UIMカードを用いる他社のシステムと異なる点として、フィーチャーフォンや一部を除く3Gスマートフォンでは、一つの端末につき一つのUIMカードしか利用できない点があげられる。そういった端末では、最初に挿入・起動されたau ICカードでのみ使用でき、このカードが挿入されていない場合、あるいはすでに端末に登録されているものとは異なるau ICカードが挿入されている場合、機能制限がかかる。制限される機能には、電話の発着信・EZweb・Eメール(キャリアメール)およびCメールの送受信、GPS機能といった通信機能すべてと、EZアプリや一部のEZ Felica (おサイフケータイ)、LISMO Player(またはau Music Player)による音楽 (着うたフル・着うたフルプラス)やLISMO Videoを含むビデオクリップ等の再生・データフォルダ内の著作権保護データの再生などがある。ただし、LTE/VoLTE端末ではこのような機能制限はかからない。
一度 au ICカードを装着して起動された端末に別のau ICカードを挿して使用する場合は、使用前にauショップなどでの変更手続き(『ロッククリア』と呼ばれる;有料・消費税込2160円/回)が必要である[1]。この制限があるため、端末を一時的に借りて使うことはできない[2]。この仕様についてKDDIは「たとえば携帯を盗まれた場合、どのSIMカードを差してもそのまま端末が使えることを防ぐための措置」としている[3]。この制限は端末についてのものであり、1つのカードを複数の端末で使うことは可能である。例えば、au ICカード対応機種同士で機種変更をした場合、変更前の端末はそのままau ICカードを差し替えて利用できる。ただし、いったんau ICカードに対応しないスマートフォンを経由した機種変更の場合、以前のau ICカード対応機種は古いSIMカードに対してひも付いているため、auショップ等の店頭においてロッククリアの手続きが必要となる。
au ICカード自体はSIMフリーの端末に挿せば、そのまま普通のR-UIMカードとして振る舞い、端末を使用することができる。またソフトバンクモバイルが採用しているカード未挿入状態での端末ロックはなく、au ICカード未挿入の状態で電源を入れても一部機能は使用可能である。通話(電話)機能およびパケット通信機能、キャリアメール、Eメール、Cメール、EZアプリ、一部のEZ Felica、ワンセグ、LISMO Player (旧・au Music Player) を除くほとんどの機能が使用可能である。スマートフォンではパケット通信を利用するアプリケーションやキャリアメール、Cメール、通話機能以外は全て利用が出来る。無線LANを利用する通信はau ICカードを入れていない状態でも制限されない。au IDと紐付けした機種1台まで利用できるau Wi-Fi SPOTや、公衆無線LANサービスを契約することで、またWiMAXなど他の通信契約による利用で、無線LANを利用できる。
なお、micro au ICカード (3G)とau Micro IC Card (LTE)は契約上全く別のカードである。また、VoLTE対応ケータイのau ICカードはau Nano IC Card (LTE)とau Nano IC Card 04とau Nano IC Card 04 LEが混在する。詳しくはauのサイトの各機種のスペックを参照。
ver.001 - IC面はオレンジの地に白で「au by KDDI」のロゴが描かれている。ICの反対の面は 白地で黒色でICCIDが刻まれている。NFCサービスの認証に対応していないことからNFC対応機種ではNFC機能が利用できないが、3G・WiMAX通信やその他の機能は利用可能である。このためNFCを利用するには後述のver.002への交換が必要である。ジェムアルト製の端子仕様は旧アクサルトのもの。
ver.002 - IC面の色が茶色と白のストライプの地にオレンジで「au by KDDI」のロゴが描かれている。N800MHz帯 (新800MHz・Band Class 0 Band Subclass 2) の周波数帯に対応していないW32H、W32S、W41H、W41S、W41CA、W42CA、W42H、W43CA、W43H、W43Kでは使用できない (挿入起動後に端末自体が使用不能になるトラブルがW42H、W43Hで確認されている)。これらの機種は2012年7月22日以後通信が利用できなくなった。
