んでいる関係で、ABCとRF側のネット局であるラジオ関西(CRK、『ジャイアンツナイター』)の2局で同じ中継が流れることがある。週末のデーゲームはRF(『競馬実況中継』、土・日曜とも)とラジオ関西(『GOGO競馬サタデー!』、土曜のみ)共に中央競馬全レース中継を行う関係で放送しないため、巨人主催試合に限りABCが乗り込む際の技術協力または裏送りネットを行う。 →詳細は「ラジオ日本ジャイアンツナイター § 阪神戦」を参照
ラジオ日本は、2020年ごろから地方球場での巨人主催試合(これには、京セラドーム大阪と東海もしくは中四国地方への遠征も含む)の放送をやめるようになり、2022年に至っては、本拠地の東京ドームで行われる試合の中継も年30試合程度に減らしてしまい、平日においてもスタジオ番組を定時放送化することから、事実上ニッポン放送制作によるNRN独占放送と変化するようになったため、火〜木曜の放送でラジオ日本が巨人戦の制作・放送をしなければ、予備カードの第1位を自社制作のオリックス戦、またはJRN系列局制作および文化放送制作分[注 39]で放送可能な試合を充当するようになっていった(金曜のMBSも同様)。 その一方で、東京ドーム開催の巨人主催試合では、当番組(火〜木曜)や『MBSベースボールパーク』(金曜)で本番カードか予備カードに設定された場合に、ラジオ日本が中継を制作。「当番組で予備カードから本番カードへ昇格させない場合でも、自社とラジオ関西で放送する」という傾向が強まっている。 巨人戦の地方球場主催開催はビジターと同様に原則RFでは放送しないが、2024年4月23日の巨人対中日戦(ひたちなか市民球場)が開催・放送されたが、それが中止になった場合の第1予備として、本番組のDeNA対阪神がRF・GBS・CRK(さらに状況によりHBC・TBC・CBC-R・RKB・KRY・NBC(NBC佐賀)・RKKも)で放送される設定がなされていた(当日はイベントの都合で17:30開始のため、ABC-Rは17:25開始だったが、ネット局が生じた場合は局により最も早いのではRKBの17:48から最も遅いRKKで19:00までの間での飛び乗りが予定されていた[66]) ヤクルト戦
1979年以降はラジオ放送権がNRN独占のため、必然的にNRNの在京2局と組む。JRNでも放送が可能だった1978年までの火~木曜は、TBSラジオと組んでいた。ただし、その後もヤクルトが日本シリーズに進出した際と、下記の事情による対阪神戦以外は、一部の試合でTBSラジオからネット受けしたことがある。 巨人主催とは異なり、ABC・MBS共にJRN担当日でもニッポン放送または文化放送の技術協力による自社制作が認められた。また自社制作ができない場合はニッポン放送がNRN向けと月・金曜MBS向け、火〜木・土・日曜ABC向けを二重制作することもあった。 1993年から2001年は横浜と巨人の対戦(主催球団を問わず)の裏カードに限り、TBSラジオ・JRNでの放送が認められたが、対阪神戦のABC・MBSへのネットは認められなかったため、従前通りABCのJRN担当日は自社で乗り込むか、ニッポン放送が火〜木曜のNRN向けや土・日曜のLF-MBSラインとは別に二重制作して裏送りのどちらかとなった。 2010年の土・日曜JRNナイター廃止以降、土・日曜は文化放送を軸としたNRNナイターの関西地区担当となったため、自社制作を行わない時は文化放送との2局ネットを実施した。 土曜日にABCが自社乗り込み制作する阪神戦が名目上NRN本番となり、かつ文化放送が別制作を行わない場合は山口放送にもネットされるため、たとえABCのアナウンサーによる実況であっても「文化放送の制作」として扱われるが、2023年時点では実例がない(過去には東海ラジオが関与した対中日戦で実例あり)。 2018年のJRNナイター廃止以降は、自社制作を行わない時の火〜木曜も文化放送が裏送りすることになったが(MBSの月・金曜は2022年から実施)、この場合の他球場速報のチャイムは、JRNとNRNのどちらのものを使用するかが随時異なる[注 40]。また、2023年6月20日(火曜)は、『ライオンズナイター』でセ・パ交流戦における予備日開催の対楽天戦を放送することになり、東北放送を含めた3局ネットでの放送とした。なお、2018年以降、自社制作を行わない火 - 木曜にMBSラジオが自社制作を行い、かつNRN予備順位が屋内球場より下位となった場合には、1980年代の一部年度における夏の高校野球期間中の要員不足時の特例(ヤクルト・大洋主催阪神戦の本番限定で火 - 木曜NRN、土・日曜LF-ABCラインに切り替えてMBSラジオは自社制作で対応)や広島主催時の特例に準じて、ニッポン放送制作によるNRNの予備カード分を委託本番扱いでネット受けすることも可能とみられるが、2024年までの時点では実例がない。 →詳細は「ニッポン放送ショウアップナイター § NRN独占カードの対応」、および「文化放送ホームランナイター § NRNナイターとしての対応」を参照
2023年は9月1-3日までは金曜はLF、土・日曜はQR裏送り(土曜は同じQR裏送りのNRNナイター本番用を流すKRYの予備兼)のみだったが、阪神の優勝争いに関連して9月22-23日のそれは自社乗り込み(協力局は当日のナイター担当局に沿う。これらとは別に22日はLF発、23日はQR裏送りKRY用のいづれもNRNナイター用の放送もある。[注 41])を行った。 2024年には、4月6日・6月29日(いずれも土曜日)開催分を14:00開始、4月7日・6月29日に(いずれも日曜日)開催分を13:30開始のデーゲームとして編成。当番組では、以上のデーゲーム4試合を、QR制作分中継の裏送りで対応した。9月8日(日曜日)には17:00開始の薄暮試合として組まれていたため、中継の放送枠を16:55以降に編成したうえで、同局による裏送り向けの中継を放送。 DeNA戦
