安房鴨川駅(あわかもがわえき)は、千葉県鴨川市横渚にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
概要
ミニ鴨川シーワールド水槽(2018年6月)
線路は繋がっているが、内房線と外房線それぞれの終着駅である。そのため、当駅から発車する列車は上りしか存在しない。1997年(平成9年)頃までは両路線を相互に直通(当駅を経由)する普通列車が設定されており、急行列車は1975年(昭和50年)3月まで両路線を循環運転していた。両路線の相互直通を頻繁に行うと、車両の向きが容易に反転する不都合が起きるため、一時期、定期列車は内房線・外房線共に全て当駅にて折返しを行っていたが、2021年3月13日ダイヤ改正で当駅を経由して直通運転する列車が復活している[4]。なお、内房線にあたる区間が北条線として先に当駅まで開業し、外房線にあたる区間は後から当駅に乗り入れたため、当駅の所属線も内房線となっている[5]。
内房線は普通列車のみだが、外房線は普通列車の他特急「わかしお」も当駅まで来ている。また「わかしお号」は鴨川シーワールドの無料送迎バスと接続をするダイヤが設定されている。「わかしお」の一部は当駅から勝浦駅までの区間を普通列車として運転する。なお普通列車は一部を除き内房線、外房線相互の上り列車を対面接続する。
また、2007年(平成19年)に開催された「ちばデスティネーションキャンペーン」では、多数の臨時列車が当駅に発着した。鴨川シーワールドの最寄り駅であることから、2013年(平成25年)1月12日より、地域とJR東日本、鴨川シーワールドが連携して鴨川の観光をアピールするため、熱帯の海の魚を展示する水槽を駅改札の隣に設置している[6]。水槽は高さ2.1メートル、直径1.3メートルの円柱型[6]。海洋の熱帯魚21種130匹が泳いでいる[6]。
歴史
当駅前における、房総東西線全通祝賀式(1929年)
-
駅舎改装前(2005年5月)
-
駅舎脇にあった足湯スペース(2007年9月)
駅構造
単式ホーム1面1線(1番線)と島式ホーム1面2線(2・3番線)、計2面3線を有する地上駅である。ホーム同士を結ぶ跨線橋には、エレベーターが設置されている。自由通路にも2009年(平成21年)3月3日にエレベーターが設置された。
茂原統括センターの直営駅であり、管理駅として外房線安房小湊駅と安房天津駅、内房線江見駅と太海駅を管理している。話せる指定席券売機[2][3]、自動改札機(Suica対応)が導入されている。他にNewDaysがあり南総軒の駅弁も取扱う。
駅舎は東口にあり、前原海水浴場などへ便利である。市役所、イオンなどがある西口があり、東口とは改札外の自由通路で結ばれる。
駅西側に留置線が3本あり、夜間などは車両が留置される。この場合、回送電車は一度太海駅方面に車両を発車し、折返す形で留置線に入線して来る。従って、駅のすぐ太海駅側にある太一号踏切では、回送電車がここを通る場合は「開かずの踏切」となり、しばしば渋滞が発生する。
1番線のホーム上には地震計が設置されている。
のりば
(出典:JR東日本:駅構内図)
- 特急「わかしお」は、主に1番線を使用する。
- 多客時、一部特急「わかしお」が太海方面へ延長運転されることがある他、直通運転する臨時列車が設定されることがある。
運転番線 |
営業番線 |
ホーム |
勝浦方面着発 |
館山方面着発 |
備考
|
1 |
1 |
11両分 |
到着・出発可 |
到着・出発可 |
|
2 |
2 |
11両分 |
到着・出発可 |
到着・出発可 |
|
3 |
3 |
11両分 |
到着・出発可 |
到着・出発可 |
|
4 |
|
ホームなし |
不可 |
不可 |
留置線
|
5 |
|
ホームなし |
不可 |
不可 |
留置線
|
6 |
|
ホームなし |
不可 |
不可 |
留置線
|
- 外房線・内房線共終着駅であり当駅を通過することは出来ない(場内信号機に進行現示が無い)。
- 運転4 - 運転6番線と、ホームとの入出区は、太海方の内房線本線上にてスイッチバックを行う。
- 夜間、1・3番線、運転4 - 6番線に特急及び普通列車が留置される。日中にも運転4 - 6番線に留置される車両がある。
(出典:今尾恵介『JR東日本全線【決定版】鉄道地図帳vol.4 水戸・千葉支社管内編』学研プラス、2010年3月19日。ISBN 978-4056057652。 )
-
改札口(2022年2月)
-
ホーム(2022年2月)
駅弁
2023年ごろまでは、主な駅弁として下記を販売していた[16]。
利用状況
2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は1,107人である[JR 1]。近年は減少傾向が続いている。
