日曜落語 〜なみはや亭〜『日曜落語 〜なみはや亭〜』(にちようらくご なみはやてい)は、1997年10月より朝日放送ラジオ(ABCラジオ)で毎週日曜日の午前中に放送されている演芸番組である。実際には放送時間が数回にわたって変更されていて、2024年4月7日以降は放送枠を8:30 - 9:00に編成している(詳細後述)。 席亭(司会)は伊藤史隆(朝日放送→朝日放送テレビアナウンサー)で、プロデューサーは戸谷公一(朝日放送→朝日放送ラジオ)。構成は日沢伸哉(2009年に亡くなるまで担当)。 概要上方落語で活躍中の落語家や故人の演目を中心に、1 - 2席の音源を放送。放送回によっては、東京落語の噺家が取り上げられることや、ゲストの落語家とのトークだけで終わることもある。 本編では、「上方落語をきく会」「神戸新開地・喜楽館 元気寄席」などの落語会[1]で収録した音源や、朝日放送ラジオの「落語ライブラリー」に所蔵されている音源(昭和時代初期のSPレコードに収録された音源など)を中心に放送。「上方落語をきく会」の開催が決まった場合には、出演する落語家や日程・チケットの発売要項をエンディングで伊藤が伝えているほか、番組独自で公開録音を実施することもある。 オープニング・エンディングに流れるお囃子(オープニングは「せり」を使用)は、4代目林家染語楼、内海英華らが担当。大きな襲名や訃報[2]があった際、すみやかに当人の特集が組まれるのが特徴で、1時間前後にわたって演じられた「大ネタ」については、音源を2回(「前半」と「後半」)に分けて放送する措置を講じている。 「席亭」の伊藤は2023年3月31日付で朝日放送テレビの正社員定年(60歳)を迎えたため、放送上は同月26日まで正社員として出演。同年4月1日(土曜日)付で嘱託扱いの「シニアアナウンサー」へ移行したことを機に、上方落語の定席の1つである神戸新開地・喜楽館(詳細後述)の初代支配人にも就任した。当番組では喜楽館の支配人へ就任することを2023年3月19日放送分でいち早く公表していて、就任翌日(4月2日)以降の放送でも、「喜楽館からのお知らせ」を適宜交えながら「席亭」を続けている。 なお、制作局の朝日放送(ラジオ)では、(2020年を除く)毎年8月の上旬から下旬にかけて全国高等学校野球選手権本大会の中継を放送。伊藤は朝日放送(テレビ)の正社員時代から、スポーツアナウンサーとして、テレビ・ラジオの中継で実況やインタビューを担当している。当番組では基本として事前に収録した音源を放送しているが、高校野球本大会の開会式が日曜日の午前8 - 9時台に催される場合や、日曜開催分の第1試合の開始時刻がこの時間帯に設定されている場合(4試合開催日)には放送を休止。大会の期間中に「休養日」を少なくとも1日組み込むようになった2013年以降は、日曜日が大会の休養日に充てられることが確定した場合に、当番組を通常と異なる編成で放送している。 放送時間2009年10月からは8:20 - 9:00。8:30 - 9:00の時期を経て、2011年4月10日からは9:00 - 9:40の放送時間に変更。2015年11月から2021年3月28日までは、9:00 - 9:30に放送されていた。 2017年12月31日には、本編を15分拡大[3](3代目桂春團治「親子茶屋」と、2018年2月に4代目春團治を襲名する桂春之輔とのスタジオトークを放送)の上、同日深夜(2018年1月1日)には『なみはや亭 新春興行』(25:30 - 28:35。radiko上では27:00で一区切り)と題し、前半は桂吉弥「地獄八景亡者戯」(2017年1月21日の「第115回上方落語をきく会」夜の部で1本目に放送)および笑福亭銀瓶(2018年1月20日の「第116回上方落語をきく会」夜の部で「しごきの会」に挑戦)とのスタジオトーク、後半は笑福亭三喬(2017年10月に7代目松喬を襲名)「らくだ」(先述「第115回上方落語をきく会」夜の部で2本目に放送)と6代目笑福亭松鶴「正月丁稚」を放送した。 