1979年 - 2001年のNRN独占時代は全曜日でニッポン放送の裏送り(金曜はNRN本番カードの場合あり)または同局技術協力による自社制作で対応し、自社制作ができない場合は、MBS・ABCがともにJRN・NRNのクロスネットであることから、JRN担当日の局にも裏送りする形で二重制作となることもあった。また、対阪神戦以外でも巨人戦を中心にニッポン放送が二重制作することがあった。 1993年のNRNへの巨人主催試合開放の見返りで、1999年からヤクルトと巨人が主催球団を問わず対戦している場合の裏カードのみTBSも中継可能となったが、2002年のJRN全面開放まで対阪神戦に限ってはABC・MBSへのネットが認められず、従前通りニッポン放送からの裏送りか自社制作分を放送した。 2002年にTBSが横浜球団の親会社となったことでJRNの横浜主催試合の放送権が全面回復すると、月・金曜以外はTBSラジオとのネットに再度組み直されたが、2010年の週末JRN撤退により、土・日曜ナイターに限り、(マンデー・パ・リーグの月曜裏送り対応を除けば)1968年以来のレギュラーシーズンでの文化放送とのネット関係が復活した。さらに2018年のJRNナイター完全撤退で上記のようなネット体制となったが、月曜については2020年まで、MBSとTBS・ニッポン放送のネット関係を持ち替えることがあった他、同年終盤は金曜でも本番カード限定での持ち替えが行われることがあった。 TBSラジオは2023年からDeNA主催試合における他のJRN系列局(ABCを含むビジター球団の地元局)への裏送り向け中継を制作していないが、横浜スタジアム内の放送ブースと技術スタッフを維持している関係で、ABCがJRN担当日に乗り込み方式で中継を制作する場合には技術協力を続けている。試合開始時刻が17:30に設定されていた2024年4月23日(火曜日)・24日(水曜日)のDeNA対阪神戦でも、このような自社制作体制を背景に、17:25からの完全生中継を実施。その一方、自社制作できないデーゲームの場合、2024年5月11・12日は文化放送に制作を委託することになった。 中日戦
土曜のナイターでは2010年以降ABCがNRN全国中継担当となるため、阪神が関与しない試合を含めてSFとのネットとなる。その一方でデーゲームではCBCとのネットを継続している。日曜デーゲームはMBSラジオが中央競馬中継(『GOGO競馬サンデー!』)を日本中央競馬会(JRA)と間で、他競技よりも優先する条件での制作受委託契約を結んだ上で制作・放送している関係で、公式戦は一切放送しないため、2014年(平成26年)から東海ラジオが巨人対中日戦の裏カードの阪神主催ゲームを放送する際には、本番組のネット受けを受ける体制に変更された(阪神およびオリックス対中日戦は、CBCが乗り込み自社制作となった場合を含めてMBSによるSFへの裏送りを継続)。この場合、中国放送も加わり3局ネットとなる対広島戦では、機材運用の都合上、東海ラジオが加盟していないJRNの速報チャイムが使われることがある。 →詳細は「東海ラジオ ガッツナイター § 阪神・オリックス戦」、および「CBCドラゴンズナイター § 阪神・オリックス戦」を参照 →「CBCラジオ § ドラゴンズ戦中継」も参照
東海地区での聴取率調査期間には、CBCが中継できないヤクルト対中日戦の裏カードとして開催された阪神対巨人戦を、CBCが甲子園に乗り込み自社制作で中継した年度もあった。また、ナゴヤ球場→ナゴヤドーム・長良川球場で関西圏のパ・リーグ球団(主に近鉄バファローズ)の主催試合が行われ、かつ阪神戦非開催時(1979年から1991年までの巨人対阪神戦の裏カードかつNRN担当日も)に在阪局が本番カードとした際には、CBCおよびSFがABCおよびMBSへの裏送り(または2局ネット)方式で放送したことがある他、乗り込み自社制作を行った際には技術協力を行った。 オリックス主催の中日戦は、在阪局が自社で放送しないため、ABC・MBSが曜日に応じたネットワークの組み合わせでCBCラジオ・東海ラジオへの裏送りを行うか、在名局が乗り込み自社制作を行うかのいずれかとなる。 広島戦
分社前のABCテレビにおけるネットワークの腸捻転時代や[注 43]、阪神球団がABCと優先契約を結んでいた時代と(前述)過去のRCCの朝日新聞社との資本関係の名残もあり[注 44]、RCCは現在でもプロ野球中継についてはABCとの関係を重視している[注 45]。一方で、中央競馬中継やひろしま男子駅伝など他競技ではMBSとネットを結ぶなど、RCCではABC・MBSの両局と対等に関係を結ぶ配慮をしている[注 46]。 →詳細は「RCCカープナイター § 阪神・オリックス戦」、および「MBSベースボールパーク § 広島戦」を参照
1976年から水曜ナイターのネットをJRNからNRNに変更したが、阪神主催試合のABC優先契約の影響で、1980年までは月曜(JRN)・水〜木曜(NRN)の阪神対広島戦についてはABCが二重制作した裏送り分を放送した。優先契約が終了した1981年から同カードは月曜をNRN、水〜木曜はJRNにネットを切り替える形でABCから本番カードを受ける形となった。これについて、RCC[注 47]はJRNネットの曜日でもヤクルト対広島戦に限りNRNにラインを切り替えるので、JRNとNRNのネット比率を調整するために取られた措置とも考えられる[注 48]。 土曜午後に『近鉄バファローズアワー』が放送されていた2004年までは、土曜デーゲームはABCがRCCに裏送りするか(解説者のみRCCから派遣の場合あり)、RCCの乗り込み自社制作(解説者のみABCから派遣の場合あり)としていたため、内容的に広島応援の体裁となっていた。また、1987年までは年度により日曜デーゲームもABCが自社で放送せず、通常番組を優先したため土曜と同様にABCの裏送りかRCCの自社制作となっていた。 オリックス戦については、ABC・RCCの2局ネットまたは全国ネットとなる可能性が広島主催は雨天順延時の予備日復活開催に限られ(この場合、NRN向けの自社放送分は火〜木曜がMBS向け、金〜日曜がABC向けとなり、非NRN向けは必要に応じて裏送り対応)、オリックス主催は神戸開催分雨天順延時の予備日復活開催(大阪への振替の場合あり)や、ビジターの阪神戦・巨人戦ともに屋外球場開催となった時(この場合両球団が屋外球場を本拠とする楽天またはロッテの主催や、その他の球団が地方で主催試合を実施した時)の予備順位次第となるため、これまでの実績ではRCCの単独放送(広島主催はRCCの自社制作、オリックス主催はABCの裏送り)のみとなっている。 