松戸競輪場
松戸競輪場(まつどけいりんじょう)は、千葉県松戸市にある競輪場。主催は松戸市。競技実施はJKA東日本地区本部南関東支部。施設所有および業務包括委託は松戸公産株式会社。実況は東京電設工業で担当は藤崎俊明[注 1]。以前は、相良徹および鈴木丈之も担当していた。 概要記念競輪 (GIII) は毎年8月中旬に『燦燦ダイヤモンド 滝澤正光杯』(2020年までは燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦)の名称で開催されるのが通例となっている。なお2010年度は時期移動で2011年1月、2011年度は7月に開催され、2014年と2022年は12月、2017年は9月末から10月に開催された。また、2018年から2020年までは千葉競輪場の改修に伴い、松戸競輪場で千葉競輪の記念競輪が開催された[2]。また現役時代は日本選手権競輪完全優勝をはじめフラワーラインの一角であった吉井秀仁を称え『吉井秀仁杯フラワーラインカップ』が開催されている。 特別競輪は直近の2019年5月を含めて過去5回日本選手権競輪が、2007年7月と2014年8月と2018年7月と2024年7月にサマーナイトフェスティバルが 、2011年5月には最後のSSシリーズ風光るが、2015年9月と2016年8月にはオールスター競輪が、2023年10月には新設された第1回のオールガールズクラシックがナイター開催として開催された[3]。 2002年7月30日からはナイター競走『ファンタジーナイトレース』を実施している。なお、2004年7月からA級ツイントーナメントで前半は「マーサステージ」、後半は「タミンゴステージ」(ナイター競走時には前半が「トワイライトステージ」後半が「イブニングステージ」)の名称で行われていたが、2005年6月10日を以て終了した。 地理的に東京都心から約30分程度に位置し[4]、乗換無しでアクセス出来る利便性の良さや、施設およびバンク等の設備は数ある競輪場の中でもトップクラスと評価が高い事から、川崎競輪場に次ぐ程の集客能力を誇る。 マスコットキャラクターは七福神の弁財天をモチーフとした『マッピー』(頭部は松戸原産の二十世紀梨[5][6]、地球から333光年先にある「パインズ・ドア星雲」のスパハピ星を統一する王家の長女[7][8])。 まだガールズケイリンが開始される前の2007年頃から[9]、「LOVE9」というユニットによる模擬レースを、メンバー変更しつつ実施していた。 2010年の第63回日本選手権競輪開催を機に、場内スタッフのユニフォームが一新された(デザインはCFD:東京ファッションデザイナー協議会が協力)[10]。 2009年4月13日の開催からは重勝式投票「チャリロト」の発売を行っており、2011年12月からは現地での会員登録により現金扱いが行なえるようになる。なお東日本大震災で被災した取手競輪場の開催分を、8月と9月に当場で代替開催し、9月には記念競輪が開催されたが、この代替開催の重勝式は取手のKドリームスとしての扱いとなった。 2019年1月9日よりミッドナイト競輪が[11]、2021年12月3日よりモーニング競輪が開始された。 本場の締め切り前BGMは、5分前にベルリンの『愛は吐息のように』(映画「トップガン」挿入歌)、3分前にリチャード・クレイダーマンの『愛のオルゴール』が流れる。 バンク特徴一周333mで、通称「燦燦バンク(サンサンバンク)」と呼ばれる小振りなバンク。全国の中でも直線が有数の短さで、カントが333mで最も浅いこともあり、逃げ有利なレースになりやすい。捲りを決めるならば残り一周から駆け出し、2コーナーからバックまでに前団を飲み込むとすんなり決まる。1着の決まり手は逃げ及び捲りで60%、2着はマークで50%に達し、ラインが上位独占する事が多い。この為、筋違いは好配当が期待出来る。後手を踏むと最後、本命を背負った選手が何も出来ずに着外に沈む事もある。 競りはルール上からも、カントの浅さからもインが有利。激しい競りが繰り広げられ、落車や失格も他の競輪場に比べれば多い。 バンク上の選手に対する風の影響は、バンク全体が観客スタンドに囲まれてはいるものの、屋外の333mバンクで唯一全周外側がポリカーボネート(透明板)と建物で塞がれており、走路に入り込んだ風の逃げ道がないため、風向きによってはバンク内で風が渦巻くことがあり「常に向かい風が吹いている」と語る選手は多い。このような理由から選手にとってスピードの出しにくい「重いバンク」と言え、風よけになる先頭誘導員などの役割は非常に大きい。 スタンド松戸競輪場にはメイン(第一)、第三、バック、第六の各スタンドがある。欠番の第二スタンドは現在のメインスタンド建設に伴い撤去され、メインに統合された。ゴール前にメインスタンドがあり、数字順に反時計回り=選手の走行方向にバンクを囲むようにスタンドがある。なお場内は一周できるが、360度全方向からのレース観戦は有料スタンドからでしか行えない位置もある。 なお、下記の文章中の値段には入場料100円を含んでいる(ただし一般席は無料)。 メインスタンド4コーナー - ゴール - 1コーナーに設置。観客席だけでなく審判席や実況席も設けられている。
