パスカル・ウェーレイン

パスカル・ウェーレイン
パスカル・ウェーレイン (2022年)
基本情報
国籍 ドイツの旗 ドイツ
モーリシャスの旗 モーリシャス
生年月日 (1994-10-18) 1994年10月18日(30歳)
出身地 ドイツの旗 ドイツ
同・ジークマリンゲン
フォーミュラEでの経歴
デビュー 2012
所属 タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム
車番 94[1]
過去所属 マヒンドラ・レーシング
出走回数 17
優勝回数 5
ポールポジション 4
ファステストラップ 3
シリーズ最高順位 4位 (2022-23)
基本情報
略称表記 WEH
F1での経歴
活動時期 2016-2017
所属チーム '16 マノー
'17 ザウバー
車番 94
出走回数 40 (39スタート)
タイトル 0
優勝回数 0
表彰台(3位以内)回数 0
通算獲得ポイント 6
ポールポジション 0
ファステストラップ 0
初戦 2016年オーストラリアGP
最終戦 2017年アブダビGP
テンプレートを表示

パスカル・ウェーレインPascal Wehrlein, 1994年10月18日 - )は、ドイツレーシングドライバードイツ出身の父とモーリシャス出身の母を持つ混血であり、二重国籍である。 2015年のDTMチャンピオン。 苗字のドイツ語での発音にちなんだ日本語表記はヴェアラインとなるが、フジテレビのF1中継等ではウェーレインと表記されていた。

略歴

カート

2003年にカートに乗り始める。

ADACフォーミュラ・マスターズ

2010年 ADACフォーミュラ・マスターズ にデビュー。 初年度は6位だったが、参戦2年目の2011年にチャンピオンを獲得。

フォーミュラ3・ユーロシリーズ

2012年はフォーミュラ3・ユーロシリーズに参戦。後にマカオグランプリを制覇したダニエル・ジュンカデラに次ぐランキング2位となる。

ヨーロッパ・フォーミュラ3選手権

2013年はヨーロッパ・フォーミュラ3選手権に参戦。スポット参戦ながら出走した3レース全てで表彰台に上がり(1~3位を1回ずつ獲得)、第2戦ではシリーズウィナーのラファエル・マルチェッロ(後にザウバーの控えドライバーを務める)を退け優勝している。年間ランキングは14位。

DTM

2013年から2015年までDTMに参戦。1年目に22位、2年目は8位とランキングを上げ続け、2015年にDTM史上最年少のチャンピオンとなる。

F1シートを失った翌年である2018年にはHWAチームからDTMに復帰。ラウジッツリンクのレース2で3位表彰台を獲得して8位でシーズンを終えた。

F1

2014年、メルセデスのリザーブドライバーとなる。プレシーズンテストではフォース・インディアとメルセデスをドライブした。

2016年、マノーから2016年のレースドライバーとして発表された[2]。 カーナンバーはカートで使用した「94」。1994年生まれであることも関係しているという。

チームの資金難とマシンの戦闘力不足で開幕戦から苦しい戦いが続いていたが、乱戦の2016年オーストリアグランプリではQ2に進出し、自己最高の予選12位。決勝ではセーフティカーが入る荒れたレースを生き残り一時最下位から10位と大健闘、自身初入賞を果たした。

2017年マレーシアグランプリにて

2017年は、ニコ・ロズベルグの電撃引退に伴いメルセデスへの昇格が噂されたが、最終的にはザウバーより参戦することが1月16日に発表された[3]。しかし、レース・オブ・チャンピオンズでクラッシュし背中を負傷、1回目のプレシーズンテストと開幕2戦を欠場した(代役は、フェラーリのリザーブドライバーアントニオ・ジョヴィナッツィ[4][5]。この年のザウバーは一年落ちのフェラーリ製パワーユニットを使用するなど戦闘力が不足しており、予選ではQ1落ちが多かったが、第5戦スペインGPで8位入賞を飾りシーズン初ポイントを獲得。第8戦アゼルバイジャンGPでも10位入賞を決め、チームメイトのマーカス・エリクソンを上回る18位でシーズンを終えた。しかしシーズン後にシャルル・ルクレールと入れ替わりでザウバーのシートを失い、翌年はメルセデスのテストドライバーになることが発表された[6]。同時にメルセデスからDTM復帰が発表された。

