『おばけのムーラちゃん』は水木しげるによる日本の漫画作品。『テレビマガジン』(講談社)1979年2月号から12月号まで連載された。
概要
「ムーラちゃん」と呼ばれる不思議な生物が、妖怪を相手に活躍する児童向けの作品。
アニメ化の企画も進んでいたと言われるが実現には至らなかった[1]。また、水木の次女・悦子曰く「ムーラちゃん」という名前は、水木しげるの本名である「武良(むら)」から付けられ、デザインは家にあったオモチャを参考にしたと述べている[1]。
2017年には水木しげるロードに「ムーラちゃん」のブロンズ像が設置された[2]。
あらすじ
直一と、えつ子は、とっくり山で奇妙な生物を発見し、家に持ち帰ることにする。2人は、ほじくりじいさんに相談をし、生物の正体はムー大陸の生き残りで、名前は「ムーラちゃん」だと教えられる。ムーラは直一たち家族と一緒に暮らすことになり、それから数々の不思議な事件を解決してゆく。
主な登場キャラクター
- ムーラ
- 1万2千年の眠りから目覚めた、ムー大陸の王様(最終回ではムーンの王子に変更)。壷を伏せた様な胴体に耳か角の様な丸い突起、目、腕が一対ずつ付いた姿。マシュマロの様な柔らかい体をしており、自由に変形する事ができる。また、妖怪の対処法などに詳しい。
- 直一(なおかず)
- 小学生の男の子。モデルは水木の長女・尚子だが、男児向け雑誌のためきょうだいの片方を男の子に変えたという[3]。
- えつ子
- 直一の妹。モデルは水木の次女・悦子[1]。
- ほじくりじいさん
- 古墳でムーラを発見し密かに飼っていたが、直一たちに見つかったのでムーラを譲ることにする。
- 虫郎(むしろう)・虫子(むしこ)
- 寄生虫。ムーラを親方と呼び、手助けをする。
- 水神(みずがみ)
- 金魚のような姿をした神様。引力を自由に操作し、水を持ち上げたり空中を漂うことが出来る。熱湯をまとっても平気だが、逆に氷点下の低温は苦手。
- チョンチョニイ
- 病人がいる家の屋根にとまり、怪しい力で病人を殺して食べる妖怪鳥。大きな耳を取られてもそれを遠隔操作できるが、その耳を逆さに付けられると力を失う。
- 女夜叉(おんなやしゃ)
- 中国の妖怪。黒い息を吹きかけ、相手をシラミにしてしまう。
- グイイ
- 土の精。地下から子供を攫い、不思議なびんの中に閉じ込める。
- ランスグイル
- 東南アジアの魔女。魔法のほうきを使い子供を誘拐して生贄にする。
- カルマ
- フィンランドの妖怪。人や動物の鼻の穴から入り込み、内臓を食べ尽くす。
- パック
- イギリスのいたずら妖怪。最初は留学に来た宇宙人と偽ったが、実は勉強が大嫌い。
- まめだぬき
- ムーラを目の敵にし、様々な手を使って挑んでくる。
- ムーンの王
- ムーラの父親。地球を旅行中に眠りに就いたムーラが目覚める時が来たため、迎えの船を寄越す。
単行本
脚注
- ^ a b c 『フーシギくん/おばけのムーラちゃん』(1999年、文藝春秋)参考。
- ^ “新しい妖怪ブロンズ像お披露目”. 境港市観光ガイド. 2017年11月10日閲覧。
- ^ 『フーシギくん おばけのムーラちゃん』(2010年、徳間書店)インタビュー、解説参考。
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