ケプラー69 (Kepler-69) は、太陽系からこと座の方向に1,900光年離れた位置にある恒星である。
沿革
ケプラー宇宙望遠鏡による観測以前、この恒星は2MASSのカタログ上にあり、2MASS J19330262+4452080と呼ばれた。ケプラー計画で観測対象の1つとしてKIC 8692861というカタログ名となり、ケプラーの初期観測で惑星トランジットの兆候が見つかると、ケプラーの優先観測対象としてKOI-172という符号が付与された。
ケプラーによる更なる観測で、惑星トランジットによる減光が確定し、ケプラー計画で69番目に惑星が発見された星系として、"Kepler-69"と命名された。
特徴
大きさの比較
太陽
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ケプラー69
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太陽に比較的似た黄色の主系列星であり、質量半径ともに太陽よりやや小さく温度も低めである[1]。視等級が14等と非常に暗いため地球から肉眼で観察することは不可能である。
惑星
ケプラー69には、2つの惑星が発見されている[1]。2つの惑星bとcは、いずれもスーパー・アースサイズとされる。このうち、外側のケプラー69cは発見時、ハビタブルゾーンの中に位置し、太陽型星のハビタブルゾーンに発見された初めての地球型惑星候補とされた。
しかし、その後の分析によって、惑星cの軌道は修正され、地球の1.9倍に及ぶ放射エネルギーをケプラー69から受けているとわかり、その環境は地球よりも金星に近い、いわば「スーパー・ヴィーナス」であるとされている[5]。
ケプラー69の惑星[1][6][7]
名称 (恒星に近い順)
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質量
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軌道長半径 (天文単位)
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公転周期 (日)
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軌道離心率
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軌道傾斜角
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半径
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b
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5.5634 M⊕
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0.094 +0.023 −0.016
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13.722341 +0.000035 −0.000036
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0.16 +0.17 −0.0010
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—
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2.24 +0.44 −0.29 R⊕
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c
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4.3569 M⊕
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0.64 +0.15 −0.11
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242.4613 +0.0059 −0.0064
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0.14 +0.18 −0.10
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—
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1.71 +0.34 −0.23 R⊕
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出典
- ^ a b c d e f g h i j k l Barclay, Thomas; et al. (2013-05), “A Super-Earth-sized Planet Orbiting in or Near the Habitable Zone around a Sun-like Star”, Astrophysical Journal 768 (2): 101, Bibcode: 2013ApJ...768..101B, doi:10.1088/0004-637X/768/2/101
- ^ “VSX: Detail for Kepler-69”. AAVSO. 2017年3月29日閲覧。
- ^ a b “Kepler-69 -- Star”. SIMBAD. CDS. 2017年3月27日閲覧。
- ^ Morton, Timothy D.; et al. (2016-05), “False Positive Probabilities for all Kepler Objects of Interest: 1284 Newly Validated Planets and 428 Likely False Positives”, Astrophysical Journal 822 (2): 86, Bibcode: 2016ApJ...822...86M, doi:10.3847/0004-637X/822/2/86
- ^ Kane, Stephen R.; Barclay, Thomas; Gelino, Dawn M. (2013-06), “A Potential Super-Venus in the Kepler-69 System”, Astrophysical Journal 770 (2): L20, Bibcode: 2013ApJ...770L..20K, doi:10.1088/2041-8205/770/2/L20
- ^ “Kepler-69 b”. Extasolar Planet’s Catalogue. 京都大学. 2017年3月27日閲覧。
- ^ “Kepler-69 c”. Extasolar Planet’s Catalogue. 京都大学. 2017年3月27日閲覧。
関連項目
外部リンク
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座標: 19h 33m 02.625s, +44° 52′ 08.03″