『フーシギくん』は水木しげるによる日本の漫画作品、および同作に登場する主人公の名前。
概要
超能力を持った「フーシギくん」が妖怪を相手に活躍する児童向けの作品。
『テレビマガジン』(講談社)1974年8月号から12月号まで漫画作品が全5回、その後「フーシギくん 妖怪ものしり教室」が1975年3月まで連載された。また、並行して『たのしい幼稚園』でも1974年9月号から12月号まで連載。基本は2コマ漫画で10月号のみストーリー漫画が掲載された。なお、アニメ化の企画も進んでいたと言われるが実現には至らなかった[1]。
本作は水木の家族に好評な作品だったようで、特に水木の妻・布枝は「フーシギくんの歌」を作り、よく家族で歌っていたという[2]。また、フーシギくんのヴィジュアルは水木の長女・尚子の意見を取り入れて決定したと言われる[2]。
単行本は長年に渡り出ていなかったが、1999年に文藝春秋、2010年に徳間書店から刊行された。それぞれ『おばけのムーラちゃん』が併録されているが、『フーシギくん』の『たのしい幼稚園』掲載分が未収録となっている。
その後、2014年刊行の『水木しげる漫画大全集 フーシギくん他』にて初めて完全収録された。
2017年には水木しげるロードに「フーシギくん」のブロンズ像が設置された[3]。
主な登場キャラクター
フーシギくんと仲間たち
- フーシギくん
- 日本の超能力者の元祖・役の行者三十代目にあたる[4]。手足を自由に伸ばす事ができる。
- めがねじじい
- 役家に代々仕える家老。
- 前鬼
- めがねじじいのお供。姿は水木画の呼子に似る[2]。
- 後鬼
- めがねじじいのお供。姿は水木画の死神に似る[2]。
敵妖怪
- ドラキュラ
- 妖怪を使い悪事を働く。
- おおかみ男
- ドラキュラの仲間。
- かみきり
- ドラキュラの仲間。
- なまず大明神
- 人間にロボット病を流行らせる。
- テレビお化け
- テレビ放送の画像に割り込むことで妨害し人間を困らせる。姿は水木画の妖怪「歯痛殿下」に似ており、水木の読切作品「赤八」にも似た役回りで歯痛殿下が登場する。
- 悪魔
- 昔地下に封じられていたものをかみきりが呼び出した。実体はなく、他者に取り付いて操る。
- 手洗い鬼
- びんの中に七百年入れられていた。
- 地下の王
- 地下都市をつくるため地上のビルを盗む。怪力を誇る巨人だが、被っている王冠を奪われると力が弱まる。
- 地下人
- 地下の王の部下達。ワニの様な顔をしている。ドラキュラの説明によると巨人族のはずだが、王以外の大きさは人間と大差ない。
書誌情報
脚注
- ^ 『フーシギくん/おばけのムーラちゃん』(1999年、文藝春秋)参考。
- ^ a b c d 『フーシギくん おばけのムーラちゃん』(2010年、徳間書店)インタビュー、解説参考。
- ^ “新しい妖怪ブロンズ像お披露目”. 境港市観光ガイド. 2017年11月10日閲覧。
- ^ 同じ水木作品である「ゲゲゲの鬼太郎」の「鬼太郎国盗り物語」第18話にも役の行者の三十代目が登場するが、全くの別キャラクターである。
参考文献
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