京都市道183号衣笠宇多野線(きょうとしどう183ごう きぬがさうたのせん)は京都府京都市北区衣笠街道町(金閣寺前交差点)から同市右京区宇多野福王子町(福王子交差点)に至る主要地方道である。沿線に金閣寺、龍安寺、仁和寺といった名刹を抱える観光道路であり、きぬかけの路(きぬかけのみち)の愛称がつけられている。
概要
別名は鞍馬口通、木辻通、一条通。1963年(昭和38年)に開通して以来「観光道路」と呼ばれていたが、1991年(平成3年)に地元の運動により愛称を公募した結果、第59代宇多天皇が真夏に雪見をしたく、衣笠山(=きぬかけの山)に絹を掛けたと伝えられる故事[1]にちなんで「きぬかけの路」と命名された[2][3]。
2008年(平成20年)に建立された石碑は有馬頼底(臨済宗相国寺派管長)によって揮毫された[3]。
当初の通称「観光道路」から明らかなように、著名な寺院などの観光地を連絡しており、観光シーズンには観光バスや自家用車などで混雑する。
沿道には観光客向けの土産物店や飲食店が並ぶ。地域有志により「きぬかけの路推進協議会」が組織され、沿道を含めた地域の環境保全や活性化のための活動が行われている[2]。
2014年にはこの道のゆるキャラ、平安貴族の妖怪をモチーフとしたきぬか怪(ケ)さんが誕生した。[4]
この区間は毎年行われる京都マラソンのコースの一部になっている。[5]
路線データ
京都市公報[6]に基づく起終点および経過地は次のとおり。
歴史
本路線は、道路法(昭和27年法律第180号)第56条の規定に基づき、京都市道の鞍馬口通、木辻通、馬代通、笠屋町通、仁和寺東門通の各一部を主要な市道として1954年に指定された[7]。愛称である「きぬかけの路」は、沿線の有力寺院や自治会の関係者および有識者からなる「愛称公募委員会」が公募ののち、1249点の応募の中から選定したものである。
年表
地理
通過する自治体
交差する道路
沿線
脚注
注釈
- ^ 1955年9月1日に上京区から北区が分区し、以降は北区に所属。認定当時は上京区に所属。
- ^ 現在の国道162号。1954年の衣笠宇多野線主要地方道指定当時、国道162号は福王子交差点から一条通、西大路通を経て国道9号(五条通)に合していた。
出典
- ^ 『山州名跡志』(白慧(坂内直頼) 撰、1711年)
- ^ a b ぴいぷる きぬかけの路推進協議会 - 歴史街道推進協議会(2013年8月30日閲覧)
- ^ a b c d e f きぬかけの路推進協議会 - きぬかけの路公式サイト(2015年6月3日閲覧)
- ^ 市民しんぶん右京区版2月15日号 4面 - 京都市右京区役所(2015年6月3日閲覧)
- ^ 京都マラソン - 京都マラソン公式サイト
- ^ a b “道路法第八条の規定に基く主要地方道路線認定(昭和29年3月11日京都市告示第127号)”, 京都市公報 (京都市) 第1713号: p. 94, (1954年3月11日)
- ^ a b “道路法第五十六条の規定に基づく主要な都道府県道及び市道(昭和29年1月20日建設省告示第16号)”, 官報 (国立印刷局) 号外第2号: pp. 1-28, (1954年1月20日)
- ^ “府道路線の認定(昭和45年3月31日京都府告示第172号)”, 京都府公報 (京都府) 第4413号: p. 216, (1970年3月31日)
関連項目
外部リンク