十朱 幸代(とあけ ゆきよ、1942年〈昭和17年〉11月23日 - )は、日本の女優。東京市日本橋区(現・東京都中央区)出身[1][注 1]。血液型はO型。父は俳優の十朱久雄。所属事務所は株式会社アクターズ・セブン。
ニッポン放送の朝のラジオ番組『いってらっしゃい』の初代パーソナリティ。「国民の恋人」と称された[3]。文化学院英文科卒業[4]。
略歴
父・十朱久雄は日本橋で江戸時代から続く、麻問屋「小倉貿易」の長男だったが、学生時代から芝居に熱中し、家業を継ぐ気が全くなかったことから、祖父が東京を離れれば芝居を辞めるだろうと、母との結婚を契機に自社の機械工場があった奈良県へ送り出した。父が江戸っ子であることに誇りを持っていたため、母をわざわざ東京に送り返し、十朱幸代を東京の病院で出産させた。十朱久雄の三人兄妹の長子として生まれる[1]。本籍は日本橋小網町一丁目。8歳まで近鉄奈良線の大和西大寺駅前の家で育った。西大寺の境内が遊び場だったという。父の演劇熱はいっこうに収まらず、その後家族を引き連れて東京に戻る。母も芝居好きで十朱幸代も幼い頃から芝居や映画に親しみ、「大きくなったら絶対に女優になる!」と公言していたという。中学生でモデルを始め、父親について見学に訪れたNHKでスカウトされる[3]。1958年、NHK『バス通り裏』でデビュー[5]。翌年、映画『惜春鳥』で映画デビュー[6]。
1971年の銀河ドラマ『ゼロの焦点』で日本放送作家協会女性演技賞受賞[5]。1984年~96年にかけて、日本アカデミー賞優秀主演女優賞など5回にわたって受賞した[1]。
1976年、第2回菊田一夫演劇賞を受賞[7]。1980年、『震える舌』でブルーリボン主演女優賞受賞[5][6]、1985年、『花いちもんめ』で再び同賞を受賞する[5]。1987年、毎日映画コンクール女優主演賞受賞[8]。1989年、田中絹代賞受賞[9]、日刊スポーツ映画大賞主演女優賞を受賞[10]。
2002年、第27回菊田一夫演劇大賞[11]。2003年、紫綬褒章受章[11]。2004年、第15回日本ジュエリーベストドレッサー賞(60代)受賞[11]。2005年、第26回松尾芸能賞大賞受賞[11]。
2013年、2013年度秋の旭日小綬章受章[3]。
人物・エピソード
- 兄と妹がいる。
- 歌手・俳優の小坂一也と14年間に渡って交際・同棲し、事実婚の関係にあったが、入籍には至らなかった[12]。
- 愛犬家であり、毎朝犬の散歩を欠かさない。
- 2011年4月(68歳)、トータルで21時間もかかった足首の大手術をした(変形した踝に腰の骨を移植)。半年間、車椅子で生活をし、その後、1年間リハビリテーションをした[13]。
出演作品
映画
テレビドラマ
舞台
- おせん 柳橋物語(1975年、芸術座、原作:山本周五郎、脚本・演出:小幡欣治)- 駒子 役
- 雪国(1986年、芸術座、原作:川端康成、脚本:菊田一夫、演出:中村哮夫)- 駒子 役
- 雪国(1988年、御園座、原作:川端康成、脚本:菊田一夫)- 駒子 役
- 雪国(1990年、芸術座、原作:川端康成、脚本:菊田一夫、演出:中村哮夫) - 駒子 役
- 雪国(2000年、御園座、原作:川端康成、脚本:菊田一夫、演出:深町幸男) - 駒子 役
- 松廼家おけい ―虚空遍歴(山本周五郎)より(2009年)
- ジョン・ガブリエルと呼ばれた男(2010年) - エルラ 役
- 三越劇場8月公演「姑は推理作家」(2011年8月13日 - 22日、三越劇場) - 山吹蘭子 役
- 燃えよ剣〜土方歳三に愛された女、お雪〜(2013年) - お雪 役
- 「シェイクスピア物語」〜真実の愛〜(2016年12月23日 - 2017年1月28日) - エリザベス女王 役
ラジオ
バラエティ
CM
ディスコグラフィー
シングル
- いたずら恋の風(1961年5月、コロムビア)
- (c/w 青春の並木路)※共演:小坂一也
- セイタカアワダチ草(1977年9月5日、ビクター、SV-6277)
- (c/w 風の盆)
- ピローフレンド - PILLOW FRIEND(1981年、ビクター)
- (c/w 私の名前は…)
- Shadow Blanca─白い影─(1982年8月、トーラス)
- (c/w 風の盆)
- 他人の自由(1983年、トーラス)
- (c/w メモリー・ファイル)
- 私も酔うわ(1983年7月21日、トーラス)
- (c/w 愛したいけど愛せない)
- 愛待草(1984年6月、トーラス)
- 作詞:伊藤薫 / 作曲:伊藤薫 / 編曲:馬飼野俊一
- (c/w 想い出のスィング)
- 星まつり(1986年、トーラス)
- (c/w こぼれ陽の町)
- 黄昏物語(1986年、トーラス)※共演:岸田智史
- (c/w 一瞬価千金)※共演:岸田智史
オリジナル・アルバム
- 佃囃子(1976年、ビクター)
- 風の盆〜忘れかけていた故郷の心(1977年、ビクター)
- 望郷〜忘れかけていた日本の心(1978年、ビクター)
- トワイライト・シーン(1980年、ビクター)
- 他人の自由(1983年、トーラス)
著書
脚注
注釈
- ^ 著書では「日本橋生まれ、奈良育ち」と述べている。
出典
外部リンク
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*は複数回の受賞。男性は1992年から、60代以上は97年から、10代は99年から対象 |