ケプラー20f (英語 : Kepler-20f )は、地球 から見てこと座 の方向に約900光年 離れたところにある太陽 よりやや小さなG型主系列星 ケプラー20A の周囲を公転 している太陽系外惑星 である。連星系 であるケプラー20系の主星であるケプラー20Aを公転していることから、ケプラー20Af とも呼称される[ 3] 。
発見
2011年 にケプラー宇宙望遠鏡 によるトランジット法 での観測結果から発見され、同じくケプラー20Aを公転している他の4個の惑星と共に公表された[ 2] [ 3] 。プレプリント掲載サイト arXiv にて2011年12月19日 にケプラー20Aを公転している3個の惑星の確認が報告されたが、この時はケプラー20e とケプラー20fは惑星候補と見做されていた[ 7] 。その翌日である12月20日 に別の研究チームがケプラー20eとケプラー20fも惑星であることが確定した旨の研究結果が arXiv に投稿された[ 2] 。ケプラー20eの発見と併せて、太陽系外惑星において地球と同規模の大きさを持つことが確認された最初の事例となった[ 1] [ 8] 。
特徴
大きさの比較
地球
ケプラー20f
ケプラー20fは地球に非常に近い大きさを持つことが知られている。発見当初は地球もわずかに大きく、地球の1.03+0.10 −0.13 倍の大きさを持つとされたが、2023年 に公表された研究結果ではケプラー20fの地球の約0.95倍へ下方修正され、金星 (赤道直径は地球の0.949倍[ 9] )とほぼ同等の大きさを持つとされた[ 5] 。2023年 に発表された、HARPS-N (英語版 ) 分光器による主星の視線速度 観測を用いて行われた観測ではケプラー20fの質量は最大でも地球の1.4倍と求められている[ 5] 。軌道長半径 は主星からは約 0.14 au (約 2070万 km )しか離れておらず、公転周期 は約20日となっている[ 5] 。表面に液体 の水 が存在できるハビタブルゾーン よりも遥かに内側に位置しており、大気 の影響などを考慮しない場合の表面の温度である平衡温度 (英語版 ) は 681 K (408 ℃ )に達していることから[ 5] 、少なくとも地球上で考えられるような生命 が存在できるような環境ではないとされる[ 1] [ 8] 。
脚注
注釈
^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
^ a b c 半径を基に、扁平率 を考慮しない(形状が完全な球形)と仮定した時の計算値。
出典
^ a b c “地球より小さい系外惑星を初めて発見 1000光年かなたのケプラー20 ”. AstroArts (2011年12月21日). 2024年8月11日 閲覧。
^ a b c d e f Fressin, Francois; Torres, Guillermo; Rowe, Jason F. et al. (2012). “Two Earth-sized planets orbiting Kepler-20”. Nature 482 (7384): 195–198. arXiv :1112.4550 . Bibcode : 2012Natur.482..195F . doi :10.1038/nature10780 . ISSN 0028-0836 .
^ a b c d Jean Schneider (2024年8月3日). “Planet Kepler-20 Af ”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia . Paris Observatory . 2024年8月11日 閲覧。
^ a b c d e f “Result for Kepler-20e ”. SIMBAD Astronomical Database . Centre de données astronomiques de Strasbourg . 2024年8月11日 閲覧。
^ a b c d e f g h i j k l m n o p Bonomo, A. S.; Dumusque, X.; Massa, A. et al. (2023). “Cold Jupiters and improved masses in 38 Kepler and K2 small planet systems from 3661 HARPS-N radial velocities. No excess of cold Jupiters in small planet systems”. Astronomy and Astrophysics 677 : 18. arXiv :2304.05773 . Bibcode : 2023A&A...677A..33B . doi :10.1051/0004-6361/202346211 . A33.
^ a b c d “Kepler-20 Overview ”. NASA Exoplanet Archive . NASA Exoplanet Science Institute. 2024年8月11日 閲覧。
^ Gautier, Thomas N.; Charbonneau, David; Rowe, Jason F. et al. (2012). “Kepler-20: A Sun-like Star with Three Sub-Neptune Exoplanets and Two Earth-size Candidates”. The Astrophysical Journal 749 (1): 15. arXiv :1112.4514 . Bibcode : 2012ApJ...749...15G . doi :10.1088/0004-637X/749/1/15 . ISSN 0004-637X .
^ a b “NASA Discovers First Earth-Size Planets Beyond Our Solar System ”. Jet Propulsion Laboratory . NASA (2011年12月20日). 2024年8月11日 閲覧。
^ Williams, David R. (2024年1月11日). “Venus Fact Sheet ”. NASA Goddard Space Flight Center . NASA. 2024年8月11日 閲覧。
関連項目
外部リンク
探査機 主な恒星 主な惑星 K2ミッションで発見された主な惑星 一覧 公式サイト