近鉄9020系電車
近鉄9020系電車(きんてつ9020けいでんしゃ)は、近畿日本鉄道(近鉄)の保有する一般車両(通勤形電車)である「シリーズ21」の1系列。 9020系
2000年に登場した2両編成の「シリーズ21」である[1][2][3][4][5]。奈良線用は2000年から2008年にかけて[1][5]、大阪線用は2003年に製造されている[6][5]。電算記号は奈良線用はEE[7]、大阪線用はEW[7]。 主要機器主電動機はかご形三相誘導電動機の三菱電機製 MB-5085-A (185 kW×4) を採用[1]。歯車比は6.31に設定された。制御装置は1C4M制御のIGBT素子(3300 V/1200 A)によるVVVFインバータ制御装置を採用しているが、「シリーズ21」では同一系列内に三菱電機製と日立製作所製が混在しており[3]、本系列では9021F - 9026F・9028F - 9034Fが三菱電機製、9027F・9035F - 9039F・9051Fが日立製作所製を搭載している。 集電装置はMc車2基搭載で、2018年4月時点で全編成がシングルアーム式を搭載している[8]。新造時の9023F・9024F・9026F - 9039F・9051Fは下枠交差式を搭載していた[9][10]。 台車は全軸片押し踏面制動方式の積層ゴムブッシュ式ボルスタレス台車であるKD-311系を装着する[1][3][4]。併結車両は特に限定されておらず[2]、性能面では営業最高速度110 km/hを確保している[5]。 改造奈良線所属車は2006年から順次阪神電気鉄道直通運転対応工事を行っており[1]、阪神用の列車選別装置とATSと電鈴が取り付けられている[2][3][4]。 配置と運用線区奈良線所属車
2018年4月1日現在、東花園検車区に19編成38両が配置されている[8]。 本系列単独ないし他形式併結による4両 - 10両編成で運用されるが[1][4]、6両固定編成車と併結した8両編成以上で阪神電鉄線直通列車に充当される際は原則として奈良方に増結される[2]。
大阪線所属車
2018年4月1日現在、高安検車区に1編成2両が配置されており[8]、原則他形式と併結して運用される[6][4]。
9820系
2001年に登場した6両編成の「シリーズ21」で、9020系の6両編成仕様または5820系のロングシート仕様である[1][2][3][4][5]。電算記号はEH [11]。 主要機器・性能性能面や主要機器は9020系に準拠する[2][4]。本系列では9821F・9823F・9825F - 9828Fは三菱電機製、9822F・9824F・9829F・9830Fは日立製作所製の制御装置を搭載する。 パンタグラフは5820系と同様のM車1基搭載による1編成3基搭載とされ、2023年9月時点では9830Fが下枠交差式を搭載している以外は、全てシングルアーム式を搭載している[8]。 増備車増備途中から設計変更が行われ、9823F以降はク9320形にも貫通扉に幌枠および桟板が設けられた(阪神直通運転対応工事と同時に9821F、9822Fにも設置[2])。 改造2007年までに9020系と同内容の阪神電鉄線直通運転対応工事が行われた[2][3][4]。 アートライナー9828F:大阪・関西万博ラッピングトレイン(2023年11月30日〜2025年10月13日までの予定)[12] 配置と運用線区
2018年4月1日現在、西大寺検車区に10編成60両が配置されている[8]。 5800系および5820系、1026系 1026F - 1029Fと共通運用で、奈良線、阪神電鉄阪神本線直通列車、京都線、橿原線、天理線で運用されている。
6820系
2002年に登場した、南大阪・吉野線用の2両編成による「シリーズ21」である[13][2][3][4][5]。電算記号は AY [14]。最後まで残っていた6000系6009Fを置き換えるために登場した。 主要機器制御装置は日立製作所製を採用しているが[13][3]、主回路は標準軌線車両の1C4M制御に対し本型式では16400系と同様の1C2M制御に変更されて二重系となっており、単独編成での運用を考慮したものとなっている[3][4]。 南大阪線系統の一般車両の最高速度が100km/hとされているため、モータ出力は160 kWである(標準軌線用「シリーズ21」は185 kW)[13][3]。シングルアーム式パンタグラフが採用されている[3][4][8]。 配置と運用線区
2018年4月1日現在、古市検車区に2編成4両が配置されている[8]。南大阪線系統全域で運用されるが、ワンマン運転には対応していないため道明寺線では運用されない[3]。
その他2008年までに3形式合計で104両が製造されたが[2][10]、大部分の98両は奈良線に投入されており[* 1]、大阪線には9020系2両編成1本[2][* 2]、南大阪線には6820系2両編成2本の投入に留まっている[2]。当初の計画では、9020系や9820系の大阪線および名古屋線新造投入も予定されており、9200系のサ9350形をサ9310形に改番したり[* 3]、大阪線系統での長距離試運転を行うなど[2]、両線に導入する準備が進められていた。 参考文献
脚注
関連項目外部リンク
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