仮面ライダーG
『仮面ライダーG』(かめんライダージー、欧文表記:MASKED RIDER G)は、2009年(平成21年)1月31日に放映されたテレビ朝日開局50周年記念番組『50時間テレビ』第2夜の『SmaSTATION!! Presents SMAPがんばりますっ!!』内で放映された特撮テレビドラマ作品、および作中で主人公が変身するヒーローの名称である。 パロディではなく、石森プロと仮面ライダーシリーズスタッフの全面協力によって製作された、東映・石森プロ公認のオリジナル仮面ライダーである。 概要『SmaSTATION!!Presents SMAP☆がんばりますっ!!』の企画「SMAPチャレンジ」の1つとして、SMAPの稲垣吾郎は「幼少時の憧れであった仮面ライダーになってみたい」という旨を発案した。これを原作である石森プロと平成ライダーシリーズの制作スタッフが了承・協力して制作されたのが、本作品である。 約15分ほどの短編であるが、「悪の組織によって改造人間にされてしまった主人公が、仮面ライダーとなって悪と戦う」展開や、「採石場を戦闘の舞台として、火薬による大爆発を起こす」といった昭和ライダーシリーズの定番要素が盛り込まれている。また、村上幸平、唐橋充、松田賢二といった平成ライダーシリーズの出演俳優が起用されているほか、物語終盤では放送当時のシリーズ作品『仮面ライダーディケイド』の主人公・ディケイドがGを応援する形でクウガからキバまでの平成ライダー9人と共に登場している。 作中の劇伴には『仮面ライダー555』や『仮面ライダーカブト』用の楽曲が、登場怪人には『仮面ライダーカブト』の成長態ワーム[注釈 1]が、G専用バイクには『仮面ライダー THE NEXT』版ハリケーンが流用されている。[独自研究?] あらすじ西暦2009年。世界各国で勃発するテロに対し、日本政府が創設した対テロ組織のシェードは、その選りすぐられた精鋭たちにより、相応な成果を挙げていた。しかし、それは人間を洗脳・改造して兵器化するという、非人道的な行為があってのものであった。やがてその事実は明るみとなり、シェードは解散され、創始者の徳川清山も逮捕される。 その後、開局50周年を迎えたテレビ朝日の本社ビルは、社員も一般客も和気藹々とした雰囲気に包まれていた。しかし、突如その1階フロアへ武装した一団が乗り込んでくる。各所で銃を構える一団の姿に人々は番組ロケかと笑い合っていたが、駆けつけた守衛たちに一団は平然と発砲する。弾丸は実弾だったのだ。客たちが悲鳴を上げる中、一団は生放送中のテレビ番組のスタジオにも乱入していく。 まもなく、一団の1人であるNo.5は生放送のゲストとして訪れていたシェフの日向恵理を人質に取り、日本政府への要求メッセージ「服役中の徳川清山を釈放せよ」を読み上げる。その姿を見た恵理は、No.5の正体が3年前に失踪した恋人の吾郎であると確信し、スタジオに持参していたワインを一口飲むよう頼み込む。訝しげにワインを口にした吾郎は、自分がシェードに拉致され、洗脳を経て改造人間にされてしまったことを思い出す。すべての記憶を取り戻した吾郎は恵理を守るため、そしてシェードの残党を倒すため、改造人間として異形の姿であるGに変身して戦いに臨む。 一団を倒していく吾郎の前に、一団のリーダーである織田大道が立ちふさがり、フィロキセラワームに変身する。恵理を人質に取られたこともあり、大道の強大な力によって吾郎は劣勢に追い込まれるが、そこに光の壁の中から別世界の仮面ライダーたち10人が現れて仮面ライダーGの称号を吾郎に贈り、激励と共にこの世界の行く末を託す。再起した吾郎はスワリング・ライダーキックを放ち、大道を撃破する。 吾郎は恵理を救出するも彼女の身を案じてそこから離れ、シェードの残党との孤独な戦いに身を投じる決意を固める。事の顛末を獄中から把握していた清山は、Gの仮面を携えた裏切り者である吾郎に「処刑」を意味する青いバラを送るのだった。 登場人物
仮面ライダーG吾郎が、両腕で空中にアルファベットの「G」を描く変身ポーズと共に、「今、僕のヴィンテージが芳醇の時を迎える……変身!」の掛け声で自分専用のワインボトルをベルトのバックルに装着し、変身した姿。「仮面ライダーG」の名は、物語終盤で激励に現れたディケイドたち10人の仮面ライダーから贈られた称号である。 基本色の黒と赤で構成された全身のうち、眼の周囲と胸には大きな「G」が、耳には「O」がそれぞれ配置されており、左側から見ると眼の周囲と合わせて「GO」と読める。マスク部分は、脱着が可能となっている。 必殺技は、ジャンプして横回転しながらキックを撃ち込むスワリング・ライダーキック[注釈 5]。技名はG自身が叫んでおり、倒した敵の爆風の中に「G」の文字が浮かび上がる。 専用ツールいずれも正式名称については劇中で語られていない。
