高城れに
高城 れに(たかぎ れに、1993年(平成5年)6月21日 - )は、日本のアイドル、歌手、タレント、女優。ももいろクローバーZのメンバーで、イメージカラーは紫色。神奈川県出身で、県の選定により東京オリンピックの聖火ランナーを務めた[2]。 ももいろクローバーZではメンバー初となる達成が目立ち、2015年にソロコンサート開催、2019年にソロでのテレビCM出演、2020年に連続ドラマの主演(NHK『彼女が成仏できない理由』)を果たした。2016年開始のラジオ番組『高城れにの週末ももクロ☆パンチ!!』も放送を継続している。 元夫はプロ野球選手の宇佐見真吾。 人物像繊細さと感受性の豊かさが特徴である[3]。書籍『Quick Japan(Vol. 112)』の特集で精神科医の斎藤環(筑波大学教授)による鑑定が行われた結果、「ユニークな内面や豊かな感情、そして衝動渦巻く無意識の世界」を持っているとされた。 本人いわく幽体離脱の経験があり、イメージトレーニングをしたところ、夢と現実の境界線のところで魂が抜けるようになり、夢をコントロールできるようにもなったと述べている[4]。NHKドラマ『彼女が成仏できない理由』では、幽霊役として主演に抜擢された。 遊園地のアトラクションの中では、コーヒーカップが大好き。本人が曰く、目が回って景色が見えなくなり、目が回ってる自分にうっとりするとのこと[要出典]。 元々は極度の人見知りで、緊張しやすい気質を持つ[3]。グループ結成当初は「本当に私がももクロにいていいのかな」と悩み続けていたが、“アイドルは可愛らしく”という固定観念を外すことで自分の素を出せ、トークのオチを務めるなど役割が見つけられるようになったという[5]。「悩むからこそ成長できる部分がたくさんある」と前向きに捉えることができるようになったとし、自身の存在意義について以下のように述べている。
キャッチフレーズは、ももクロの鋼少女(はがねしょうじょ)。自分を変えてくれた“ももクロ”の存在に恩を感じており、プライベートのカラオケでも持ち歌をよく歌うなどグループへの愛着心が強い[5]。 さらに、自身がメンバーでなかったらモノノフ(ももいろクローバーZのファン)になっていたと度々述べている。ファンを「ももクロの一員」と位置づけており[6]、街でグッズを身につけたファンを見かけると、自ら声をかけに行くほどである[7]。 笑った時に慈愛に満ちた表情を見せることから、ライブでは「笑顔が一番、れにちゃん!」というコール(曲中の合いの手)が定着している[3]。本人も気に入っており、「迷ったとき辛いとき、笑顔を無くしそうになるとき、ダメになりそうなとき、いつもみんなが言ってくれるのを思い出してるんだよ」と述べている[8]。 活動の方向性ソロ活動では癒し系の柔らかい声質を活かし[3]、ラジオパーソナリティやナレーターを務める。将来的な仕事の目標は、ずっと“ももクロ”を続けながら、色々な地域に行って色々な人と出会い接する中で、感性を磨いていくこと[9]。「知らない土地の空気に触れるとすごく神経が敏感になって、いろんなことを感じる力が強くなる」と述べている[9]。 東日本大震災の後には、宮城県女川町の臨時災害放送局で同世代の女性がパーソナリティを務めていることを知り、現地との交流を提案。グループとして町を訪れたり、ライブを開催したりするきっかけとなった[要出典]。 2014年には福島県の小学校でキャリア教育のゲスト講師を務め、下積み時代の葛藤や挫折を明かすとともに、夢を見続けることで報われた体験談を語った[10]。それを踏まえ児童らに「将来の夢」を画用紙に描いてもらうと、翌月に開催が決まっていた“国立競技場ライブ”のステージに飾ることを提案し、当日は児童らを客席に招待した。2019年には、同県でソロコンサートを開催。この際も現地の小学生とのコラボレーションを企画し、復興支援ソング『花は咲く』をステージで共に歌い上げた[11]。 経歴・エピソード産まれる前、母親が大事にしていた人形に「れに」と名付けていたことが、自身の名前の由来となっている[注釈 1]。 一人っ子であり、雑誌のインタビューで「幻滅する男性は?」との質問に、「家族を悪く言う人。家族も大切にできない人は、絶対に他人を大事にできないと思う」と答えている[4]。 小学生時代に母親が、自分と似た内向的な性格を直すため、ヒップホップダンスやタップダンスのレッスンを始めさせ、エキストラの仕事も経験させた[5]。本人はアニメ『きらりん☆レボリューション』に強く影響を受け、月島きらり(久住小春)のファンであったという。 「ももクロ」結成〜2007年(中学2年生の時)、スターダストプロモーション(現在の事務所)にスカウトされ芸能界入り[5]。同年秋に、ももいろクローバー(後のももいろクローバーZ)の0期メンバーとなる。これは構想段階のメンバーのことを指し、この中で現在もメンバーであるのは高城のみである。 2008年5月の正式結成時から、最年長という理由でリーダーを務めていたが、同年秋ごろに退任(後任は百田夏菜子)。