他球場速報チャイムの扱いは、ABC・RCCがクロスネットということもあり、阪神戦ではABC・RCCそれぞれの運用に準じているため、火〜木曜の2局ネット時はABC制作分や、RCCの二重制作時の裏送り分はJRNの、MBSの自社制作時にNRN扱いで2局ネットおよび、屋内球場の中止時などの特例での本番カードネットを実施した際のRCC制作分はNRNのチャイムが使用される。オリックス戦では、RCC制作時はNRNチャイムに統一している一方、ABC制作時はNRN予備扱いにとなる金曜日以外は規則性がなく、機材運用の都合に合わせて火〜木曜にNRNの速報チャイムが使われたり、土・日曜デーゲームで1日ごとにJRN・NRNの速報チャイムが異なったりすることがある。またオリックス戦のABC制作時のアナウンサーの起用については、年度により通常の裏送り同様若手アナウンサー中心の時と、阪神戦を主に担当する主力アナウンサー中心の時(この場合、自社で放送するビジターの阪神戦を若手中心にシフト)とがある。 広島が関与しない阪神主催試合の放送は、RCCの火〜木曜がMBSからのネットとなり、月・土・日曜は広島が関与しない試合の放送から撤退しているため、金曜日の全国ネット本番(予備補充を含む)とオフ編成での他曜日の特例による予備補充に限定される。逆に阪神が関与しない広島主催試合も、原則として金曜日にNRN本番カード(予備補充を含む)を、火〜木曜にQR・CBC・HBC・RKB(火曜日は宮崎県・沖縄県を除くJRN九州・山口各局が加わる場合あり)向け裏送り分を任意にネット受けする場合に限定される。 2023年8月15日の広島主催分は当初、本番カード限定でNRNに切り替えてのRCC-ABC-Rの2局ネットの予定だったが、予備カード第1位の中日対巨人(バンテリンドームナゴヤ、CBC-R制作)と、ABC-Rの制作協力によるRKBの制作(解説者と技術スタッフはABCの、アナウンサーはRKBの担当)でKRY、NBC〈佐賀含む〉、RKK、OBS、MBCの九州山口ブロックで放送予定だったオリックス対ソフトバンク(京セラドーム大阪)が、いずれも台風7号の影響を受けて中止[注 49]となったことから、急遽NRNナイター本番カードとしてLF、SF、KBCにもネットを行ったため、火曜日にNRN本番を放送する異例の体制となった。なお、予備カードについてはABC-Rは非NRN扱いの枠組みでHBC制作の日本ハム対ロッテ戦(CBC-R、RKBにKRY,NBC(佐賀含む)、RKK、OBS、MBCの九州山口ブロックを加えた7局ネットに変更)を繰り上げ、RCC・LF・KBCと自社制作を行ったMBSはNRNの枠組みでヤクルト対DeNA戦(神宮球場、LF制作)を繰り上げた。 同9月15,16日は、タイガースのリーグ優勝の可能性があること(実際は14日で決定)を加味し、RCCのネット受けではなく、RCCの協力を得たうえでの自社乗り込みが行われた(MBSも同様に自社乗り込みを実施)。この週(9月12-17日)は、番組ホームページでのインターネット同時生中継(近畿2府4県のみ)も実施されることも踏まえている。 西武戦
オリックス主催試合の西武戦は、2008年(平成20年)からABC側のネットラインに関わらず、個別NRN扱いで『文化放送ライオンズナイター』用の制作・技術協力が行われている。 2017年(平成29年)までのライオンズナイターはビジターでも全試合文化放送がスタッフを派遣して乗り込み自社制作をしていたため、ABC側は番組制作に関わらず技術協力のみ受託していた。セ・パ交流戦で阪神主催試合の西武戦が行われたり、オリックス主催試合でも日程編成上全国ネットとなった場合も同様だが、この時はABCもTBSラジオ(JRN)向けもしくはニッポン放送(NRN)向け本番を制作・放送するため、二重制作となっていた。なお、2013年に月曜ナイターとして行なわれていた西武主催試合の阪神戦はライオンズナイターからネット受けした。 2018年(平成30年)からはTBSラジオがナイター中継を廃止したため、西武主催試合の対阪神戦については基本ABCは曜日担当に従い金曜はニッポン放送、火〜木・土・日曜は文化放送と2局ネットを組む。週末開催の2018年度はABCは両局協力による自社スタッフで担当し、自社制作を見送った2021年度は両局から裏送りを受けた。なお、平日の西武主催試合では文化放送がNRNのSTVラジオ・KBCとの2局ネットとJRNのHBC・RKB(火曜は宮崎県・沖縄県を除くJRN九州・山口各局が加わる)向け裏送りの2系統を制作する試合があるが、阪神戦の非開催時の予備カードについては火〜木曜に後者JRN向けの裏送りが放送される。土・日曜はニッポン放送がHBC・RKB向けを制作する。オリックス主催試合は、火〜木曜に文化放送への裏送りを阪神戦の予備カードを兼ねて制作する。 なお、ABCラジオでは「阪神対西武」もしくは「オリックス対西武」[注 50]が2局ネットされる時以外、オリックス主催試合→セ・リーグの他カードが予備順位の上位に組み込まれるのが基本であり、文化放送制作のライオンズナイター本番が予備カードに指定されるのはごくまれで、RFラジオ日本で編成されない場合のセ・パ交流戦の「巨人対西武」[注 51]などが、阪神戦が中止になった場合の予備カードに指定される場合がある。 →詳細は「文化放送ライオンズナイター § ネット局」を参照 ABCがNRN向け中継を制作する金曜日開催分については、JRN向け中継における西武主催試合はMBSがネット受け(主に対阪神戦)もしくは阪神戦の予備カードとして編成し、オリックス主催試合は2018年度のみABCがNRN向け中継(他の屋内球場より下位のため素材収録待機のみ)とは別制作して裏送りしたが、2019年以降はMBSが裏送りしている(日程編成や予備からの昇格によってはHBC・RKBなどJRN系列局にもネット)。阪神主催試合については2019年度は週末開催のため、金曜日の文化放送向けはMBSの担当で2局ネットで放送。ABCはNRN予備カード扱いで自社ローカル放送。土・日曜はデーゲーム開催のためABC(土・日曜とも)・MBS(土曜のみ)とも自社ローカル放送をした。 →詳細は「MBSベースボールパーク § 西武戦」を参照
2021年4月20日からのオリックス対西武3連戦(京セラドーム大阪)では、関東地区の聴取率調査週間と重なっていたことを背景に、文化放送がABCの技術・人員協力を受けながら関東ローカル向けに以下の中継体制を組んだ。