2018年8月19日は、第100回全国高等学校野球選手権記念大会の休養日に設定されていたことから、レギュラー番組の穴埋めとして拡大放送(8:40 - 9:30。radiko上では9:00で一区切り)が設定され、前半は同年9月1・2日開催の彦八まつりで実行委員長を務める3代目桂春蝶へのインタビュー、後半は桂ざこばと6代目三遊亭円楽へのインタビュー(伊藤の仕事の都合により、先輩アナウンサーの三代澤康司が聞き手を担当)を放送した。 2021年1月には、3日(日曜日)にレギュラー放送を休止する[4]一方で、2日(土曜日)の7:30 - 8:00に『なみはや亭 新春興行』を編成した[5]。4月4日放送分から、レギュラー枠での放送時間を9:00 - 9:45に変更(15分拡大)。第104回全国高等学校野球選手権大会最後の休養日に設定されていた8月21日には、2018年の休養日と同じ事情で1時間版(9:00 - 10:00)を編成している[6]。 2023年には、1月1日が日曜日に当たることから、『なみはや亭 新春興行』を同日の9:00 - 10:00に放送。スタジオゲストは林家菊丸で、菊丸の落語も2本流した。その一方で、4月30日以降は『ドッキリ!ハッキリ!三代澤印です』(月 - 木曜日午前中の生ワイド番組『ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です』から派生した事前収録番組)が不定期で9:30 - 9:45に編成されているため、このような編成が講じられた週には当番組の放送枠を9:00 - 9:30へ戻していた。 2024年4月7日からは、『竹内弘一のなにがナンでも!』(元・KBS京都アナウンサーの竹内弘一が毎回、桂南光が月に3回程度、桂米紫が南光に代わって月に1回出演する収録番組)が毎週日曜日の9:00 - 10:00に放送されることに伴う措置で、当番組のレギュラー放送枠を8:30 - 9:00に変更。これを機に、スミリンケアライフの単独提供番組へ移行している。ちなみに伊藤は、朝日放送ラジオ限定で流れるスミリンケアライフのスポットCMおよび、平日14時の時報前に流れる同社のCMでアナウンスを2023年から担当。当番組でも、同社の提供期間中には、伊藤のアナウンスによるCMを終盤に流している。 なお、2024年7月7日放送分では、『なにがナンでも!』との連動企画で全編を構成。南光・竹内・伊藤による鼎談を前半、米紫による「兵庫船」(2020年2月11日に開催された「第118回 ABCラジオ上方落語をきく会」初日からのアーカイブ音源)を後半に放送した。もっとも、伊藤が鼎談の収録後(当番組の本編を収録する直前)に新型コロナウイルス感染症への罹患で体調を崩したため、伊藤から同年1月1日付で「神戸新開地・喜楽館アンバサダー」を委嘱されていた桂紗綾(朝日放送テレビの正社員アナウンサー)が「席亭代行」という肩書で本編を進行。桂紗綾はタイトルコールも任されていたが、伊藤は体調の回復を経て、翌週(7月14日放送分)から当番組の「席亭」に復帰している。 第106回全国高等学校野球選手権本大会期間中の2024年8月18日には、大会最初の休養日に充てられていたことから、当番組の放送枠を拡大したうえで『なみはや亭 夏休み特別興行』(7:45 - 8:25)とレギュラー版(8:30 - 9:00)の2部構成で放送している。当番組が休養日の発生にこのような構成で対応したのは、『ABCニュース』・『ABC天気予報』(日曜早朝分)の放送枠が、2024年の4月改編から(高校野球選手権本大会の4試合開催日と箱根駅伝の中継日を除いて)8:25 - 8:30で固定されていることによる。ちなみに、レギュラー版には通常編成と同じくスミリンケアライフが提供していたが、『夏休み特別興行』はスポンサーを付けずに放送した。 ネット局北陸放送(MROラジオ)でも毎週日曜日9:30 - 10:00に放送されていた(ネット開始・終了時期不明)。 過去の放送内容・演目1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
