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この項目では、東京都新宿区のタクシー事業者について説明しています。千葉県千葉市のバス事業者については「あすか交通」をご覧ください。 |
飛鳥交通株式会社(あすかこうつう、英: Aska Traffic Inc.)は、東京都新宿区新宿6丁目に本社を置き、東京都・埼玉県・神奈川県にて、主にタクシー事業を営む企業である。また関連会社にてハイヤー事業・自動車教習所を運営しており、2014年(平成26年)には既存事業者を買収して観光バス事業へ参入した。
概要
ΛskΛ(AsukAではない)が目印である(ただし都区内の日本交通仕様車の社名表記は自社無線エリアの英字表記の「ASKA TRAFFIC」ではなく「ASUKA KOTSU」となっている)。社長の川野繁は、一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会(旧・東京乗用旅客自動車協会)の副会長。
東京23区(東京23区武三の交通圏)外の営業所は自社無線を使用する[注釈 2]。東京23区内の営業所は以前は東京無線協同組合に所属して同無線を使用していたが、2016年(平成28年)に日本交通とフランチャイズ提携を発表[3]、2016年末には日本交通仕様に改めた第一陣が営業を開始し、2017年4月までに完了した[4][注釈 3]。
登記上の本店所在地は東京都杉並区和泉に所在し、本社機能を飛鳥交通グループ最大の営業拠点である品川営業所(品川区東品川)[5]内に置いていたが、2005年に新宿区の現在地へ本社を移転した。
車両
車体色は、日本交通と提携しない営業所は基本的には黒[注釈 4]となる[注釈 5]。車体表記は前扉の前方側下端にTAXIの表記があったり、前扉と前輪のホイールアーチの間に帰庫地の表記があるなど、東京無線の黒色車の表記方法に類似(ただし文字色は銀ではなく金)するが、多摩地域や埼玉県内の一部などの営業所では白や銀、青白の車両が在籍する。
車種は基本的に日産・セドリックのオリジナルだったが、2017年(平成29年)頃までは、東京都内においては代替車両は日本交通の四社カラーに同スーパーカスタム及びトヨタ・クラウンセダンスーパーデラックス、黒色にセドリッククラシックSV及びクラウンセダンスーパーデラックスGパッケージを導入していた。また、横浜市内の営業所ではクラウンセダンの導入が多かった。吸収前の会社に他車種がある場合はそれも使用しており、たとえばかつて存在していた船橋営業所では白いクラウンコンフォートスタンダードも使用していた。
東京無線所属時代にはクラウンコンフォートデラックスを使用していたが、日本交通との提携に伴い新車に代替したり独自営業エリアのクラウンセダンとトレードして淘汰した。また、東京無線時代の黒色車や前述のトレードで移籍してきた黒色車のうち、クラウンセダンスーパーデラックスの車両は表記こそ黒色車のものだが、扱い上は黄色の車両と同様となっている[注釈 6]。
ジャパンタクシーの発売後は都内の日本交通と提携する営業所や神奈川県内(横浜市・川崎市)の営業所では同車種の上位グレードの匠を、それ以外の営業所では一部を除き下位グレードの和を導入となっている。なお、日本交通と提携しない営業所のジャパンタクシーの車体表記は従来の表記(東京無線の黒色車に類似)を踏襲しているが、JapanTaxiやGOのラッピングをしている車両に関しては日本交通と提携する営業所で同様にラッピングする車両とほぼ同一の表記となっている(ただし、フォントが異なるほか、日本交通の表記と飛鳥交通の表記では金色の色合いが異なり、飛鳥交通の表記は反射材のように光を反射するものとなっている)。
ワゴンタクシーとしてアルファード、ユニバーサルデザインタクシーとしてNV200タクシーも使用する。かつては三菱・デリカスペースギアも在籍していたが、これはけいひんボラグからの移籍車で、けいひんボラグではユニバーサルタクシーと呼称されていた。
独自営業車両
-
クラウンコンフォート
-
セドリック
-
ジャパンタクシー
-
NV200
日本交通提携車両
東京無線所属時代の車両
沿革
- 1949年(昭和24年) - ウカワ自動車株式会社として創業。
- 1952年(昭和27年) - 井土ヶ谷営業所を新設。