第三スタンド1センターに設置。全席有料席で場外発売時でも利用出来る。ただし、後述のサービスは提供されない。
現在は全て閉鎖している。 バックスタンドバックストレッチに設置、全席一般席。3Fは第三スタンドの特別観覧席が設置されるまで特別観覧席とされた(当時600円)。その名残として直接3Fへ繋がるエスカレーターが現存していたが、近年の入場者減少をうけて3Fそのものを閉鎖しエスカレーターは運休した(ただし、2010年3月の第63回日本選手権競輪開催期間中は臨時に開放された)。 2016年5月以降は、原則全て閉鎖している(ただし、同年8月の第59回オールスター競輪開催期間中は臨時に開放されている)。 第六スタンド2センターに設置、全席一般席。スタンド内上部に順位・払戻表示板および大型映像機(共に当場のトータリゼータシステムを担当する富士通フロンテック製)がある。当地開催の「第54回日本選手権競輪」より、場外発売への対応から設置された(平成13年2月15日稼働)。画面サイズは463インチ[12]。 2019年5月の第73回日本選手権競輪が終了した後は、全て閉鎖している(その前から、スタンド上部は閉鎖されていた)。なお、2024年7月の第20回サマーナイトフェスティバルの開催期間中は臨時に開放されている)。 この他、メインスタンド裏には発払い自動券売機が設置された冷暖房完備の休憩所や、選手会千葉支部のガイダンスコーナーも設けられている。 アクセスTVCM関東地方の競輪場には珍しい独自のCMがあり、同市に住む斎藤洋介が出演した。 撮影場所はJR松戸駅西口のアーケード。自転車に乗り出前中のそば屋の主人に扮した斉藤が前をダラダラと自転車を漕ぐ若者に対し「道を空けなさい」と注意するシーンで、打鐘全力走行の選手の映像に変わり涙ぐむ斉藤がアップで映り「これが自転車だ!」と台詞を言う(その時画面には「松戸競輪明日から開催」等と字幕スーパーとアナウンスが流れる)。現在はあまり放送されていないが、チバテレビやテレビ東京、日本テレビで流れていた。 その他建物が大きく清潔であることから競輪のCMの撮影にも良く利用されており、入り口の壁にその撮影風景の写真が掲出されている。 CMソングレコード化はされなかったが、曲が完成した当時、関係者向けに宣伝用ソノシートが配布された。また、松戸競輪場の公式youtubeにはこの曲の動画がアップロードされている[13]。
他場との関係同じ千葉県にある千葉競輪場と近隣の取手競輪場との間では入場者の奪い合いにならない様に開催日を調整しており、以前は台風等で開催が順延する以外は松戸競輪場と2場が一緒に本場開催される事は無かった(現在は、一緒に開催される場合もある)。 これを利用して従業員の共有を行っており、松戸競輪場に勤めると自動的に取手、千葉のどちらかでも働く事ができ、ビッグレース開催時には千葉競輪場から応援を呼べる為、開催側従業員側双方にメリットがある。 場外車券売場歴代記念競輪優勝者
騒擾・暴動1959年 松戸事件1959年6月23日、第5レースの着順判定を巡って「八百長騒動」が発生した。 観客による施設破壊などの事態を招いたばかりか、自転車協議会幹部個人の資格で[16]一部の観客に対し「車代」と称して1人あたり1000円を渡していたことが発覚した騒擾(暴動)事件である、『松戸事件』が発生した[17]。 この事件後、下記の通り影響が出た。
1979年の暴動1979年6月11日、第9レースで1位入線の選手が失格したことから、着順判定をめぐり場内に居た約18000人の観客が騒ぎ出した。このうち約500人が暴徒化、投石を繰り返すとともに施設などに放火して8人が逮捕。テレビ朝日のカメラマンがたまたま現地を取材をしていた[18]。 脚注注釈出典
外部リンク
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