プログレスM-05M
プログレスM-05Mはロシア連邦宇宙局が国際宇宙ステーション(ISS)の補給のために2010年4月に打ち上げたプログレス補給船。NASAではProgress 37Pなどと称される[1][2]。補給船にはISSクルー用の新しい食料や物資が積まれていた。プログレスM-05Mは菓子類、本、映像類など特別なクルー用の慰安物資を積んでいた[3]。 打ち上げプロブレスM-05Mは2010年3月19日に列車でバイコヌール宇宙基地に運ばれた[4]。輸送後、すぐに電子部品とクルスドッキングシステムの初期点検が始められ[5]、3月29日に完了した[6]。続けて行われた試験は4月1日から3日にかけて音響室を利用して行われた[7][8]。その後、真空チャンバーで漏出検査が行われた[8]。4月19日にミッションのための燃料注入が行われ[9]、同月21日に打ち上げアダプタに接続された[10]。その後4月22日、ペイロードフェアリングへの封入前の最終検査が行われた[11]。その後4月24日にロケットに搭載するためMIK(組み立て・格納施設)に運ばれた[12]。4月26日に打ち上げ台まで運ばれた。 打ち上げは、2010年4月28日17時15分(UTC)にバイコヌール宇宙基地1/5からソユーズ-Uロケットで行われた[13]。 ドッキング3日間の飛行のあと[14]、5月1日18時30分(UTC)にM-05MはISSのピアースとドッキングした[15][16]。ランデブー操作の途中、ステーションから数キロメートルまで近づいた際、クルスドッキングシステムが正常に作動せず、オレッグ・コトフが手動でのランデブーとドッキングのためバックアップ用のTORUドッキングシステムを利用しており、これはプログレス補給船の手動制御での飛行の最長記録となっている[17][18]。 なお、M-05Mの計画にあわせて、2010年4月22日にピアースのドッキングポートからプログレスM-03Mが離脱している[19]。 ドッキング解除M-05Mのドッキング解除に向け第25次長期滞在のフライトエンジニアフョードル・ユールチキンが10月22日にステーションとプログレスの間のハッチを閉め、漏出検査を行い、分離の準備を完了させた。 M-05Mは2010年10月25日までドッキングを継続した[20]。10月25日14時25分(UTC)にピアースからドッキングを解除し離脱した[21]。 ドッキング解除により、同年10月27日にバイコヌールから打ち上げられるプロブレスM-08Mにドッキングポートが空けられ、10月30日にM-08Mがピアースにドッキングしている。 軌道離脱M-05Mはドッキング解除後、より低い起動に移動され、ステーションから安全な距離で3週間軌道を周回した。この自動飛行でM-05Mの崩壊までの間ロシアの科学者は地球物理学的実験を行うことができた。 2010年11月15日、プログレスM-05Mは軌道を離脱し南太平洋のニュージーランドから千kmほど東に落下した[22]。M-05Mのエンジンはオンボードコンピューターで作動し、8時50分(UTC)から逆噴射が行われ、メインエンジンが186.2秒作動し、89.7メートル毎秒のブレーキ噴射が行われた。再突入時の燃え残りは、9時35分(UTC)ごろ南緯47度57分、西経220度44分の位置に落ちたとされる[23]。 註
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