パスカル・ウェーレイン
パスカル・ウェーレイン(Pascal Wehrlein, 1994年10月18日 - )は、ドイツのレーシングドライバー。 ドイツ出身の父とモーリシャス出身の母を持つ混血であり、二重国籍である。 2015年のDTMチャンピオン。 苗字のドイツ語での発音にちなんだ日本語表記はヴェアラインとなるが、フジテレビのF1中継等ではウェーレインと表記されていた。 略歴カート2003年にカートに乗り始める。 ADACフォーミュラ・マスターズ2010年 ADACフォーミュラ・マスターズ にデビュー。 初年度は6位だったが、参戦2年目の2011年にチャンピオンを獲得。 フォーミュラ3・ユーロシリーズ2012年はフォーミュラ3・ユーロシリーズに参戦。後にマカオグランプリを制覇したダニエル・ジュンカデラに次ぐランキング2位となる。 ヨーロッパ・フォーミュラ3選手権2013年はヨーロッパ・フォーミュラ3選手権に参戦。スポット参戦ながら出走した3レース全てで表彰台に上がり(1~3位を1回ずつ獲得)、第2戦ではシリーズウィナーのラファエル・マルチェッロ(後にザウバーの控えドライバーを務める)を退け優勝している。年間ランキングは14位。 DTM2013年から2015年までDTMに参戦。1年目に22位、2年目は8位とランキングを上げ続け、2015年にDTM史上最年少のチャンピオンとなる。 F1シートを失った翌年である2018年にはHWAチームからDTMに復帰。ラウジッツリンクのレース2で3位表彰台を獲得して8位でシーズンを終えた。 F12014年、メルセデスのリザーブドライバーとなる。プレシーズンテストではフォース・インディアとメルセデスをドライブした。 2016年、マノーから2016年のレースドライバーとして発表された[2]。 カーナンバーはカートで使用した「94」。1994年生まれであることも関係しているという。 チームの資金難とマシンの戦闘力不足で開幕戦から苦しい戦いが続いていたが、乱戦の2016年オーストリアグランプリではQ2に進出し、自己最高の予選12位。決勝ではセーフティカーが入る荒れたレースを生き残り一時最下位から10位と大健闘、自身初入賞を果たした。 2017年は、ニコ・ロズベルグの電撃引退に伴いメルセデスへの昇格が噂されたが、最終的にはザウバーより参戦することが1月16日に発表された[3]。しかし、レース・オブ・チャンピオンズでクラッシュし背中を負傷、1回目のプレシーズンテストと開幕2戦を欠場した(代役は、フェラーリのリザーブドライバーアントニオ・ジョヴィナッツィ)[4][5]。この年のザウバーは一年落ちのフェラーリ製パワーユニットを使用するなど戦闘力が不足しており、予選ではQ1落ちが多かったが、第5戦スペインGPで8位入賞を飾りシーズン初ポイントを獲得。第8戦アゼルバイジャンGPでも10位入賞を決め、チームメイトのマーカス・エリクソンを上回る18位でシーズンを終えた。しかしシーズン後にシャルル・ルクレールと入れ替わりでザウバーのシートを失い、翌年はメルセデスのテストドライバーになることが発表された[6]。同時にメルセデスからDTM復帰が発表された。 その後、メルセデスが2018年限りでDTMを撤退することや、メルセデスのシートに当面、空きが生まれない状況などから2018年限りでメルセデスのドライバー育成プログラムを離脱することとなった[7]。 フォーミュラE2018-19年シーズンより、マヒンドラ・レーシングからフォーミュラEに参戦。ただし、開幕戦はメルセデスとの契約上の問題からエントリー出来ず、2019年1月に開催された第2戦マラケシュE-Prixからの参戦となった。第4戦メキシコシティE-Prixでは自身初のポールポジションを獲得。決勝では終盤までトップを維持するも、チェッカーフラッグを目前にしてバッテリー残量が底を付き、ホームストレートでアウディのルーカス・ディ・グラッシに交わされて優勝を逃した(チェッカー目前にシケインをカットしたため、レース後に6位へ降格)[8]。 翌年もマヒンドラに残留したが、新型コロナウイルスの感染拡大によりシーズンが一時中断されていた2020年6月、チームから離脱したことを発表した[9]。 2019年-20年シーズンの終了に合わせ、タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームと契約を結んだことが発表された。ニール・ジャニの後任としてアンドレ・ロッテラーとコンビを組むこととなる[10]。プエブラE-Prixではレース1で自身2度目のポールポジションを獲得し、決勝もトップでチェッカーを受けたものの、使用するタイヤセットに申告漏れがあったことを理由としてチームメイトのロッテラーと共に失格処分となった。続くレース2でも2位を獲得したが、レース後に「ファンブーストの不適切な使用」により、またしても5秒加算のペナルティとなった[11]。 2021年-22年シーズンもポルシェに残留。第3戦メキシコシティE-Prixではレース前半に一時後退したものの、エドアルド・モルタラを交わして首位を奪還。終盤はエネルギーマネジメントの点でも他チームより優位に立ち、チームメイトのロッテラーと独走のワンツーフィニッシュを達成した。自身にとってフォーミュラEでの初優勝であると共に、2018-19年シーズンより参戦を始めたポルシェにとっても初の勝利であった[12]。 レース戦績略歴
フォーミュラ3・ユーロシリーズ
FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権
ドイツツーリングカー選手権
F1
フォーミュラE
脚注
関連項目外部リンク
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