関東鉄道石岡営業所関東鉄道石岡営業所(かんとうてつどういしおかえいぎょうしょ)は、茨城県石岡市行里川に所在する関東鉄道のバス営業所である。営業所略記はIS。 営業エリアは石岡市、鉾田市を中心とした地域で、水戸市や土浦市等にも乗り入れる。また、東京駅発着の高速路線バス「あそう号」も担当するほか、2007年3月31日限りで廃止となった鹿島鉄道線の代替バスを担当している。 運行する路線エリアは主に農村部などを走るローカル線が多いが、水郷潮来、水戸(偕楽園など)、霞ヶ浦ふれあいランド、いばらきフラワーパーク、茨城空港など沿線に観光地も多く、高速バスや筑波山シャトルバス(増発時の一部便を担当)といった比較的収益性の高い路線にも進出している特徴がある。また、常陸國總社宮大祭(石岡のおまつり)、おみたま花火大会、百里基地航空祭など、営業エリアで行われる巨大催事にも観覧客輸送などに当営業所のバスが運行を担当する。 ここでは、2001年から2005年まで存在した関鉄メロンバス、2002年から2024年まで存在した関鉄グリーンバスについても記述する。 現行路線石岡営業所営業所は茨城県道52号石岡城里線沿いの石岡市街地の北の外れにある。石岡営業所の路線は主にかしてつバス、石岡~土浦、石岡~柿岡などを結ぶ中距離系統をメインに運行する。路線バスの営業エリアは主に石岡市、小美玉市、かすみがうら市、土浦市である。 一般路線バスかしてつバス・茨城空港連絡バス
林線
旧・柿岡営業所のメイン路線。茨城県道7号石岡筑西線(通称・柿岡街道)をメインに走行する。平日日中は概ね30分~60分おきに運行されている。平日一日一往復のみ通常の八幡通り経由ではなく石岡二高入口経由で運行。石岡駅~柿岡車庫間の運行が基本で、一部便が石岡車庫発着となり、さらにその先ヒルズガーデン美野里へは一日2往復のみ乗り入れる。毎年7月の柿岡のおまつり(八阪神社祇園祭)開催時は柿岡地内の一部が、毎年9月の常陸國総社宮大祭開催時は鹿の子東 - 石岡駅間が迂回運行となる[3]。八郷庁舎を経由する便も一部存在したが、2024年4月1日改正で廃止[4]。 柿岡・土浦線県南自動車学校~柿岡までの区間は茨城県道64号土浦笠間線をメインに走行する。かつては朝の柿岡行き1便は上志筑始発だった。八郷庁舎を経由する便も一部存在したが、2024年4月1日改正で廃止[4]。 石岡・土浦線
水戸街道(国道6号など)を経由して石岡と土浦を結ぶ系統。土浦発朝の1便は石岡二高行き、夕方1便が石岡二高前始発。途中の枝線部分であるつくば国際大学東風高等学校へは朝夕のみ乗り入れ。ヒルズガーデン美野里~石岡車庫間は平日のみ土浦駅行きが2便、ビルズガーデン美野里行きが1便のみ運行。 柿岡・土浦線、石岡・土浦線(区間便)
石岡線、柿岡線の土浦側の区間便。平日夜の最終便のみ土浦営業所が運行。 板敷山・羽鳥線(石岡市代替バス)
石岡市八郷地区北部の各地区を結ぶ路線。1995年4月1日にジェイアールバス関東から移管される形で開業しており、現在に至るまで石岡市代替バスという位置づけになっている。2008年3月までは恋瀬小学校前止まり。同年4月より板敷山前まで路線延長して運行。夕方の板敷山前行き1便は恋瀬小学校前始発。 筑波山シャトルバス
一部便のみ運行を担当する。 期間限定路線石岡・やさと観光周遊バス
2022年4月1日運行開始。当路線のルーツは2010年に石岡駅~筑波山方面への新規路線計画を行ったが、東日本大震災発生に伴い計画中止。その後2021年秋に本計画を参考に東筑波観光シャトルバスを運行し、2022年4月より現行の石岡・やさと観光周遊バスとなった[5]。高速石岡東から「みと号」、「TMライナー」で連絡できる。この路線のみ休日1日IC乗車券対応外である。 コミュニティバス千代田神立ライン霞ヶ浦広域バス
→「霞ヶ浦広域バス」も参照
小美玉市コミュニティバス(おみたん号)2013年(平成25年)から実証実験運行されていた市内循環バス・地域循環バスを再編して2021年(令和3年)年より本格運行開始。このタイミングから、関鉄グリーンバス直営で実質的なスクールバスだった「先後〜堅倉小学校〜三箇坂下」線もコミュニティバスの一路線として編入された。 日野・ポンチョ4台が専属で運行する。小美玉市役所を中心に、羽鳥駅や小川駅・玉里総合支所といった市内の各方面を結び、一部便は石岡市内の高浜駅まで運行する。西ルート以外は平日のみ運行、西ルートは平日と日曜に運行。土曜は全路線運休。[6]
