ハイドン (1791年、ジョン・ホプナー 画)
交響曲第97番 ハ長調 Hob. I:97 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン が作曲した交響曲 。いわゆる『ロンドン交響曲 』のうちの1曲である。
概要
本作は、第1回ロンドン旅行の折りの1792年 に作曲されたものであり、最晩年の『ロンドン交響曲 』の5曲目である。初演は同年5月3日 または4日 に、ヨハン・ペーター・ザーロモン 主催の演奏会で行われた。
また後に、ドイツ の作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン が自身の『交響曲第1番 ハ長調 』を作曲する際に、本作を参考にしたといわれている[ 1] 。
楽器編成
曲の構成
全4楽章、演奏時間は約27分。全般的に和声 進行や転調 の創意とともに、安定感ある楽曲構成の巧みさが際立っている。なお、第2楽章に当時としては珍しい「スル・ポンティチェロ 」(sul ponticello)の指定がある。
第3楽章 メヌエット :アレグレット - トリオ
ハ長調、4分の3拍子、三部形式 。
この楽章は構成こそ反復記号付きのメヌエット楽章に準じているものの、通例の反復記号を一切持たないという特徴を持つ。
第4楽章 フィナーレ :プレスト ・アッサイ
ハ長調、4分の2拍子、自由なロンドソナタ形式 。
第1主題が二部形式 で前半と後半がそれぞれ反復された後、経過部に入るが、提示部全体が共通の楽想に基づいているので、ハイドンの他の交響曲のフィナーレによく見られる単一主題的な性質の強い楽章である。
脚注
^ Nicholas Marston: Symphonien. In Barry Cooper (Hrsg.): Das Beethoven-Kompendium. Sein Leben – Seine Musik. Droemer Knaur, München 1992, ISBN 3-426-26574-5 , S. 257–261
外部リンク