グループのマネージメントを行ってきた川上アキラは当時を振り返り「真面目で考え過ぎて余裕がなくなってしまう状態だったため、一歩引いた立場の方が本人の色が出せると判断し、交代を決断した」と述べている[13]。 その後は「ももクロの感電少女」などのキャッチフレーズ[注釈 2]で活動し、個性的なキャラクターで知られるようになっていった。 2012年の春には、メンバーでいち早く高校を卒業。直後のライブで、「高校を卒業したので一生をももクロに捧げます! なのでみなさんも一生をももクロに捧げて下さい!」と述べ「毎日ヒロイン」を名乗り始める[14]。それまでは学校のない土日中心の活動をしてきたため、グループのキャッチフレーズが「週末ヒロイン」であることを踏まえての宣言であった。 InterFM『高城れにのKing of Rock!』でラジオパーソナリティを務めるなど、活躍の場を広げた。 「ももクロ」結成5周年〜2015年の夏には、ライブのリハーサルで転倒し、左手の橈骨遠位端(とうこつえんいたん)を骨折[15]。3か月間は手首を固定した状態でライブに出演していた。その後も10か月近く、腕に金属プレートが埋め込まれた状態で活動を続けたが、本人は前向きに「ももクロの鋼少女」というキャッチフレーズを使い始めるほどであった[16]。 2015年3月9日、メンバー初となるソロコンサート『高城の60分4本勝負』を開催(名古屋CLUB QUATTROにて)。この日に開催した理由は、大好きだった曾祖母(ひいおばあさん)が亡くなってしまった後に聴いていた曲がレミオロメンの『3月9日』であったためである。歌詞の「瞳を閉じれば あなたが まぶたのうらに いることで どれほど強くなれたでしょう」という部分を、曾祖母と重ね合わせていたという[17]。1日4回公演で、それぞれで異なるセットリスト(曲目)であったが、『3月9日』だけは全ての公演のラストに歌われた。 翌年の3月9日にも、2度目のソロコンサート『さくさく夢楽咲喜(むらさき)共和国 〜笑う門にはノフ来る〜』を開催(名古屋市民会館にて)。チケット当選倍率が高かったため急遽、全国15ヶ所の映画館でも生中継。自身が初めて作詞に関わったソロ曲『しょこららいおん』を披露した。 2016年には、メンバー初となるレギュラー番組『高城れにの週末ももクロ☆パンチ!!』が文化放送でスタート[18]。グループで出演する『坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT』においては、それまでのギターに加えてベースの演奏にも取り組み始めた。 2017年の3月9日には、3度目のソロコンサートを地元の神奈川県民ホールで『まるごとれにちゃん』と題して開催(特集記事)。ゲストで登場した高木ブーとは同じ“たかぎ”ということで親交があり、特製のウクレレやザ・ドリフターズ時代に使っていたベースをプレゼントされた。 沖縄好きを公言していたことから、同年夏には観光協会からのオファーで[19]、世界遺産・今帰仁城跡でのソロイベント『ハイサイ! れにちゃん』を開催。BEGINの島袋優に作曲を依頼した『「3文字」の宝物』を披露した。 この年は新たな挑戦として“お笑い”にも足を踏み入れ、芸人の永野とツーマンライブ『永野と高城』を2日間4公演開催。その後は毎年恒例のイベントとなっている[20]。 「ももクロ」結成10周年〜2018年に、NHKのラジオドラマ『アイは故障中〜AI is out of order〜』で主演を果たした。 同年には、4年連続となるソロコンサート『まるごとれにちゃん2018』を神奈川県・カルッツかわさきにて開催。本人の演出上の希望により[21]、会場は例年通り小さめ(2000人規模のホール)であったが、過去最高となる全国34ヶ所の映画館で生中継が行われた。 これを最後のソロコンサートにしようと決めていたものの、ファンからの声に押され、翌年以降も続けて開催することとなる[22]。翌年には初の2 DAYSとして、カルッツかわさきと、福島県・いわき芸術文化交流館アリオスで開催。 ソロコンサートでRADWIMPSの『なんでもないや』(映画『君の名は。』主題歌)をカバーした際の映像がYouTubeで話題となり、芸能ニュースサイトによる「歌が上手い女性アイドル20選」にも掲載された[23]。 2019年には、渋谷のライブハウスで開催される音楽フェス『YATSUI FESTIVAL!』にソロ歌手として出演(以降も毎年出演)。メンバー初となるソロでのテレビCM出演を果たし(軽自動車 スズキ・エブリイ)、NHKラジオ『中山秀征のクイズイマジネーター』のレギュラーにも抜擢された。 2020年には、NHK総合「よるドラ」枠『彼女が成仏できない理由』にて、森崎ウィンとW主演。メンバー初となる連続ドラマの主演となった。さらに、前述のお笑いコンビ「永野と高城」で地上波ゴールデンタイム出演も果たし(フジテレビ『千鳥のクセがスゴいネタGP』)、コントを披露した。 