鉾田車庫営業所は鹿島鉄道線鉾田駅跡地に隣接している。鉾田車庫の路線は主にかしてつバス、茨城空港連絡バス、鉾田~水戸、鉾田~石岡などを結ぶ長距離系統をメインに運行する。路線バスの営業エリアは主に鉾田市、水戸市、小美玉市、石岡市、茨城町、行方市、潮来市である。営業所略記はHK。 一般路線バス海老沢線、茨城町役場・水戸線鉾田営業所のメイン路線。かつては平日日中毎時1本運行されていたが、2024年現在は2.5往復の運用となっている。途中、枝線である茨城町役場を経由する[8]。かつては城ノ内原止まりの区間便も存在した。
2020年(令和2年)8月24日運行開始[9]。鉾田線と茨城空港線の水戸側の区間便。それまで運行していた水戸駅 - 奥ノ谷坂上線の内、水戸営業所が運行する一部便を除く全便の起終点を変更する形で運行開始した。2024年の改正で平日日中の当所発着便が大幅に増便された。茨城町役場でのバス転回は茨城町総合福祉センターゆうゆう館前で行う。関東鉄道の路線と全線重複する。 大和田線
平日1往復のみ運行。水戸駅行きは朝1便のみ。鉾田行きは夕方1便のみ。かつては奥ノ谷坂上発着便や高校入口まで延長運行する便も存在した。 百里基地・茨城空港線
休日片道1便のみ運行。百里基地でイベントが開催される日は運休となる。 茨城空港・水戸線
水戸駅と茨城空港の間は関東鉄道、茨城交通による高速バスの運行もあるが、本系統は全区間一般道を経由する各停便である。ほとんどの便が終点の茨城空港で小川・石岡方面(茨城空港連絡バス 石岡ルート)へのバスと接続できるダイヤとなっている。かつては茨城空港から先小川駅まで直通していたが、2018年7月の改正で全便が茨城空港発着となり、小川・石岡方面は茨城空港で乗り換えとなった。2019年3月までは昼の1便のみ水戸駅からさらに吉沢車庫まで延長運行する便も存在した。 かしてつバス・茨城空港連絡バス
新道・奥ノ谷線
行方市・潮来市 広域連携路線バス『鹿行北浦ライン』
高速路線バスあそう号沿革
茨城空港⇔東京駅線
関東鉄道より一部便の運行を受託。東京駅は乗り場が八重洲南口3番、降車場が日本橋口。 廃止・移管路線石岡本社営業所(廃止路線)かつては石岡駅を起点に石岡市内の各住宅地を結ぶ路線の他、水戸方面や、岩間方面、上曽峠を越えて真壁方面まで路線を展開していた。
柿岡営業所(廃止路線)関鉄グリーンバス移管前に廃止
関鉄グリーンバス移管後に廃止
鉾田営業所(廃止路線)かつては鹿嶋方面、大洗町方面にも路線を展開していた。
交通系ICカードPASMOを導入[23][24][25] しており、一部を除く各線でPASMO並びに相互利用カード(Suica・Kitaca・TOICA・manaca・PiTaPa・ICOCA・nimoca・SUGOCA・はやかけん)が利用可能となっている。バス車内でチャージも取り扱う。
車両関鉄グリーンバスの車両構成は、石岡本社営業所がいすゞ車、柿岡営業所が日野車、鉾田営業所は三菱車が主体である。社番は関東鉄道から引き継いだバスは関東鉄道時代のまま。分社後に配置された新車・移籍車はG001〜[26][27] となっていたが、2018年度より、グリーンバスに配置された車両に関しては新たに5000番台が付番されることになった[28]。 登録ナンバーは石岡営業所が土浦ナンバー、鉾田車庫が水戸ナンバーである。 石岡営業所の車両関鉄グリーンバス分社化前からいすゞ車の配置が多く、かつて石岡市内線は道路の幅員が狭かった関係で中型のCCM・CDMが多く配置され、大型は水戸・土浦系統などに使用されていた。 2002年7月1日より、分社化に伴い水戸への乗り入れがなくなり、当所の大型車はすべて関東鉄道水戸営業所または関東鉄道土浦営業所へ転出した[29]。 中型のいすゞLRは大半がIKコーチ(→いすゞバス製造を経て現・ジェイ・バス)製のボディを架装するが、1999年(平成11年)に波崎営業所から富士重工業6Eボディ(1527IS)が1台転入した。 