- 1955年(昭和30年) - 京王交通株式会社に改称(京王グループ・京王自動車とは無関係)。
- 1961年(昭和36年)
- 井土ヶ谷営業所を母体とし、神奈川地区分離子会社の京王交通第二を設立。
- 東京城西旅客自動車事業協同組合(現:東京無線協同組合)に加盟。
- 1970年(昭和45年) - 浦島交通を買収、第二傘下へ収める(現:新横浜営業所)。
- 1990年(平成2年) - 日興交通を買収、京王交通第三へ改組(現:成城営業所)。
- 1994年(平成6年)
- 西八交通(現:八王子営業所)を買収。
- (旧)高井戸営業所が品川区東品川に移転、品川営業所となる。
- 長瀬タクシー(現:毛呂山営業所)・地産トーカン(のち:ジェネラスコーポレーション、2009年解散)の系列会社であるチサンタクシー(現:川口営業所)を吸収合併。
- 東横自動車(チェッカーキャブ所属)を吸収合併し大田営業所とする。
- 1998年(平成10年)
- 八千代営業所を新設。
- 日通ひまわり交通(東京無線所属・日本通運系列)を吸収、大田営業所に統合。
- 1999年(平成11年)
- 中央無線(現:信和事業)所属で映画配給大手松竹の子会社であった松竹事業から、旅客事業を譲受し品川営業所に統合。
- 子会社の京王キャブが杉並区和田から板橋区舟渡に移転。
- 2000年(平成12年)
- 東タクシーを買収(現:柏営業所)。
- アポロ交通(東京相互無線所属)を買収し京王アルファ交通へ改組。
- 2001年(平成13年)
- 京王電鉄との間の類似商号訴訟敗訴を受け、飛鳥交通株式会社に社名変更。
- 京王キャブを飛鳥交通第二、京王アルファ交通を飛鳥交通第六へ、それぞれ社名変更。
- 京王交通第二を飛鳥交通神奈川へ社名変更。同時に所属していた神奈川旅客自動車協同組合を脱退、同組合の共同配車体制から離脱し、自社による顧客管理・無線配車に移行。
- 品川営業所と大田営業所を統合。
- 京浜運送から旅客部(けいひんボラグ・大田区京浜島)を譲受し、飛鳥交通第五へ改組。
- 昭和交通(東京相互無線所属)を買収し飛鳥自動車へ改組(→砂町営業所)。
- 川崎市の共同交通を買収し、飛鳥交通川崎へ改組。
- 2003年(平成15年)
- 2005年(平成17年) - 本社を新宿区へ移転。
- 2006年(平成18年) - 与野営業所を廃止。
- 2010年(平成22年)
- 砂町営業所を廃止。
- 品川営業所を分割し、大森営業所を新設。
- 2011年(平成23年)
- 飛鳥交通第三のうち多摩地区の事業所を分離し、飛鳥交通多摩を設立。
- 小金井営業所が国立市谷保へ移転、国立営業所となる。
- 2012年(平成24年)
- 小茂根営業所を北区浮間に移転、赤羽営業所とする。
- 大森営業所を飛鳥交通第七へ改組。
- 2013年(平成25年) - 飛鳥交通神奈川のうち、新横浜営業所を分離し飛鳥交通横浜設立。
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
- 臨港交通を飛鳥交通川崎中央に改組。新規事業所として飛鳥交通横浜中央を設立。
- 多摩地区の大手事業者であったカンツリー交通(町田市)及びニュータウン交通(多摩市)を買収、それぞれ飛鳥交通カンツリー・飛鳥交通ニュータウンへ改組。
- 東日本キャブ(八王子市)を買収。
- 2016年(平成28年)
- 飛鳥交通第六を分割し、(新)高井戸営業所を新設。
- 飛鳥交通横浜中央が中区長者町から南区井土ヶ谷下町へ移転。
- 日本交通とのフランチャイズ提携を表明[3]。日本交通仕様の第一陣の営業開始[4]。
- 2017年(平成29年)
- 飛鳥交通第六江東営業所が江戸川区小松川に移転し、小松川営業所となる[7]。
- 4月より東京武三地区の営業車が日本交通仕様に完全移行。
- 緑交通と大成交通が合併し飛鳥交通所沢となる[8]。
- 東日本キャブが飛鳥交通キャブに改称[9]。
- 協栄交通が飛鳥交通八潮営業所となる[10]。
- 大宮タクシー株式会社イースタン(梅田交通グループ)と無線業務提携[11]。大宮タクシーイースタンの車両は飛鳥の行灯を載せ飛鳥のロゴをイースタンの表記と併記し営業する。
- 2018年(平成30年)
- 飛鳥交通多摩国立営業所が日本交通とフランチャイズ提携しサンキュー無線から離脱、日本交通立川と無線を統合[12]。
