杉本 和陽(すぎもと かずお、1991年9月1日 - )は、日本将棋連盟所属の将棋棋士である。東京都大田区出身[1]。攻玉社中学校・高等学校卒業[2]。米長邦雄永世棋聖門下。棋士番号は310。
棋歴
将棋を始めたのは6歳のとき。きっかけはアマチュア二段の父が指しているところを見て覚えたという[2]。
2002年、第1回全国小学生倉敷王将戦高学年の部で優勝[3]。
2003年、第28回小学生将棋名人戦で優勝[4]。同年9月に奨励会入会。
三段リーグには2008年の第44回から参加。8期目の第51回三段リーグ戦では後1勝で昇段、というところまで迫るも届かなかった。13期目の第56回三段リーグ戦では、3位になったことで次点を獲得した。16期目の第59回三段リーグ戦でも後1勝で昇段、というところまで迫ったが、再び届かず。そして17期目の第60回奨励会三段リーグ戦、2017年3月4日に行われた例会最終日で連勝し、12勝6敗・2位となったことで、遂に四段への昇段を決めた[5][注 1]。
プロ入り後
デビューの2017年度は第3期叡王戦の四段予選決勝まで勝ち上がったが、藤井聡太に敗戦し本戦進出ならず。
2018年度、初の順位戦(第76期順位戦)では4勝6敗となり、降級点の回避に成功した(以降の順位戦は、2022年現在まで勝ち越し続けている)。NHK杯では予選突破するも、本戦1回戦で斎藤慎太郎に敗れる。
2019年度は第32期竜王戦にて、昇級者決定戦を1回戦から怒涛の7連勝で制し、5組への昇級を決めた。
棋風
師匠
入門時および現在での公式の師匠は米長邦雄であり、米長の最後の弟子でもある。米長が「どうしても最後に弟子に取りたい」として杉本を入門させたという[9]。
奨励会に在籍していた2012年12月18日に米長が亡くなった際、米長門下の筆頭弟子であった伊藤能門下となったが、その伊藤が2016年12月25日に死去してしまい、さらに米長門下の二番弟子であった中川大輔門下となった経緯を持つ。しかし、2017年に四段昇段でプロ入り後は、日本将棋連盟の慣習に従い、米長門下という扱いになっている。
人物
- 趣味はバスケットボール[5]。 ※四段昇段時インタビューより
- 昇段インタビューでは「三段リーグで戦っていた期間が長くて、応援していただいた人の顔が浮かび、感極まりました。」と涙を拭う仕草を見せた[10]。
- 対局時にはウィダーインゼリー(現名称・Inゼリー)を食べる[2]。
- 2020年1月、前年に一般女性と結婚していたことを発表した[11]。
昇段履歴
昇段規定は、将棋の段級を参照。
主な成績
在籍クラス
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始 年度
|
(出典)順位戦
|
(出典)竜王戦
|
期
|
名人
|
A級
|
B級
|
C級
|
0
|
期
|
竜王
|
1組
|
2組
|
3組
|
4組
|
5組
|
6組
|
決勝 T
|
|
1組
|
2組
|
1組
|
2組
|
2017
|
76
|
|
|
|
|
|
C250
|
4-6
|
31
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
2-2
|
2018
|
77
|
|
|
|
|
|
C235
|
6-4
|
32
|
|
|
|
|
|
|
6組
|
--
|
7-1
|
2019
|
78
|
|
|
|
|
|
C220
|
7-3
|
33
|
|
|
|
|
|
5組
|
|
--
|
1-2
|
2020
|
79
|
|
|
|
|
|
C208
|
6-4
|
34
|
|
|
|
|
|
5組
|
|
--
|
1-2
|
2021
|
80
|
|
|
|
|
|
C215
|
8-2
|
35
|
|
|
|
|
|
5組
|
|
--
|
3-2
|
2022
|
81
|
|
|
|
|
|
C207
|
7-3
|
36
|
|
|
|
|
|
5組
|
|
--
|
4-1
|
2023
|
82
|
|
|
|
|
|
C205
|
7-3
|
37
|
|
|
|
|
4組
|
|
|
--
|
|
2024
|
83
|
|
|
|
|
|
C208
|
|
38
|
|
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。
|
年度別成績
公式棋戦成績
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2017
|
40 |
25 |
15 |
0.6250 |
[14]
|
2018
|
43 |
24 |
19 |
0.5581 |
[15]
|
2019
|
44 |
27 |
17 |
0.6136 |
[16]
|
2020
|
31 |
17 |
14 |
0.5483 |
[17]
|
2017-2020 (小計)
|
158 |
93 |
65 |
|
|
年度 |
対局数 |
勝数 |
負数 |
勝率 |
(出典)
|
2021
|
42 |
28 |
14 |
0.6666 |
[18]
|
2022
|
41 |
28 |
13 |
0.6829 |
[19]
|
2023
|
34 |
19 |
15 |
0.5588 |
[20]
|
2021-2023 (小計)
|
117 |
75 |
42 |
|
|
通算
|
275 |
168 |
107 |
0.6109 |
[21]
|
2023年度まで
|
脚注
注釈
- ^ 同時昇段の西田拓也は、杉本が優勝した第28回小学生名人戦のベスト4で、三段リーグ在籍期間(17期)、四段昇段時の年齢(25歳)が同じであった。
出典
外部リンク
日本将棋連盟所属棋士 ( 現役棋士 および 2024年度引退棋士) |
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タイトル 保持者 【九段 6名】 【七段 1名】 |
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九段 【26名】 | |
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八段 【33名】 | |
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七段 【45名】 | |
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六段 【27名】 | |
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五段 【21名】 | |
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四段 【15名】 | |
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2024年度 引退棋士 |
- 九段 青野照市 (2024年6月13日 引退)
- 八段 室岡克彦 (2024年6月18日 引退)
- 八段 中座真 (2024年6月19日 引退)
- 七段 伊奈祐介 (2024年5月10日 引退)
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現役棋士 全174名(2024年11月6日時点、日本将棋連盟所属) / △は2024年度の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧を参照 |
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竜王 | |
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1組 【 ▼降級 4名 】 | |
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2組
| |
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3組
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4組
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5組
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【在籍 31名(棋士30名・奨励会員1名) / 定員 32名 (欠員1) 】
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6組 【 △昇級 5名 】 |
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次期から出場 |
- 2025年4月昇段者(2-3名)
- 2025年10月昇段者(2-3名)
- (いずれも第39期からの出場)
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★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照。 |
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名人 | |
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A級 | |
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B級1組 | |
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B級2組 | |
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C級1組 | |
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C級2組 | |
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フリー クラス
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| 宣言 | |
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棋戦限定 出場 | |
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2024年度 引退者 |
- 伊奈祐介 (2024年5月10日 引退)
- 青野照市 (2024年6月13日 引退)
- 室岡克彦 (2024年6月18日 引退)
- 中座真 (2024年6月19日 引退)
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次期から の出場者
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フリークラスからの昇級者 | |
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2024年10月1日昇段者 | |
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先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字は在籍可能残り年数(2024年度開始時点) B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点2回で降級、C級2組は降級点3回で降級) 詳細については将棋棋士の在籍クラスを参照 |