au IC Card 02 (3G) - auが現行ロゴになったのにも併せて、ICCIDが刻まれている箇所除きカード表裏とも色はオレンジで、その裏面にauの現行ロゴと3Gと①が書かれている物に変更された。仕様はver.002と変わらない。
micro SIM カード
micro au ICカード (Micro 02) - ver.002を元にしたサイズ違いのカードで、上記のmicro au ICカードを用いる機種専用である。
Micro au IC Card 02 (3G) - auが現行ロゴになったのにも併せて、ICCIDが刻まれている箇所除きカード表裏とも色はオレンジで、その裏面にauの現行ロゴと3Gと②が書かれている物に変更された。仕様はmicro au ICカード (Micro 02)と変わらない。
au Micro IC Card (LTE) - IC面の色は黒で、その裏面にauの現行ロゴとLTEと⑤が書かれている。上記のmicro SIM とは違い、こちらはLTE対応機種専用となっており、LTE対応機種に機種変更する際は交換が必要である。またこの際には契約変更手数料3150円がかかる。既存のmicro SIM 対応の3G/WiMAX機種での使用と、その逆のMicro 02をLTE機種で使用することはできない。
大日本印刷製:端子がカード全面に展開されているが、従来の同社デザインと異なっている。MADE IN JAPAN。
ジェムアルト製:端子がMicro 02に比べて横方向が小さく、縦方向はやや大きくなっている。MADE IN CHINAがほとんど。
au Micro IC Card (LTE) U - au Micro IC Card (LTE)のUQ WiMAX向けと思われる。カードパッケージにUQ WiMAXのロゴが入っており、オレンジ色の注意書きが追加されているが、ICカード自体のデザインに変化は無い。
au Micro IC Card (LTE) <MVNOサービス用> - au Micro IC Card (LTE)のUQ mobile向けと思われる。カードパッケージにはMVNOサービス用と書かれている。ICカードと台紙のデザインが異なり、台紙左上に白のラインが追加され、ICカードの⑤の部分はアルファベットの“S”または“D”を“○”で囲まれたものが書かれている。 (“S”はシングル回線用、“D”はデュアル回線用と思われる。)
nano SIM カード
au Nano IC Card (LTE) - 端子面の裏はauの現行ロゴと、⑥が書かれている。契約上はau Micro IC Card (LTE) と同様にLTE契約と扱われるため、au Micro IC Card (LTE)のサイズ違いとも言える。iPhone 6/6 Plus/6s/6s Plus/SE/7/7 Plusは、このau ICカードでVoLTEを使うことができる[14]。また、KYF34でもVoLTEが利用できる[15]。
au Nano IC Card (LTE) <MVNOサービス用> - au Nano IC Card (LTE)のUQ mobile向けと思われる。カードパッケージにはMVNOサービス用と書かれている。ICカードと台紙のデザインが異なり、台紙左上に白のラインが追加され、ICカードの⑥の部分はアルファベットの“s”または“d”を“○”で囲まれたものが書かれている。 (“s”はシングル回線用、“d”はデュアル回線用と思われる。)
au Nano IC Card 04 (VoLTE) - au VoLTE対応機種(主にAndroidスマートフォン)用のau ICカードである。3G用カードやau Nano IC Card (LTE)とは互換性がなく、3G端末/4G LTE端末からVoLTE専用端末への機種変更時はこのカードに交換が必要となる。また、5G契約においても、このカードを使用するが、VoLTE契約から5G契約への機種変更時は交換が必要となる。なお、前述のとおり、iPhone 6/6 Plus以降のiPhoneはVoLTEの使用が可能となっており、このカードを挿入しても利用できる[6]。カードデザインは、au Nano IC Card 04 LE、KDDI IoT Nano IC Card S01、au MVNO Multi IC Card 01と類似。色はグレーで端子面の裏にauの現行ロゴと、⑨が書かれている。au 3Gには非対応 (海外ローミング時には、3G通信も利用できる)。
