平成14年台風第15号

台風第15号(Rusa)
カテゴリー4の タイフーンSSHWS
衛星画像(8月29日)
衛星画像(8月29日)
発生期間 2002年8月23日0時 - 9月1日0時 (UTC)
寿命 9日間
最低気圧 950 hPa
最大風速
(日気象庁解析)
80 kt
死傷者数 死者・行方不明者246人
プロジェクト : 気象と気候災害
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平成14年台風第15号(へいせい14ねんたいふうだい15ごう、アジア名:Rusa[1])は、2002年8月に発生し、韓国に大きな被害をもたらした台風である[2][3][4]

概要

進路図

2002年8月23日に、日本のはるか南東で台風15号が発生し、アジア名「ルーサー(Rusa)」と命名された。命名国はマレーシアで、マレー語で「シカ」を意味する。台風は26日に、父島の南東海上で大型で強い勢力となった。その後徐々に北西に進路を変え、29日に奄美大島北部を通過。次第に北へ進路を変えて東シナ海を進み、31日15時頃に韓国南西部の全羅南道付近に上陸した[5]。上陸時の中心気圧は960hPa、最大風速は35m/sであった[5]。その後は北北東に進路を変えて、9月1日に同半島の東岸にて熱帯低気圧に変わった[6]

影響・被害

この台風は韓国を中心に大きな被害をもたらし、朝鮮半島では2日間で少なくとも900mmの豪雨となった[7][5]。この豪雨により,韓国西部の江原道、慶尚北道などで特に大きな被害となり[7]、同国では死者151人、行方不明者33人、浸水家屋27,562棟、損壊家屋9,086棟、道路や橋の被害1,820ヶ所などとなっており、被害額はは450億ドル程度と推定されている。死者数で見ると、1998年7月31日~8月2日前後の前線豪雨によって生じた、死者・行方不明者およそ400人以来の規模となり、韓国の最近30年間の主要な豪雨災害としては(当時)、1972年8月 (死者672人)、1977年7月 (死者297人)、1987年7月(253人) に次ぐ規模とも見られるほか、被害額で見ると過去最大という報道もある[7]

また日本でも、この台風の影響で、負傷者12人(重傷者4人・軽症者8人)、全壊1棟、半壊10棟、一部損壊126棟、床上浸水105棟、床下浸水275棟といった被害が出た[6][8]。川陵では最大期間降水量が870.5mmに達し、期間最大瞬間風速は高山で56.7m/sとなった[9]。また、鹿児島県枕崎市で最大瞬間風速47.5m/sを記録した[10]。そして、後に局地激甚災害に指定された。

この台風による死者・行方不明者は合計で246人となった[9]

その他

この台風のアジア名である「ルーサー(Rusa)」は、この台風限りで使用中止となり、次順からは「ヌーリ(Nuri)」というアジア名が使用されることになった。

脚注

  1. ^ 韓国土砂災害 調査団 - 砂防・地すべり技術センター”. 2022年9月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月28日閲覧。
  2. ^ 韓国:台風第15号・ルーサー(Rusa) - JAXA/EORC”. 2020年5月28日閲覧。
  3. ^ 台風被害、風水害被害、台風、風水害、災害救援募金”. www.bo-sai.co.jp. 2020年5月28日閲覧。
  4. ^ 2002年災害事故事例”. 2020年5月28日閲覧。
  5. ^ a b c Newsletter No.27 2002年台風RUSA(15号)による韓国豪雨災害”. www.dpri.kyoto-u.ac.jp. 2020年5月28日閲覧。
  6. ^ a b 平成30年台風第19号と類似した経路の過去の台風”. mizu.bosai.go.jp. 国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門. 2020年4月24日閲覧。
  7. ^ a b c 2002年8月韓国豪雨災害”. web.archive.org (2017年3月13日). 2020年5月28日閲覧。
  8. ^ デジタル台風:台風200215号 (RUSA) - 災害情報”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年5月7日閲覧。
  9. ^ a b 韓国へ6年ぶりに台風上陸か 台風19号による暴風雨の危険が高まる”. ウェザーニュース. 2020年5月28日閲覧。
  10. ^ 天気図保存館(1号館)”. webcache.googleusercontent.com. 2020年5月28日閲覧。

外部リンク