IRTブロードウェイ-7番街線 (IRTブロードウェイ-7ばんがいせん、英語 : IRT Broadway–Seventh Avenue Line )、別称7番街線 (7ばんがいせん)またはウェストサイド線 (ウェストサイドせん、英語: West Side Line)はニューヨーク市地下鉄 の路線。Aディビジョン (インターボロー・ラピッド・トランジット :IRT)の路線の一つであり、ロウアー・マンハッタン のサウス・フェリー駅 から北進しブロンクス区 リバーデイル のヴァン・コートラント・パーク-242丁目駅 へ向かう[ 2] [ 3] 。なお、チェンバーズ・ストリート駅 で本線から分岐して南東方向へ進みクラーク・ストリート・トンネルを通ってダウンタウン・ブルックリン (英語版 ) のボロー・ホール駅 へ向かうブルックリン支線 (英語: Brooklyn Branch)[ 4] もブロードウェイ-7番街線の一部である[ 5] 。
概要
ブルックリン支線の南端は諸説ある。1981年の「最も老朽化した地下鉄駅」 ("most deteriorated subway stations") 一覧では、MTAはボロー・ホール駅とクラーク・ストリート駅をIRTニューロッツ線 の一部として記載している[ 6] 。しかし2007年時点で、非常口のサインではボロー・ホール駅はIRTブロードウェイ-7番街線の駅とされており、ボロー・ホール駅の2部分はブロードウェイ-7番街線およびIRTイースタン・パークウェイ線 となると示されている。距離標に示されている路線記号の「K」(クラーク・ストリート・トンネル)と「M」(ジョレールモン・ストリート・トンネル )はボロー・ホール駅で合流し「E」(イースタン・パークウェイ線)となる。
この路線はマンハッタン の西側に沿って走るため、IRTウェストサイド線 としても知られる。42丁目 以北の部分はニューヨークで最初の地下鉄 の一部として建設された。リンカーン・センター やコロンビア大学 、ニューヨーク市立大学シティカレッジ などの場所へのアクセスを便利にしている。
IRTブロードウェイ-7番街線を経由する運転系統は、地下鉄の標識や出版物においてトマトレッド で彩色されている。この路線には1系統 ・2系統 ・3系統 が走っており、運行区間についてみると同線の大部分で重なっている。以前は、1系統の列車は9系統 (2005年5月27日以降廃止)と連携して千鳥運転(skip-stop service、1系統と9系統の列車で小駅への停車を分担することで、一部の駅を通過して所要時間を短縮する)として運行していた。1994年以降、この千鳥運転はアッパー・マンハッタン にラッシュ時のみ存在していたが2005年に廃止された。
96丁目駅 以北の区間の大半に存在する現在未使用の線路(1本)はこれまでに、少なくとも96丁目駅-137丁目駅 間でラッシュ時に混雑方向にのみ停車する急行(peak direction express service)が使用したことがある[ 7] 。現在、この中央の線路は保線工事によるルート変更時のみに使用される。
また、同線はマンハッタンで唯一高架駅を有する路線である。
クラーク・ストリート・トンネル
ブルックリン区ファーマン・ストリートにある非常口
1915年の7番街地下鉄崩壊の様子。車がトンネルに落下している。
クラーク・ストリート・トンネル (英語: Clark Street Tunnel)はイースト川 の下にあり、マンハッタン区 とブルックリン区 を結ぶトンネルである。2系統 及び3系統 が通っている。このトンネルは1919年4月15日(火曜日)に営業列車 (revenue service) 用に開通し、これによりジョレールモン・ストリート・トンネル の混雑が緩和され、乗客が直線ルートでブルックリンとマンハッタン の西側の間を移動できるようになった[ 8] 。全長は約5,900フィート(約1,770メートル)であり、このうち水面下にある部分は約3,100フィート(約930メートル)である。
トンネルの建設工事は1914年10月12日に開始され、シールド工法 と圧気工法 を併用して建設された。トンネルは後にホランド・トンネル の最初のチーフエンジニアとなる土木技師のクリフォード・ミルバーン・ホランド により設計された[ 9] [ 10] 。北側のトンネルは1916年11月28日に貫通した[ 11] 。
1990年12月28日、クラーク・ストリート・トンネルでの電気火災により乗客が30分以上にわたって地下鉄の列車に閉じ込められ、乗客のうち2人が死亡し149人が負傷した[ 12] 。
歴史
1904年と1908年の間に最初の地下鉄 が開業した時、主要な運行形態の1つに現在のIRTレキシントン・アベニュー線 、42丁目シャトル 、IRTブロードウェイ-7番街線を経由してロウアー・マンハッタン とヴァン・コートラント・パーク (英語版 ) を結ぶウェストサイド支線があった。各駅停車と急行列車のどちらも運行され、急行列車は96丁目駅 以南の急行線を使用していた。一部の急行列車はラッシュ時にはブルックリンのアトランティック・アベニュー駅 を通っており、それ以外の全列車はシティ・ホール駅 かサウス・フェリー駅 で方向転換していた[ 13] [ 14] [ 15] 。