一方で中古車は一時期、取手営業所から転属した川崎鶴見臨港バスからの1台(9037IS)が在籍していたが、これは日本観光バス(現・関鉄観光バス)へ転出した。2002年秋に京浜急行電鉄(現・京浜急行バス、羽田京急バスなど)から1台(G5001)が、2004年に千葉内陸バスから2台(G5006,G5007)が転入した。千葉内陸からの中古車配置時には、石岡営業所の最古参車が1990年(平成2年)式の1527ISだったことから廃車が発生せず、代わりに三菱MK1台といすゞLR1台がそれぞれ鉾田へ転出した。 その後2006年秋に京浜急行バスからLV1台(G5016)が転入、そして2007年春には鉾田から元京浜急行バス2台(G5018,G5019)が転入し、鹿島鉄道代替路線に充てられている。 2010年3月には「かし鉄バスデザインプロジェクト」(鉾田営業所の項目を参照)の新デザインカラーを纏ったいすゞ・エルガミオノンステップバス(G5046〜G5048)を3台導入。鹿島鉄道代替バス及び茨城空港線にて専ら運用されているが、2020年にG5047は鉾田営業所に転出した。 2013年には小美玉市内循環バスが運行開始されるのに伴い、日野・ポンチョを新車として導入、つくバスから三菱ふそう・エアロミディMEが転属し、専用カラーで運行されている。2015年には地域循環バスが開業し、トヨタ・ハイエースを2台導入した。 2017年には水海道営業所から9317MKが転属。また、古参車両の置き換えに京成バスから9442G、9452G、9453G、9455G、9463Gが石岡営業所に配置された。 高速車は2017年現在定期路線を開設していないため在籍していない。特定車は前述の小美玉市循環バス・地域循環バスの他、企業送迎車3台、石岡市の自治体バス4台、常総学院スクールバス2台、小美玉市のスクールバスが在籍する。かつては石岡市の巡回デマンドバスも在籍していた。 柿岡営業所(廃止)の車両関鉄グリーンバス分社化前から日野車の配置が多かった。自社発注車は1995年(平成7年)式の日野RJ、1710KKが入ったのを最後に、分社後の2003年にいすゞ・エルガミオワンステップバス(G5002)が入るまで8年間、新車導入がなかった。 その一方で、1985年(昭和60年)の国際科学技術博覧会(科学万博)開催時に導入されたいわゆる「万博車」は分社時点では日野HT1台(1290KK)、いすゞLVが3台(1317KK,1318KK,1325KK)在籍していた。2003年夏にワンステップバスおよびちばシティバスからの中古車導入(G5003,G5004)でHT1台とLV2台が置き換えられた。 その後、2005年に岩瀬〜つくばセンター間の急行バスが運行されることに伴い、過去に特定運用車として使用していたつくば北と鹿島の日野RJ(前向きハイバックシート仕様)(1522G,1619G)それぞれ1台が移籍し、主に急行専用に充てられていた。 2006年春には京成タウンバスからの移籍車(G5012)が導入されたことに伴い、柿岡で最後まで残っていた「万博車」が廃車された。 2011年9月15日をもって、柿岡営業所は廃止。廃車車輌以外の車輌は全て石岡本社営業所へ異動となった。なお、柿岡営業所は関東鉄道で廃車となったバス車両が一時留置される場所でもある。 鉾田車庫の車両関鉄グリーンバス分社化前から三菱車の配置が多かった。鉾田車庫の路線は狭隘道路を走る箇所が多く、大型よりも中型車の配置が多く、さらにローカル線になると、北村製作所製のボディを架装するいすゞMRが使用されていた。 このいすゞMRは関東鉄道の一般路線では鉾田・鹿島に多く配置され、水戸方面の路線には原則として入ることはなく、主に鉾田〜潮来、鹿島方面に多く入っていた。 中古車はかつて西武バスから富士重6Eボディを架装する日産ディーゼル工業(当時、現「UDトラックス」)RMが在籍していたが[30]、すべて土浦営業所からの転入車だった。これらの車両は関鉄メロンバス分社前にすべて廃車された。 メロンバス分社後は1983年(昭和58年)式いすゞCDM(1222M)置き換え用として大利根交通自動車からの移籍車であるいすゞLV(M001→G5009)が登場し、その後千葉交通からいすゞLR(M002→G5010)が転入した。