その後、メルセデスが2018年限りでDTMを撤退することや、メルセデスのシートに当面、空きが生まれない状況などから2018年限りでメルセデスのドライバー育成プログラムを離脱することとなった[7]

2019年から翌年までフェラーリの開発ドライバーを務めた。

フォーミュラE

2018-19年シーズンより、マヒンドラ・レーシングからフォーミュラEに参戦。ただし、開幕戦はメルセデスとの契約上の問題からエントリー出来ず、2019年1月に開催された第2戦マラケシュE-Prixからの参戦となった。第4戦メキシコシティE-Prixでは自身初のポールポジションを獲得。決勝では終盤までトップを維持するも、チェッカーフラッグを目前にしてバッテリー残量が底を付き、ホームストレートでアウディルーカス・ディ・グラッシに交わされて優勝を逃した(チェッカー目前にシケインをカットしたため、レース後に6位へ降格)[8]

2020年の開幕前バレンシアテストにて

翌年もマヒンドラに残留したが、新型コロナウイルスの感染拡大によりシーズンが一時中断されていた2020年6月、チームから離脱したことを発表した[9]

2019年-20年シーズンの終了に合わせ、タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームと契約を結んだことが発表された。ニール・ジャニの後任としてアンドレ・ロッテラーとコンビを組むこととなる[10]。プエブラE-Prixではレース1で自身2度目のポールポジションを獲得し、決勝もトップでチェッカーを受けたものの、使用するタイヤセットに申告漏れがあったことを理由としてチームメイトのロッテラーと共に失格処分となった。続くレース2でも2位を獲得したが、レース後に「ファンブーストの不適切な使用」により、またしても5秒加算のペナルティとなった[11]

2021年-22年シーズンもポルシェに残留。第3戦メキシコシティE-Prixではレース前半に一時後退したものの、エドアルド・モルタラを交わして首位を奪還。終盤はエネルギーマネジメントの点でも他チームより優位に立ち、チームメイトのロッテラーと独走のワンツーフィニッシュを達成した。自身にとってフォーミュラEでの初優勝であると共に、2018-19年シーズンより参戦を始めたポルシェにとっても初の勝利であった[12]

レース戦績

略歴

シリーズ チーム レース 勝利 PP FL 表彰台 ポイント 順位
2010 ADAC フォーメル・マスターズ ADAC ベルリン=ブランデンブルク e.V. 20 1 1 1 4 147 6位
2011 24 8 7 4 13 331 1位
2012 フォーミュラ3・ユーロシリーズ ミュッケ・モータースポーツ 24 1 1 1 11 226 2位
FIA ヨーロッパ・フォーミュラ3選手権 20 1 1 1 6 179 4位
マスターズ・オブ・フォーミュラ3 1 0 0 0 0 N/A 5位
マカオグランプリ・フォーミュラ3 1 0 0 0 0 N/A 4位
2013 ドイツツーリングカー選手権 10 0 0 1 0 3 22位
FIA ヨーロッパ・フォーミュラ3選手権 3 1 2 2 3 49 14位
2014 ドイツツーリングカー選手権 HWA・チーム 10 1 1 0 1 46 8位
フォーミュラ1 メルセデスAMG・ペトロナスF1チーム テストドライバー
2015 ドイツツーリングカー選手権 HWA AG 18 2 0 1 5 169 1位
フォーミュラ1 メルセデスAMG・ペトロナスF1チーム テストドライバー
サハラ・フォース・インディアF1チーム
2016 マノー・レーシング MRT 21 0 0 0 0 1 19位
メルセデスAMG・ペトロナスF1チーム テストドライバー
2017 ザウバーF1チーム 19 0 0 0 0 5 18位
2018 ドイツツーリングカー選手権 メルセデスAMG・モータースポーツ・ペトロナス 20 0 0 0 1 108 8位
フォーミュラ1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ テストドライバー
2018-19 フォーミュラE マヒンドラ・レーシング 12 0 1 2 1 58 12位
2019 フォーミュラ1 スクーデリア・フェラーリ
スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ
テストドライバー
2019-20 フォーミュラE マヒンドラ・レーシング 5 0 0 1 0 14 18位
2020-21 フォーミュラE タグ・ホイヤーポルシェ・フォーミュラEチーム 15 0 1 0 1 79 11位
2021-22 16 1 1 0 1 71 10位
  • * : 今シーズンの順位。(現時点)

