桂九雀
桂 九雀(かつら くじゃく、1960年12月2日 - )は広島県広島市出身の落語家。本名は 人物幼少のわずかの期間を生まれた広島で過ごした。 名古屋市立有松小学校(緑区)卒業後、大阪府箕面市へ転居。 中学(箕面市立第三中学校)以降は大阪在住で、大阪府立箕面高等学校を卒業。 1979年3月1日に2代目桂枝雀に入門。同年6月4日の「雀の会」での「東の旅発端~煮売屋」にて初舞台。 1984年4月 - 1985年2月、大阪市北区の太融寺にて「九雀パフォーマンス」という自身の落語会を6回開催。 1990年頃、大阪梅田の映画館「シネマヴェリテ」にて「九雀のらくごヴェリテ」という21:30スタートのレイトショーを不定期に開催。 1995年前後「九雀の可能性」という3席全てネタおろしという勉強会を開催。 高座名の「九雀」から、平成9年9月9日に始めた「九月九日九雀の日」をトリイホールで、それ以外の月は、2001年8月から豊中市立伝統芸能館で投げ銭制の落語会を行っていた。会名は「毎月九日(時々お休み)九雀の日」「毎月九日頃九雀の日」「月並み(^_^)九雀の日」と変わっていった。現在は、豊中市岡町のライブハウスで、「アビリーンで九雀の日」として、不定期に開催している。 「アビリーン九雀の日」では、開演前に、一番太鼓の代わりに「一番クラリネット」、二番太鼓の代わりに「二番ギター」。さらに「クラリネット練習曲に名前を付けよう」というお遊びをしてから、開演となる。さらに落語三席の後に「勝手にアンコール」と称して、歌ったり、クラリネットを演奏したり、やりたい放題の2時間を勤める。 2005年より始めた、複数で演じる新しい形の落語「噺劇」にも取り組む。 噺劇は考案当初は「しんげき」と読ませていたが、2011年10月公演から「はなしげき」と言う読み方になった。 米朝事務所に長年所属していたが、2020年で離れてフリーとなった。 1996年に立ち上げた個人事務所・(有)落語工房での活動も行っていたが、2011年9月15日発行の「九雀月報」で2011年末に(有)落語工房を清算することを発表した。またその号をもって「九雀月報」も廃刊である旨記載されている。 1994年、桂枝雀一門が上方落語協会を脱会した際に脱会したが、2008年12月17日、同門の雀三郎、雀松、む雀(以上、枝雀門下)、雀喜、雀五郎、雀太(以上、雀三郎門下)とともに協会へ復帰した。む雀は脳溢血の後遺症で右半身と言語に障害が残るため、高座に上がることはなく、天満天神繁昌亭で鳴物を担当している。その際、九雀が補佐として必ず同行している。 まぐまぐにて「九雀通信」というメールマガジンを不定期で発行している(無料)。 2012年5月28日発行の「九雀通信」で「持ちネタ総入れ替え」を宣言。 過去の持ちネタを捨て、新しいネタに取り組むことを発表した。 出囃子は「楽しやな」。フォークシンガー北村謙の作曲。元々は「北村謙一座」のテーマ曲として作られた曲で歌詞もある。 「楽しやな、楽しやな、京の北野の上七軒に(ここは場所に応じて変わる)、愉快な一座のお目通り。 落語の合間にクラ吹いて、おまけに時々ホラを吹く、昭和生まれの大正ロマン。 粋にかけては日本一、桂九雀と申します。」 2席やる場合の出囃子は「スカイツリー音頭」。歌うスタンダップコミック・寒空はだかの作曲。九雀自ら寒空に許可を貰って使っている。 3席目の出囃子は「うそ」。シンガーソングライター西沢和弥の作曲で、これも許可を貰い使用している。 趣味の将棋(箕面高校将棋部出身)はアマチュア三段の腕前。かつて発行していた「九雀月報」には、毎号、自作の詰将棋を発表していた。 