このLRは当初、関鉄パープルバスに配置される予定だったが、諸事情により鉾田への配置となった。さらに2003年夏には三菱エアロスターK (MP)の置き換えで、大利根交通から富士重7Eボディを架装するいすゞLV(M003→G5011)が転入した。 2004年にはいすゞCDM、三菱MPの置き換えに石岡から2台(1560M、1577M)が転入した。2005年には鹿島方面路線の大幅廃止に伴う減車で、いわゆる「古参車」数台が廃車された。 2006年に鉾田では初の京成バスから移籍した路線車(G5013)および高速車(G5014)が配置された。京成バスからの高速車の移籍は関鉄グループ全体でも初の事例である。同年秋には京浜急行バスからIK架装のいすゞLVが3台(G5017~G5019)配置された。 2007年は鹿島鉄道廃止代替路線用に国際興業バスからいすゞLV4台(G5023~G5026)を当所に配置し、京浜急行バスからのいすゞLVのうち2台(G5018,G5019)は石岡へ転出した。また、2008年にはグリーンバス初の高速新車が1台(G5030 いすゞ、PKG-RU1ESAJ)導入された。 2010年2月には、鹿島鉄道線廃線跡のバス専用道化事業のPRの一環として、「かし鉄バスデザインプロジェクト」による新デザインバス2両(元JR東海バス G5044・G5045)が運行開始した[31]。こちらは石岡営業所のエルガミオとは異なり路線限定運用はされておらず、水戸方面への路線運用に入るケースも多かったが、2018年に土浦から転属してきたエルガ2台(9388G・9389G)に置き換えられ、現在[いつ?]は全廃となっている。 2010年4月にはちばグリーンバスからいすゞ・キュービックワンステップバス(G5054)が移籍し、同年12月には名古屋市交通局から日産ディーゼル・RM(G5055)を移籍導入。前述の「かし鉄バスデザインプロジェクト」の新デザインを纏って運行している。 2014年には東急バスから西工ボディーの日デ・JP(G5067)が配置された。その後2016年には潮来地区で広域バス開業に伴い関東バスから三菱・MJノンステ(G5075)が配置された。2018年春には水戸営業所の新車増備や鹿島・波崎地区の車両更新に伴い、日デ・RMワンステと三菱・MJノンステが当所に移籍配置された。 高速車はあそう号やかしま号臨時便に使用されている。また、2023年に茨城空港~東京駅線の運行受託に伴い、13列65座席仕様のエアロエース(2232MT)が関東鉄道水戸営業所より転籍。 所有車の車両番号について(先頭記号は、初期配属時の所属営業所を示す)
関鉄グリーンバス
関鉄グリーンバス株式会社(かんてつグリーンバス、英: Kantetsu Green Bus Co., Ltd.)は、主に茨城県でバス事業を営んでいた関鉄グループ・京成グループの会社である。関東鉄道100%出資の連結子会社であり、京成電鉄の連結孫会社にあたる。 概要関東鉄道の経営効率化の一環で、2001年6月1日に初の地域子会社として鉾田営業所を分離・独立させた関鉄メロンバスが設立される。次いで、石岡・柿岡地区の地域子会社として、2002年に関鉄グリーンバスが設立された。営業エリアは石岡市を中心とした地域で、土浦市等にも乗り入れたほか、2005年には先行分離・設立された関鉄メロンバスの経営統合に伴い、鉾田市などの鹿行(ろっこう)地域も受け持ったため、水戸市から土浦市、つくば市までの広範囲に路線を拡げていた。また、東京駅発着の高速路線バス「あそう号」も担当したほか、2007年3月31日限りで廃止となった鹿島鉄道線の代替バスを担当していた。 運行する路線エリアは主に農村部などを走るローカル線が多いが、水郷潮来、水戸(偕楽園など)、霞ヶ浦ふれあいランド、いばらきフラワーパーク、茨城空港など沿線に観光地も多く、高速バスや筑波山シャトルバス(増発時の一部便を担当)といった比較的収益性の高い路線にも進出している特徴があった。また、常陸國總社宮大祭(石岡のおまつり)、おみたま花火大会、百里基地航空祭など、営業エリアで行われる巨大催事にも観覧客輸送などに当社のバスが運行を担当した。 沿革
営業所
脚注
関連項目
外部リンク |