フォーミュラ3・ユーロシリーズ

エントラント シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 DC ポイント
2012年 ミュッケ・モータースポーツ ダラーラ F312/023 メルセデス HOC
1

Ret
HOC
2

9
HOC
3

8
BRH
1

5
BRH
2

3
BRH
3

5
RBR
1

2
RBR
2

6
RBR
3

4
NOR
1

7
NOR
2

3
NOR
3

Ret
NÜR
1

3
NÜR
2

4
NÜR
3

1
ZAN
1

7
ZAN
2

3
ZAN
3

3
VAL
1

5
VAL
2

3
VAL
3

4
HOC
1

2
HOC
2

8
HOC
3

2
2位 226

FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権

エントラント エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 DC ポイント
2012年 ミュッケ・モータースポーツ メルセデス HOC
1

Ret
HOC
2

8
PAU
1

Ret
PAU
2

9
BRH
1

5
BRH
2

5
RBR
1

2
RBR
2

4
NOR
1

7
NOR
2

Ret
SPA
1

14
SPA
2

12
NÜR
1

3
NÜR
2

1
ZAN
1

7
ZAN
2

3
VAL
1

5
VAL
2

4
HOC
1

2
HOC
2

2
4位 179
2013年 kfzテイル24・ミュッケ・モータースポーツ MNZ
1

3
MNZ
2

1
MNZ
3

2
SIL
1
SIL
2
SIL
3
HOC
1
HOC
2
HOC
3
BRH
1
BRH
2
BRH
3
RBR
1
RBR
/2
RBR
3
NOR
1
NOR
2
NOR
3
NÜR
1
NÜR
2
NÜR
3
ZAN
1
ZAN
2
ZAN
3
VAL
1
VAL
2
VAL
3
HOC
1
HOC
2
HOC
3
14位 49

ドイツツーリングカー選手権

チーム 車両 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 順位 ポイント
2013年 ミュッケ・モータースポーツ DTM AMG メルセデス C-クーペ HOC
11
BRH
10
SPL
10
LAU
17
NOR
20
MSC
11
NÜR
10
OSC
11
ZAN
12
HOC
17
22位 3
2014年 HWA・チーム HOC
11
OSC
Ret
HUN
14
NOR
5
MSC
8
SPL
Ret
NÜR
10
LAU
1
ZAN
7
HOC
20
8位 46
2015年 HWA AG HOC
1

2
HOC
2

8
LAU
1

5
LAU
2

13
NOR
1

1
NOR
2

5
ZAN
1

10
ZAN
2

6
SPL
1

2
SPL
2

21
MSC
1

1
MSC
2

10
OSC
1

5
OSC
2

5
NÜR
1

3
NÜR
2

5
HOC
1

8
HOC
2

20
1位 169
2018年 メルセデス・AMG モータースポーツ・ペトロナス メルセデス・AMG・C63 DTM HOC
1

5
HOC
2

6
LAU
1

8
LAU
2

3
HUN
1

13
HUN
2

12
NOR
1

13
NOR
2

9
ZAN
1

4
ZAN
2

6
BRH
1

7
BRH
2

4
MIS
1

6
MIS
2

12
NÜR
1

7
NÜR
2

9
SPL
1

13
SPL
2

6
HOC
1

11
HOC
2

DSQ
8位 108

F1

エントラント シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 WDC ポイント
2016年 マノー MRT05 メルセデス PU106C Hybrid 1.6 V6 t AUS
16
BHR
13
CHN
18
RUS
18
ESP
16
MON
14
CAN
17
EUR
Ret
AUT
10
GBR
Ret
HUN
19
GER
17
BEL
Ret
ITA
Ret
SIN
16
MAL
15
JPN
22
USA
17
MEX
Ret
BRA
15
ABU
14
19位 1
2017年 ザウバー C36 フェラーリ 061 1.6 V6 t AUS
WD
CHN BHR
11
RUS
16
ESP
8
MON
Ret
CAN
15
AZE
10
AUT
14
GBR
17
HUN
15
BEL
Ret
ITA
16
SIN
12
MAL
17
JPN
15
USA
Ret
MEX
14
BRA
14
ABU
14
18位 5