1915年9月22日、23丁目と25丁目の間での駅建設工事中に爆発が起き、トンネルが崩壊した[ 16] 。
1917年6月3日、ブロードウェイ-7番街線タイムズ・スクエア-42丁目駅 以南で初めて42丁目駅と34丁目-ペン・ステーション駅 を結ぶシャトル列車の運行が開始された[ 17] 。このシャトル列車は1918年7月1日にサウス・フェリー駅 まで南延され、同日チェンバーズ・ストリート駅 とウォール・ストリート駅 を結んでいたブルックリン支線を走行するシャトル列車も運行を開始した[ 18] 。最終的には1918年8月1日に「H」字の路線網が完成し、ブロードウェイ-7番街線の2区間が接続され全てのウェストサイド線の列車がタイムズ・スクエア駅以南に向かうようになった[ 19] 。
緩行線はサウス・フェリー駅まで続いていたが、ブルックリン支線が使用するウォール・ストリート駅へ向かう急行線は1919年4月15日にクラーク・ストリート・トンネルを通ってブルックリンのアトランティック・アベニュー駅まで延伸された[ 20] 。その数年後にイースタン・パークウェイ線 の延伸線とノストランド・アベニュー線 、ニューロッツ線 の連絡線が開通し、最終的にウェストサイド線の列車はフラットブッシュ・アベニュー駅 かニューロッツ・アベニュー駅 まで走行した。
1959年2月6日、1系統 はウェストサイド線の各駅停車となった。以前は、1系統の列車はウェストサイド線の急行線を走行してブルックリンに向かっており、3系統 はサウス・フェリー駅への各駅停車であった。これ以来、1系統 の運行区間に変化はない。
1989年8月21日、1系統 及び9系統 の日中運行の千鳥運転方式の列車が運行を開始した[ 21] 。千鳥運転方式の列車は137丁目-シティ・カレッジ駅以北で運行された。
1994年、日中運行の千鳥運転が廃止された[ 22] 。この時までに、1系統の列車はマーブル・ヒル-225丁目駅、207丁目駅、145丁目駅を通過するのみであり、9系統の列車は238丁目駅、215丁目駅、ダイクマン・ストリート駅、157丁目駅を通過するのみであった。
アメリカ同時多発テロ事件 以降、ワールド・トレード・センター・サイト (英語版 ) のすぐ下を通っていたIRTブロードウェイ-7番街線がツイン・タワーの崩壊により深刻な損傷を受けたため、1系統 の経路変更をすることになった。同系統は242丁目駅と14丁目駅の間でのみ運行し、96丁目駅以北は各駅停車として、96丁目駅以南は急行として運行された。この時、9系統の列車と千鳥運転は運行を中止した。
96丁目駅のポイント切換に手間取ったものの、9月19日に経路変更が行われた。1系統は3系統からブルックリン区内の運行を引き継いで242丁目駅からクラーク・ストリート・トンネルおよびIRTイースタン・パークウェイ線経由でニューロッツ・アベニュー駅までの各駅停車として運転された。一方3系統はマンハッタン区内のハーレム148丁目駅 - 14丁目駅(深夜帯以外)/チェンバーズ・ストリート駅(深夜帯)間で急行運転を行うことになった。2002年9月15日、1系統 は元通りサウス・フェリー駅 行きになり、9系統の列車と千鳥急行が再開された[ 23] 。
英語版ウィキニュースに本記事に関連した記事があります。
2005年5月27日、9系統 と千鳥急行が廃止された[ 22] 。
2009年3月16日、サウス・フェリー・ループス駅 の廃止に伴い同駅に停車する1系統 の各駅停車の経路変更が行われ、新しいサウス・フェリー駅 (終点)が開業した[ 24] 。これはIND63丁目線 の駅が開業した1989年以降に開業した最初の新駅であった。サウス・フェリー駅にあった2つのループ線はどちらも現在でも途中駅で折り返す列車(ブルックリンへ向かわない5系統 など)のために使用されているが、プラットホームは客扱いをしなくなった。このループ駅は、2009年に建設された駅がハリケーン・サンディ による被害を受けたため2013年4月に再開され、新駅が営業を再開した2017年6月27日に再度閉鎖された。
運行区間と運転系統
以下の運転系統はブロードウェイ-7番街線の一部または全てを経由している。なお、運転系統を示す系統標識(bullet)の色はトマトレッド である。
駅一覧
凡例
終日停車
深夜を除き終日停車
深夜のみ停車
平日のみ停車
ラッシュ時のみ停車
ラッシュ時の混雑方向のみ停車
時間帯詳細
脚注
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^ Metropolitan Transportation Authority , Proposed Program of Projects, Federal Fiscal Year 2007 (PDF , 362 KiB )
^ MTA Capital Construction , Status Report On the Programmatic Agreement regarding the Fulton Street Transit Center Project In New York City, New York (PDF , 838 KiB )
