交響曲第16番 変ロ長調 Hob. I:16 は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲した交響曲。
概要
初期の交響曲のひとつだが、最古の筆写譜は1766年のゲットヴァイク修道院(英語版)のものであり[1]、正確な作曲年代は明らかでない。
H.C.ロビンス・ランドンは、ハイドンがボヘミアのモルツィン伯爵に仕えていた時代の1757年から1761年の間に作曲されたものとしたが、第14番と同様に第2楽章にチェロのソロがあり、このような形式を持つ交響曲はエステルハージ家の副楽長時代にしか見られないとして、ジェームズ・ウェブスター(英語版)は作曲年代を1762年から1763年頃と推定している[2]。
編成
オーボエ2、ホルン2、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、低音(チェロ、ファゴット、コントラバス)。
曲の構成
初期の交響曲に多い「急-緩-急」の3楽章形式を持つ。演奏時間は約13分[3]。
- 第2楽章 アンダンテ
- 変ホ長調、4分の2拍子、ソナタ形式。
- 当時の他の多くの交響曲と同様、緩徐楽章は弦楽器のみで演奏されるが、チェロのソロが弱音器をつけたヴァイオリンによる旋律をオクターヴ下で重ねて演奏する。それ以外の楽器は低音としてやはりユニゾンで演奏されるので、2声部だけの音楽になる。
- 第3楽章 フィナーレ;プレスト
- 変ロ長調、8分の拍子、ソナタ形式。
- 歯切れのよい音楽で、再現部は短く切りつめられている。
脚注
参考文献
外部リンク