月刊「詰将棋パラダイス」では、2010年4月号の表紙に採用され、初入選を果たした。図面がその作品。15手詰。 また日本女子プロ将棋協会発行の「詰め将棋カレンダー」には2010年、2011年、2012年、2013年と連続して作品が掲載されている。 上方落語協会に将棋部を立ち上げて活動も行っており、「繁昌亭名人戦」という将棋部員による落語会を繁昌亭夜席で企画していた。 演劇公演がきっかけで始めたクラリネットでは、プロミュージシャンとの共演も増え、今や、仕事の一部となっている。 1993年から始まった京都・南座での「歌舞伎鑑賞教室」(毎年4月開催・2010年は2月開催)では、第1回から2015年の第23回まで、解説をつとめていた。 寄席三味線方の高橋まき(1968年 - )は妻。長男・青空(1999年 - )は、2007年からマジシャンとして舞台へ上がっていたが、今はやっていない。 「いきなり!(^^)!九雀の日(大阪府豊中市)」と「上方落語九雀亭(東京都江東区)」では、2014年から、客席の明かりを暗くしてやるようになった。 さらに2017年から、登場退場の際、観客が拍手することを禁じるようになった。 しかし「いきなり九雀の日」は2019年から、「九雀亭」は2020年から、拍手解禁になった。 自分のスケジュールを「働く九雀」というカレンダーで公開している http://www.rakugokobo.jp/hataraku-kujaku.html 自身の高座やコラムなどで、長男・青空の不登校を公表していたが、2015年4月、高校へ進学した。 私生活でも和服を着用していることが多い。 2016年、弟子・桂九ノ一が入門。 2017年、妻・高橋まき(お囃子方)の弟子だった岡野鏡が、九雀門下に編入する形で、弟子になった。 2020年、弟子・桂九寿玉が入門した。 2020年7月の「九雀通信」(まぐまぐ)で、定年を宣言。以後は「趣味」で落語をやることにしている。 2020年末をもって、米朝事務所を退所し、フリーで活動している。 持ちネタ番外を除いて297あるが、増え続けるので、正確な数は、わからない。 ネタ数の豊富さは上方落語界では屈指。古典を型通りやるもの。古典に新しい解釈、手法、落ちなど新味を加えたもの。新作。復活もの。と多岐にわたる。 2012年5月28日発行のメールマガジン「九雀通信」で、持ちネタを全て捨て、総入れ替えをする旨、表明。それ以前の持ちネタを「第1期・持ちネタ」。以降に手掛けたものを「第2期・持ちネタ」と呼称していた。但し、本人曰く「今となっては、どっちだったか覚えていないネタが多い」とのことなので、まとめて掲載。 数は2024年8月31日現在。 『古典』184席
「恵比寿小判」「御公家女房」「大蛇山」「加賀見山」「景清」「釜盗人」「神隠し」「軽石屁」「軽業講釈」「公家大根」「月宮殿星都」「五段目」「瘤弁慶」「これこれ博打」「さくらんぼ」「皿屋敷」「山号寺号」「三十石」「秋刀魚芝居」「寿限無」「樟脳玉」「鈴木さんの悪霊」「たいらばやし」「高倉狐」「蚤のかっぽれ」「走井餅」「反魂香」「半分雪」「貧乏神」「味噌蔵」「深山隠れ」「元犬」「リサイクルマン」
「泥鰌丁稚」。
「高台寺」。
「樟脳玉」「ぞろぞろ」「道灌」
「A型盗人」「Just Looking」「雨乞い源兵衛」「天の岩戸」「言い訳藤兵衛」「ヴィオロンの嘆き」「ウェーブソング」「産湯狐」「鬼籍の人」「鯨医者」「源氏のような恋をして」「幸せな不幸者」「新出意本忠臣蔵(吹奏楽落語)」「セイント・リュート」「太兵衛餅」「茶漬えんま」「次の節季」「遠い国から来たスパイ」「どろぶん」「ハカバの女(ひと)」「ハモニカ伝来」「琵琶仙人」「貧乏神」「無礼なお礼」「マリンバの夢」「マンドリーム」「見栄張り鍋」「めーるの飛脚」「幽霊(ゆうれん)の辻」「弓流し」「弱気の医者」「ラスト・ソング」「リュートの夢」「ロボットしずかちゃん」