この年には、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、3月にオンラインライブとして『REALIVE360 presents「高城れにの大感さ祭♡(だいかんさしゃい)」』をVR(バーチャル・リアリティ)で生配信。ステージに360度撮影できるカメラを設置し、視聴者は画面をドラッグ(スワイプ)して自由なアングルで視聴できるという最先端の試みとなった。6月にもオンラインライブ『CongratuRenichan〜The 02(レイニー) season 2020〜』を生配信。 翌年には2年ぶりの有観客ライブ『まるごとれにちゃん0202スプリングツアー2021』を、大阪府・フェスティバルホール、愛知県・名古屋センチュリーホールで開催した(東京公演は新型コロナウイルス感染症の再流行を受けて中止)。
2021年8月に、自身初となるソロアルバム『れにちゃんWORLD』を発売(発売日前日には、YouTubeにて24時間生配信企画を実施)。女性グループSPEEDのトリビュートアルバムには、歌唱アーティストとして抜擢された[24]。 グループ内では佐々木彩夏、玉井詩織と同じ神奈川県の出身であり、県の選定で東京オリンピックの聖火リレーのランナーに三人一組で選ばれた[2]。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて公道走行が中止となり、神奈川県最終日の点火セレモニーに参加した[25]。 プライベートでは野球に熱中するようになり、阪神タイガースのファンクラブにも入会[26]。これは、4球団競合の末に阪神へ入団した佐藤輝明が高城を「推し」と公言したことがきっかけである。その後もスポーツ紙の企画で応援メッセージボードを本人へプレゼントしたり、甲子園球場での始球式に登板するなど、佐藤ならびに阪神球団との交流を深めた。 この頃からゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』にも熱中し、ゴールデンタイムの番組ではキャラクターのコスプレを披露。同ゲームのテレビCMにもソロで起用された[27]。 2022年にはソロコンサート『まるごとれにちゃん2022 RENICHAN WORLD』を、大阪府・フェスティバルホール、愛知県・名古屋センチュリーホール、神奈川県民ホールで開催し、初となるアコースティックギターの弾き語りを披露した[28]。また、演歌歌手の徳永ゆうきと共に、阪神ファンの著名人が球団歌を熱唱する球場ビジョン演出「みんなで六甲おろし」に起用された[29]。テレビ番組『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』では採点機能付きカラオケに挑み、Kiroroの『Best Friend』で95点を獲得している[30]。 同年11月6日には、北海道日本ハムファイターズ所属の宇佐見真吾と結婚したことを、グループの公式YouTubeチャンネルにて生配信で発表した[31]。「大きな心だったり、居心地の良さにひかれてこの人ならずっと一緒にいたいな」と結婚を決断した経緯とともに、「まだまだモノノフさん(ももいろクローバーZのファン)とやっていきたいことがあるの」として、結婚後も、ももクロのメンバーとして活動することなどを語った[32]。以前からグループにはメンバーの恋愛を禁止するルールはなく、活動を続けながら恋愛や結婚・出産する構想が示されていたたため[33]、結婚の発表に対してもインターネット上ではファンからの祝福のコメントが相次いだ[34][35]。現役メンバーでは初の既婚者となり[注釈 3]、「アイドルの型をぶち破ってきたももクロらしい挑戦」と報じるメディアもあった[36]。 「ももクロ」結成15周年〜2023年には、自身のソロコンサートを過去最大規模となるぴあアリーナMMにて開催[37]。また、初となるソロ写真集を発売した[38][39]。 同年12月14日に宇佐見真吾との離婚を公式サイトと公式Instagramで発表、結婚から13カ月での離婚となった[40][41]。 2024年2〜3月には、初の単独舞台出演にして座長を務める作品が、全国6都市で計29公演上演される[42]。 ソロコンサート・イベント※太字のものはBlu-ray/DVDとして映像作品化されている
セットリスト
セットリスト(3月8日)
セットリスト
セットリスト(3月10日)
ソロ出演→他のメンバーを伴うものについては「ももいろクローバーZ § 出演」を参照
ラジオ
テレビナレーション
ドラマ
音楽
旅・地域密着
バラエティ
CM
映画
舞台イベント
その他
作品アルバム
デジタルシングル
その他のソロ曲
参加曲
ユニット曲
Blu-ray/DVD→概要やセットリストについては「§ ソロコンサート・イベント」を参照
書籍→ももいろクローバーZの書籍については「ももいろクローバーZ § 書籍」を参照
写真集
関連項目
脚注注釈
出典
参考文献
外部リンク
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