2024年8月6日からのオリックス対西武3連戦(京セラドーム大阪)では、第106回全国高等学校野球選手権大会の試合が7日から組まれていることを背景に、「実況・ベンチリポートのアナウンサーを文化放送、解説者をABCから派遣する」という裏送りで中継した。
ロッテ戦
ロッテ主催試合の阪神戦は原則として乗り込み自社制作しているが、年度により文化放送もしくはニッポン放送からの裏送りで対応する。 2022年5月27日(金曜) - 29日(日曜)は自社制作を見送り[注 52]、金曜開催の27日はニッポン放送からの、土・日曜開催の28・29日は文化放送からの裏送りで対応した。 阪神が関与しない試合は、いずれか次のうち自社で予備カードを設定する。火~木曜日はHBCもしくはRKBの自社制作分、文化放送が両局向けに制作する裏送りもしくは2局ネット分、金曜日はニッポン放送制作分の予備(NRN全国ネット扱いの対巨人戦は第1予備)となる。 オリックスとロッテが対戦する場合、主催球団を問わず、雨天中止及び日程編成上の都合でパ・リーグ単独開催かつ火〜木曜に『文化放送ライオンズナイター』の本番、金曜にNRN全国ネットカードとなった場合を除き放送機会が極めて少ない。また土・日曜はNRN全国ネット本番かつオリックス主催で自社制作になっても、阪神戦ナイターの雨天中止時を除き放送されないため、自社を含めて予備からの昇格でネット局[注 53]が発生しない限り日曜は素材収録となる。 このカードの放送実例はオリックス主催では2022年7月8日(土曜・ほっともっとフィールド神戸)で予備からの昇格によりABCと山口放送との、同年9月22日(木曜・京セラドーム大阪)でABCと文化放送との2局ネットとして放送した。 日本ハム戦
オリックス主催試合の日本ハム戦がナイターで行われる日は、ABCがその日に取るラインに合わせて裏送りを制作する一方[注 54]、日本ハム主催阪神戦で乗り込み自社制作を行った場合の技術協力は必ずしも曜日・時間帯で一致しないことがある[注 55]。
ソフトバンク戦
火曜日のオリックス対ソフトバンク戦は、ABC制作でRKBに加え、山口放送(KRY、『エキサイトナイター』)、長崎放送・NBCラジオ佐賀(NBC、『ゴールデンナイトゲーム』)、熊本放送(RKK、『ゴールデンナイター』)、大分放送(OBS、『ゴールデンナイター』)、南日本放送(MBC、『エキサイトナイター』)にもネットされる。 京セラドーム大阪でのソフトバンク主催試合は、2014年・2017年(RKB・KBCとも)・2016年(RKBのみ)は高校野球開催期間と重なったため在福局が乗り込みを実施した[注 62]が、2015年はRKB・KBCとも在阪局からの裏送り(対楽天戦かつ曜日の関係でMBS-KBC-TBC、ABC-RKB)となった。また、当該日は全国ネット本番だった阪神戦との2試合のみ開催だったため、結果として本番・予備とも在阪局が中継を制作した(高校野球期間中の開催については後述)。 →詳細は「RKBエキサイトホークス § 京セラドームでのソフトバンク主催試合」を参照
火〜木曜日にソフトバンク戦が開催されない場合には、RKBが阪神主催試合(RCCまたはCBCとの2局ネット分を含む)や、オリックス主催試合(主にHBC・QRへの裏送り分)をABCからの任意ネットで放送することがある。
2023年は、KBCが土・日曜日のビジターゲームの放送をデーゲーム・ナイターを問わず局間ネットとならない試合を中心に縮小したことから、オリックス主催のデーゲームについてはRKBへの裏送りを中心とすることになり、ナイターでもKBCが放送せず予備順位により自社およびSF・KRYへの予備対応および経過送り待機となる事例が発生するが[注 63]、阪神主催デーゲームについては、2023年の場合土曜日が基本的にMBSがKBCと、ABCがRKBとの局間ネットで中継する一方、日曜日はMBSが競馬中継優先で野球中継を放送しないため、従来通りABCがRKBへの局間ネットを行った。一方KBCは日曜のみならずMBSとの局間ネットが可能な土曜日も中継を見送った。また、2024年から、RKBは土・日とも15時台に中央競馬中継の通年放送[注 64]を割り当てたため、例えホークス戦が開催されていても15時台は原則として競馬中継を優先するため放送されない時間帯が生じる。 楽天戦
楽天主催試合の阪神戦は開催時期が在阪局の聴取率調査期間に該当することが多いため、TBCの技術協力を受けて乗り込み自社制作している。このため余程のことがない限りTBCは単独で放送し、TBCが取らないラインの雨天予備中継担当および素材収録もABCラジオが担うか(主に水・木曜のJRN向けと土・日曜のNRN向け)、TBCの中継をJRN・NRN共用素材とするか、いずれかの選択をする。 →詳細は「MBSベースボールパーク § 楽天戦」を参照
阪神が関与しない楽天主催試合については、金曜はNRN全国中継本番カードを、火〜木曜日は阪神戦非開催または予備からの昇格時にJRN向けの本番(火曜)もしくは裏送り分(水・木曜日)および文化放送との2局ネット分(西武戦)を、土・日曜日は予備カードとしてNRN向け(原則として裏送り分を受けるが、HBC向けの日本ハム戦やJRN系列局へのネットがないカードは自社本番の場合あり)をネットする形になる。土・日曜ナイターについてはLFとNRNの双方が予備カードとした場合、ABCにネットされる可能性を考慮して、MBSは当該試合を予備カードから除外の上で下位のカードを繰り上げる対応を取り、LF・NRN・ABCのいずれも予備から昇格した場合、TBC=LF=ABC(=SF=KRY)の変則ネットとなる。 2011年(平成23年)の東日本大震災を受け、Kスタ宮城(当時)の被災で使用できなかった同年4月の楽天主催6試合を甲子園とほっともっとフィールド神戸で各3試合行った際、そのうちの5試合を『TBCパワフルベースボール』用の裏送りを行ったことがある。2012年も同様に甲子園での1試合(2試合予定も、1試合は中止[注 65])を同様に裏送り放送したことがあった。 →詳細は「TBCパワフルベースボール § オリックス・阪神戦」を参照