- 松栄川元交通が飛鳥交通松伏営業所・同社松栄川元営業所となる[13]。
- 都交通が飛鳥交通都営業所となる[14]。
- ダイイチ交通を飛鳥交通毛呂山営業所へ統合[15]。
- みずほ昭和坂戸営業所を廃止[16]。
- 2020年(令和2年)
- 飛鳥交通横浜中央を飛鳥交通神奈川に合併。
- 飛鳥交通横浜中央横浜中央営業所を閉鎖し、飛鳥交通神奈川井土ヶ谷営業所に統合。
- 10月16日 - 東京リムジンの自家用自動車請負事業を飛鳥交通に事業譲渡させたうえで東京リムジンを飛鳥自動車の東京リムジン事業部に再編[17]。
- 2022年(令和4年)
- 2月18日 - 飛鳥交通多摩の国立営業所(日本交通と提携し日本交通立川と無線を統合)を日本交通立川へ、日本交通立川の南多摩営業所を飛鳥交通多摩へそれぞれ譲渡譲受する認可申請をする[18]。
- 3月19日 - 吉川営業所を閉鎖し、越谷営業所に統合。
- 6月16日 - 飛鳥交通多摩が日本交通立川の南多摩営業所を譲受し、そのうち同社南多摩営業所(旧富士交通)を鶴川営業所として、同社旧稲城営業所を稲城営業所としてそれぞれ分割。日本交通立川へ国立営業所を譲渡し、同社国立営業所とする[注釈 7]。これらに伴い飛鳥交通多摩は日本交通との業務提携を解消、鶴川・稲城の両営業所は飛鳥交通グループの自社無線へ移行。
- 7月22日 - 飛鳥交通第七大森営業所が大田区大森南から同区東糀谷[注釈 8]へ移転[19]。
- 11月1日 - 飛鳥交通千葉の株式を三ツ矢エミタスグループの三ツ矢物産へ譲渡[20]。
- 2023年(令和5年)
- 1月11日 - 太平自動車交通が飛鳥交通<宮原>となる[21]。
- 3月23日 - 飛鳥交通川崎中央北加瀬営業所を飛鳥交通川崎川崎営業所に統合。
- 5月1日 - 飛鳥交通ニュータウン営業所にEVタクシーを180台導入し多摩市と「災害時におけるボランティア支援に関する協定」を締結
- 5月24日14時 - 飛鳥交通千葉の無線配車業務を飛鳥共同無線から三ツ矢エミタスグループに移管[22]。
- 6月15日 - 八潮営業所を閉鎖し、越谷営業所に統合。
- 8月1日 - 飛鳥ガスは飛鳥商会と合併し飛鳥ガス株式会社に社名変更
- 8月1日 - 飛鳥商事は東京療術学院、RENJAPANと合併しアスカコーポレーションに社名変更
営業所 (車庫) の所在地
なお、飛鳥交通第四は存在しない。また、社名が飛鳥交通で始まり「第○」のような番号や「多摩」・「神奈川」等の地域名を含む営業所の看板においては社名中のそれらを省き単に「飛鳥交通」と各営業所名となっている[注釈 19]。
関連会社・団体
- 東京パッセンジャー - 足立区にある観光バス会社。旧「内山観光バス」を2014年(平成26年)に買収、2015年(平成27年)に社名変更。
- 関東メカニック - 車両整備部門。江東・川口のセンター2箇所(指定工場)と一部の営業所に併設の整備工場10箇所(認証工場)の配置。
- 飛鳥交通共済協同組合 - 本グループの交通共済の運営。
- 飛鳥共同無線 - 飛鳥交通各社の自社無線の運営。
- 飛鳥ガス - LPGスタンド(アストモスブランド)、品川営業所と同じ所在地にあり、グループ営業所の一部にも展開。
- 飛鳥ドライビングカレッジ - 自動車教習所「飛鳥ドライビングカレッジ」を日野市(飛鳥DC日野)・川口市(飛鳥DC川口)・川崎市川崎区(飛鳥DC川崎)で運営する。戸田市(飛鳥DC戸田)や西東京市(飛鳥DCひばりが丘)、八王子市(飛鳥DC八王子)にもあったが閉鎖した。この他飛鳥DC川崎は、「飛鳥ドローンスクール」も運営。
- 飛鳥車両特装グループ
- 飛鳥車体(旧・鉄道車輛工業車体事業部)[23]
- 飛鳥特装(旧・菱相自動車工業)
- 日創工業
- 以上3社は特装自動車の開発・改造などを行う。
- アスカテクノス(旧・ヨコハマテクノス) - アリソンのトランスミッション、MCDの特殊車両用シャッター、ユナイテッド・ロータリー・ブラシのスイーパーブラシ、マンシー・パワー・プロダクツの油圧ポンプ・PTOの取り扱い。
- 株式会社ヨコハマ・モーターセールス(福島・石川郡) - キャンピングカー、消防関連特殊車両、拡幅車両、高規格救急車両等の企画・製造・架装・艤装を行う。
- 飛鳥コーポレーション RENJAPAN - エスカレーター清掃機器の販売。
- 飛鳥コーポレーション 東京療術学院 - 療術士等専門校およびサロンの経営。