怪人改造人間であるシェードの隊員が人間の姿から変身する怪人たち。本作品が初出であるフィロキセラワームのほか、アキャリナワーム、サブストワーム、ブラキペルマワーム ビリディス、コキリアワームが登場し、後者4体は列挙した順にダニ、ザリガニ、クモ、カタツムリの特性を持つ。なお、劇中では個別名を呼ばれていないため、すべて便宜上『カブト』の登場個体の呼称を表記している。
フィロキセラワーム織田大道の変身後の姿。作中では「フィロキセラ」とのみ呼ばれている。『仮面ライダーディケイド』に先駆けて本作品が初出となる怪人であり、ワインの原材料であるブドウの害虫「ブドウネアブラムシ」(別名:フィロキセラ)がモチーフとなっている。 銃器などの通常兵器がまるで通用しない強固な表皮に覆われた身体で、両腕の刃と頭部の触手を自在に操りながら攻撃する。会話の際には、胸のドクロ模様に人間態の顔が現れる。
キャスト
声の出演スーツアクター
スタッフ爆発を担当した國米修市は自身のTwitterで、久々に仮面ライダーシリーズに関わったが「昭和っぽい」や「火薬でかすぎ」などと評された旨を述べている[12]。
放送後本放送時は画面左上のワイプに映像を見るSMAPメンバーやスタジオ出演者の声が被っていたが、2009年11月14日放送の『SmaSTATION!! SMAP☆がんばりますっ!!リクエストスペシャル』では、冒頭に稲垣へのインタビューを追加して右上の番組タイトルテロップ以外は何も被らない本編が再放送された。また、同年3月9日放送の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系列)では、「BISTRO SMAP」のコーナーに水嶋ヒロ(『カブト』主演)と佐藤健(『電王』主演)がゲスト出演したことから、本作品の映像が一部放送された[注釈 7]。 2009年8月14日配信の短編映像『ネット版 仮面ライダーディケイド オールライダー超スピンオフ』第16話はGのスーツアクターを務めた渡辺淳に焦点を当てた構成となっており、本作品についても触れられている。 本作品は、仮面ライダーシリーズの関連書籍でも紹介されていないことが多い。プロデュースを担当した白倉伸一郎は東映における本作品を「『THE FIRST』ライン同様、別格扱い」と位置付けている旨を2017年1月20日に自身のTwitterで明かしており[13]、権利は東映にあるが番組のコーナーという性質上、改めて取り上げるのは難しい旨を述べている[2]。しかし、2019年にはゲスト出演という扱いで映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』への登場を果たしている[14][15]。その後、同作品は2020年に映像ソフト化や配信開始に至った[16][17]が、本作品単体での映像ソフト化は実現していない。 2022年8月19日には人材管理システム「カオナビ」のテレビCMにSMAP解散後も稲垣の同僚である香取慎吾がショッカー戦闘員のリーダー役で出演したことから、インターネット上では「仮面ライダーGと戦ってほしい」との声も挙がったという[18]。 2023年10月22日には稲垣が自身のラジオ番組『編集長 稲垣吾郎』(文化放送)にて本作品を話題に挙げ、歴代ラインナップに掲載されていないことへの愚痴をこぼしたほか、企画が一度きりで終わってしまったことを惜しんだ[19]。また、それゆえに「仮面ライダーファミリー」を称して良いのか迷っているが、本作品への出演についてはとても良い思い出であるとの旨を明かした[19]。 他媒体展開他テレビシリーズ
映画
その他テレビシリーズ『仮面ライダードライブ』最終話(特別編)および同作品の短編DVD『仮面ライダードライブ シークレット・ミッション type ZERO 第0話 カウントダウン to グローバルフリーズ』にはネオシェードという名のテロリスト勢力が登場するが、本作品に登場するシェードとの関係は明言されていない。[独自研究?] 脚注注釈
出典
参考文献
外部リンク
|
Portal di Ensiklopedia Dunia