2021年(令和3年)7月17日(土曜日)に楽天生命パーク宮城で開催されたオールスターゲーム第2戦では、TBCが(LF・MBSを含む)JRN/NRN向けに中継の二重制作を実施したため、当番組ではNRN向けの裏送り中継を充てた。 その他の裏送りオリックス主催試合の楽天戦、ロッテ戦、ヤクルト戦、DeNA戦は大半が全国放送本番カードが中止となった場合の予備放送扱いとなることや、楽天戦では2009年以降TBCがABCとの「局間本番」(2局ネットによる本番カード)として設定しない場合の裏送り依頼を開幕カード・終盤の優勝争い時などを除き見送っているため、これらのカードの裏送りはごく稀にしか行われない。なお土曜日にオリックス主催のナイターが行われる場合で、特にその日のナイターが1試合しかない場合を中心に対関東勢5球団、および日本ハム・楽天・ソフトバンク戦[注 66]については、KRY単独放送となる試合が存在するが、この場合でもKRY向けを強調することはない。また、夏の高校野球期間中はアナウンサーの人員の都合もあるため、対日本ハム戦(JRN相当担当日のHBC/NRN担当日のSTV-R)、対ソフトバンク戦(RKB/KBC)を中心に、実質上はビジター側の地元局との共同制作の形を取り、実況アナウンサーをビジター側地元局から派遣し、解説者やベンチレポーター、技術要員をABC-Rで賄うパターンもあるが、予備カード放送順位ではJRN相当日でCBC-R制作のバンテリンドームナゴヤでの中日主催試合、またはまれにRF制作の巨人主催試合の中継がない場合には1位に割り当てられることがあるが、NRN担当であれば、上位にLF/QRが指定した巨人戦などのセ・リーグに絡む試合が当たりやすいため、予備順位の下位となることが多い。 ABCラジオが聴取率調査(レーティング)週間の期間中には、阪神主催試合でも特別企画を盛り込んだ自社向けと通常の形式によるネット局向けの二重制作を行うことがあり、当該カードが全国ネット本番となった場合、関西地区では和歌山放送(WBSゴールデンナイター・火・金曜)、KBS京都(KBS京都エキサイティングナイター・金曜)、ラジオ関西(ラジオ関西ジャイアンツナイター・2016年からの火 - 木曜。詳細後述)で放送するネット局向けの裏送り出しと2系統で聴取できる場合があり、同様にABCがビジター阪神戦裏カードのオリックス主催ゲームを全国ネット本番として裏送りした場合にも、この3局で聴取できる場合がある。 全国高等学校野球選手権大会期間中の対応全国高等学校野球選手権全国大会(夏の甲子園)期間中には、当番組に出演するアナウンサーが、全国大会中継(ABCラジオ、ABCテレビ、BS朝日向け)の実況およびインタビュアーを兼務する。このため、阪神戦の中継については、以下のように対応している。 京セラドーム大阪および地方球場での阪神主催試合(ホームゲーム)をナイトゲームとして開催する場合ABCの自社制作による通常の中継体制で放送。高校野球中継で午前中に第1試合の実況を担当したアナウンサーが、中継終了後に甲子園から上記の球場へ移動したうえで、同じ日の夜に阪神主催のナイトゲームを実況することもある[注 67]。 2017年8月6日のヤクルト戦は巨人×中日戦の裏開催のためSFにもネット受けした。 2023年8月11-13日の阪神対ヤクルト戦は、同日の巨人対DeNA戦が全日デーゲーム(14時開始)であり、体裁上NRNナイター指定カードとなったが、全国放送は11日のみ。12日はKRYとの2局ネット(21時56分飛び降り。但しそれ以後の大阪ローカルのみの放送も全国放送に準じた放送体裁を継続)だった。 阪神のビジターゲームをナイトゲームや薄暮試合として開催する場合
高校野球開催日の阪神ビジターゲームが17:00開始の「薄暮試合」として組まれていて、その試合をビジター地元局からの裏送り方式で中継する場合には、「高校野球(中継)終了後(遅くとも17:58から中継へ飛び乗り)」という条件をあらかじめ付けている。以下では、主な該当例を記載する。
阪神のビジターゲームをデーゲームとして開催する場合
なお、2013年から2015年の大会期間中の土・日曜日には、火 - 金曜日の『野球にぴたっと。』に相当する番組として『ABCフレッシュアップベースボール タイガースにぴたっと。』を17:52 - 17:55に編成。当番組のスタジオ担当が、(阪神戦がナイトゲームの場合には)スターティングメンバーや、(阪神戦がデーゲームの場合には)試合の経過を手短に伝えた。なお、2013年には月曜日にも、道上洋三の出演・事前収録による『タイガースにぴたっと。』を放送していた。2016年は当該時間帯にリオデジャネイロオリンピック関連の民放ラジオ統一番組『VIVA! リオデジャネイロオリンピック』を放送するため、『タイガースにぴたっと。』を含めた高校野球4試合日の前座ミニ番組は編成されず、2017年は前座ミニ番組無しでそのまま開始するようになった。 高校野球中継のフィラー番組『サマースペシャル』を阪神のナイトゲーム中継日の夕方に放送する場合朝日放送ラジオでは旧朝日放送(テレビとの兼営局)時代から、午前 - 夕方帯にレギュラーで編成している自社制作番組への出演者の休暇を兼ねて、当該番組を高校野球の開催期間中に休止している。ただし、第95回全国高等学校野球選手権大会(2013年)以降の大会では休養日が少なくとも1日設定されているため、休養日には雨天順延分の試合が組み込まれない限り通常編成(レギュラー出演者の休演が大会の開幕までに決まっていた場合には代役の起用)で対応している。 その一方で、高校野球の中継が組まれている日には、中継を予定している時間帯の大半で『サマースペシャル』(朝日放送ラジオ本社スタジオからの生放送番組)をフィラー番組に設定している。阪神のナイトゲームが編成されている日に中継を予定していた高校野球の試合が雨天中止(またはノーゲーム)で順延される場合や、3試合以下の高校野球開催日で最終試合が当初の予定より早く終了した場合には、夕方帯(17:00前後から阪神のナイトゲーム中継直前までの時間帯)に放送される『サマースペシャル』に当番組のスタジオMCから1名が出演。当日までの高校野球で印象深い試合やシーンを振り返りつつ、当日のナイトゲーム中継の聴きどころなどを紹介している。以下では、2023年の第105回全国高等学校野球選手権記念大会期間中で、当番組のスタジオMCが進行する『サマースペシャル』が夕方帯に放送された事例を記す。
