中央競馬実況中継 (日経ラジオ社)
『中央競馬実況中継』(ちゅうおうけいばじっきょうちゅうけい)は、日経ラジオ社(ラジオNIKKEI)が中央競馬開催日(原則として毎週土曜日・日曜日。一部例外あり)に放送しているラジオ番組である。 概要ラジオNIKKEIは旧社名「日本短波放送」だった1956年(昭和31年)10月27日の東京競馬から、中央競馬の実況中継を開始した[2][1]。 当時、関東地区の競馬中継は八大競走のみNHK(『NHK競馬中継』)や日本文化放送協会(NCB、現:文化放送(QR)。『中央競馬メインレース中継』)などで行われていたが、継続的な競馬中継番組は他になく、発足したばかりの日本中央競馬会(JRA、当時はNCK)の全面的なバックアップのもと、競馬場や場外馬券売場でも流されるようになった。1965年(昭和40年)4月3日より、第2放送で西日本主場のレース放送を開始[2][3]。1980年(昭和55年)頃までに中央競馬全10場の公式実況を日本短波放送の音声に統一して現在に至る。東西主場をメインに、第三場も含めた中央競馬全レースを実況生中継している[4]。 テーマ音楽は過去3回変わっている。番組開始当初から2005年までは行進曲「我らの指揮者」、2006年にオリジナルのテーマ音楽に代わり、2014年には開局60周年を機に、番組のテーマ音楽をリニューアル。向谷実が作曲したオープニングテーマ「ビクトリー・ロード」、及びエンディングテーマ「日はまた昇る」を第81回東京優駿(日本ダービー)の開催週より使用開始した[5]。 また、2014年はJRAも創立60周年となることから、両者のコラボレーション企画として、JRA60周年記念競走が行われる競馬場での開催週にトークショーを実施[6]。これを再構成した特別番組も放送された[7]。 番組のタイトル2006年に「中央競馬実況中継」に統合される前までは、午前中(概ね土曜 12:00 - 13:25、日曜 9:50 - 13:15頃まで)は「ラジオたんぱ競馬中継」として放送された。なお1989年4月から開始した土曜 9:50 - 12:00の放送は当初から「中央競馬実況中継」と題されている。[要出典] 番組タイトルの統合後も、「午前の部」と「午後の部」とで放送構成を分けているのは、この時間別のタイトル制定があった名残である。[独自研究?] 放送時間中央競馬の開催日(原則として土曜・日曜)に放送。時間は変更される場合がある。
番組開始当初は午後の部(13時台)からのみであったが[3]、その後日曜日は9:50スタートに変更された。土曜は株式市況放送が終わるのを待って12時前後から放送していたが、1989年(平成元年)4月改編で土曜日の株式市場が完全休場日[注 1]になるのに合わせる形で日曜と同じパターンで放送されるようになった[8]。 さらに2002年(平成14年)1月から9:30スタートに変更され、東日本主場が冬時間またはGI当日でも第1レースのパドック解説から放送可能になる。 なお、radikoでは、2016年10月から試験配信中のタイムフリー配信[注 2]に対応するため、番組表の上での時間割を午前の部(9:30 - 12:00)、午後の部前半(12:00 - 15:00)、午後の部後半(15:00 - 番組終了まで)の3パートに分けている。 放送時間の例外薄暮開催の当該日については放送時間の変更が行われる。東京優駿開催日は、第1放送の放送時間を45分拡大し17:30まで、第2放送は発走時刻の調整により9:50 - 17:05と20分ずらして放送が行われる。2024年は暑熱対策の一環で夏の新潟開催のうち、7月27日〜8月4日分で薄暮開催が行われる事になったため、第1放送の放送時間を9:00 - 18:45にずらして放送が行われる(第2放送は通常通り)。 また正月開催、及び荒天中止による代替競馬や続行競馬が平日に行われる場合は、第1放送が経済関連番組(『マーケットプレス』。2009年までは株式市況中継)を優先する関係で、第2放送で開催場の全競走を放送する[注 3]。祝日を含む3日間開催の3日目は原則土曜の出演者・体裁に準ずるが、3場での3日間開催で、1日2場ずつの日程が組まれる場合は、開催が行われない地区の放送が休止となる場合もある。なお自然災害などにより、土曜日、日曜日の開催が取り止めとなった場合でも基本的に第1・2別内容だが、開催されている側の競馬場のレース中継を全レース行う。 