滋賀県道・京都府道3号大津南郷宇治線(しがけんどう・きょうとふどう3ごう おおつなんごううじせん)は、滋賀県大津市松原国道口交点を起点に京都府宇治市宇治橋西詰交点に至る主要地方道(滋賀県道・京都府道)である。
概要
天ケ瀬ダムのダム湖を眼下に臨む観光コースのほか、国道1号の大津方面と国道24号の奈良方面とをショートカットする路線である。大津市と宇治市を2車線の道路で結ぶ。以前は、起点から瀬田川(淀川)右岸の南郷を経て鹿跳橋付近までは国道422号と重複していたが、2022年3月29日、国道422号の付け替えにより、起点から瀬田川令和大橋西詰までが国道との、同地点から鹿跳橋西詰までが滋賀県道29号瀬田大石東線との重複区間となった。鹿跳橋以降は単独区間となり、瀬田川峡谷の外畑・曽束を経て京都府域に入り、天ケ瀬ダムや平等院付近を経て宇治市市街地に至る。
路線データ
路線状況
大津市南郷から鹿跳橋に至る区間は1960年(昭和35年)までに幅8 m(メートル)に拡幅・舗装された区間で、それまでは狭隘でバスも走行しづらい道路であったという。
天ケ瀬ダムの補償工事の一環として、県道大津上野線(現:国道422号)や一般県道宇治田原大石東線などと同様に付替工事が実施された。県道大津南郷宇治線(当時の県道宇治瀬田線)はダムの補償工事の一環で建設され、合計5工区に分けて建設された。宇治川(淀川)の渓谷に沿った山岳道路として、道路構造令における第3種の道路として施工された。この時の設計速度は35 km/h(キロメートル毎時)で、幅員は5.0 mが基準とされた(ただし、ダムの工事用資材搬入路となる部分は6.0 m)。道路の建設費用はダム工事費と道路改良費との合併施工である。
ダムの建設以前は通行不能で荒廃した状態であった。そのため、宇治川ラインの観光客が大津市と宇治市を行き来する場合は、外畑と大峯ダム(天ケ瀬ダム建設により水没)の間を遊覧船で移動していた。この遊覧船は道路開通後も外畑と天ケ瀬ダムの間を結んでいたが、1976年(昭和51年)に廃止された。
橋梁
当路線の主な橋梁を記載する(出典は特記がない限りより)。いずれも橋格は1等橋、設計荷重はTL20として建設されている。
- 生図橋
- 橋長 : 50.0 m
- 幅員 : 6.0 m
- 型式 : 活荷重合成鋼鈑桁橋
- 宇近川橋
- 橋長 : 70.0 m
- 幅員 : 6.0 m
- 型式 : 活荷重合成鋼鈑桁橋
- 曽束大橋
- 橋長 : 109 m
- 幅員 : 6.0 m
- 型式 : 中路式2鉸鋼拱橋
- 天ケ瀬ダムのダム湖を横断するもので、補償工事で設置される橋梁の中では最も長大なものである。河床は厚さ6 - 7 mの砂礫層があったため約110 mの距離を1スパンで架橋しなければならなかった。拱型式(アーチ式)が採用された理由は、両岸に良質な地盤があるため橋台が小さくでき、コストや景観の上でも問題ないと判断されたからである。この付近の瀬田川(淀川)は急流のため、江戸時代にはこの付近の両岸を行きかうには手繰りの渡り船が利用されていた[9]。この渡り船は曽束村の仕事で村民が交代で受け持ったが、船が壊れた時は膳所藩が新船を作っていた。天ケ瀬ダムの完成で渡し場は水没して交通の便は途絶えたが、曽束大橋の完成によってこの間の交通が復活した[9]。
- 宵待橋
- 橋長 : 70.0 m
- 幅員 : 6.0 m
- 型式 : 主径間台型ラーメン鋼桁橋
重複区間
歴史
地理
通過する自治体
交差する道路
沿線にある施設など
脚注
- ^ a b “大津のかんきょう宝箱 曽束大橋(大石曽束町)”. 大津市環境部環境政策課. 2019年6月2日閲覧。
- ^ “道路法第五十六条の規定に基づく主要な都道府県道及び市道 (昭和29年建設省告示第16号)”, 官報 (国立印刷局) 号外第2号: pp. 1-28, (1954年1月20日)
- ^ 昭和29年6月9日滋賀県告示第270号
- ^ “府道路線の認定(昭和30年京都府告示第867号)”, 京都府公報 (京都府) 第2937号: pp. 1354-1355, (1955年10月18日)
- ^ 大津市『新修大津市史』 第9巻 南部地域、大津市、1986年11月29日。
参考文献
- 天ケ瀬ダム建設誌編集委員会『天ケ瀬ダム建設誌』近畿地方整備局、1966年3月31日。
- 「大石のあゆみ」編集委員会『大石のあゆみ』大津市大石学区自治連合会大津市旧大石村合併二十周年記念事業開催委員会、1970年4月29日。
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 25滋賀県』角川書店、1979年5月4日。
関連項目
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主要地方道 |
001 - 097(京都府道) | |
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181 - 188(京都市道) | |
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一般府道 |
101 - 143 京都市内 | |
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201 - 213 乙訓(旧向日町地方振興局) | |
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241 - 256 山城北(旧宇治地方振興局) | |
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281 - 284 山城北(旧田辺地方振興局) | |
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321 - 328 山城南(旧木津地方振興局) | |
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361 - 370 京都市内・南丹(旧京北地方振興局) | |
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401 - 409 南丹(旧亀岡地方振興局) | |
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441 - 455 南丹(旧園部地方振興局) | |
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481 - 494 中丹東(旧綾部地方振興局) | |
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521 - 533 中丹西(旧福知山地方振興局) | |
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561 - 571 中丹東(旧舞鶴地方振興局) | |
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601 - 626 丹後(旧宮津地方振興局) | |
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651 - 673 丹後(旧峰山地方振興局) | |
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701 - 711(兵庫県越境路線) | |
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731 - 736(大阪府越境路線) | |
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751 - 754(奈良県越境路線) | |
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771 - 772(福井県越境路線) | |
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781 - 783(滋賀県越境路線) | |
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801 - 803(自転車道) | |
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凡例 |
- 数字は路線番号を示す。
- 打ち消し線は廃止された路線を示す。
- 空白は路線番号が使用されたことがないことを示す。
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