交響曲第72番 ニ長調 Hob. I:72 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲した交響曲。
概要
第72番という進んだ番号が付けられているが、現在では第22番『哲学者』などと同じ時期の1764年前後の作品と推定されている。
編成、構成共に第31番『ホルン信号』と酷似しており、2曲とも同じ時期にエステルハージの楽団のホルン奏者の技巧を誇示するために書かれた(ただし、本作の方が先に書かれた)とされる。
楽器編成
フルート1、オーボエ2、ファゴット1、ホルン4、ティンパニ、弦五部。
ティンパニのパートは後から加えられた。
楽章編成
- 第1楽章 アレグロ
- ニ長調、4分の2拍子、ソナタ形式。
- ホルンのパートは第1奏者から第4奏者までが対等に扱われており、高音や急速なパッセージで掛け合い、難易度が高い。
- 第3楽章 メヌエット - トリオ
- ニ長調、4分の3拍子。
- 再びホルンが活躍する。トリオは弦楽器が休止し、管楽器のアンサンブルとなる。
- 第4楽章 フィナーレ:アンダンテ - プレスト
- ニ長調、4分の2拍子 - 8分の6拍子、変奏曲形式。
- 8分音符の刻むような音型を主体とした主題と、6つの変奏、急速なコーダからなる。第4変奏までは、弦楽器の伴奏にそれぞれフルート、チェロ、ヴァイオリン、コントラバスが独奏楽器として歌い、第5変奏はオーボエ、ホルンを加え、第6変奏でフルートを加えた全合奏となり、半終止の後、プレストのコーダに突入する。
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