疋部(しょぶ)は、漢字を部首により分類したグループの一つ。
康熙字典214部首では103番目に置かれる(5画の9番目、午集の9番目)。
概要
疋部には「疋」を筆画の一部として持つ漢字を分類している。
単独の「疋」字は膝から下の脚を意味する。字源としては、脚の形を象る象形文字である[1][2]。
また「匹」の形が変化して「疋」と書かれることもある[3]。日本ではヒキという音でお金の単位(一疋 = 十文)を表した。
また「夏」の形が変化して「疋」と書かれ、「雅」の代わりに使われることがある[4]。
偏になるときは「疎」のように「𤴔」の形に変形し、また日常外の漢字の例となるが「𤴕・疌・𭼁・𤴡」のように「𤴓・龰」等の形に変形する場合もある。
部首の通称
- 日本:ひき・ひきへん
- 「匹」に通じ、その慣用音からと考えられる。日本的な用法としてお金の単位として使われた。
- 韓国:발소부(bal so bu、あしの疋部)・짝필부(jjak pil bu、ひきの疋部)
- 英米:Radical bolt of cloth(「匹」に通じ、「匹」が漢代、織物の長さの単位として使われたことから)
部首字
疋
- 中古音
- 広韻 - 1.所葅切、魚韻、平声 / 2.五下切、馬韻、上声 / 3.譬吉切、質韻、入声
- 詩韻 - 1.魚韻、平声 / 2.馬韻、上声 / 3.質韻、入声
- 三十六字母 - 1.審母二等 / 2.疑母 / 3.滂母
- 現代音
- 日本語 - 1.音:ショ(漢音)・ソ(呉音) / 2.ガ(漢音)・ゲ(呉音)/ 3.音:ヒツ(漢音)・ヒキ(慣用音)
- 朝鮮語 - 1.音:소(so) 訓:발(bal、あし) / 2.音:아(a) 訓:바를(bareul、ただしい / 3.音:필(pil) 訓:짝(jjak、ひき(動物を数える助数詞))
例字
脚注
- ^ 裘錫圭 (1988), 文字学概要, 北京: 商務印書館, p. 115, ISBN 7-100-00413-6
- ^ 季旭昇 (2014), 説文新証, 台北: 芸文印書館, p. 141, ISBN 978-957-520-168-5
- ^ 張涌泉 (1996), “敦煌俗字匯考”, 敦煌俗字研究, 北京: 上海教育出版社, p. 23, ISBN 7-5320-4921-3
- ^ 張富海 (2007), 漢人所謂古文之研究, 北京: 線装書局, p. 52, ISBN 978-7-80106-668-8