満濃池

満濃池


満濃池 地図

満濃池の位置(香川県内)
満濃池
満濃池
満濃池の位置(香川県)
所在地 日本の旗 日本
香川県
位置 北緯34度09分47秒 東経133度52分20秒 / 北緯34.16306度 東経133.87222度 / 34.16306; 133.87222座標: 北緯34度09分47秒 東経133度52分20秒 / 北緯34.16306度 東経133.87222度 / 34.16306; 133.87222
面積 1.421 km2
周囲長 19.7 km
最大水深 30.14 m
貯水量 0.0154 km3
成因 灌漑用人造湖
淡水・汽水 淡水
プロジェクト 地形
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満濃池(まんのういけ)は、香川県仲多度郡まんのう町にある日本最大灌漑用のため池である。国の名勝に指定されている。

空海が改修したことでも知られ、周囲約20km、貯水量1,540万tである。また満濃太郎とも呼ばれる。

歴史

データ

堤体下(ほたる見公園)
満濃池の空中写真。2009年5月9日撮影。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
満濃池パノラマ写真

現在のデータ

  • 形式:土堰堤 拱型[24](アーチ型)[25]
  • 堤高:32.0m[26]
  • 堤長:155.8m[26]
  • 周囲:19.7km
  • 貯水量:15,400,000m3[26]
  • 満水面積:138.5ha[26]
  • 池敷面積:142.1ha
  • 灌漑面積:3,239ha
  • 水源:金倉川、土器川(天川導水路)
  • 備考:樋門は登録有形文化財

弘仁12年復旧時のデータ

  • 堤高:22m[27]
  • 周囲:2里25町(約10.58km)
  • 面積:81町歩(約81ha)
  • 貯水量:5,000,000m3以上[27]
  • 水源:金倉川

寛永8年復旧時のデータ

各嵩上工事時のデータ

  • 第1次嵩上工事:貯水量:6,602,000m3[8]
  • 第2次嵩上工事:貯水量:7,800,000m3[10]
  • 第3次嵩上工事:貯水量:15,400,000m3[29]

交通

鉄道
土讃線琴平駅または琴電琴平線琴電琴平駅よりタクシーにて約15分
バス
JR琴平駅前、琴電琴平駅前より美合線(美合、美霞洞温泉、落合、川奥行き)「まんのう公園口」下車 徒歩約15分
高松自動車道善通寺ICより国道319号を琴平方面へ榎井交差点を左折、香川県道282号高松琴平線経由四条交差点右折、香川県道200号まんのう善通寺線で約4キロ

行事

  • ゆる抜き
毎年6月中旬から毎秒4立方メートルの農業用水が放水され、讃岐平野田植えが一斉に始まる[30]

池の名称

  • 当初は、神野郷にあることより神野池と呼ばれていたが、平安時代初期、嵯峨天皇の即位により天皇の(神野親王)と同じであったため真野池と改められた[31]、その後、万農池[32]や萬農池[33]と呼ばれたが、明治になり満濃池[34]となった。

池と環境

生物

  • 満濃池周辺は、アカマツ林とクヌギとコナラ等の落葉広葉樹林が広がり、オオタカハイタカなど鳥類32科75種、ニホンリス、キュウシュウムササビなど6科12種の野生動物の生息が確認されている。これらの生息が重要であることから、香川県より鳥獣保護区に指定されている(面積321ha)[35]
  • 満濃池の魚類に関しては、香川県水産試験場においてブルーギルの調査が関係者(池免許権者、池土地改良区事務所など)の協力のもと1983年7月から1984年12月に実施されている。なお、ブルーギルは、香川県には、1968年に食用魚として移殖が行われている[36]

伝説

  • 今昔物語集』巻二〇之第十一「龍王、天狗のために取られたる物語り」
  • 上記の通り、空海が築池別当として派遣され改修を行ったため、これが曲解され「空海が拓いた池」ないしは「空海が渇水にあえぐ民のため、地に釈杖をついて湧き出させた水が池となった」などの伝説(弘法水伝承)を残す。香川県下における空海伝説の代表的な存在の一つでもある。
    • 上記2つの伝説が結びつき「悪しき天狗に力を奪われた龍を空海が助け、その恩の(ないしは水を操り渇水を呼んで、人々を苦しめた悪しき龍を空海が法力で調伏した)ために、龍が空海のしもべとなって池と人々を守っている」などの亜種類型の伝説を見ることもできる。

ギャラリー

周辺

池の畔にあり、空海が朝廷より与えられた行賞で創建された。
満濃池の守護神を祭る(祭神:罔象女命天穗日命別雷命嵯峨天皇 )。

脚注

  1. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、14頁
  2. ^ a b c d 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、496頁
  3. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、20頁
  4. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、25頁
  5. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、76頁
  6. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、78頁
  7. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、137頁
  8. ^ a b 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、138頁
  9. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、139頁
  10. ^ a b 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、166頁
  11. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、167頁
  12. ^ 新修丸亀市史 1973, p. 794.
  13. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、183頁
  14. ^ 新修丸亀市史 1973, p. 796.
  15. ^ a b 新修丸亀市史 1973, p. 797.
  16. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、211頁
  17. ^ 国指定文化財等データベース”. 文化庁. 2015年9月26日閲覧。
  18. ^ ため池百選一覧”. 農林水産省. 2015年9月26日閲覧。
  19. ^ ブラックバス釣り大会”. 毎日新聞. 2016年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月7日閲覧。
  20. ^ モンスターバスハンター(バス釣り大会)の内容について”. まんのう元気プロジェクト 香川県まんのう町. 2016年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月7日閲覧。
  21. ^ 世界かんがい施設遺産の登録について”. 農林水産省. 2016年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月10日閲覧。
  22. ^ 令和元年10月16日文部科学省告示第78号。
  23. ^ 史跡等の指定等について(文化庁報道発表、2019年6月21日)。
  24. ^ https://www.pref.kagawa.lg.jp/tochikai/about_tameike/introduction/mannouike.html
  25. ^ https://www.pref.kagawa.lg.jp/tochikai/about_tameike/repair/kukai.html
  26. ^ a b c d 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、満濃池仕様
  27. ^ a b 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、37頁
  28. ^ a b c 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、78頁
  29. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、208頁
  30. ^ その様子をドキュメントとして収めた映像作品としては、昭和47年NHKで放送された新日本紀行『満濃太郎~香川県讃岐平野~』が存在している。近年「よみがえる新日本紀行」として同番組をデジタル処理したものもNHKにて放送された。
  31. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、17頁
  32. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、113頁
  33. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、120頁
  34. ^ 満濃池史、満濃池土地改良区2001年9月発行、131頁
  35. ^ 香川県指定 満濃池鳥獣保護区 平成22年10月14日”. 香川県. 2015年9月26日閲覧。
  36. ^ 香川県の湖沼におけるブルーギルの生態”. 香川県. 2016年10月10日閲覧。

参考文献

  • 新修丸亀市史編集委員会『新修丸亀市史』丸亀市、1973年。 

関連項目

外部リンク