^ MTA Capital Construction , Second Avenue Subway , Supplemental Draft Environmental Impact Statement , Chapter 5B: Transportation—Subway and Commuter Rail (PDF , 317 KiB )
^ New York Times , Agency Lists Its 69 Most Deteriorated Subway Stations, June 11, 1981, section B, page 5
^ New York Times , New Subway Expresses , November 18, 1906, page 3
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^ “Disaster at Rush Hour. Lays Work in New Tunnel from 23d to 25th St. in Tangled Ruin. Bursting Gas and Water Mains Impede Scores in Cavity Aiding the Wounded. Horrified Crowds Look On. Two Passengers Killed in Panic Among Struggling Victims in Wrecked Trolley. Gas or Free Dynamite May Be the Cause. Chief of Blasters Is Sought by the Police” . New York Times . http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=F10616F93A5C13738DDDAA0A94D1405B858DF1D3 2013年12月19日 閲覧 . "Seven persons were killed and eighty-five injured shortly before 8 o'clock yesterday morning when a blast of dynamite in the excavation for the new Seventh Avenue subway carried away all the plank thoroughfare between Twenty-third and Twenty-fifth Streets, sweeping down into the great hole a crowded trolley car and a brewery automobile truck."
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^ a b Chan, Sewell (January 12, 2005). “MTA Proposes Dropping No. 9 Train” . New York Times . http://query.nytimes.com/gst/fullpage.html?res=9B07E5D71638F931A25752C0A9639C8B63 May 5, 2010 閲覧。
^ Lueck, Thomas J. (September 15, 2002). “Old Service, Old Stops Restored on West Side” . New York Times . http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=F30C10FE3D540C768DDDA00894DA404482 May 5, 2010 閲覧。
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^ 157th Street station
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^ “米同時テロ跡の地下鉄駅、17年ぶりオープン 米ニューヨーク ”. CNN (2018年9月9日). 2018年9月9日 閲覧。
外部リンク
Aディビジョン
IRT
マンハッタン/ クイーンズ ブロンクス ブルックリン 廃止
Bディビジョン
BMT
IND
マンハッタン/ブロンクス ブルックリン/ クイーンズ 廃止
BMT/IND
ディビジョン間連絡路線
その他
この一覧はニューヨーク市地下鉄の物理的な路線を示しており、この路線網の上に系統 が運行されている。 名前の隣にラインカラーが示されている路線は幹線であり、各系統を示すマークの色はこの幹線のラインカラーになっている、 ただしシャトルについてはダークグレーである
運転系統
廃止系統
資本プロジェクト 部門 一覧 関連項目