戸田 菜穂(とだ なほ、1974年〈昭和49年〉3月13日 - )は、日本の女優。広島県広島市出身。ホリプロ所属。
来歴
高校2年生時の1990年(平成2年)、国際花と緑の博覧会会場で開催された第15回ホリプロタレントスカウトキャラバンにおいて、約3万4千人の応募者のなかからグランプリに選ばれた[1]。
翌1991年、事務所の先輩である鈴木保奈美主演のスペシャルドラマ『五月の風~ひとりひとりの二人~』で、喫茶店のウェイトレス役として17歳で女優デビュー[2]。同年フジテレビで放送の『葡萄が目にしみる』でドラマ初主演[3]。
1993年度前期放送のNHK連続テレビ小説『ええにょぼ』でヒロインの朝倉(宇佐美)悠希役を務め、全国的に知られるようになる。
1998年から2003年まで放送されたフジテレビ系ドラマ『ショムニ』の秘書課・杉田美園役でコミカルな演技が好評を博す[3]。
2003年、『女はバス停で服を着替えた』で映画初主演し、それまでのおとなしいイメージを鮮やかに裏切る役に挑んだ[2]。
2010年3月、1学年年下の医師と婚約したことを所属事務所が発表した[4]。医師は東京都内の病院に勤務しており、身長175cmのスポーツマン、戸田とは2009年7月に行われた知人らとの食事会で知り合って意気投合したものという[4]。結婚式は2010年10月17日に明治神宮で行われ、同日都内ホテルで結婚披露宴が行われた[5]。
2012年2月10日午後2時23分、第1子となる3,606gの長女を都内の病院で出産した。2014年4月7日に次女を出産。
2018年から2020年まで、『NHK俳句』の司会(2018・2019年度の第3週、2020年度の第1週)を担当。
エピソード
学生時代
小学生の頃は人気歌番組『ザ・ベストテン』を欠かさず見ており、3歳年上の従姉(いとこ)の影響で当時はシブがき隊のヤッくん(薬丸裕英)のファンだった[3]。また、女優では岸恵子やいしだあゆみが好きだった[2]。中学生になると勉強に励み、息抜きにドラマ『ママはアイドル!』(TBS系)を見て、同い年の後藤久美子のファンになった[3]。この頃は、芸能界(特に女優業)に少なからず憧れはあったものの「遠くの世界」と思っていたという[2][3]。
高校2年生の頃、将来の夢は定まっていなかったが「このまま広島にいるのは違う。東京に行きたい」と思い始める[3]。後日たまたま本屋でオーディション雑誌「De View」(デビュー)で「ホリプロタレントスカウトキャラバン」のオーディションの欄を目にした[2][3]。そこに「今回で始めて女優を募集する[注釈 1]」という旨が書いてあったことから応募を決意[2][注釈 2]。
親には「絶対に受からないから」と説得して承諾書のハンコを押してもらい、本人も受かるわけないと思いながらも同オーディションを勝ち上がった[3]。全国大会では、審査員のおすぎから「あなた、ちょっと暗い所があるの分かってる?」と辛口コメントをされ、“これはダメだな”と諦めかけた[3]。しかしグランプリ発表の直前に後ろで控えていた時に、審査員の1人だった千葉真一から「いつか共演しましょうね」と話しかけられ、「『え、もしかして?!』と思ったのをすごくよく思い出す。芸能界の一番最初の思い出です」と回顧している[1][3]。
女優デビュー
高校3年生の夏休みから上京したが、地方出身者で「こんなダサい子見たことない」と言われるなど、演技の勉強も全くないまま女優デビューとなった[3]。このため、初主演作の『葡萄が目にしみる』では、“ストローの袋の紙をどう扱ったらいいか”という細かい所まで演技指導を受けた[3]。
1993年放送の連続テレビ小説『ええにょぼ』のヒロインに決まった直後、プロデューサーを介して大先輩の女優・草笛光子に会わせてもらい、女優としての心構えを教わった[注釈 3]。また、当時は向田邦子作品(1993年1月11日放送のドラマ『家族の肖像』等)を見て演技の勉強をするなど、以降女優業に邁進していった[注釈 4]。
人物
- 広島市立可部中学校から広島県立安古市高等学校を経て、玉川大学文学部外国語学科卒業(フランス語専攻)。
- 父親は広島市内で歯科医院を開業している[6]。妹は元女優の戸田麻衣子、弟はシンガーソングライターで歯科医師の戸田康平[7]。
- 実家の歯科医院は祖父の代から営んでおり、祖父・幸一は広島への原爆投下後、救護班で被爆者の治療にあたっていた[8]。この時の体験は1950年に広島市が編纂した『原爆体験記』に収録されており、映像化もされている。この経緯から、孫である菜穂も広島原爆投下にまつわるドキュメンタリーでナレーションを務めることが多い。