1990年度(平成2年度)以降の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
年度別1日平均乗車人員[統計 1][統計 2]
年度
|
1日平均 乗車人員
|
出典
|
1990年(平成02年)
|
3,433
|
[* 1]
|
1991年(平成03年)
|
3,475
|
[* 2]
|
1992年(平成04年)
|
3,251
|
[* 3]
|
1993年(平成05年)
|
3,573
|
[* 4]
|
1994年(平成06年)
|
3,372
|
[* 5]
|
1995年(平成07年)
|
3,201
|
[* 6]
|
1996年(平成08年)
|
2,995
|
[* 7]
|
1997年(平成09年)
|
2,713
|
[* 8]
|
1998年(平成10年)
|
2,501
|
[* 9]
|
1999年(平成11年)
|
2,354
|
[* 10]
|
2000年(平成12年)
|
[JR 2]2,309
|
[* 11]
|
2001年(平成13年)
|
[JR 3]2,201
|
[* 12]
|
2002年(平成14年)
|
[JR 4]2,042
|
[* 13]
|
2003年(平成15年)
|
[JR 5]1,987
|
[* 14]
|
2004年(平成16年)
|
[JR 6]1,951
|
[* 15]
|
2005年(平成17年)
|
[JR 7]1,925
|
[* 16]
|
2006年(平成18年)
|
[JR 8]1,871
|
[* 17]
|
2007年(平成19年)
|
[JR 9]1,803
|
[* 18]
|
2008年(平成20年)
|
[JR 10]1,695
|
[* 19]
|
2009年(平成21年)
|
[JR 11]1,678
|
[* 20]
|
2010年(平成22年)
|
[JR 12]1,531
|
[* 21]
|
2011年(平成23年)
|
[JR 13]1,407
|
[* 22]
|
2012年(平成24年)
|
[JR 14]1,414
|
[* 23]
|
2013年(平成25年)
|
[JR 15]1,467
|
[* 24]
|
2014年(平成26年)
|
[JR 16]1,414
|
[* 25]
|
2015年(平成27年)
|
[JR 17]1,427
|
[* 26]
|
2016年(平成28年)
|
[JR 18]1,344
|
[* 27]
|
2017年(平成29年)
|
[JR 19]1,367
|
[* 28]
|
2018年(平成30年)
|
[JR 20]1,335
|
[* 29]
|
2019年(令和元年)
|
[JR 21]1,290
|
[* 30]
|
2020年(令和02年)
|
[JR 22]946
|
|
2021年(令和03年)
|
[JR 23]999
|
|
2022年(令和04年)
|
[JR 24]1,046
|
|
2023年(令和05年)
|
[JR 1]1,107
|
|
駅周辺
駅東口は昔からの市街地を形成しており、中小商店街が連なる。東口から真っ直ぐ道を進むと前原海岸に突き当たる。駅西口は鴨川バイパスが開通してから開発された地区であり、イオン(フローレ鴨川)が立地する。
-
駅東口側周辺(2017年5月)
-
駅西側ロータリー(2018年5月)
-
-
-
バス路線
その他
- 太海駅 - 当駅間は強風の影響を受けやすく、しばしば速度規制や運転中止になる。
- かつて駅舎には「なぎさの湯」を用いた足湯が設けられていたが、2007年の夏頃に撤去されている。
隣の駅
※外房線の特急「わかしお」、臨時特急「新宿わかしお」の隣の停車駅は列車記事を参照されたい。
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- ■外房線
- 安房天津駅 - 安房鴨川駅 - (内房線)
- ■内房線
- 太海駅 - 安房鴨川駅 - (外房線)
脚注
記事本文
出典
利用状況
- JR東日本の2000年度以降の乗車人員
- 千葉県統計年鑑
参考文献
- 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 31号 内房線・外房線・久留里線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年2月21日、5-23頁。
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
安房鴨川駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク