虫部
概要「虫」字は「虺」の本字として毒蛇を意味し、その形を象ったものである。 なお「虫」の字音はキ(クヰ)であり、日本の常用漢字および中国の簡化字の「虫」は「蟲」(音はチウ、昆虫の意)字の略字である。 偏旁の意符としては蛇など爬虫類のみならず、這って進む動物全般、即ち昆虫類・節足動物・腔腸動物・環形動物・軟体動物・両生類…などに関わることを示す。また、想像上の動物では龍の眷属に「虫」が使われる。偏や脚の位置に置かれ、左右構造や上下構造を作る。 あまり多くないが異体字も数例存在し、上下や左右の構造が異なる同字(蟇と蟆、蟹と蠏など)、部分を変えた異体字(蠹と蠧など)、一部分を省略した字(蝨と虱、蠎と蟒など)、表外字の拡張新字体(蠅と蝿、蠣と蛎)などが存在する。 現在虫部に属する漢字の一部には、「螽」「蠢」のように下に「虫」が2つ並んだものもあり、これらは「䖵」を意符とする漢字で、『説文解字』では「䖵部」が立てられそこに属していた。 虫部はこのような意符を構成要素に持つ漢字を収録する。 部首の通称
部首字虫
例字→詳細は「wikt:Wiktionary:漢字索引 部首 虫」を参照
注日本において虫偏の異体字は慣用的に使われているものが多く、表外漢字においても康熙字典体ではなく、慣用の字体を印刷標準字体としていることがある。ここでは康熙字典体に従って慣用字は括弧に入れている。 最大画数𧖤・𧖥・𧖦 |