ナイターオフ編成下での中継公式戦の残り試合ABCラジオでは2009年まで、ナイターオフ編成に入る10月にも、クライマックス・セ(2006年以前は日本シリーズ)が始まるまで阪神の未消化試合を『ABCフレッシュアップベースボールスペシャル』として自社制作で可能な限り中継していた。ただし、予備日開催の最終戦(対中日戦、スカイマークスタジアムでのナイトゲーム)を放送できなかった2008年10月12日のように、放送権や編成上の事情で中継できない試合も存在していた。 しかし、2010 - 2013年のナイターオフ編成においては、後述の2011年の事例を除いて、優勝チーム決定かつ、阪神のクライマックスシリーズ進出有無が決定した場合は、原則として残りの試合は阪神戦であっても中継しなくなった(一方で競合局のMBSは2010年以降のナイターオフ編成においても、日曜デーゲームでなければ中継している)。ただし、CBCやRCCといったビジターチーム側の地元局が、ABCで中継されない阪神主催試合を中継する場合、ABC制作でこれらの局へ向けた裏送りは行っていた。特に2013年においては、それまで消化試合の放送に消極的であったCBCも中日の最終戦まで中継を行ったため、関東以外の球団所在地地元局では唯一消化試合の中継を原則行わなかったことになる。2014年と2015年は阪神の最終戦まで中継を行った。2016年から2020年はナイターオフ編成下の残り試合を中継しない方針に戻っていたが、2021年以降は阪神の最終戦まで中継を行っている。 本来月曜・金曜・土曜・日曜はNRNナイターの曜日であるが、シーズンオフ期間に雨天中止の場合の予備カードを設定する場合は、これらの曜日でもJRN系列局制作のものとなることが多い。自社制作の試合では、ネット局がない場合は原則として本来のシーズン中の曜日の速報チャイムを使用するが、2011年10月10日(月曜)の対巨人戦(東京ドーム)ではABC・MBS共にJRNの速報チャイムを使用していた(どちらかの局の不手際と思われる)。また、2011年10月15日〜16日(土・日曜)の対広島戦(甲子園)はネット相手のRCCがABC同様クロスネット局のため、NRNのチャイムを使用した。2011年10月20日(木曜)の対横浜戦(甲子園)dはNRN扱いの広島対中日戦(マツダ。RCC制作・SFにもネット)が予備カードとして編成された(MBSが予備カードを設定しなかったことと、CBCでの中継予定がなかったため)。 以下では2010年以降で、ナイターオフ編成期の前後に阪神が未消化の公式戦を残していた場合の対応を記す。
クライマックス・セ2007年からセントラル・リーグに導入された2段階プレーオフ制度(クライマックス・セ)については、阪神が進出した場合を中心として、該当試合(ナイトゲーム)を『ABCフレッシュアップベースボール クライマックスシリーズ実況中継』として放送。阪神のシーズン最終順位が4位以下の場合や、阪神がファーストステージ(2009年までは第1ステージ)で敗退した場合の対応は年によって異なっていたが、2016年以降は阪神が関与する試合のみの中継に絞り込んでいる。
クライマックス・パABCの本社がある大阪市内の京セラドーム大阪をオリックスが本拠地として使用しているにもかかわらず、(クライマックス・セが開催されなかった)2020年をはさんで、クライマックス・パの中継をビジター地元局の制作分を含めて一切放送していない。以下では、オリックスも阪神もクライマックスシリーズへ進出した年の対応を記す。
ちなみに、阪神がクライマックス・セに出場できない一方で、オリックスがクライマックス・パに進出した場合の対応については、2024年に至るまで実例がない。 日本シリーズ2018年までは、阪神の進出いかんにかかわらず全試合を中継。プロ野球中継のタイトルを『フレッシュアップベースボール』に変更してからは、『ABCフレッシュアップベースボール 日本シリーズ実況中継』として放送していた。なお、阪神・オリックスがシリーズへ出場した場合には、関西ローカル向けに全試合を自社制作で中継。JRN・NRN系列局が制作する関西以外の地方向け中継にも、ベンチサイドリポーターとしてABCのアナウンサーを派遣していた。 2017年までは、第1・2・6・7戦をJRN(TBSラジオ受け持ち)、第3 - 5戦をNRN(西暦偶数年は3,5戦はニッポン放送、4戦は文化放送受け持ち、西暦奇数年の3,5戦は文化放送、4戦はニッポン放送受け持ち)の各ラインで中継していた(MBSとは逆の関係)。 ソフトバンクと広島が対戦した2018年には、TBSラジオが中継の放送業務から撤退してから最初の日本シリーズでもあったため、第1・2・6・7戦をニッポン放送との個別扱いによる2局ネット[注 103]、第3 - 5戦を文化放送および系列各局受け持ちのNRNライン[注 104]による中継で賄っていた。 しかし、2019年から、日本シリーズの編成方針を転換。「オリックスが日本シリーズに出場できても、阪神が出場できなければ自社では中継を一切放送しない」という対応に切り替えた。また、ABCは阪神・オリックス出場の主管試合に限り、第1・2・6・7戦のNRN全国中継[注 105]を制作することになった(阪神不出場・オリックス出場の場合、オリックス主管試合は裏送り)。 阪神がクライマックス・セ ファイナルステージで敗退、オリックスがレギュラーシーズンを最下位で終えた2019年の日本シリーズでは巨人とソフトバンクがドーム球場でのナイトゲームのみで対戦したため、他局が制作する中継のネット受けを一切実施せず、ナイターオフ期間の通常編成を優先させた[注 106]。 東京オリンピックの開催が予定されていた2020年には、2012年以降当該期間(7月)に組まれていた都市対抗野球大会を、東京ドームで11月22日から12月3日まで実施することがあらかじめ決まっていた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響による東京オリンピック開催とレギュラーシーズン開幕の延期に伴って、日本シリーズと都市対抗野球大会の期間が重複。さらに、東京ドームを本拠地に使用する巨人には、同ドームでの対阪神戦に勝利した9月15日からセ・リーグの優勝マジックが点灯していた。