さらに、冬季開催期間中であるジャパンカップ(11月最終日曜日)、有馬記念(12月第4日曜日)の開催日は、それまでは場内の混雑緩和のため、第1競走の発走時刻が通常と同じ時間帯ながら、1日の発走レース数を10-11レースに制限された(2005年までの日本ダービー開催日も含む)が、現在は1日の発走を一律12競走立てとするようになったため、日没時刻の関係により前倒しで発走されるようになった関係(上記2競走当該日は第1競走の発走を通常より30分程度早める)もあり、その日の第1放送の中継はその第1競走のパドック解説から放送できるようにするため、9時から開始する。 また、2020年7月25日から8月9日までの期間は、当初2020年東京オリンピックの開催への協力と、西日本を中心とした猛暑の避暑対策として、基から中京以西の関西地区での中央競馬の開催予定を組んでいなかったため、本来は東日本地区扱いとして、第1放送で放送している札幌競馬場(当初は函館競馬場開催予定)については、第2放送で全編放送した。ただし、第2放送の進行パートについては通常の西日本地区の開催に準じて、大阪・大手前の大阪支社(現:関西支社)スタジオから生放送し、適宜札幌競馬場にマイクを切り替えてパドック解説・レース実況を行うというパターンを採った[9]。2021年以降も暑熱対策(同年は東京五輪の延期による協力の意味も含む)として7月4週と8月1週の西日本主場の開催が最初から設定されなくなり、同様に北海道(札幌ないしは函館)での開催分を全編第2放送で中継し、進行パートも大阪支社と、適宜現地の放送席をつなぐ形で放送が行われている。2024年からの新潟競馬場の暑熱対策による薄暮競走開催日は、12時から14時40分の新潟競馬場の中断時間を利用して、第1・2放送双方とも、大阪支社と札幌競馬場の二元放送を行っている。 放送するレース
インターネット配信短波放送のほか、以下のインターネットサービスでも聴取可能。radikoのみ無料でそれ以外は有料となる。
ネット局出典:「テレビ中継・ラジオ中継・テレビ成績ダイジェスト(日本中央競馬会)[13]」 第1放送をネット
第2放送をネット
メインレース実況のみをネット
実況音声を使用するテレビ局
一部のレースで実況音声を使用するテレビ局
過去のネット局
過去に実況音声を使用した局
レギュラー解説者出典:「『中央競馬実況中継』番組ブログ[15]」 基本的に午前(第1部)・午後(第2部)で出演する解説者を入れ替える。パドック実況の解説者は、第1放送・関東主場の場合は午前中(概ね第1 - 4競走)、午後の前半(第5 - 8競走)、午後の後半(第9競走以後)の3シフト、第2放送・関西主場は午前中(概ね第1 - 5競走)と午後(第6競走以後)の2シフトでの交代制となっている。なお関西主場のパドック実況を担当する解説者のうち、2018年3月まで日曜日の開催[注 16]については辻が終日1人で担当していた。また基本2交代制の土曜日であっても、夏季ローカル時に1名が終日担当することもある。 なお札幌・函館開催時の第8レース前後の『北海道シリーズコーナーその2』[注 5]については、道内で発行されるスポーツ紙(サンケイスポーツ[注 17]、日刊スポーツ、スポーツ報知、スポーツニッポン、東京スポーツ[注 18]、デイリースポーツ[注 19])から派遣されている記者が週替わりで担当する。 第1放送(東日本)専門紙記者(第1放送)本紙予想・看板評論家だった飯田正美の引退に伴い、2022年7月から土日ともに午後正面解説が日ごとの持ち回りとなった。 →「日刊競馬 § 放送メディアとの関係」も参照
看板評論家だった松本憲二の引退により2019年1月から土曜午前メイン解説を開催単位[16]の持ち回りで担当。また日刊競馬OB宮崎秀一の引退に伴い2021年1月からは土日とも午後のパドック解説が研究ニュース・勝馬のメンバーと共に日ごとの持ち回りとなった。 →「ケイバブック § 競馬中継番組における関係の変化」も参照
→「研究ニュース § 放送系メディアとの関係」も参照
スポーツ紙等記者(第1放送)
その他(第1放送)
過去に担当した解説者(第1放送)専門紙記者(第1放送・過去)
スポーツ紙・一般紙記者およびOB(第1放送・過去)
その他(第1放送・過去)第2放送(西日本)専門紙記者(第2放送)
永井の時間帯移動に伴い2022年1月8日放送分より土曜・日曜午前正面解説を週替わり持ち回りで担当。さらに永井・森本の退任に伴い2024年1月7日から日曜午後正面解説も研究ニュース関西のメンバーと共に週替わりで担当。