au Nano IC Card 04 LE - iPhone 8/8 Plus/iPhone X以降のiPhone、iPad mini 4/iPad Pro以降のiPad、一部[10]を除くau VoLTE対応ケータイ、2015年夏モデル以降のタブレット、および、2017年冬モデル以降のデータ通信端末用のau ICカードである。また、5G契約においても、このカードを使用するが、VoLTE契約から5G契約への機種変更時は交換が必要となる。Androidスマートフォン以外の製品全般に使用される。カードデザインは、au Nano IC Card 04、KDDI IoT Nano IC Card S01、au MVNO Multi IC Card 01と類似。端子面の裏にauの現行ロゴと、○に囲まれたLの文字が書かれている。契約上はVoLTEとなる。au 3Gには非対応 (海外ローミング時には、3G通信も利用できる)。このSIMを用いた場合、AndroidスマートフォンではNFC機能が利用できない[8]。
au MVNO Multi IC Card 01 - MVNO向けのVoLTE対応au ICカードで、UQ mobileを除くmineoやFiimoといったau VoLTE対応のMVNOがこのSIMを提供している。カードデザインは、au Nano IC Card 04、au Nano IC Card 04 LE、KDDI IoT Nano IC Card S01と類似。nano SIMにした時に黄色のラインにau MVNO①と書かれている。
UQ mobile Multi IC Card 01 - UQ mobile向けのVoLTE対応au ICカードで、説明文章・問い合わせ先等もUQ mobile向けに変更されている。カード表面はビビッドピンクで、デザインはpovo Multi IC Cardと酷似。nano SIMにした時に灰色のラインにUQ mobile①と書かれている。
povo Multi IC Card - povo向けのVoLTE対応au ICカードで、説明文書・問い合わせ先等も通常のau ICカードと異なり、povo向け(ウェブサイトもしくは専用アプリから問い合わせをする旨が記載)に変更されている。auが自社向けに提供するマルチSIMカードとしては初めてで、2021年10月現在、唯一のマルチSIMカードである。auで販売された端末でこのカードを使用する場合、SIMロックの解除は不要である(SIMフリー以外はSIMロック解除必須)。カード表面はイエローで、デザインはUQ mobile Multi IC Card 01と酷似。nano SIMにした時にpovoと書かれている。このカードのみ、他のカードにある丸で囲まれた数字は記載されていない。
「(V)」:au VoLTE & au 4G LTE CA & WiMAX2+ (キャリアアグリケーション(LTE-Advanced)、およびVoLTE対応・国内3Gサービス非対応(iPhone除く))対応機種、「(V*)」:au VoLTE & au 4G LTE & WiMAX2+ (VoLTE対応・キャリアアグリケーション非対応・国内3G通信非対応(iPhone除く))対応機種、「(V**)」:au VoLTE & au 4G LTE(VoLTE対応・国内3Gサービス非対応(iPhone除く))対応機種、「(V***)」:au VoLTE & au 4G LTE & WiMAX2+(国内VoLTE & LTEサービス専用・WiMAX2+対応・キャリアアグリケーション非対応・国内3Gサービス非対応・SIMロック解除非対応・国内通信エリア専用機種、「(V****)」:au VoLTE & au 4G LTE(国内VoLTE & LTEサービス専用・キャリアアグリケーション非対応・国内3Gサービス非対応・SIMロック解除非対応・国内通信エリア専用機種)、「◇」:au 4G LTE CA (キャリアアグリケーション(LTE-Advanced)対応)& WiMAX2+対応機種、「◆」:au 4G LTE & WiMAX2+対応機種、「(L)」:au 4G LTE対応機種、「*」:ファブレット、「(B)」:法人向け機種、「 」(マーク無):通信モジュール非搭載機種