兵庫県教育委員会
兵庫県教育委員会(ひょうごけんきょういくいいんかい)は、兵庫県の教育委員会。 概要兵庫県内の教育に関する事務を所掌する知事から独立した行政委員会である。教育委員会は、教育行政事務を行う合議制の機関で、2023年現在は藤原俊平教育長及び5人の教育委員で構成され、教育の基本方針を決定している。教育長は、知事が議会の同意を得て任命し、任期は3年。教育委員は、知事が議会の同意を得て任命し、任期は4年。 教育委員会の指揮監督のもと、その権限に属するすべての事務をつかさどる機関として教育長が置かれている。教育長の統轄のもとには事務処理を行う組織として、本庁15課と6教育事務所からなる事務局が置かれている。その他、教育研修所や兵庫県立美術館などの教育機関、学校教育審議会などの附属機関、高等学校、特別支援学校が設置されている。 教育委員の報酬は他府県とは異なり、月額制を採用している[2][3]。 近年は、主に兵庫県の高校再編などに取り組んでいる。 歴代教育長委員
事務局組織本庁[5]
地方[6]
教育機関[7]
県立学校[8]
本庁所在地
市町村教育委員会県立高校再編2022年(令和4年)7月14日に兵庫県教育委員会が兵庫県立高等学校の再編に関し、統廃合対象の14校を発表し、中播磨の2校は継続して検討することを発表した[9]。住民の間では落胆と戸惑いが広がり[10]、教育委員会の一方的方針に対し、今後は地域全体の問題として議論の紛糾が予想される。ただ兵庫県は、愛媛県などと違って住民に向けた説明会は一切予定しておらず[11]、地元教育委員会関係者や統廃合予定校の校長や教頭のみの検討会で方向性が決まるため[12]、生徒や保護者の懸念も強まっている[13]。 統合対象となった姫路市にある兵庫県立夢前高等学校では、2022年7月末に生徒有志12名で「統廃合学生審議会」を結成した。生徒は全校集会で森村美佐校長から知らされたが、なぜ統合するのか詳しい説明は一切なく、「今の在校生と中学生が一番影響を受ける世代。地域の過疎化も進む。県教委は生徒と住民に説明し、疑問を解消した上で発展的な議論をしてほしい。意見を聞くことは特色を輝かせるチャンス」と生徒の一人は訴えた。統廃合学生審議会は、他校の生徒にも呼びかけて議論の場を模索している。また市内4校のうち3校が統廃合の対象となった三木市の仲田一彦市長も「しかるべき時期に、学校所在地の周辺住民代表者に説明を」と地域や中学生向けの説明会を求めた。三木市総合教育会議でも仲田市長が県教委にこうした要請をしていることを報告した。三木市内の統廃合対象の高校の中には、半世紀近い歴史のある学校が2つもあり、行事などを通して地域と密接に関わってきた。県内全域から約8千点の作品が寄せられる「みなぎの書道展」には兵庫県立吉川高等学校が長年、運営に携わってきた。三木市内の小中学校統合では説明会を50回以上開催したことにも触れ、「地域と学校がともに歩んだ長い歴史がある。住民に考えを伝えるのは行政の役割」と仲田市長は指摘した。三木市内の統廃合対象校は、赤字経営が続く神戸電鉄粟生線の沿線でもあり、高校の再編は鉄道の存廃にまで影響を及ぼす可能性があり、地域住民からは「死活問題」との声も上がる。統合を巡っては、兵庫県立神戸北高等学校がある神戸市北区唐櫃台の「からとの未来を考える会」の四鬼剛会長も「高校の存廃は唐櫃台の死活問題。何らかのタイミングで説明を聞きたい」と訴えた。統合対象校の学校説明会を訪れた中学生や保護者、中学校教員からも「情報がない」との声が上がった。一方、県教委は「高校は学区が広く(該当する)『地域』を特定できない」として、説明の場は設けない方針である。県教委は「居住地で学校が決まる小中学校と違い、入試で進路を選ぶ高校は地域性が薄い」とし、住民向けの説明会は開催が難しいと強弁した。対象校では統合検討委員会を公開していると説明しているが、検討会の見学ができるのはわずか先着5名までであり、それも発言権がない、ただのオブザーバーである。県教委は学校関係者向けのアンケートで「継承すべき特色」や「統合校への期待」について住民や同窓生の声を集める予定で、情報は県教委ホームページに掲載している資料を参照してほしいとしているが、9月現在でアンケートや意見募集は一切行われていない。兵庫県教委の地域や地元住民無視の再編計画は明白である。京都府や和歌山県、滋賀県などは繰り返し公聴会を開くなど、地域の声を重視して取り入れる方針を打ち出しているが、地域住民から「死活問題」とまで言われている兵庫県の高校再編を兵庫県教育委員会は大阪府と同様にトップダウンで行う予定である[14]。藤原俊平教育長をはじめ、5名の教育委員の考えも生徒や地域住民に一切伝えられていない。日本維新の会の支援を得て兵庫県知事となった斎藤元彦は、高校再編について詳細な説明を避けているが、県教委が強引な大阪方式を採用していることからも、背後にその指示が関連している可能性は高い。すでに国会議員からの批判も相次いでいる[15]。 2022年9月14日、姫路市と神崎郡3町の首長が斎藤元彦知事と地域の課題を話し合う中播磨地域づくり懇話会が兵庫県姫路総合庁舎職員福利センターで開かれた。そこでは県教育委員会の高校再編計画も取り上げられ、福崎町の尾崎吉晴町長は中学3年生の進路選択への影響を最小限に抑えるため、新校の設置場所などを含む基本計画の早期の公表を要望した。また「在校生や卒業生、地域住民の意見を幅広くくみ取ってほしい」と強調したことからも、県教委が在校生や卒業生の意見を十分に聴取していないことがうかがえる。姫路市選出の兵庫県議会議員は「市民の声は『反対』か『仕方ない』だけ。賛成の人はいない」と強く意見し、別の県議会議員は住民説明会の開催を強く求めた。斎藤知事は説明会には一切触れず、「少子高齢化で学校の規模を保ち、教員を確保するには再編は避けて通れない。財源確保や跡地の利活用を含め、丁寧な議論を心がけたい」と述べるにとどめた。斎藤知事と県教委による強引な大阪方式[16][17][18]による高校再編に多くの疑問や批判が出されている[19]。10月12日には、姫路南・網干・家島の県立3高校の統廃合を議論する検討委員会の第3回会合が県姫路総合庁舎で開かれ、基本計画の素案が示された。その中では普通科新学科のうち、地域社会に関する学科を設置する方針が盛り込まれた。新学科は、文理融合型の課題探究を軸とした「学際領域に関する学科」と「地域社会に関する学科」の2種類があり、2024年度から県立高校に導入される方針である。基本計画の素案では、統合校の特色として音楽やスポーツに特化した教育課程、ダイビング[要曖昧さ回避]などの海洋をテーマにした学び、秋祭りへの参加など臨海地域との連携活動、海外との交流などが盛り込まれた。また姫路市が市立3高校の統合校を姫路市中央卸売市場跡地とする方針を示したことを受け、校長から「競合校となり、生徒が流れる可能性がある」などの意見も出された[20]。 不祥事等
脚注
関連項目参考・外部リンク |