2019年シンガポールグランプリ
2019年シンガポールグランプリ (2019 Singapore Grand Prix) は、2019年のF1世界選手権第15戦として、2019年9月22日にシンガポール市街地コースで開催された。 正式名称は「Formula 1 Singapore Airlines Singapore Grand Prix 2019」[1]。 レース前
エントリーレギュラーシートは前戦イタリアGPから変更なし。金曜午前のFP1のみ出走するドライバーはなし。 本年からハースのタイトルスポンサーとなっていたリッチ・エナジーがスポンサーの終了を発表し[8]、同社のイメージカラーであった黒と金のカラーリングは維持されたが、スポンサーロゴは削除された[9][10]。 エントリーリスト
フリー走行
予選2019年9月21日 21:00 SST(UTC+8)[23] シャルル・ルクレールがベルギーGP、イタリアGPとはコース特性が異なるシンガポールでも速さを見せ、3戦連続のポールポジションを獲得した。チームメイトのセバスチャン・ベッテルはQ3最初のアタックでトップタイムを出したが、最終アタックで失敗してタイムを更新できず、ルイス・ハミルトンがその間隙を縫ってベッテルを上回り2番手を獲得し、フェラーリ勢のフロントロー独占を阻止した。以下上位勢はマックス・フェルスタッペン、バルテリ・ボッタス、アレクサンダー・アルボンの順で、マクラーレンとルノーのルノーPU勢が7-10番手を占めたが、ダニエル・リカルドはQ1でMGU-Kがパワーフロー(電力潮流)の制限を超えていたため失格となり、最後尾グリッドからスタートする[24]。FP3でシャシー側のオイル漏れが起きたダニール・クビアトはPUを交換して予選に臨んだがQ1で敗退した。なお、過去に使用したPUへの交換であるため、ペナルティ対象にはならない[25]。 ダニエル・リカルド(ルノー)は予選でMGU-Kの規定違反により予選失格となり、最後尾グリッドからのスタートを義務づけられた。これを受けてリカルドはMGU-KとCEを新品に交換して今季4基目を投入した。FP3のクラッシュでギヤボックスを交換したセルジオ・ペレス(レーシングポイント)も5グリッド降格ペナルティを受け15番グリッドからのスタートとなった。 結果
決勝2019年9月22日 20:10 SST(UTC+8)[33][34] セバスチャン・ベッテルが前年のベルギーGP以来1年ぶりに優勝を果たした。2位はチームメイトのシャルル・ルクレールで、フェラーリは2017年ハンガリーGP以来2年ぶり、GP初開催から初めて1-2フィニッシュを決めた。 展開決勝の気温は30度、路面温度37度というコンディションであった。 オープニングラップで大きな混乱はなく、上位陣はグリッド通りの順位で1周目を終えた。中団以下ではターン1でジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)はリカルドとの接触。ターン5でニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)とカルロス・サインツJr.(マクラーレン)が接触が起きた。そのため、各々が緊急ピットイン。それぞれ破損した箇所を交換し、ハードタイヤを履いてコースへ復帰した。 上位勢はルクレール、ハミルトン、ベッテル、フェルスタッペン、バルテリ・ボッタス(メルセデス)、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)という順で展開。ただ、タイヤマネジメント重視のペースの影響もあり、この6台が等間隔でペースをコントロールするという展開となり、時折ペースを上げても、ギャップを広げることができないため、膠着状態に陥った。 一方で中団争いは激しく、そのうちリカルドが猛追。10周目のターン14でダニール・クビアト(トロロッソ)を交わし、12番手に浮上。クビアトはその後、レーシングポイントの2台にも交わされ後退した。 そのため、ペースに苦しむクビアトは12周目にピットインし、ハードタイヤに交換。ポジションアップを狙ったが翌13周目にペレスがピットインしてこれをカバーされてしまい、チャンスを逃した。 19周目。上位勢のうち、フェルスタッペンがピットインを決断。それを見たフェラーリは、そのカバーとメルセデス勢のアンダーカット阻止のため、ベッテルに急きょ指示し、ピットインさせた[35]。ともにハードタイヤに交換してコースへ復帰。これが思わぬ展開となる。 翌周にはルクレールとアルボンがピットインしてハードタイヤに交換。これにより、一時的にメルセデスのワンツー体制が形成された。ルクレールはベッテルの前でコースに戻るはずだったが、ベッテルがメルセデスを意識してハイペース走行をした結果[36]、実質的な首位に立つ格好となった。ベッテルは、タイヤ交換直後にはその時点でのファステストラップを記録するなどマージンを稼ぎ始めると共に、ステイアウトしたメルセデス勢とのギャップを一気に縮めていった。 23周目にボッタスがピットイン。辛うじてアルボンの前でコースに復帰することに成功した。一方で、ハミルトンはステイアウトを選択してライバルよりタイヤのアドバンテージを得る戦略を採った。 その後ハミルトンは26周目にピットイン。実質3位のフェルスタッペンの後ろ、実質4位でコースに戻った。一方で、ベッテルはタイヤ交換義務を消化していない中団チームのマシンを交わし、31周目に首位に立った。 36周目、ラッセルとロマン・グロージャン(ハース)がターン8で接触。ラッセルはウォールにクラッシュし、ウイリアムズにとって今季初めてのリタイアとなった。これにより1度目のセーフティカー(SC)が出動。この間にレース序盤にピットインしてハードを最後まで保たせようとしたヒュルケンベルグとクビアトがピットイン、それぞれ新品のミディアムとソフトに履き替えた。レースは41周目に再開。ベッテルはリスタートをうまく決め、首位をキープした。 そんな中、ランス・ストロール(レーシングポイント)がクビアトと接触して緊急ピットインを余儀無くされた。そして43周目にはチームメイトのセルジオ・ペレスがスローダウンしストップ。ペレスのマシンを回収するため、この日2度目のSCが出動した。レース後にオイル漏れが発生し、エンジンを保護するため、リタイアを選択したことが発表された[37]。 レースは48周目、残り14周で再開となった。ベッテル、ルクレール、フェルスタッペン、ハミルトン、ボッタス、アルボンの順は変わらず。7番手にランド・ノリス(マクラーレン)、8番手にはフレッシュなタイヤを履くガスリーが浮上してきた。50周目、ターン1への飛び込みで、キミ・ライコネン(アルファロメオ)とクビアトが接触し、ライコネンがマシンを停めたため、3度目のSC出動となった。レースは残り10周で再開。ここでも上位の順位に変動はなかった。無線で指示されたものの、3連勝を狙うルクレールはベッテルとのギャップを縮めようとするが、ベッテルもファステストラップを立て続けに更新し応戦。ベッテルは結局そのまま逃げ切りトップでチェッカー。昨年のベルギーGP以来、そして今季初の優勝を挙げた。2位にはルクレールが入り、フェラーリは1-2フィニッシュを達成した。 下馬評では、レッドブルかメルセデスが優勝候補と思われていたが、フェラーリが今回導入したアップデート[38]が課題のダウンフォース不足を解消する効果を発揮。マシンの戦闘力向上とレース戦略の成功により2017年ハンガリーGP以来のワンツーフィニッシュ、2008年以来11年ぶりのフェラーリ3連勝を飾ることとなった。対するライバルたち[39]だが、レッドブル[40]はシミュレーターでの作業ミスにより適切なセットアップを見いだせなかったことが敗因であると分析した。 結果
第15戦終了時点のランキング
脚注出典
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