東京無線協同組合
東京無線協同組合(とうきょうむせんきょうどうくみあい)は、東京都23区・武蔵野市・三鷹市を営業区域とするタクシー会社によって組織されている協同組合[注 1]である。東京無線もしくは公式名称である東京無線タクシーでも知られている[注 3]。タクシー無線グループとしては国内最大規模。 概要1961年(昭和36年)にそれまで各タクシー事業者が独自に営業していたものを複数社が協力した一括配車を目的に「東京城西旅客自動車事業協同組合」として発足した。 2020年(令和2年)10月現在50社・55営業所が加盟しており、加盟事業者には他の無線グループとの同時加盟や独自無線の使用を禁止[注 4][注 5]している。 2020年(令和2年)4月現在3706台無線車3507台。アプリ配車を通じて、同業他協組との業務提携が2021年4月をめどに推進中(後述)。 組織2010年(平成22年)3月に新宿区百人町2-18-12へ新設した本部ビルに加盟各社による理事会ならびに後述部署が組織されており、理事長は2018年(平成30年)6月1日に前任の宮園自動車川村泰利社長から実用興業坂本篤史社長へ交代[1]、その後2022年(令和4年)5月30日に日本自動車交通村澤儀雄社長へ交代[2]した。 本部・事務局・営業部・無線室教育指導部車両2011年(平成23年)7月現在、グループとしての保有車両数はカーナビシステムと連動したデジタルGPS-AVM車3,995台と非無線車[注 8]573台の総計4,568台。黒塗りハイグレード車、もしくは車体全体を緑色ベースとし、下回りにオレンジ色の矢、側面に白色帯を採用する塗装の一般車が存在する。 いずれも屋根上に東京タワーをモチーフとした行灯を備えた共通の外装で営業するが[3]。JR東日本東京総合車両センター田町センターの真下を通る港区高輪橋架道橋下区道高輪橋架道橋[注 9]・大田区中央東海道本線作尻ガード・足立区柳原東武鉄道伊勢崎線ガード・江東区北砂越中島貨物線第2八右エ門ガードなど一部高架下でクラウンコンフォート・コンフォートの行灯が接触し破損する事態が多発したためサイズの見直しを実施。その結果従来からの大型・頂点部カット[3]・上下圧縮・主に黒タク装着用小型の以上4タイプ行灯が製造・装着され、最終的に小型に集約された。 この他にNV200用としてフロントガラス上部設置用の小型行灯をベースに土台部を斜にカットしたタイプやジャパンタクシー用にフロントガラス上部設置用の横長タイプ存在するが、後方から視認できないため事業者によってはジャパンタクシーなど背高車に「東京無線」と無線番号のみ表記された後方用行灯も設置する。前述通り小型タイプに集約されたため各社車庫の都合等を事由としたケースを除いて基本的には一般的に小型タイプを搭載する。また過去には機械式立体駐車場の車高制限対策として、頂点部をマグネットで脱着可能にしたものが極少数製作・装着されたことがあるが、過去の車種に比べて車高が低くなった現代では通常タイプでも接触せずに通ることが可能[3]。 黒塗りハイグレード車[注 10]は、グループ全体の保有台数のうち25%の転換を目標として2007年(平成19年)度より導入。2010年(平成22年)12月現在で約820台を保有している。 車種※2017年(平成29年)現在で使用されている車種を以下に示す。 また以前には、トヨタ自動車製ではコロナ・クラウンエステート・エスティマ・マークIIブリット・シエンタが、日産自動車製ではブルーバード・グロリア・クルーが、マツダ製ではルーチェ[注 14]・カスタムキャブが、三菱自動車工業製ではデリカなどが使用された経歴がある。
