ケプラー7

ケプラー7
Kepler-7
仮符号・別名 KOI-97
星座 こと座
見かけの等級 (mv) 12.99
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  19h 14m 19.564s[1]
赤緯 (Dec, δ) +41° 5′ 23.30″[1]
視線速度 (Rv) 0.40 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: -3.9 ミリ秒/[1]
赤緯: -13.9 ミリ秒/年[1]
距離 2,960 光年
(907 パーセク[3]
物理的性質
半径 1.843 R[2]
質量 1.347 M[2]
表面重力 11 G
自転速度 4.2 km/s[2]
スペクトル分類 G0[1]
光度 4.15 L[2]
表面温度 5,933 K[2]
金属量[Fe/H] 0.11[2]
年齢 3.5 ×109[2]
他のカタログでの名称
2MASS J19141956+4105233, KIC 5780885
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ケプラー7 (: Kepler-7) は、こと座の方角の、NASAが太陽系外惑星探査を行う宇宙望遠鏡ケプラーの観測領域内に位置する恒星である。ケプラーによる発見が最初に公表された5つの系外惑星の内の1つの母星であり、太陽よりも大きく、金属量は太陽より少し多い。2010年1月4日、ケプラー7の周囲を公転する太陽系外惑星の存在は、アメリカ天文学会の会合で公表された[4][5]

命名と経緯

ケプラー7は、NASAが主導するトランジット法による地球型惑星の探査計画である、ケプラー計画によって発見された7番目の系外惑星系の母星であることから命名された[6]。ケプラー7の周りを公転する惑星は、ケプラーによって発見された4番目の惑星である。ケプラーが最初に検出した3つの惑星は、既に発見済みの惑星(TrES-2HAT-P-7bHAT-P-11b[7])で、ケプラーの観測精度を確認するための観測だった。ケプラー7bの発見は、2010年1月4日にワシントンD.C.で開催されたアメリカ天文学会 第215回会合英語版において、ケプラー4bケプラー5bケプラー6bケプラー8bと共に公表された[4][5]

ケプラー7bの発見は、アメリカハワイ州ケック第1望遠鏡テキサス州ホビー・エバリー望遠鏡ハーラン・J・スミス望遠鏡カリフォルニア州ヘール望遠鏡C・ドナルド・シェーン望遠鏡アリゾナ州フレッド・ローレンス・ウィップル天文台英語版WIYN望遠鏡MMT・ティリングハスト望遠鏡、そしてカナリア諸島北欧光学望遠鏡の追観測によって確定した[4]

特徴

大きさの比較
太陽 ケプラー7
太陽 Exoplanet


ケプラー7の視等級は13で、地球から見るととても暗く、肉眼では見ることができない。太陽系からの距離は、およそ3,000光年と見積もられている[3]

ケプラー7は太陽に似た恒星だが、質量太陽の1.347倍と太陽より35%程度大きく、半径太陽の1.843倍と太陽より84%程度大きい。年齢はおよそ35億年と見積もられ、約46億年の太陽より若い[8]。金属量は、基準となる水素の存在比で 0.11 dex であり、太陽と比べ3割程多いと推定される。系外惑星を持つ恒星の多くは金属量が多く、ケプラー7もそれと同じ傾向にある[9]。表面温度は 5,933 K で、太陽の 5,777 K[8] と比べてやや高温である。

惑星系

ケプラー7b木星の大きさ比較。
ケプラーの最初の発見である5つの系外惑星の大きさを比較した図。ケプラー7b(黄色)はその中で最大である。

ケプラー7bは、ケプラー7の周囲で発見されている唯一の惑星である。質量は、木星の0.441倍、半径は木星の1.622倍と推定されており、体積木星の4倍以上であるが、木星の44%の質量しかないことになる[10]密度は0.14 g/cm3で、の1/7しかなく、発泡スチロール並みである[5]。母星からの距離は 0.06067 au で、公転周期は4.885である[10]水星の太陽からの距離は 0.3871 au、公転周期は87.97日であるのに比べると、ケプラー7bはずっと母星に近く、公転周期も短い[11]。軌道の推定において、離心率は0、つまり円軌道であることが仮定されている[2]

ケプラー7の惑星[10]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b 0.441 MJ 0.06067 4.8854892 0 85.161° 1.622 RJ

出典

  1. ^ a b c d e KOI-97 -- Star”. SIMBAD. CDS. 2017年10月24日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i Latham, David W.; et al. (2010-04), “Kepler-7b: A Transiting Planet with Unusually Low Density”, Astrophysical Journal Letters 713 (2): L140-L144, Bibcode2010ApJ...713L.140L, doi:10.1088/2041-8205/713/2/L140 
  3. ^ a b Morton, Timothy D.; et al. (2016-05), “False Positive Probabilities for all Kepler Objects of Interest: 1284 Newly Validated Planets and 428 Likely False Positives”, Astrophysical Journal 822 (2): 86, Bibcode2016ApJ...822...86M, doi:10.3847/0004-637X/822/2/86 
  4. ^ a b c NASA's Kepler Space Telescope Discovers Its First Five Exoplanets”. NASA (2010年1月5日). 2011年2月27日閲覧。
  5. ^ a b c Rich Talcott (2010年1月5日). “215th AAS meeting update: Kepler discoveries the talk of the town”. Astronomy.com. Astronomy magazine. 2011年2月27日閲覧。
  6. ^ Kepler Numbers”. NASA Exoplanet Archive. Caltech. 2017年10月24日閲覧。
  7. ^ John Southworth. “TEPCat: objects not included”. Keele University. 2017年10月24日閲覧。
  8. ^ a b Sun: By the Numbers”. NASA. 2017年10月24日閲覧。
  9. ^ Henry Bortman (2004年10月12日). “Extrasolar Planets: A Matter of Metallicity”. Space Daily. 2011年2月27日閲覧。
  10. ^ a b c Esteves, Lisa J.; De Mooij, Ernst J. W.; Jayawardhana, Ray (2015-05), “Changing Phases of Alien Worlds: Probing Atmospheres of Kepler Planets with High-precision Photometry”, Astrophysical Journal 804 (2): 150, Bibcode2015ApJ...804..150E, doi:10.1088/0004-637X/804/2/150 
  11. ^ David Williams (2010年11月17日). “Mercury Fact Sheet”. NASA GSFC. 2011年2月27日閲覧。

関連項目

外部リンク

座標: 星図 19h 14m 19.564s, +41° 5′ 23.30″