『USA』(ユーエスエー)は、キング・クリムゾンの2作目のライブ・アルバム。1974年4月から7月までの間に行なわれたアメリカ・ツアーの音源を収録しており、彼等が同年10月に解散した後、1975年4月に発表された。
解説
1974年10月、キング・クリムゾンはロバート・フリップ(ギター、メロトロン)、ジョン・ウェットン(ベース、ヴォーカル)、ビル・ブルーフォード(ドラムス、パーカッション)の顔ぶれでアルバム『レッド』を発表すると同時に解散した。翌1975年、フリップはキング・クリムゾンの管理会社だったEGマネージメントと話し合って、『レッド』の制作の前にデヴィッド・クロス(ヴァイオリン、メロトロン)を含む4人編成で行なったアメリカ・ツアーのライヴ・アルバムを発表することを決めた。
フリップはウェットンに協力を要請し、2人は一週間に渡って毎日6時間、オリンピック・スタジオでツアーからの録音を聴き、1974年6月28日のアズベリー・パーク公演と同月30日のウィルミントン公演の録音を選んだ。そしてEGマネージメントが管理していたロキシー・ミュージックのエディ・ジョブソン(ヴァイオリン、キーボード)[注釈 1]を招いて、「太陽と戦慄パートII」(28日収録)と「21世紀のスキッツォイド・マン」(30日収録)のヴァイオリンと「人々の嘆き」(28日収録)のピアノのダビングを任せた。
コンサートのオープニング曲だった「太陽と戦慄パートII」の冒頭には、フリップがブライアン・イーノと共同制作したアルバム『ノー・プッシーフッティング』(1973年)の収録曲「ヘヴンリー・ミュージック・コーポレーション」の一部がテープで再生されている。
現在、ロバート・フリップの主宰するレコード会社「ディシプリン・グローバル・モービル」の公式サイトで、このライヴのオーヴァーダブ前の音源が有料配信されており、コレクター音源としてCD化もされた。
2013年に40周年記念盤のCD+DVDが発売された。CDには編集前のアズベリー・パーク公演の新ミックスが、DVDには編集前のアズベリー・パーク公演、2002年にCD化された際の『USA』音源が収録された。
収録曲
Side 1
- 太陽と戦慄パートII – LARKS' TONGUES IN ASPIC PART II
- Fripp
- 人々の嘆き – LAMENT
- Fripp, Wetton, Palmer-James
- 放浪者 – EXILES
- Cross, Fripp, Palmer-James
Side 2
- アズベリー・パーク – ASBURY PARK
- Cross, Fripp, Wetton, Bruford
- イージー・マネー – EASY MONEY
- Fripp, Wetton, Palmer-James
- 21世紀のスキッツォイド・マン – 21st CENTURY SCHIZOID MAN
- Fripp, McDonald, Lake, Giles, Sinfield
30th Anniversary Editionに追加収録
- 突破口 – FRACTURE
- Fripp
- スターレス – STARLESS
- Cross, Fripp, Wetton, Bruford, Palmer-James
メンバー
クレジット
- David Cross – Violin and Keyboards
- Robert Fripp – Guitar and Mellotron
- John Wetton – Bass and Voice
- William Bruford – Percussives
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- Remix assistance
- Eddie Jobson, Violin on 'Larks' Tongues' 'Schizoid Man' and piano on 'Lament'
- George Chikiants recording engineer throughout
- Recorded live by the Record Plant N.Y.C. June 1974
- Mixed at Olympic Studios, London
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- Road Team
- Peter Walmsley, Chris Kettle, Tex Read, Harvey Baker, Nick Bell
- Cover – Nicholas de Ville
- Typography – Bob Bowkett, C.C.S.
- Photography – Willie Christie
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With thanks to Atlantic Records, Island Records, Premier Talent and Chrysalis
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Our special thanks to Dik Fraser
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A Crimson Production for E.G. Records.
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R.I.P.
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脚注
注釈
- ^ ウェットンはキング・クリムゾンの解散後、ロキシー・ミュージックの準メンバーとして彼等のツアーに参加していた。
出典
引用文献
- Smith, Sid (2019). In the Court of King Crimson: An Observation over Fifty Years. Panegyric. ISBN 978-1916153004