なみ1グランプリ入門10年以内の若手噺家が、優勝特典である「上方落語をきく会」昼の部本編のトップバッターの座を競う公開落語会。2014年より、12月下旬にDAIHATSU MOVE道頓堀角座(2016年まで)→ABCホール(2017年より)で開催され、翌月の当番組にて放送されている(基本的に毎週2組ずつ放送)。 出場者☆:優勝、△:「きく会」昼の部開口一番、▽:「きく会」夜の部開口一番
リモート公開録音日本国内で新型コロナウイルスへの感染が拡大している2020年5月には、Zoom (アプリケーション)を活用した「リモート公開録音」を初めて実施。笑福亭銀瓶、桂ひろば、桂福丸、桂治門の出演と、「席亭」の伊藤による進行で収録した音源を、同月31日から数週にわたって放送している。上記の影響による定席・ホールの休業などで落語家が活動の機会を失っていることや、寄席スタイルによる通常の公開録音を休止せざるを得ないことを背景に実現した企画で、実施に際してはZoomで動画を鑑賞できる通信環境を備えたリスナーを募集。抽選で50人をZoom上に「招待」したうえで、朝日放送グループ本社内の和室に控えた落語家が、和室内のモニターから「招待客」の反応を見ながら高座を務めた。 当番組のプロデューサーである戸谷は、「客の反応を感じながら(噺を)演じてもらいたい」「(前述した)現状を『記録』として残すとともに、今後のために『実験』もしておきたい」との意向から「リモート公開録音」を企画。高座の最中に落語と「招待客」の反応を別々に収録してから、双方の音源を編集で組み合わせたうえで放送しているという[9]。 神戸新開地・喜楽館と連携したイベント神戸新開地・喜楽館では、伊藤のプロデュースによる「プロ野球応援ウィーク」(NPBで特定の球団の大ファンであることを公言している落語家が一堂に会するイベント)を、朝日放送ラジオによる協力の下で2021年から毎年(セ・パ交流戦やポストシーズンの期間中か前後に1週間)開催。このイベントで披露された演目や、伊藤と芦沢誠(朝日放送テレビのシニアアナウンサー)が中入り後に日替わりで進行する「プロ野球応援トーク」(応援する球団やリーグが互いに異なる2人の落語家も同席するトークセッション)を収録した音源の一部を、開催期間の終了後に当番組で放送している。 ちなみに、芦沢は朝日放送テレビに在籍したまま、桂紗綾と共に2024年1月1日付で伊藤から「神戸新開地・喜楽館アンバサダー」を委嘱。第7回の「プロ野球応援ウィーク」(2024年6月24日 - 30日の昼席)に際しては、27日(木曜日)開催分(司会は芦沢)・28日(金曜日)開催分(司会は伊藤)を対象に、「プロ野球応援トーク」のダイジェスト音源を朝日放送ラジオが最終日(30日)終演後(21:30 - 22:15の「日曜スペシャル」枠内)の『なみはや亭特別興行 神戸新開地・喜楽館 プロ野球応援ウィーク』で放送した。 また、伊藤の支配人就任を機に、「神戸新開地・喜楽館AWARD」(上方落語協会に所属する入門15年目から25年目までの落語家が対象の落語コンクール)を朝日放送ラジオとの共催イベントとして2023年から開始。当番組では、希望するリスナーを抽選で招待したうえで審査を委ねる「予選会」の公開収録を毎年秋(9月か10月)に実施したうえで、喜楽館の「夜席」(夜間の有料興行)として催される「決勝」の生中継を毎年12月の第1日曜日(3日)に「特別番組」扱いで放送[10]。「予選会」が終了してから「決勝」の当日までは、「決勝」への進出者が「予選会」で披露した演目の同録音源を順次流している。なお、第1回ではマルエスが冠スポンサーに付いたことから、当番組も2023年10月8日放送分から同年内の最終回(12月31日放送分)まで「マルエスの単独提供番組」として編成。第2回(2024年)では、伊藤と桂紗綾の出演で「予選会」最終日(10月9日)の結果発表後に館内で収録した音源を、翌週(同月13日)に当番組の後半で放送した。 脚注
関連項目
|
Portal di Ensiklopedia Dunia