NPBでは以上の事態を踏まえて、巨人がセ・リーグ優勝を経て日本シリーズへ出場した場合のセ・リーグ側ホームゲーム(第1・2・6・7戦)の会場を、10月5日の理事会で検討。その結果、本来なら東京ドームを使用するセ・リーグ主催の全試合を、京セラドーム大阪で開催すること[注 107] を決定した[70]。結局、10月30日に巨人のセ・リーグ優勝が決まったことに伴って、セ・リーグ側ホームゲームの会場が京セラドーム大阪に確定。前日(29日)にはオリックスのパ・リーグ最下位が確定したため、ABCでは前年(2019年)同様に日本シリーズ中継の放送をしなかった[注 106]。ただし、QRが関東ローカル(非NRN)・KBCが北部九州(福岡・佐賀両県)ローカル向けに制作したセ・リーグ側ホームゲームの中継には、京セラドーム大阪の地元局として制作協力扱いで関与している[注 108]。 2021年には、阪神・オリックスともクライマックスシリーズに進出。阪神がファーストステージで敗退した一方で、オリックスがファイナルステージの突破によって、ヤクルトと共に日本シリーズへの進出を決めた。日本シリーズでは第1戦・第2戦を京セラドーム、第6戦・第7戦が発生した場合にほっともっとフィールド神戸[注 109]で開催したが、朝日放送ラジオでは(後述の事情による特例で東京ドームを使用した第3 - 5戦を含めて)全試合の中継を見送る方針を立てていた。その一方で、前述の通りパ・リーグ(オリックス)主管試合のNRN全国中継担当局として、第1・2戦および、第6戦以降の試合が発生した場合の中継をQRとNRN系列局への裏送り[注 110]向けに制作する体制を設定。実際には、第6戦まで以下の陣容で中継を制作した(MBSでは自社制作で関西ローカル向け/LFではMBSの技術協力による自社制作で関東ローカル向けに中継)。
2022年には、前年に続いてヤクルトとオリックスが日本シリーズへ進出。セ・リーグ(ヤクルト)の主管試合に神宮球場(前年のシリーズでは日程が明治神宮野球大会と重なったために使用が見送られたヤクルトの本拠地)[注 111]、パ・リーグ(オリックス)の主管試合に京セラドーム大阪だけを使用することを前提に、第1・2戦を10月22・23日(土・日曜日)に神宮球場、第3 - 5戦を25 - 27日(火 - 木曜日)に京セラドーム大阪、第6・7戦を29日(土曜日)・30日(日曜日)に神宮球場で開催することが確定していた。実際には第2戦が延長12回でも決着せずに(日本シリーズの規定に沿って)「引き分け」と扱われたことから、第7戦でも決着しない場合には延長無制限の第8戦を31日(月曜日)に神宮球場で予定していたが、朝日放送ラジオでは自社で中継を一切放送しなかった。その一方で、第3 - 5戦ではMBSラジオが自社と(文化放送を含む)NRN加盟局向けに中継を制作。いずれの中継もNRNナイター非参加局(HBC・CBC・RKB・RBC)で放送されなかったため、朝日放送ラジオでは裏送り向けの中継も制作しなかったが、非NRN扱いでの乗り込み方式で関東ローカル向けに制作するニッポン放送の中継に技術協力扱いで関与している。 2023年の日本シリーズでは、阪神とオリックスが進出したことを受けて、朝日放送ラジオがオリックス主管分(第1戦・第2戦・第6戦・第7戦=京セラドーム大阪で開催)・阪神主管分(第3戦 - 第5戦=甲子園球場で開催)とも全試合で中継を制作。「シニアアナウンサー」の中邨が第2戦・伊藤が第4戦の実況を担当したほか、西暦奇数年の中継ルールに沿って、文化放送でも全試合で放送した。
阪神がクライマックス・セのファーストステージで敗退、オリックスがレギュラーシーズンを5位で終えた2024年には、2019年と同様にナイターオフ期間の通常編成を優先させる予定。 出演者解説者●:サンテレビの中継にも、(テレビ中継における)同局の専属扱いで出演。 一部の人物は、オリックスの公式戦(京セラドーム大阪・ほっともっとフィールド開催分)において、朝日放送ラジオがビジター地元局(HBCラジオ、STVラジオ、文化放送、KBCラジオ、RKBラジオ、ニッポン放送〈主に金曜開催の交流戦での阪神ビジターゲームの裏カードの対巨人戦NRN全国中継〉、CBCラジオ〈交流戦の対中日戦のおよび、中日戦非開催時のRKBラジオ・HBCラジオ向けのネット参加〉、東海ラジオ〈交流戦の対中日戦〉、RCCラジオ〈交流戦の対広島戦〉)への裏送り向けに制作する中継や(裏送りではなく)自社向けの予備カードとして待機させる中継にも出演。
過去の解説者
KBCラジオ向けNRNラインで中継される「オリックス対ソフトバンク」戦の裏送り分では、2011年から2014年にかけて、当時九州朝日放送解説者であった佐々木誠(2019年から鹿児島城西高等学校硬式野球部監督)がたびたび解説を務めていた[注 116]。2020年9月から、RKBラジオへの裏送りで同カードを中継する場合に、両球団でコーチを経験している藤井康雄(関西地方在住のオリックスOB)を解説者として随時起用。2021年にも藤井が解説を担当していたが(同年はMBSラジオ制作分も担当)、阪神の巡回打撃コーチとして現場に復帰した2022年は、ABCの解説者だけで再び賄っていた(主に中田・湯舟が出演)。藤井は1年で阪神を退団したが、2023年から社会人野球・アスミビルダーズのコーチにに就任したため、同年のラジオ中継では解説を担当していなかった。2024年はRKBが乗り込み自社制作した3月29日の開幕カードで藤井が解説を担当したが、金曜日のためMBSの協力だった(リポーターはMBSから派遣。KBCはABC技術協力で自社乗り込みを実施)。
2015年度・2016年度には、阪神のオープン戦・公式戦中継の大半[注 117]で、「着眼点」というコーナーを設定。中継カードの鍵を握りそうなプレーや選手をテーマに、解説者が自身の見解を手短に披露していた。平日のナイトゲーム中継では『武田和歌子の野球にぴたっと。』、土曜日のデーゲーム中継では『南山千恵美のMusic Smile』、日曜日のデーゲーム中継では『STAR☆MUSIC☆SUNDAY』内の前座コーナーでテーマを発表。土・日・月曜日にナイトゲームを中継する場合には、前座コーナー・番組を編成していないことから、中継本編の冒頭で発表していた。2017年度以降はコーナーとして設定せず、実況アナウンサーや前座コーナー・番組出演者とのクロストークに「着眼点」を盛り込んでいる。