- ドクナーズ・ジャパン - 映像・Webサイト制作およびドローン空撮、ナレーター事業を展開。
- 飛鳥エステート - 不動産仲介および管理。
かつての関連会社
- 東京リムジン - 中央区銀座にあったハイヤー会社。品川営業所に存在した「ハイヤー課」を法人化し独立させたもの。2020年(令和2年)10月16日に再編で消滅[17]。
- 鉄道車輛工業[24] - 環境装置(脱臭措置)や鉄道車両向けマフラーの製造などを行う。2016年(平成28年)3月をもってケメット・ジャパン(英Kemetの日本総代理店)傘下に入り、2020年(令和2年)にTESSHA(株)に改称する。
- フロンテア産業 - カンツリー交通(現・飛鳥交通カンツリー)の営業所内のLPGスタンドを運営していた。
脚注
注釈
- ^ 無線室自体は2017年(平成29年)5月に同社本社の立川・府中・調布(北多摩)地区の無線室に町田・稲城(南多摩)地区の無線室が統合されていた[1]。その後、2023年(令和5年)2月に日本交通立川の無線室は日本交通の無線センターに集約統合された[2]。
- ^ かつては他の交通圏でも協同組合等の無線を使用する営業所が存在していた。飛鳥交通神奈川井土ヶ谷営業所は京王交通第二時代に神奈川旅客自動車協同組合(ラジオタクシー)に2001年(平成13年)まで所属していた。かつて存在した飛鳥交通多摩国立営業所(現・日本交通立川国立営業所)は2018年(平成30年)までサンキュー無線(多摩サンキューナビ無線、つくば観光交通およびつくば福祉輸送の自社無線)を使用していたが、同年に日本交通との提携に切り替えて日本交通立川の北多摩交通圏の営業所と無線が共用された。その後、2022年(令和4年)に日本交通立川と営業所を事実上トレードする形で譲渡譲受した際に、同社南多摩営業所を受け入れて開設された南多摩交通圏の鶴川・稲城の両営業所は日本交通立川の南多摩交通圏の無線(本件により廃止)[注釈 1]から飛鳥交通の自社無線に切り替えられ、行灯・表記も自社無線エリアの車両と同じものとなった。
- ^ この提携に伴い、飛鳥交通のチケットも東京無線のタワーネットワークチケットから日本交通各社、サンキュー無線および日個連(ちょうちん行灯の個人タクシー)でも使用可能な自社発行チケットに変更された。なお、自社無線エリアにおいてはタワーネットワーク加盟を継続するほか、新たに日本交通発行のチケットに対応するようになった。
- ^ ジャパンタクシーは深藍、NV200は黄色塗装を採用。
- ^ 井土ヶ谷営業所はかつてラジオタクシーに所属していた頃はラジオタクシーカラーであった。かつての小金井営業所→国立営業所はサンキュー無線に所属していた時代は「サンキュー」と表記された行灯を屋根に増設する以外は自社無線エリアとまったく同じ表記であった。
- ^ 日本交通が「黒タク」を「ゴールドタクシー」として行灯の色で区別するようになって以降も、従来の黄色の車両に相当する青い行灯を継続。
- ^ 後の2023年(令和5年)7月16日には同社立川営業所に統合された。
- ^ 飛鳥交通第五羽田営業所と同じ敷地。
- ^ 元・高井戸営業所 (初代)
- ^ 元・京王キャブ
- ^ 元・日興交通→京王交通第三
- ^ 元・京浜運送旅客部(けいひんボラグ)
- ^ 元・アポロ交通→京王アルファ交通
- ^ 元・江東営業所
- ^ 元・昭和交通
- ^ 元・日停モータース→小茂根営業所
- ^ 稲城営業所はキャッスル交通→パブリック交通→稲城中央交通→多摩日交稲城営業所→日本交通多摩稲城営業所→日本交通立川稲城営業所→南多摩営業所に統合。鶴川営業所は富士交通→日本交通立川南多摩営業所。飛鳥交通多摩への移管に際して分割。
- ^ 行灯が飛鳥交通のものになっており、車体表記も飛鳥交通の「飛ΛskΛ鳥」とイースタンの「EASTERN」の併記となっている。
- ^ 営業所一覧より飛鳥交通第三成城営業所、飛鳥交通多摩稲城営業所、飛鳥交通ニュータウンニュータウン営業所の各ページを例にすると、写真より看板等の表記がそれぞれ「飛鳥交通 成城営業所」、「飛鳥交通 稲城営業所」、「飛鳥交通 ニュータウン営業所」となっていることが確認できる。
出典
外部リンク
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