フォーミュラE

チーム シャシー パワートレイン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 順位 ポイント
2018-19年 マヒンドラ・レーシング SRT 05e マヒンドラ・M5Electro ADR MAR
Ret+
STI
2
MEX
6
HKG
Ret+
SNY
7
RME
10
PAR
10
MON
4
BER
10
BRN
Ret
NYC
7
NYC
12
12位 58
2019-20年 マヒンドラ・M6Electro DIR
11
DIR
15
STI
4
MEX
9
MAR
22+
BER BER BER BER BER BER 18位 14
2020-21年 タグ・ホイヤーポルシェ・フォーミュラEチーム ポルシェ・99X Electric DIR
5
DIR
10
RME
7
RME
3
VLC
Ret
VLC
18
MON
Ret
PUE
DSQ
PUE
4
NYC
Ret
NYC
4
LON
10
LON
5
BER
21
BER
6
11位 79
2021-22年 DIR
11
DIR
9
MEX
1
RME
8
RME
6
MON
Ret
BER
6
BER
12
JAK
8
MAR
12
NYC
6
NYC
11
LON
10
LON
10
SEO
7
SEO
Ret
10位 71
2022-23年 Gen3 MEX
2
DIR
1
DIR
1
HYD
4
CAP
Ret
SAP
7
BER
6
BER
7
MON
10
JAK
1
JAK
6
POR
8
RME
9
RME
7
LON
9
LON
10
4位 149
2023-24年 MEX
1
DIR
8
DIR
7
SAP
4
TOK
5
MIS
16
MIS
1
MON
5
BER
5
BER
4
SHA
2
SHA
20
POR
10
POR
4
LON
1
LON
2
1位 199

脚注

  1. ^ 2021-22年シーズンは「94」が他チームにより使用されていたため、「99」を使用した。
  2. ^ “マノー、ウェーレイン起用を正式発表”. ESPN F1. (2016年2月10日). http://ja.espnf1.com//manor/motorsport/story/214625.htm 2016年2月13日閲覧。 
  3. ^ “マノー、ウェーレイン起用を正式発表”. F1-Gate.com. (2017年1月16日). http://f1-gate.com/sauber/f1_34500.html 2017年1月16日閲覧。 
  4. ^ ウェーレインが開幕戦欠場を決断。フェラーリのサードドライバー、ジョビナッツィがザウバーからF1デビュー”. AUTOSPORTweb (2017年3月25日). 2017年3月25日閲覧。
  5. ^ ザウバー、F1中国GPでもウェーレインに代わってジョビナッツィが参戦”. F1-Gate.com (2017年4月4日). 2017年4月5日閲覧。
  6. ^ メルセデスF1、パスカル・ウェーレインをテストドライバーに起用”. F1-Gate.com (2018年1月26日). 2018年1月26日閲覧。
  7. ^ パスカル・ウェーレイン、2018年末でメルセデス・ファミリーを離脱”. F1-Gate.com (2018年9月14日). 2018年9月18日閲覧。
  8. ^ “フォーミュラE第4戦:ディ・グラッシがチェッカー目前で大逆転。ニッサン勢はバッテリー切れに泣く”. As-web. (2019年2月17日). https://www.as-web.jp/overseas/453008 2022年3月1日閲覧。 
  9. ^ “フォーミュラE:パスカル・ウェーレインがマヒンドラ離脱。自身の今後については明らかにせず”. As-web. (2020年6月9日). https://www.as-web.jp/overseas/590697 2022年3月1日閲覧。 
  10. ^ “Porsche signs Wehrlein to replace Jani in Formula E line-up”. Autosports. (2020年8月14日). https://www.autosport.com/formula-e/news/porsche-signs-wehrlein-to-replace-jani-in-formula-e-line-up-4980156/4980156/ 2022年3月1日閲覧。 
  11. ^ “フォーミュラEがメキシコ・プエブラで初開催。第8戦はディ・グラッシ、第9戦はモルタラが制す”. As-web. (2021年6月21日). https://www.as-web.jp/overseas/710545 2022年3月1日閲覧。 
  12. ^ “フォーミュラE第3戦でポルシェ初勝利。ウェーレイン&ロッテラーが1-2フィニッシュを達成”. As-web. (2022年2月14日). https://www.as-web.jp/overseas/784067 2022年3月1日閲覧。 

関連項目

外部リンク