インターネットアーカイブにおける、ABCラジオプロ野球中継解説者プロフィールページの保存キャッシュ一覧 実況・リポーター2024年度朝日放送テレビのアナウンサー(正社員)○:スポーツアナウンサーの統括デスクを兼務
朝日放送テレビの「シニアアナウンサー」(嘱託契約アナウンサー)朝日放送テレビ(ABC)で正社員としての定年(60歳)を迎えた後に、嘱託契約で定年の翌日(4月1日)から最長で5年間在籍するアナウンサー。スポーツアナウンサーとしてプロ野球中継の担当を続ける場合には、正社員時代と同じく「ABCアナウンサー」という肩書を用いながら、当番組の阪神戦中継/裏送り中心のオリックス戦中継や朝日放送テレビ・BS朝日の阪神戦中継に出演している[注 119]。
朝日放送のグループ会社に所属するフリーアナウンサー
過去の担当者◎:2024年10月の時点で現役のABCテレビアナウンサー[注 1](他番組へ出演)
実況・リポーターの備考阪神甲子園球場から阪神のホームゲームを中継する場合には、ベンチリポートを担当するアナウンサーが、試合前にスコアボードで流れる1試合前のホームゲームのダイジェスト映像(ABCテレビ制作)のナレーターも兼務する[79]。 かつては実況アナウンサーが阪神戦中心、パ・リーグ中心と分かれていることもあったが、近年は担当を定めずどちらも万遍なく担当するようになっている。ただし若手アナウンサーはオリックス戦を中心に担当し、場数を踏んでから阪神戦を担当するということが多い。なお、対広島戦のRCC向け裏送りは、担当が分かれていた時代からオリックス戦でもベテランの阪神戦中心のアナウンサーを担当させることが多かった(2013年は中邨・楠が、2014年は小縣・楠が、2015年は小縣・清水・中邨が担当)。なお、清水は2014年まではほぼ阪神戦専従だったが、2015年は一部のオリックス戦(交流戦も含む)の実況にも再び携わっていた。 完全な関西ローカル(ビジターに乗り込んで、対戦相手地元局の協力を仰ぐ場合含む)であるときは原則としてベンチレポーターはタイガース情報を中心に1名のみだが、関西ダービーやネット局があるとき(ブロックネット・および巨人戦や、巨人戦が行われない・ないしは放送権がないために全国ネットとなる場合)には、対戦相手側の放送局(担当者はその日のネット局側のアナウンサーが登場する)のベンチレポーターを含め2人体制となる。ただし人員の関係で相手球団側の放送局からのベンチレポーター派遣がなく、結果的に関西ローカルと同じ1名体制[注 127][注 128]となるケースもある。また、ビジターの場合はABC向けのものとは別に、対戦相手の地元局が制作するものと兼務する場合もあるが、この場合は自社向けの技術協力局とリポーターを兼務している局とが異なる場合がある(一例として、自社向けはTBSラジオの技術協力で、リポーターは文化放送の中継にも出演など)。 スタジオ担当朝日放送本社内のラジオスタジオで、進行、提供クレジットの読み上げ、企画の告知、中継試合のスターティング・メンバー紹介などを担当。2011年度から2018年度までは『虎バン』(朝日放送→朝日放送テレビがプロ野球シーズン中の土曜日深夜に放送していた阪神関連の情報・ドキュメンタリー番組)、2016年度から2020年度までは『ガチ虎!』(プロ野球シーズン中の毎週月曜日にラジオで放送していた小縣の冠番組)の放送予定も告知していた。 ナイトゲームの中継枠では、自社制作以外の中継を放送する場合にも、試合開始直前の飛び乗りポイントまで出演。中継予定カードの中止によって在京ラジオ局が制作する雨傘番組を放送する場合にも、基本として番組の前後と途中に出演する。 2012年以降の日曜日と、2013年以降の土曜日には、デーゲーム中継が中止(または早く終了)した場合に、定時番組を当番組のスタジオバージョンとして放送することがある。この場合には、内包先の番組パーソナリティと共に、2020年までスタジオバージョンのMCを務めていた。 2021年以降は、日曜日デーゲーム中継のスタジオMCを、内包先の番組パーソナリティが兼務。2023年のシーズン途中(7月)までは、土曜日のデーゲーム中継でも同様の措置を講じていた。
いずれの人物も、ナイトゲーム中継(または雨傘・特別番組)枠の直後に放送される『9〜ジックナイト!』のパーソナリティを兼務する関係で、放送上「スタジオMC」という肩書を使用。デーゲーム中継を実施する場合には、中継のスタジオMCを務めてから、同番組へ出演する。火・水曜以外の曜日では、『フレッシュアップベースボール』への改称後初めて、男性をスタジオ担当へ起用している。
関連番組前座番組2022年以降は設定されておらず、前座番組の役割を中継冒頭のスタジオパートで事実上引き継いでいる。
当番組で阪神戦・オリックス戦を中継する日には、前座番組のパーソナリティ(前座番組を放送しない場合には当番組のスタジオ担当)が、「それでは、○○(中継先の球場名)へ御案内です」と言ってから実況アナウンサーにつないでいた(『元気イチバン!!ぶっちぎりプレイボール』時代からの慣例)。ただし、『野球にぴたっと。』のみ、番組タイトルに合わせて「この後は○○にぴたっと。」と言っていた。 フィラー番組過去
プロ野球関連番組週末のデーゲームや月曜日のナイトゲームの開催を最初から予定していない場合や、中継予定のゲームが中止になった場合には全編を放送。朝日放送ラジオの自社制作で週末の午後に放送している生ワイド番組では、放送日に阪神のデーゲーム中継を編成している場合に、中継開始直前までの短縮放送を実施している。ちなみに、土曜日のデーゲーム中継は、2010年シーズンから2023年シーズンの途中(7月)まで「生ワイド番組への内包コーナー」として扱われていた。
以下の番組ではいずれも、土・日曜に共通のタイトルで放送。
阪神戦中継における実況のアーカイブ音源を活用した主な作品・書籍
脚注注釈
出典
参考資料
関連項目
外部リンク
過去のABCラジオプロ野球中継公式サイト保存キャッシュ一覧 - インターネットアーカイブより |
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