乗務員資格通常の乗務員とは別に乗客へのサービスの向上と安全確保のため次の上級乗務員資格制度を導入している。 また制服は、ジャケットが緑色、ベスト並びにズボンがグレーとなっていたが、黒色ハイグレード車導入により上下共に黒の専用制服[注 15]を制定。2014年(平成26年)4月に一般乗務員も含み黒色制服へ統一と被服規定を変更し、2017年(平成29年)3月に従来の制服は廃止となった。なお乗務員資格によってネクタイの色が異なり、一般乗務員用はエンジ色となる[注 16]。 サービスリーダー1986年(昭和61年)12月制定。2012年(平成24年)1月現在332名。各社からの推薦によって選抜された乗務員[注 17]で指導員資格を所有。通常の乗務以外に新任乗務員添乗教育・非違行為の未然防止ならびに指導・乗り場整理等を行う。 服装規定はタワーリーダーに準ずるが、ネクタイがタワーリーダー用ネクタイに赤の刺繍ラインが入った専用品となるほか[注 18]、乗務車両の前後にはサービスリーダープレートを表示する。 タワーリーダー2001年(平成13年)1月制定。2012年1月現在3,558名。大口無線顧客から「安心して乗れる。サービスが良い。事故がない。」以上の3点要望により誕生した乗務員資格制度。以下に該当する用件を満たした場合に第一選抜基準を得ることが可能となる。
さらに各事業者の推薦を得て本組合主催の地理試験[注 20]で100点満点中80点以上取得すれば合格となりタワーリーダーの資格要件を満たす。その後講習を受けて初めてタワーリーダーとなり、以下の営業上権利を得ることができる。 またサービスリーダーも含み一般乗務員とは服装規定で以下の相違点がある。
台場地区選抜乗務員2014年(平成26年)制定。上述したサービスリーダーならびにタワーリーダーのうち本組合による選抜試験に合格した乗務員に発給される資格で、以下の無線配車を受ける権利を得られる。 専用乗り場
提携チケット
2014年(平成26年)6月現在、全国120社・約5700台(東京無線加盟事業者除く)。
詳細は公式ウェブサイト東京無線タクシー 組合概要 後払い式タクシーチケット提携会社一覧を参照。 チェッカーキャブとの提携2011年(平成23年)にはチェッカーキャブ無線協同組合と提携・業務の統合による合理化で共通乗車券の発行・装備品の共同購入・無線配車の統合・運転手教育の一本化などを実施すると報じられたが[5]、2020年(令和2年)に後述の発表があるまでの実績は2012年(平成24年)4月より共通乗車券の発行[6]、2018年(平成30年)より双方の接客コンテストを勝ち抜いた乗務員による最終戦「タクシーサービスチャンピオンシップファイナル」の共同開催[7]を行ったのみであった。 2020年(令和2年)10月29日、2021年(令和3年)4月1日より開始されるチェッカーキャブ無線協同組合との業務提携の概要が発表され[8]、
ことが示された。 なお、チェッカー側の行灯に関しては提携開始となる2021年(令和3年)4月1日より一週間程度で交換される予定となっている[9][注 31]。なお、無線番号はチェッカー側の番号が維持され、東京無線側の番号は番号帯がチェッカー側と重複するものに関しては改番されている。変更時期は明らかにされていないものの、遠くない将来には協同組合の組織そのものの統合も視野に入れているとしている[9][10]。また、業務提携に伴い東京無線側でもチェッカーキャブで導入されたS.RIDEに対応することが機関決定されている[10]。 2022年(令和4年)6月25日には、提携後初めてチェッカー側の交通安全キャンペーンである「くれよんタクシー」を東京無線も共同開催することとなった[11][12][注 32]。 2023年(令和5年)11月13日、2024年(令和6年)4月にチェッカー加盟事業者が東京無線に二重加盟する形で合流すると報じられた[14]。その記事中において、
と記載された。
いずれも東京無線のタワー型行灯の側面にチェッカーの行灯型の表記がある。
沿革
加盟会社・営業所社名が斜体の会社は2024年(令和6年)4月よりチェッカーキャブから合流した会社。
テレビ・エンターテインメントと東京無線
東京を舞台にしたテレビドラマでタクシーが登場するシーンでは、東京無線のタクシーが登場する頻度が高く、バラエティ番組などでも露出が多い。 一例としてTBS製作のドラマ『女タクシードライバーの事件日誌』にほ本無線組合加盟の国産自動車交通が撮影に協力している。 グランツーリスモ4のクレジットにレーシングパーツメーカーなどと同等に表記される。 2001年にリリースされたEvery Little Thingの楽曲「fragile」のPVにさがみ交通の車両が登場する。 脚注注釈
出典
外部リンク
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