- 本人は性格について「小さい頃から負けず嫌いでせっかちな所もあるが、内側に燃えているものを隠しながら生きているような部分もある」と自己評価している。また、物事に対してはあまり迷わないタイプとのこと[2]。
- 子供の頃から、風情のある家屋などの昔のものや(見た目などが)渋いものが好き[2]。
- 俳句が趣味で、小学5年生の国語の授業で俳句を詠む機会があり、クラスの中で1番に選ばれたことで興味を持ち始めた[2]。24歳の頃から「東京俳句クラブ」に所属し、以降月1ペースでメンバーたちと俳句を詠んでいる[2]。2010年に俳句の本を出版した。趣味は他にガーデニング、映画鑑賞、読書、音楽鑑賞、三味線[2]、小唄。また、上記の通り大学時代に学んだことからフランス語を得意としている。
- 女優デビュー後「いつか向田(邦子)作品に出てみたい」という夢を抱いていたが、1995年頃から「向田邦子終戦特別企画シリーズ」及び「新春シリーズ」に出演してその夢を叶えた[3]。
- 2005年に当時ニューヨーク・ヤンキースに所属していた野球選手・松井秀喜との交際が話題になり、パリ旅行時のルーブル美術館でのツーショット写真がフライデーに、また腕を組んだツーショット写真が他週刊誌に掲載されたりと順調に愛を育んでいた中[9]、松井の父・松井昌雄は二人の結婚を示唆する発言もしていたが、翌2006年には破局した。
- ドラマ『ショムニ』の仲間とは、“同窓会”と称して放送終了後も年に1回居酒屋の個室に集まって近況などを語り合っている[注釈 5]。
出演
テレビドラマ
配信ドラマ
映画
テレビアニメ
教養・ドキュメンタリー
- ホリデー・ドキュメンタリー「ふるさとに心刻んで」(2010年、NHK総合) - ナレーション
- テレメンタリー2014「ひと口の怖さ 食物アレルギーと闘う子どもたち」(2014年、北海道テレビ制作) - ナレーション
- NHK俳句(2018年4月 - 2020年、NHK Eテレ) - 2018・2019年度の第3週、2020年度の第1週司会
- NNNドキュメント「色彩の記憶〜よみがえる“広島”〜」(2019年7月29日、日本テレビ系列 / 広島テレビ制作) - 語り
- NNNドキュメント「原爆の絵 高校生が描く“ヒロシマ”」(2019年8月5日、日本テレビ系列 / 広島テレビ制作) - 語り
- RCCテレビ60年 令和元年8・6関連特別番組「伝言〜広島を生きた母〜」(2019年8月6日、中国放送) - 語りおよび出演
- NNNドキュメント「夢見た国でみたものはー彷徨う外国人技能実習生ー」(2021年4月4日、日本テレビ系列 / 四国放送制作) - ナレーション
- そこにあるもの。〜繋ぐ。送る。生きる。文化といのち〜(2024年1月7日 - 、毎月1回(全8回)、BS朝日) - ナレーション[75]
- アンジェイ・ワイダの愛した「立体浮世絵」~人形作家 大野初子の世界~(2024年3月23日、BS日テレ)[76]
その他
CM
ミュージックビデオ
書籍
脚注
注釈
- ^ それまでの回では主にアイドル歌手を募集していた模様で、歴代の優勝者のほとんどが歌手デビューしている。
- ^ オーディションを決意した理由として本人はもう一つ、「当時「おニャン子クラブ」が流行っていて、普通の高校生の女の子たちがタレント活動しているのを見て芸能界が身近に感じられるようになったのも大きかった」としている[3]。
- ^ 草笛から「まだ(演技をする上での)引き出しがあるわけでもないから、とにかく身体を大切に、いつも笑顔で。部屋で体操でもして体を整えて、先輩方の胸を借りるつもりで頑張ってらっしゃい」と声をかけられたという。戸田は後年、「当時はまだ幼くて『それだけでいいの?』なんて安易に思っていたんですけど、草笛さんは『人間性が何よりも大事だ』ということを優しい言葉で伝えて下さっていたんですよね」と回想している[2]。
- ^ 向田作品を参考にした理由について、「向田さんの物語は、日常生活を丁寧に描きながら、母親がふと見せる“女の顔”など、男女の機微や情念みたいなものを表現されているので」と語っている[3]。
- ^ 詳細な参加メンバーは不明。また、コロナ禍の数年間は中断している[3]。
- ^ 2023年10月12日から12月28日まで地上波放送された。
- ^ 2024年1月6日にBSフジで放送。
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