『番外』5席
持ちネタ詳細青菜:「繁昌亭ライブシリーズ」に収録されている。 欠伸の稽古:通常の上方版と違い「寄席の欠伸」というのがある。 足上がり:「落語はなるべく年代などを特定しないほうが良いのだが、このネタは50銭玉にギザギザがあって、穴の空いていない硬貨が1銭と50銭しかなかったという設定なので、何年 - 何年に特定される」と前置きしたことがある。 愛宕山:土器投げ(かわらけなげ)を体験した結果。風切のためにかじるというのは意味がないと知り、割愛している。 雨の将棋:「笠碁」の将棋版。古今亭志ん生が「雨の将棋」でやっていたことを知り、タイトルだけを拝借。自身が将棋に詳しいので、脚色は自分で行った。 淡路吹き戻し:「九州吹き戻し」を改作。淡路島が玩具「吹き戻し」の産地であることを利用した落ちを考案。 家島天神祭:江戸落語「佃祭」を上方化したもの。姫路から家島へ、船で渡る設定になっている。 一眼国:愛知県刈谷市美術館で行われた「せなけいこ展」の会場で初演された。せなけいこの作品に「ひとつめのくに」という落語を絵本化したものがあるところから依頼された。ちなみに、せなけいこの夫は六代目・柳亭燕路である。 井戸の茶碗:細かい演出の工夫はあるが、一番の特徴は、千代田朴斎は亡くなっており、妻・萬と娘・千が二人で暮らしている点である。 いもりの黒焼:米俵が追いかけてくるシーンで「追い回し合方」というハメモノが入る。 祝いの壺:大阪市の下水道博物館での落語会用に、手がけた。 牛ほめ:上方版ではなく、江戸版をベースにしている。 風の神送り:流行性感冒を扱ったネタで、ネタおろしをしたのが、新型コロナウイルス蔓延が始まった2020年2月末であった。 下座・鳴り物下座の三味線は、ひと頃よく起用していた高橋まき(妻)と浅野美希が「充分育ったので、次を育てる」(本人談)という理由で佐々木千華を重用していた。 しかし、妻である高橋まきに岡野鏡(きょう)と言う弟子ができたため、育成のために、ほとんどの落語会は岡野が弾いている。 噺劇の下座は、初期は高橋まき一人であったが、途中から浅野美希との二挺になった。 2015年からは高橋まき・はやしや香穂の二挺になった。また、佐々木千華と岡野鏡なども担当している。 2018年から、澤部春里(しゅり)(2010年生まれ)が高橋まきに、習い始めたことから、高橋まき・澤部春里の2挺ということも多くなった。 笛・鳴物は小学3年から中学3年まで不登校であった長男・青空が担当していたが、高校へ進学後、一時中断。大人になった現在、再びやっている。 2019年から、雪乃美玲(OSK日本歌劇団出身)が笛を担当している。 落語会(継続中)
(終了分)
演劇若手の頃から小劇場の演劇に出演しており「年間12本出たこともある」と言う。 しかし40歳を過ぎた頃から演劇から遠ざかった。
受賞歴「受賞歴を書き連ねるほど恥ずかしいことはない」と発言しており、落語会主催者にも「受賞歴は載せないでほしい」と申し出ている。 ただし高座で本人が「そない言うたら、ぎょうさん賞を貰たように思いまっしゃろ」と茶化している。 連載指導現在、指導中の講座は以下の二つ。 以下の落語教室で指導をしていたが、2014年3月をもって全て辞した。 今はオンライン。あるいは数人のサークルに招かれた場合に限り指導をしている。 弟子
レギュラー番組
出典
参考文献外部リンク
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