2023年までは土曜午後パドック解説、2024年から土曜午後を除く正面解説もブック関西のメンバーと共に週替わり持ち回りで担当。ただし土曜午後パドック解説は週により荒木が代役に入ることもある。
スポーツ紙等記者(第2放送)特記がない者は主に日曜午前正面解説及び土曜日午前中、日曜日のパドック解説を不定期に担当する。
→「サンケイスポーツ § 放送系メディアとの関係」も参照
特記がない者はラジオ関西『GOGO競馬サタデー!』兼務。
その他(第2放送)
過去に担当した解説者(第2放送)専門紙記者(第2放送・過去)
→「競馬ニホン § 放送系メディアとの関係」も参照
スポーツ紙等記者(第2放送・過去)
その他(第2放送・過去)アナウンサー現在の担当は以下のとおり[25]。なおレース実況はJRA公式実況であるため、新人アナウンサーのデビュー直後や場内でのイベント開催時など一部の例外を除き競馬場・ウインズなど競走開催・馬券発売施設内での情報提供、BS11(『BSイレブン競馬中継』『うまナビ!イレブン』)、グリーンチャンネル(『中央競馬全レース中継』)、BSフジ(『BSスーパーKEIBA』)の実況にもそのまま使われている。また、ラジオNIKKEIとグリーンチャンネルはアナウンサーの共有契約をしており、ラジオNIKKEIスポーツ情報部所属のアナウンサーがグリーンチャンネルに出演する場合は、事前に会社上層部の許諾を得る必要はない。 →「日経ラジオ社 § アナウンサー」も参照
東西主場[注 37]では基本的に担当するアナウンサーは最大4人でローテーションを組みレース実況を担当していたが、2010年代中頃までに新人アナウンサーの育成など余程の事情がない限り、東西共に1レースから6レースまでと、7レースから最終レースまでの2人シフトで運行する日がほとんどとなった[26]。第三場開催がある場合は2人のアナウンサーが出張し、どちらか1人が実況する間もう一人はサポート業務を行う。 いずれの場合でも、実況シフトに載っていないアナウンサーはMC席の進行、またはレポーターのみ担当する。 なお東京本社所属のアナウンサーのうち、大関、木和田、小林、小塚、山本直については、実況ないし進行役を担当しない日に週替わりで『BSイレブン競馬中継』のスタジオアシスタントを務めることがある。 →詳細は「BSイレブン競馬中継 § アシスタントアナウンサー」を参照
実況担当実況アナウンサーは2000年代以降、フリーに転向した者も含めて基本的に自社生え抜きまたは自社運営の『レースアナウンサー養成講座』を修了した経験者のみとしている。養成課程を経ていないフリーアナウンサーは一切実況に起用しない[注 38]。 東京本社
関西支社(2022年6月27日まで大阪支社)
関西支社(中京・小倉の第3場開催も含む)常駐担当者のうち、実況が可能なのは檜川と三浦の2人のみのため、遊軍勤務の中野も含めて本社から週に1 - 2人の応援が入る。特に西日本第三場開催がある場合、日によっては主場の実況担当者が2人とも応援者となるケースもある。 パドックアシスタント・進行担当第1放送(東日本 パドックアシスタント)
第2放送(西日本 パドックアシスタント)
過去に担当したアナウンサー→「日経ラジオ社 § 過去に所属していたアナウンサー」も参照
実況アナウンサー
パドックアシスタント・進行担当
JRA職員による実況1956年の立ち上げ当初は、日本短波放送の局アナ以外にJRA(当時はNCK)報道室の職員が実況をしたこともある[47][注 44]。
番組内で放送される主なコーナー出典:「『中央競馬実況中継』番組ブログ[15]」 第1・2共通
第1放送のみ
第2放送のみ
過去のコーナー
イレギュラー放送ラジオNIKKEIの音声はJRA公式実況であるため、代替競馬、続行競馬など開催自体がイレギュラーとなった場合も第2放送で全レース中継する(前述)。それ以外でも民放他系列やNHKへのネット、配信が稀にある。
→「GOGO競馬サタデー! § イレギュラー放送」も参照
→詳細は「NHK競馬中継 § 概要」を参照
また、2024年はJRAとラジオNIKKEIがともに70周年記念となることから、8月2・9・16・23・30日の毎週金曜21時から21時30分に全5回からなる特番「競馬放送事始め」(ナビゲーター:長岡一也、アシスタント進行:山本直(第1・2話)、大関隼(第3-5話))が放送された[48]。 ラジオNIKKEIで放送するその他の競馬関連番組
脚注注釈
出典
外部リンク
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